【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一

文字の大きさ
1 / 5

1

しおりを挟む
「はぁ・・・」

 お父様が頭を抱えている。

「大丈夫ですか、お父様?」

 私がお父様に近寄ろうとするとギロっと睨んでくる。

「エカチュリーナよ・・・。お前に王子を落とすほどの気品の高さと、色気がないことは察しておった・・・。だがな、エカチュリーナ。よりにもよって、そんな薄汚いどこの骨ともわからないゴミを拾ってきて、そいつと結婚するだと・・・?」

「あぁ、ごめんなさいお父様。私も彼をお風呂に入れて正装させてからお父様にお会いしようとしてたの。そしたら・・・」

「いいかげんにしろっ!!!」

 お父様が大声を出して私は耳を塞ぐ。

「そんな小汚い男が我が家の風呂を使うだと・・・?恥を知れっ、馬鹿者がっ!!いいか?妹のリーウェンが王子の心を射止めて来たからお前にかまけている暇が無かっただけで、ちゃんとお前にも縁談を用意する予定だったんだ」

(かまけている暇ねぇ・・・)

 私は生まれてこの方、お父様にかまってもらった記憶がほぼない。
 毎日に毎日、貴族同士の付き合いが大事だと飲み歩いたり、見栄をはったパーティーをしていたお父様。
 お爺様が築いた財産をほとんど散財した結果、私たちを利用しようと決めたくせによく言うなと、私は呆れてしまった。

「まったく・・・リーウェンに感謝しろ。そうだ、無能なお前はヴァルド公爵に嫁がせる。なーに、安心しろ、ヴァルド公爵とは仲がいい。ちゃんと愛人ではなく、正妻として迎えるようにお願いしてやる」


 仲がいいなんて嘘。
 ヴァルド公爵と言えば、お父様が多額の借金をしている相手。
 財産は腐るほど持っているが、自身の美にお金をつかうことなく、脂肪をたらふく蓄え、脂汗をいつも流しているし、年齢も確かお父様よりも上だったはずだ。そして、その見てくれから、いくらお金を持っていようとほとんどの女性が相手にしない男性だ。そんなところにお嫁に行くなんて溜まったもんじゃない。

「ふっ」

 私は鼻で笑った妹のリーウェンを冷めた目で見る。
 彼女は勝ち誇った顔をしながら、私から目線を逸らす。
 まったく。
 かわいらしい顔をしているかもしれないけれど、性格の悪さがにじみ出ている。そんな憎たらしい笑いばかりしていたら、顔の筋肉がその顔でしか笑えなくなるに違いない。

「なんだ、リーウェンに嫉妬か?姉としての自覚がないのか、お前には・・・っ」

 私がリーウェンを睨んでいると、お父様が注意してくる。

(あっ、お父様が見てないからって、リーウェンめ。また憎たらしい顔をして、私を見てるしっ)
 
 まぁ、そんなことはどうでもいい。リーウェンが何をしようと、誰と結婚しようと私には関係ない。

(だって・・・リーウェンは・・・。いやいや、そんなことより、私の結婚先だ)

「あの、私、ヴァルド公爵のところなんて絶対に嫌ですし、彼は・・・」

「まだ言うかっ!!!この親不孝娘!!いったい何様だと思っているんだっ!!?」

(えーっと、お父様は年配者として、そして親として感謝しているんですけど、金を稼ぐ道具としてしか見ていないお父様への敬意は、これ以上は無理・・・かな)

 私はお父様に呆れてしまい、ため息をついた。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

姑に嫁いびりされている姿を見た夫に、離縁を突きつけられました

碧井 汐桜香
ファンタジー
姑に嫁いびりされている姿を見た夫が、嬉しそうに便乗してきます。 学園進学と同時に婚約を公表し、卒業と同時に結婚したわたくしたち。 昔から憧れていた姑を「お義母様」と呼べる新生活に胸躍らせていると、いろいろと想定外ですわ。

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。

重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。 あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。 よくある聖女追放ものです。

姉が美人だから?

碧井 汐桜香
ファンタジー
姉は美しく優秀で王太子妃に内定した。 そんなシーファの元に、第二王子からの婚約の申し込みが届いて?

お前を愛することはないと言われたので、姑をハニトラに引っ掛けて婚家を内側から崩壊させます

碧井 汐桜香
ファンタジー
「お前を愛することはない」 そんな夫と 「そうよ! あなたなんか息子にふさわしくない!」 そんな義母のいる伯爵家に嫁いだケリナ。 嫁を大切にしない?ならば、内部から崩壊させて見せましょう

【完結】妹のせいで貧乏くじを引いてますが、幸せになります

恋愛
 妹が関わるとロクなことがないアリーシャ。そのため、学校生活も後ろ指をさされる生活。  せめて普通に許嫁と結婚を……と思っていたら、父の失態で祖父より年上の男爵と結婚させられることに。そして、許嫁はふわカワな妹を選ぶ始末。  普通に幸せになりたかっただけなのに、どうしてこんなことに……  唯一の味方は学友のシーナのみ。  アリーシャは幸せをつかめるのか。 ※小説家になろうにも投稿中

溺愛されている妹の高慢な態度を注意したら、冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになりました。

木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラナフィリアは、妹であるレフーナに辟易としていた。 両親に溺愛されて育ってきた彼女は、他者を見下すわがままな娘に育っており、その相手にラナフィリアは疲れ果てていたのだ。 ある時、レフーナは晩餐会にてとある令嬢のことを罵倒した。 そんな妹の高慢なる態度に限界を感じたラナフィリアは、レフーナを諫めることにした。 だが、レフーナはそれに激昂した。 彼女にとって、自分に従うだけだった姉からの反抗は許せないことだったのだ。 その結果、ラナフィリアは冷血と評判な辺境伯の元に嫁がされることになった。 姉が不幸になるように、レフーナが両親に提言したからである。 しかし、ラナフィリアが嫁ぐことになった辺境伯ガルラントは、噂とは異なる人物だった。 戦士であるため、敵に対して冷血ではあるが、それ以外の人物に対して紳士的で誠実な人物だったのだ。 こうして、レフーナの目論見は外れ、ラナフェリアは辺境で穏やかな生活を送るのだった。

王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?

木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。 これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。 しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。 それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。 事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。 妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。 故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。

守護神の加護がもらえなかったので追放されたけど、実は寵愛持ちでした。神様が付いて来たけど、私にはどうにも出来ません。どうか皆様お幸せに!

蒼衣翼
恋愛
千璃(センリ)は、古い巫女の家系の娘で、国の守護神と共に生きる運命を言い聞かされて育った。 しかし、本来なら加護を授かるはずの十四の誕生日に、千璃には加護の兆候が現れず、一族から追放されてしまう。 だがそれは、千璃が幼い頃、そうとは知らぬまま、神の寵愛を約束されていたからだった。 国から追放された千璃に、守護神フォスフォラスは求愛し、へスペラスと改名した後に、人化して共に旅立つことに。 一方、守護神の消えた故国は、全ての加護を失い。衰退の一途を辿ることになるのだった。 ※カクヨムさまにも投稿しています

処理中です...