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第3章 カルセランド基地奪還作戦

第9話 儚く消える命

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 開戦から2時間くらいだろうか、10万近くいた筈の兵隊も今や数千を残すばかりだ。

 それも仕方ない事だろう、魔族と人間の間には純然たる戦闘力の差があった。
 そしてここに集められた王国兵の大半はロクに戦闘訓練も受けていないような連中で、初めから弾除けの数合わせとして集められたような劣兵なのだから。
 正規兵であり厳しい訓練を受けた騎士でさえ3人がかりで一人の魔族と互角なのだから、ただの一般兵未満の人間には数秒間の肉盾になるしか出来ない、故に今はもう立っているのは殆どが騎士だけであり、一兵卒で立っているのは運良く砲撃の的にされず生きのびた者と守られた旗手くらいだった。
 戦局の不利を感じた者の中には逃げ出す者もいたが、しかし子供が旗手として前線に立っている姿を見て、我先にと逃げ出せる者は多くなかった。
 そしてその多くの兵士の命を省みない献身が無ければ、騎士たちも魔族の勢いに押されて城壁まで辿り着く事は出来なかっただろう。
 あまりにも残酷で安価な命の消耗、冷酷で無慈悲な勘定で計画デザインされた作戦、それを目の当たりにした者の価値観が無情に染まるのは当然の事だろう。
 城壁の攻略は竜騎兵の航空降下ありの多方面からの挟撃と言えど難航を極め、その殆どが返り討ちに合う被害を受けていたが、今では敵の城内の砲撃部隊を駆逐して、基地の表門は開かれ砲撃も止んでいた、おそらく中では基地内戦力の残党との殲滅戦が繰り広げられているのだろう。
 多くの損耗と引き替えに基地の奪還という任務自体は達せられつつあった。
 故に、犬死にならなかった事だけがこのいくさの唯一の救いだった、しかしこのいくさの決着はまだ付いていなかった。

 台地の中央にて、総司令であるジェリドンと一人の魔族が、開戦から今に至るまで一騎打ちを繰り広げていた。

 それは魔族の中の上位層であるシェーンとクローディアの戦いすら凌ぐような凄絶な戦いであり、それ故に他のものを寄せ付けず付け入る隙の無い他を圧倒するものだった。

 騎士の頂点に立つジェリドンは間違いなくこの王国で最強の男であり、そしてそのジェリドンが破られればそこから戦局がひっくり返る事だって有り得る話であるが故に、このいくさの勝敗はこの一騎打ちに委ねられていたのである。



 俺は旗手としての役目を全うしながら、周囲を見渡した。
 残っている旗の数は・・・10個程度か、当初100部隊、100旗あった事から考えれば既に壊滅状態と言えるが、特級騎士が護衛をしているおかげか子供が旗手をしている旗は多く生き残っていた。
 しかし生き残っている騎士たちも殆どが満身創痍だ、砲撃を食らえば人間だろうと魔族だろうと関係なく吹き飛ぶし、そうでなくても魔族の突撃は苛烈であり、特級騎士と言えども簡単に受け止められるものでは無いのだろう、負傷した部隊を元気な部隊が補いつつ物量でだましだまし持久戦を行う事でじわじわと制圧出来たのだ。

 人数差は100倍近くあったように見えたのにそれでも短期決着にならなかったのは、一重に魔族の底力がそれだけ圧倒的だったからだ。

 敵は全ての兵が死にものぐるいで戦っていた、数が少ないから、戦うのが好きだから、ここを死に場所と決めていたから、色んな理由があっただろうが、その玉砕覚悟の突撃は、同じく玉砕覚悟だった王国軍すらも腰が引ける程の迫力であり、その迫力に先頭で大将旗を持っている俺は開戦3分で小便を漏らしたが、ジェリドンの部隊は全員が騎士の精鋭だったおかげで旗手まで魔族が辿り着く事はなかった。
 無論、俺たちが無事でいられた事には、俺たちの分隊長としてオウカ軍曹が戦場を俯瞰し進軍、迂回、合流、陽動、回避などの適切な指示を出して護衛の騎士が戦いやすいように戦場を移動した事も大きいだろう。
 仮に旗を持ってその場に留まっていたならば、勢い盛んな敵の突撃を正面から受け止める事になり、ひとたまりもなかったのだから。
 何より敵の砲弾を食らえばそれで即死なのだが、それもオウカ軍曹が適切に指示を出して回避する事でなんとか被弾せずに済んだ。
 この戦の王国側の死因を分析するならば、半数は弓と砲弾による遠距離火力で一網打尽にされた者が多かった。
 しかし、歩兵は食費、育成費、調達などのコスト面で考えても、エリートである竜騎兵とは比較にならない程に安価だ、故に歩兵が何人死のうとも、竜騎兵を生きたまま城内に送り込めたなら戦果としては上々という事におそらくなるのだろう。
 価値の無い人間は使い捨てられる、それがこの場の現実。


 ───────どう考えても命が安すぎる、俺たち歩兵の命は砲弾一発とすら釣り合っていないのだから。
 戦場という舞台に於ける命の価値は残酷なまでに安価で、俺はその現実を身をもって知り、実感を得たのだ。

 勝てば何人死んでもいいという考え、それが戦争の常識であり、命もここではただの数字に過ぎないものなのだ。

 そこで俺は思い至った。

 ここは世界の縮図なのだ。

 俺は雑用をしていた1週間、他の少年兵や、炊事場で一緒になった兵士たちから色んな話を聞いた。

 何故徴兵されたのか、何で戦うのか、戦うのが怖くないのか。

 答えは十人十色で様々だった、一致する事の方が稀だろう、しかし今は一様に王国の為に従軍して、命を散らしているのだ。

 口減らしで徴兵された者、親の罪で村から追い出された者、徴兵された父や兄に会うために志願した者、魔族に復讐したいと志願した者、俺のように貧乏くじを押し付けられた者、本当に色々な理由でこの地獄に来ていた。

 例えばここにいるレオスは元下級貴族であり、没落した領主に主従関係を理由に財産を没収されて、それで食うに困って平民に金と引き換えに兄と二人で徴兵を代理で引き受けたらしい、年老いた家族の生活の為に自分の身を犠牲にしたのである、まだ10歳のガキの癖に。
 だからレオスがたとえどんなに分不相応でもここで何かを成し遂げたいと、手柄を上げて褒賞を貰いたいと思う事に対して俺は注意出来なかったし、俺より立派な息子過ぎて何も言えなかった。

 レオスの隣で同じく小便もらして震えてるだけのハヤテも、戦費の徴収で今日食うものにも困る寒村の出身で、集落から差別されて迫害される極貧一家だったから、口減らしと軍人年金目当てで自ら志願してここに来たと言っていた。
 ハヤテの村は凶作で、それで丁稚奉公や奴隷として売りに出される者も多く、親からの暴力で虐待死するものや、盗みを働いて村の掟で縛られたまま川に流される者が後を絶たないほど悲惨な状況だそうだ。
 そんな地獄のような村から来たのだから、もしかしたらハヤテにとっては、この地獄もまだマシと思っているのかもしれないし、そんなハヤテがここに来てから飯を食うだけで終始笑顔でいる事に、俺は悲惨な境遇を感じて同情せずにはいられなかった。

 レオスとハヤテだけでは無い、オウカ軍曹の部隊に集められた年端もいかないガキどもは皆、親を殺されたり、親に売られたり、乞食だったり奴隷だったりと悲惨な身の上でここに集められた子供達ばかりだった。

 しかもその殆どは当人はそれを不幸だと気づいていない状況だ。
 戦争に参加する事は名誉な事だと、魔族と戦うのは当然の事だと、当たり前のように洗脳されてここに来ているのだから。

 貧困であるが故に徴兵されて安値で命を買い叩かれる事に不満を抱かず、そして無知ゆえに魔族を憎み戦う理由をそこに求める。

 まるでそうであることをデザインされたように、王国が強いた不条理や理不尽のはけ口は全てここに繋がっていた。

 何もかもが理不尽で、この世界は不条理で、戦争とは残酷なものだと思い知らされた。



 戦う理由が、武器を持つ理由が、人を殺していい理由が────────多すぎる。



 ここが世界の縮図なのであれば、当然この世で最も不憫で不幸な人間がここに集結するのは当然だろう。

 この問題の根幹が貧困なのか、格差なのか、差別なのか、その答えは俺には分からないが、ただひとつ分かる事は、人間が魔族を殺す理由なんて憎悪による復讐で無くても達成されるし、そしてここにいる彼らの大半はここに来なくては明日を得られず生きられない命であるという事だ。

 嫌われ者の貴族が消滅し、圧政を敷く王国が崩壊した世界で、何故こうも人は魔族を憎み、そして人を使い捨てなくてはいけないのか、その答えはきっと、人間が繁栄し繁殖力に優れる生き物であるが故に、数が増えすぎたが為なのだろう。

 俺は一人っ子だから優遇されていた、しかしそれが10人兄弟の末っ子だったならば、他の兄弟から疎まれて当然であり困窮すれば切り捨てられるものだろう、俺はかつてライムを殺したからこそそれをよく知っている。
 家族というミクロなコミュニティで考えても同胞を取捨選択する理由があるのだから、国家単位で考えた時に多くの人間が切り捨てられる理由もまたあるという話だ。

 もし、その貧乏くじのしわ寄せを、敗戦国、差別された種族、少数民族などに押し付ける事が出来れば、少なくとも王国の民は皆が幸せに生きられるのだろう。

 それが王国という体制の生み出した秩序であり、騎士たちが守護し、尊重しているものの正体であり正義なのだと俺は思い至った。
 苛烈な圧政も、魔族に対する搾取も、王権を維持する為には必要な〝力〟であり、圧政により権力を集中させて常に多数派マジョリティで居続ける事で、不満に対する抑止力となれるのだから。
 つまり世界平和とはまやかしなのだ、他国から搾取をした分だけ自国が豊かになり、戦争をする事で自国の貧困や格差という問題を帳消しに出来る、これは遥か昔から変わらない単純にして残酷なシステムだった。

 だからこそ【聖女】という権力の裏側に存在する超常的な存在でなければ革命はなし得なかったし、聖女の説く愛と平和など、犠牲無しに秩序を維持出来ない王国からすれば空虚な絵空事であり受け入れられないものだったのかもしれない。

 王国が何を思って無条件降伏を選んだのか、その答えをもっとディメアから聞いておけば違う結論にも思い至れたのかもしれないし、知っておくべきだったとここで気づくが。

 だが俺は今ここで行われている戦争が、王国という体制が生み出した理不尽のしわよせ、その尻拭いに過ぎないものでしかないと、蓄積された怨念を清算する為のガス抜きなのだと、そこで結論を出し、この戦争が王国にとってはどうしようもない〝必要悪よていちょうわ〟なのだと、そこで理解したのだ。

 これは国民を守る為の崇高な防衛戦でも、勝たなくては国が滅ぶような最終決戦でもない、でもしなくては王国という秩序と平和が崩壊する、そういう風に世界のことわりが作られているから。
 その事を意識すればする程に、俺たちを守る為に血を流して必死に声を上げる騎士の姿も、王国万歳といいながら魔族に突撃し返り討ちに遭う兵士の姿も。
 全部が全部、誰かの操り人形で役割を演じてるだけの茶番に見えてしまう。

 この場には多くの人間が血を流し、志半ばで命を散らすという悲劇に満ち溢れているというのに。

 この最悪の地獄の最前線にいても俺は、この悲劇に対しての理不尽や同情は感じなかったし心は空虚だった、今すぐここを逃げ出して、後は勝手にしろと言いたくて仕方なかった。

 この命が著しい速度で消費される地獄を直視した人間が無情に染まるのは仕方ない事なのだろう。
 俺は人の死に対して、なんの感慨も感傷も持たなくなっていた。
 全てが、ただの数字のようだった。





 このいくさの趨勢を決めるジェリドンと銀の悪鬼の一騎打ち、その幕引きは思いがけない形で訪れた。
 基地の中から出てきた一人の魔族が、飛龍に乗って大声で叫ぶ、




「皆さん、聞いてください、魔王軍は降伏します、そしてこの基地はまもなく、人類絶滅装置カタストロフによって自爆します、全軍、撤退してください!!急いで!!」


「「「「───────な!!?」」」」


 その号令に王国兵、魔王軍、ともに動揺が走った。

 それは【大軍師】パリクレスの作戦だった、カタストロフでこの場にいる王国軍を全滅させてしまっては「魔王軍がカタストロフを使用した」という事実だけが残り、「追い詰められた基地司令が勝手に使用した」という建前が通らなくなる、故に、ここで魔王軍が降伏する事によっていくらかの生存者を残し、王国側にも真相を伝える者を残す必要があったのである。

「カタストロフ、禁忌の呪い、ここでそれを使うとは魔王とはどれだけ腐ってるんだ!!」

 平民の兵士たちは首を傾げていたが、王国の歴史を学んでいる騎士ならばカタストロフの事は歴史的惨劇として周知されていた。
 故に騎士たちは一同に怒りを露わにして魔王軍を罵った。
 前回のカタストロフが使用されたのは400年前、当時の王国、文明の尽くを破壊し、歴史の空白地帯を生み、200年後のアンデス王国建国までの戦乱の時代を生み出したのだから騎士たちが怒るのも当然だ。

 そしてそんな王国軍の罵声を浴びながらも、パリクレスは素知らぬ顔で告げる。

「さぁ早く、皆さま早くお逃げなさい、我々は降伏し、撤退します、王国の人達も急いで、さもなければ爆発に飲み込まれてしまいますよ」

 カタストロフによる被害は未知数だが、この基地から遥か彼方までを巻き込むのは確実だろう、だが飛竜に乗ってる騎兵ならば爆発を逃れ、安全地帯までたどり着ける、そして飛竜に乗って離脱しようとするもの同士を争わせる事で、このいくさを中断させようというパリクレスの目論見だった。
 だが敵兵の脅し文句に素直に従うほど、騎士たちは馬鹿では無い、全員浮き足立っていたが、ジェリドンが進軍か撤退かどちらかの指示を出すのを、騎士たちは行儀よく待っていた。
 撤退していく魔王軍を尻目に、そこに飛竜に乗った特級騎士の第2席、テンガ・テンジョウが基地からやって来てジェリドンに告げた。



「カタストロフ、その儀式は完成しておりました、敵軍司令レオンハルト以下数名が生贄となり、奴らは本気で発動させるつもりです、司令!!急いで撤退の指示を!!」

「───────そうか、ならば竜騎兵は少年兵を連れて速やかに撤退、残る者も全軍撤退せよ、私は【聖剣再現】を使用しカタストロフの阻止を試みる、全軍、撤退!!」

 ジェリドンの目的は魔族の殲滅ただ一つだったが、当の魔族が降伏しそして撤退していった為にそこからの判断は迅速だった。
 騎士達はジェリドンの指示に従い、子供を優先して飛竜に乗せて速やかに撤退していく。
 テンガはカタストロフの危険性を理解しているのか、真っ先に子供を三名両腕で抱えて口で手綱を握ると、速やかにこの場を離脱していく。
 それに習ってほかの騎士たちも急いで子供を乗せて離脱して行った。


「オイ、ボクはまだ遊び足りないぞ、撤退なんて知るかよォ!!」

「プルセウス、〝新時代〟は我らの時代です、今度は騎士では無く【勇者】とだって遊べる、なのにここで終わってもよいのですか」

「ホント?、ホントにボクの時代が来るの?、嘘だったら暴れるからな!!」

 プルセウス、銀の悪鬼と呼ばれた魔族もしぶしぶとパリクレスの駆る飛龍に飛び乗って離脱していく。


 俺も竜騎兵の騎士に騎乗するように促されて、飛竜に乗ろうと思ったが、そこで心の中の俺がそれでいいのかと囁いた。
 ・・・俺は【勇者】だ、だからここまで来たのなら【勇者】としてするべき事があるのでは無いかと、そういう感傷が囁くが、俺は俺の心の声に「寝言は寝て言え」と唾を吐いた。
 だが、ここで逃げ出す事は、なにか取り返しのつかない見落とし、失点になるのでは無いかと思い、漠然と逃げる事に対して不安で胸がざわつく、こういう悪い予感はよく当たるからやる気は無いのに悩みどころだった。

 そんな俺の葛藤を遮るようにそこで一人の男が暴れた。



「僕は行かないぞ、テツとレンの仇を取るんだ!!このまま逃げ帰ってたまるか!!、魔族の奴ら、絶対に許さねぇ!!僕はやれるんだ、だから残る!!」

 と、そこで血まみれの黒タスキ二つとどこかで拾った血まみれの剣を持ったベネットが自身も大怪我を負いながらも叫んでいた。
 テツとレンはベネットの班員であり、そして恐らく砲弾で撃破される所を俺は遠目でベネット班の隊旗が吹き飛ばされる様を見て確認していた。

 一刻を争う状態にも関わらず感情的に暴れるベネットの様子に騎士たちは手を焼いていたが、そこで俺は飛び立つ飛竜から跳び降りてベネットの元に行き言い放った。

「仇は俺が取る、お前は十分戦った、だから休め」

 そう言ってベネットから剣とタスキを取り上げた。
 気絶させれば楽なのかもしれないが、速度の出る飛竜に気絶させた人間を乗せて騎乗するのは大変だろうと思い、俺はベネットの重荷を取り上げる事で、ベネットを説得する事にしたのである。
 ベネットはこの一週間、同じ釜の飯を食って共に戦った仲間だ、だから見捨てられなかったのである。

 これは自己矛盾では無い、ただ、気持ちがあったのを、ベネットを理由にしてこじつけているだけだ。

「・・・本当に、やってくれるのか、テツとレンの仇をとってくれるのか・・・?」

「ああ、必ず俺が成し遂げる、ボロボロのお前より俺の方が沢山仇を取れるだろう、だから俺を信じて、俺の健闘を祈っててくれ」

「ライア・・・」

 俺が拳を突き出すと、ベネットは申し訳なさそうな顔で拳を付き合わせて、自身のタスキを渡し、そしてベネットを乗せた飛竜はここを離脱して行った。
 歩兵の騎士たちは既に徒歩で撤退し、俺の乗っていた飛竜も既に離脱していた。

 後に残ったのはジェリドンとジェリドンの手勢の騎士数名だけとなった。

 ジェリドンはベネットから託された血まみれの剣とタスキを持ってこの場に残った俺に問いかけた。

「・・・なぜ残ったのだ、ここから先は死地だ、若い君が来るような場所では無い、命を無駄にするな」

 確かに、軍人としても人間としても【勇者】としても、俺がここに残る道理など無かっただろう。
 王国と魔族が勝手に始めた戦争なのだ、その尻拭いなど誰がやってやるかとここに来た当初から今までずっと思ってきたし、ベネットの班員が死んだ事は悲しいが、仇を取ってやるほど仲が良かった訳でも無いし、そもそも俺は復讐はコスパが悪くて面倒だから仮に親や子供が殺されてもやらない主義だ。
 だから俺がここに残るに至った理由、それを説明する事は俺自身でも上手く説明出来るか怪しいものだった。
 だがここでジェリドンを納得させられる理由なら、一つだけあったのだ。



「──────────それは、俺がスザクを倒した男だからです」
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