料理が下手だから婚約破棄ですか…。じゃあ、慰謝料で美味しい物でも食べに行こうと思ったら…そうなっちゃいますか(笑)

西東友一

文字の大きさ
9 / 17

9

しおりを挟む
「うーん、これかな」

 私は部屋をいくつかの洋服を広げて二つの洋服を自分の身体に当てて鏡で今日の天気と気分、そして、ミナトさんに会うのに似合う服を選んで…

「って、そんな…何考えてんだか私…」

 頬を赤らめている自分を見て、ちょっと恥ずかしくなる。
 自分の胸にハートがあったとしたら、かなりズタボロだ。
 でも、さっきのミナトさんの優しい対応、というかかなり優遇してくれた?おかげで、傷口がキラキラして少し修復されている気分だ。

「カケルの婚約者って意味だったら…どうしよ…っ」

 髪を整えつつ、不安がよぎる。
 すると、ハートの修復は止まり、ヒビが広がろうとする。

「うん、切り替え、切り替え」

 暗いことを考えても仕方がない。
 ちょっと背伸びをして、大人っぽく黒い服を選ぼうかとしてしまったけれど、白い服を選ぼうと決めた。清廉潔白、料理が飛ばないように気を付けなければいけないけれど、リスタートには白がいい。

「ふふっ。久しぶりだなぁ。オシャレをするのも」

 カケルはお金がそんなにないのもあったけれど、デートを連れて行ってくれなかった。結婚式場へ見学なんて話をしても、何かと理由を付けて行ってくれなかった。まぁ、嫌だったのかもしれない。

「あぁ、すぐに下を向くの、良くない。前を向いて行こっ」

 今日はお金を使って、リフレッシュをするんだ。
 元気のない私の顔に笑顔を向けると、鏡の向こうの私が元気のない私に元気を出してって笑いかけてくれる。

「よし、楽しもう」

 私は家を出た。
 夕日の太陽は力が弱まって、ちょっと優しくて、かなり寂しかった。

「あっ」

 私は夕空を見ていると気がめいってしまうかもと思ったので、視線を下げようとする直前に太陽の代わりにとても輝く星が見えた。とても小さな星。でも、とても綺麗な輝きだった。

 ある時は、愛と美の女神。
 ある時は、虚ろなる王子。

 どちらにしても、神から落とされた存在。
 
 フラれた今の方が幸せだということは揺るがない。
 けれど、やはり見捨てられることは辛い。
 辛い、辛い。

 数日とは言え、昼も夜も曇っており、夜空は電気のスイッチを切ったように真っ暗だった。
 頑張ろうと何度も立ち上がろうとしたけれど、四方八方五里霧中。
 私の立ち上がろうとする光は神様がまったく手助けしてくれない無限の闇の中では一瞬でかき消されてしまった。
 
 止まない雨はない。
 曇り空も同じで、今日にようやく雲は無くなって、晴れ空を見せた。
 情けないけれど、きっかけは自力じゃなくて、天だった。

 金星。
 
 あの星もそうだったのだろうか。
 今はあんなにも綺麗に輝いている。

 だから、きっかけをもらったのであれば、これからは再び暗闇が始まろうと私も輝こう。

 ぐぅ~~~~っ

「……っ」

 その前に、腹ごしらえだ。
 甘美なる料理が自分で頑張る元気をくれるはずだからだ。
 
 
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

俺様上司に今宵も激しく求められる。

美凪ましろ
恋愛
 鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。  蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。  ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。 「おまえの顔、えっろい」  神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。  ――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。 **2026.01.02start~2026.01.17end**

距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる

歩く魚
恋愛
 かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。  だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。  それは気にしてない。俺は深入りする気はない。  人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。  だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。  ――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。

黒瀬部長は部下を溺愛したい

桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。 人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど! 好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。 部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。 スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。

「君はいらない」と捨てられた夜、天敵の冷徹社長に「なら、俺が貰う」と拾われました。――手を出さない約束でしたが、彼の理性が限界のようです

ひふみ黒
恋愛
【婚約破棄から始まる、不器用なライオン(冷徹社長)の猛烈な求愛!】 「俺の妻になるなら覚悟しろ。……もう、指一本逃がすつもりはない」 ★あらすじ★ 「美月は完璧すぎて、可愛げがないんだよ」 28歳の誕生日。 一流ホテルのウエディングプランナーである相沢美月(あいざわ みつき)は、婚約者の裏切りにより、結婚目前ですべてを失った。 雨の降る路地裏。 ヒールも折れ、心も折れてうずくまっていた美月の前に現れたのは、かつての高校時代の天敵であり、現在は勤務先の冷徹な社長 一条蓮(いちじょう れん)だった。 「捨て猫以下だな」 そう憎まれ口を叩きながらも、彼は泥だらけの美月を躊躇なく抱き上げ、最高級ペントハウスへと連れ帰る。 そして、彼が突きつけたのは、あまりにも強引な提案だった。 「住む場所がないなら、俺の家に来い。その代わり――俺の『婚約者』役を演じろ」 利害の一致した契約関係。 条件は「お互いに干渉しないこと」、そして「決して手を出さないこと」。 ……のはずだったのに。 「髪、濡れたままだと風邪を引く」 「あんな男のために泣くな。顔が台無しだ」 同居生活で見えてきたのは、冷徹な仮面の下に隠された、不器用すぎるほどの優しさと独占欲。 美月が作った手料理を誰よりも美味しそうに食べ、元婚約者が復縁を迫ってくれば「俺の女に触れるな」と徹底的に排除する。 天敵だったはずの彼に守られ、凍っていた美月の心は次第に溶かされていく。 しかし、ある雷雨の夜。 美月が不用意に彼に触れた瞬間、一条の理性のタガが外れてしまい――。 「……手を出さない約束? 撤回だ」 「そんな無防備な顔で見つめて、何もしないでいられるほど、俺は聖人君子じゃない」 10年越しの片思いをこじらせたハイスペック社長 × 仕事熱心で恋愛に臆病なプランナー。 契約から始まった二人の関係が、本物の愛(溺愛)に変わるまで。 元婚約者への痛快な「ざまぁ」も収録した、極上の大人のシンデレラストーリー! 【登場人物】 ◆相沢 美月(28) ホテルの敏腕ウエディングプランナー。真面目でお人好しな性格が災いし、「つまらない女」と婚約破棄される。実は家事万能で、酔うと少しだけ甘えん坊になる(本人は無自覚)。 ◆一条 蓮(28) ホテルグループの社長。美貌と才覚を併せ持つが、他人に興味を示さないため「氷の貴公子」と呼ばれる。実は高校時代から美月を一途に想い続けており、彼女のこととなると冷静さを失う。

エモパレ ―感情が見えるぽっちゃりな私が、オジさま副局長を無自覚なまま搦め捕るまで―

久乃亜
恋愛
前世の記憶を持つぽっちゃり看板娘ハルネは、 人の「感情の色」が視える魔眼『エモパレ』と、持ち前の経営手腕で、実家の香房を切り盛りしていた。 そんなある日、とある事件から、 オジさま――第二調査局副局長、通称「鬼のヴァルグレイ」に命を救われ、 ハルネの理想のオジさま像に、一瞬で恋に落ちる。 けれど、彼がハルネに告げたのは、愛の言葉ではなく ――理不尽な『営業停止』の通告だった!? 納得いかないハルネは、自らの足と異能で犯人を追い詰めることを決意する。 冷徹で無表情な彼だが、なぜかハルネに同行し、過保護なまでに手伝ってくれて……? 「人生2週目」のポジティブぽっちゃり娘と、不器用な冷徹最強騎士が織りなす、 お仕事×捜査×じれじれの初恋溺愛ファンタジー! ※ 第1部(1~3章)完結済み。 毎日投稿中

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

処理中です...