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映画館で見たら120点、アマプラでみたら50点
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まず迫力がやばかった
出撃インパルス、覚醒シン・アスカ、ミーティア
これらのBGM流れた時は震えたし、種割れの新演出も最高
デスティニー、インジャ、ストフリの登場シーンも映えを意識して作られていたし
これは映画館で2000円払う価値はあるし、映画館ならリピートする価値はある
ガンプラ販促アニメとしては間違いなく120点の作品だと感じた
こっからネタバレ含む超辛口レビュー
先ずよかった点から羅列すると
・ほぼ全キャラ登場していた(カズイも登場)(アストレイ、スタゲ、エクリプスは無し)
・シンにもしっかり見せ場を作って、種死アンチもニッコリ
・戦闘シーンがCGで心配だったが、CGのおかげで大規模戦闘や高火力兵器の演出が低コストで作れていて逆によかった
・キララク、アスカガ、シンルナのカプ厨大満足の恋愛脚本
・ゲルググ、ギャン、ズゴックのマイナーチェンジ機体
・CE最強機体ストフリを更に強化
ダメな点
・敵がしょぼい(黒幕はデュランダルの一味みたいなもん、ラスボスはただのエリートコーディネーター)
・作品のテーマを「愛」で締めるのが、ただの二流のハッピーエンドで陳腐だった、「愛」がテーマなら、もっとその根拠を深堀りして欲しい
・20年待たされた結末が、エビデンスゼロワンとか関係なしの、ただのデスティニープランの焼き増し
・アスランが単独行動してる理由がピンチに救援に来る見せ場の為だけで、脚本の都合過ぎる
・カガリの声が違和感
以下改善案
・敵がしょぼい(黒幕はデュランダルの一味みたいなもん、ラスボスはただのエリートコーディネーター)
について
人の業から生まれた復讐鬼、ラウル・クルーゼ、人類の運命の調停者デュランダル、こいつらは、人の〝夢〟の象徴であるキラが戦うに相応しい格のある相手だった。
そして今回のラスボス、オルフェラムタオは、アコードと呼ばれるコーディネーターにとっての女王アリ的な上位種という設定だけは強キャラっぽい悪役だが。
しかし当初は「全ての人々が公平に評価される社会を作る」という、共産主義的な思想を語っていたのにも関わらず、終盤では「優れた上位種である自分が人類を支配するべき」という、シロッコと同じメリトクラシーを唱えているのが小物過ぎた。
別にシロッコの言う事が薄い訳では無いのだが、ただ、能力をデザイン出来る種の世界においては、自分より優秀な奴を作ったら自分が淘汰、処理されるのに、そんな世界肯定してどうするのか?、っていう話なのである、根本的に。
にも関わらず、自分が優秀に作られたから世界を支配するべきというのは、クルーゼと対比して考えてもあまりにも薄っぺらい動機だったし。
アコードがコーデよりも上位種なのは構わないとして、だったらアコードが人類を支配しようとする動機は何という話なのである。
優れているから支配するというのは、帝国主義の根本的原理であり幼稚なものだし。
人の業、「遺伝子に運命られた人であるが故の闘争」というラウと議長の動機と比べたらやはり格落ちするし、SEEDらしいラスボスでは無い。
00のリボンズが種のプロットからの輸入品なのは有名ではあるが、結局、オルフェはリボンズの焼き直しキャラでしかないし。
そして、50話かけて暗躍したリボンズと、たった120分の活躍しかないオルフェでは、やはりラスボスとしての格が違いすぎる。
そしてファウンデーションという敵国家の戦略も、色々とガバガバで、鬼滅の無惨並のガバガバ悪役だった点が否めない。
オーブにレクイエムを打たなかったのもガバだし、最強の催眠能力があるにも関わらずキラにしか使わない点もガバい、自国に核撃ってレクイエムの口実を作るのはいいものの、確実にプラントから反撃来るのに、ラクスを人質に取るだけでレクイエム一機で一国でプラント、連合、オーブと戦うつもりたったのもガバい。
ガバいのは種死のジブリールもそうだったから今更気にする話でも無いのかもしれないけれど、もっと政治的に上手く立ち回れたと思うし、オーブにもレクイエムじゃなくて連合の核をお見舞いするのが確実だった。
最強国家オーブを倒せば連合もザフトも戦わせて共倒れさせるだけでいいのに、そこを無視して1番弱小の連合の首都しか焼いてないのが雑魚キャラ過ぎる。
敵キャラとしての格を保つ為に、最低でもオーブの半分を焼くか、連合プラントを一日で両方壊滅させるくらいの損害を出すべきだったし。
オルフェの強さも、ムウかシンをかませ犬にして、その上でストフリをボコボコにするくらいが丁度良かった。
そんでラウや議長に負けない悪役のテーマとして「真の優生思想」とし、新人類アコードとして外来種コーディネーターを害虫として駆除する事を目的にした方がもっと分かりやすかったんじゃないかと思う。
コーデはコーデ同士で子供を作りにくい欠陥種である設定も、上位種のアコードが出た事で煮詰め、深堀り出来たものだったのに、アコードがただのエスパーだったのが本当に小物だった。
・作品のテーマを「愛」で締めるのが、ただの二流のハッピーエンドで陳腐だった、「愛」がテーマなら、もっとその根拠を深堀りして欲しい
について
別にそれが悪いとは思わない、「必要だから愛するのではなく、愛するから必要」、これはコスパやタイパを重視する現代社会に対するアンチテーゼにも思えたし、望まれた子供しか生まれないコーディネーターに対しても皮肉になっているし、作品のテーマとしても適切だとは思う。
ただ、キラが「ラクスがどうなっても愛する、ラクスはラクスだ」と語るのであれば、結末はラクスが死ぬ以外には有り得なかったのでは無いかと思う。
ラクスが死んで、ラクスの意識だけがマイティーストライクフリーダムに宿り、ラクスの「愛」の機体で、ラスボスを倒す、これが「愛」をテーマにした時に於ける最適解だと思うし、二流のハッピーエンドが好きならば、ティエリアのようにボディのクローンを作ればいい。
やはり古典的で、テンプレだとしても、人はロミオとジュリエットを一流の恋愛作品だと思うし、「バラはどんな名前になろうと」と言うのであれば、実際にバラがその姿を変える必要があるという話なのである。
無論、キラにはフレイがいるから、もしもラクスを目の前で殺されてしまっては、それは同じ事の繰り返しになるかもしれないが。
だが、ラクスが自分の分身を最初に生み出しておいて、その分身がキラを守るという展開なら、フレイの時と綺麗な対比になるし、フレイという過去を乗り越えたという明確な克服になる。
だからこそ、中盤ずっとうじうじしていて、お互いの愛を信じ合う事も出来ないくせに、再会してハグしただけで愛を確かめて、それを最後に武器にするというのは、少し、愛の深掘りが足りないと、自分は感じた。
・20年待たされた結末が、エビデンスゼロワンとか関係なしの、ただのデスティニープランの焼き増し
種世界の戦争の根っこは、「種族の違い」という、宗教や思想、人種よりも、更に根深いものとなっている。
仮に自分がエビデンスゼロワンを伏線にするのであれば、コーディネーターを外来種との混血にして、ナチュラルを純粋な在来種にする事で、コーディネーターの血を引くものは、宇宙人の意思によって在来種を駆逐する、みたいな、もっとどうしようもないレベルの戦争の根っこを描き、それに対しての解決策を見つける事をテーマにしただろう。
劇場版00は来るべき対話という伏線から、その為の人類の統一と進化が描かれたし、UCは同人ガンダムだが、ニュータイプ論の完成というジオンの理想の終着点と可能性を描いた。
しかしSEEDフリーダムが描いたものは、デスティニープランを否定した世界に対する後悔と苦悩、そしてそれを肯定するでも無く、愛という不確かな概念による世界の肯定だった。
「望まれて生まれてきた」、これは00でもUCでも言ってた事だから、別に今更SEEDが言ってもおかしくは無いが、脚本家はこの言葉を脚本に書いた時に、オマージュになるとでも思ったのだろうか、はっきり言って、SEEDの世界がこれを言うと「軍人や悪人になるしかない哀れな人間も望まれている」という感じに意味が変わる話であり。
SEEDの世界に相応しいのは「生まれてきた事に罪はない、愛する権利は誰にでもある、生きる権利もまた」くらいにするべきなのではないかと思われる。
望まれたから生まれたという言葉は、正しくデスティニープランを肯定する言葉であり、普遍的な人間愛とは別の意味を持つという事だ。
故に、デスティニープランをテーマにするのであれば、それを否定するのに必要なのは「愛」では無く、「人間の可能性、人と人が出会う事で生まれる、未知なる可能性」の方を強調するべきなので無いか、という話だ。
キラとラクスが〝出会う〟ことで生まれる「可能性」、それを示す事こそ、デスティニープランでは生み出せない価値であり、世界を変える力になるという方が、憎しみ合う世界で愛を説くよりも遥かに説得力があった。
デスティニープランを否定して戦う事に苦悩するのは普通の展開だが、だが、それで今更デスティニープランが発動していたらと悩むのはおかしな話だ。
今更デスティニープランなんか掘り下げずに、コーディネーターという種が抱える出生率の問題や、ブルーコスモスが抱える差別など、人類という種族全体をテーマにし、そこに新たな種族であるアコードを加えて、異なる種族同士の新しい可能性を見せる事が、SEEDという作品の相応しい結末なのでは無いかと思われる。
結局キラが最強ストフリを使って無双するだけのなろう作品で終わったというのが、個人的な感想である。
・アスランが単独行動してる理由がピンチに救援に来る見せ場の為だけで、脚本の都合過ぎる
これについてはおそらく、シンの活躍を増やすとアスランが邪魔になるから、だと思われるが。
アスランのいい使い方としては、最初はファウンデーションに傭兵として潜入、キラのライフリをボコって裏切ったと思わせておいて、その手柄で内部の機密を奪取、アコードの情報を得た所で逃亡し、最終決戦のピンチに隠者で登場とかなら文句無かったかな。
敵がおそらく心が読めると気づく所とかも、証拠無しに話進めてる所にかなり脚本のご都合主義感じたし、アスランをスパイにして情報抜いてくるのが手っ取り早かったと思う
・カガリの声が違和感
声変えるくらいなら出番無くしてくれた方がよかった、バルドフェルトはプラントで議会に出ててほぼ出番無かったし、忙しいって事にすれば出番無くせた。
エクバでも現役なのに変えたのまじで違和感しか無かったからこういう事するなら出番無くすかセリフ削ってくれ。
ファンサ考えるならメインキャラの声優変更とかしないで欲しい、これは本当に残念だった点、これだけでもクソと言いたくなる。
総評。
カガリの側近トーマヤシマとか、活躍無かったし、ファウンデーション自体も小物過ぎたし、アコードとラクスの掘り下げも全然だったし、もしかしたら続編あるかも?って密度だったのが思うところ。
スタゲ、アストレイ、エクリプスと繋げる気があるかは分からないけど、ファンサ重視ならこの辺も次回作では登場させて欲しい。
20年越しの〝完結編〟としては微妙な出来、00、UCと比べて内容がガンプラの販促目的過ぎる。
映画館じゃなかったらただの駄作、これはREDやグリッドマンでも言えるような話だけど、まぁ、映画館補正ならまじで最高の作品だし、よくある〝映画特有の構成〟を作る上で、SEEDという作品の魅力である〝殺伐として無慈悲な世界観〟がオミットされた結果とも言えるのかもしれない。
なので個人的には続編を希望します。
続編はナチュラルとコーディネーターの〝これから〟、憎しみに満ちた世界で両者がどうやって手を取り合うのか、それをテーマに、デスティニープランや人の業に対する答えを示して欲しいかな、と思います。
ラウル・クルーゼ、ロゴス、ファウンデーションの裏に、実はアルダフラガとユーレンビビキ、ウズミが隠れてて、こいつらがAGEのイゼルカント的な諸悪の根源としてラスボスとして登場したら面白いかな、と思います。
20年待たされた結果が、キララクのすったもんだと運命、隠者、ストフリの無双だけというのは、少々物足りなさを感じるのが、正直な感想ですね。
以上、感想文と改善案でした~☆。
出撃インパルス、覚醒シン・アスカ、ミーティア
これらのBGM流れた時は震えたし、種割れの新演出も最高
デスティニー、インジャ、ストフリの登場シーンも映えを意識して作られていたし
これは映画館で2000円払う価値はあるし、映画館ならリピートする価値はある
ガンプラ販促アニメとしては間違いなく120点の作品だと感じた
こっからネタバレ含む超辛口レビュー
先ずよかった点から羅列すると
・ほぼ全キャラ登場していた(カズイも登場)(アストレイ、スタゲ、エクリプスは無し)
・シンにもしっかり見せ場を作って、種死アンチもニッコリ
・戦闘シーンがCGで心配だったが、CGのおかげで大規模戦闘や高火力兵器の演出が低コストで作れていて逆によかった
・キララク、アスカガ、シンルナのカプ厨大満足の恋愛脚本
・ゲルググ、ギャン、ズゴックのマイナーチェンジ機体
・CE最強機体ストフリを更に強化
ダメな点
・敵がしょぼい(黒幕はデュランダルの一味みたいなもん、ラスボスはただのエリートコーディネーター)
・作品のテーマを「愛」で締めるのが、ただの二流のハッピーエンドで陳腐だった、「愛」がテーマなら、もっとその根拠を深堀りして欲しい
・20年待たされた結末が、エビデンスゼロワンとか関係なしの、ただのデスティニープランの焼き増し
・アスランが単独行動してる理由がピンチに救援に来る見せ場の為だけで、脚本の都合過ぎる
・カガリの声が違和感
以下改善案
・敵がしょぼい(黒幕はデュランダルの一味みたいなもん、ラスボスはただのエリートコーディネーター)
について
人の業から生まれた復讐鬼、ラウル・クルーゼ、人類の運命の調停者デュランダル、こいつらは、人の〝夢〟の象徴であるキラが戦うに相応しい格のある相手だった。
そして今回のラスボス、オルフェラムタオは、アコードと呼ばれるコーディネーターにとっての女王アリ的な上位種という設定だけは強キャラっぽい悪役だが。
しかし当初は「全ての人々が公平に評価される社会を作る」という、共産主義的な思想を語っていたのにも関わらず、終盤では「優れた上位種である自分が人類を支配するべき」という、シロッコと同じメリトクラシーを唱えているのが小物過ぎた。
別にシロッコの言う事が薄い訳では無いのだが、ただ、能力をデザイン出来る種の世界においては、自分より優秀な奴を作ったら自分が淘汰、処理されるのに、そんな世界肯定してどうするのか?、っていう話なのである、根本的に。
にも関わらず、自分が優秀に作られたから世界を支配するべきというのは、クルーゼと対比して考えてもあまりにも薄っぺらい動機だったし。
アコードがコーデよりも上位種なのは構わないとして、だったらアコードが人類を支配しようとする動機は何という話なのである。
優れているから支配するというのは、帝国主義の根本的原理であり幼稚なものだし。
人の業、「遺伝子に運命られた人であるが故の闘争」というラウと議長の動機と比べたらやはり格落ちするし、SEEDらしいラスボスでは無い。
00のリボンズが種のプロットからの輸入品なのは有名ではあるが、結局、オルフェはリボンズの焼き直しキャラでしかないし。
そして、50話かけて暗躍したリボンズと、たった120分の活躍しかないオルフェでは、やはりラスボスとしての格が違いすぎる。
そしてファウンデーションという敵国家の戦略も、色々とガバガバで、鬼滅の無惨並のガバガバ悪役だった点が否めない。
オーブにレクイエムを打たなかったのもガバだし、最強の催眠能力があるにも関わらずキラにしか使わない点もガバい、自国に核撃ってレクイエムの口実を作るのはいいものの、確実にプラントから反撃来るのに、ラクスを人質に取るだけでレクイエム一機で一国でプラント、連合、オーブと戦うつもりたったのもガバい。
ガバいのは種死のジブリールもそうだったから今更気にする話でも無いのかもしれないけれど、もっと政治的に上手く立ち回れたと思うし、オーブにもレクイエムじゃなくて連合の核をお見舞いするのが確実だった。
最強国家オーブを倒せば連合もザフトも戦わせて共倒れさせるだけでいいのに、そこを無視して1番弱小の連合の首都しか焼いてないのが雑魚キャラ過ぎる。
敵キャラとしての格を保つ為に、最低でもオーブの半分を焼くか、連合プラントを一日で両方壊滅させるくらいの損害を出すべきだったし。
オルフェの強さも、ムウかシンをかませ犬にして、その上でストフリをボコボコにするくらいが丁度良かった。
そんでラウや議長に負けない悪役のテーマとして「真の優生思想」とし、新人類アコードとして外来種コーディネーターを害虫として駆除する事を目的にした方がもっと分かりやすかったんじゃないかと思う。
コーデはコーデ同士で子供を作りにくい欠陥種である設定も、上位種のアコードが出た事で煮詰め、深堀り出来たものだったのに、アコードがただのエスパーだったのが本当に小物だった。
・作品のテーマを「愛」で締めるのが、ただの二流のハッピーエンドで陳腐だった、「愛」がテーマなら、もっとその根拠を深堀りして欲しい
について
別にそれが悪いとは思わない、「必要だから愛するのではなく、愛するから必要」、これはコスパやタイパを重視する現代社会に対するアンチテーゼにも思えたし、望まれた子供しか生まれないコーディネーターに対しても皮肉になっているし、作品のテーマとしても適切だとは思う。
ただ、キラが「ラクスがどうなっても愛する、ラクスはラクスだ」と語るのであれば、結末はラクスが死ぬ以外には有り得なかったのでは無いかと思う。
ラクスが死んで、ラクスの意識だけがマイティーストライクフリーダムに宿り、ラクスの「愛」の機体で、ラスボスを倒す、これが「愛」をテーマにした時に於ける最適解だと思うし、二流のハッピーエンドが好きならば、ティエリアのようにボディのクローンを作ればいい。
やはり古典的で、テンプレだとしても、人はロミオとジュリエットを一流の恋愛作品だと思うし、「バラはどんな名前になろうと」と言うのであれば、実際にバラがその姿を変える必要があるという話なのである。
無論、キラにはフレイがいるから、もしもラクスを目の前で殺されてしまっては、それは同じ事の繰り返しになるかもしれないが。
だが、ラクスが自分の分身を最初に生み出しておいて、その分身がキラを守るという展開なら、フレイの時と綺麗な対比になるし、フレイという過去を乗り越えたという明確な克服になる。
だからこそ、中盤ずっとうじうじしていて、お互いの愛を信じ合う事も出来ないくせに、再会してハグしただけで愛を確かめて、それを最後に武器にするというのは、少し、愛の深掘りが足りないと、自分は感じた。
・20年待たされた結末が、エビデンスゼロワンとか関係なしの、ただのデスティニープランの焼き増し
種世界の戦争の根っこは、「種族の違い」という、宗教や思想、人種よりも、更に根深いものとなっている。
仮に自分がエビデンスゼロワンを伏線にするのであれば、コーディネーターを外来種との混血にして、ナチュラルを純粋な在来種にする事で、コーディネーターの血を引くものは、宇宙人の意思によって在来種を駆逐する、みたいな、もっとどうしようもないレベルの戦争の根っこを描き、それに対しての解決策を見つける事をテーマにしただろう。
劇場版00は来るべき対話という伏線から、その為の人類の統一と進化が描かれたし、UCは同人ガンダムだが、ニュータイプ論の完成というジオンの理想の終着点と可能性を描いた。
しかしSEEDフリーダムが描いたものは、デスティニープランを否定した世界に対する後悔と苦悩、そしてそれを肯定するでも無く、愛という不確かな概念による世界の肯定だった。
「望まれて生まれてきた」、これは00でもUCでも言ってた事だから、別に今更SEEDが言ってもおかしくは無いが、脚本家はこの言葉を脚本に書いた時に、オマージュになるとでも思ったのだろうか、はっきり言って、SEEDの世界がこれを言うと「軍人や悪人になるしかない哀れな人間も望まれている」という感じに意味が変わる話であり。
SEEDの世界に相応しいのは「生まれてきた事に罪はない、愛する権利は誰にでもある、生きる権利もまた」くらいにするべきなのではないかと思われる。
望まれたから生まれたという言葉は、正しくデスティニープランを肯定する言葉であり、普遍的な人間愛とは別の意味を持つという事だ。
故に、デスティニープランをテーマにするのであれば、それを否定するのに必要なのは「愛」では無く、「人間の可能性、人と人が出会う事で生まれる、未知なる可能性」の方を強調するべきなので無いか、という話だ。
キラとラクスが〝出会う〟ことで生まれる「可能性」、それを示す事こそ、デスティニープランでは生み出せない価値であり、世界を変える力になるという方が、憎しみ合う世界で愛を説くよりも遥かに説得力があった。
デスティニープランを否定して戦う事に苦悩するのは普通の展開だが、だが、それで今更デスティニープランが発動していたらと悩むのはおかしな話だ。
今更デスティニープランなんか掘り下げずに、コーディネーターという種が抱える出生率の問題や、ブルーコスモスが抱える差別など、人類という種族全体をテーマにし、そこに新たな種族であるアコードを加えて、異なる種族同士の新しい可能性を見せる事が、SEEDという作品の相応しい結末なのでは無いかと思われる。
結局キラが最強ストフリを使って無双するだけのなろう作品で終わったというのが、個人的な感想である。
・アスランが単独行動してる理由がピンチに救援に来る見せ場の為だけで、脚本の都合過ぎる
これについてはおそらく、シンの活躍を増やすとアスランが邪魔になるから、だと思われるが。
アスランのいい使い方としては、最初はファウンデーションに傭兵として潜入、キラのライフリをボコって裏切ったと思わせておいて、その手柄で内部の機密を奪取、アコードの情報を得た所で逃亡し、最終決戦のピンチに隠者で登場とかなら文句無かったかな。
敵がおそらく心が読めると気づく所とかも、証拠無しに話進めてる所にかなり脚本のご都合主義感じたし、アスランをスパイにして情報抜いてくるのが手っ取り早かったと思う
・カガリの声が違和感
声変えるくらいなら出番無くしてくれた方がよかった、バルドフェルトはプラントで議会に出ててほぼ出番無かったし、忙しいって事にすれば出番無くせた。
エクバでも現役なのに変えたのまじで違和感しか無かったからこういう事するなら出番無くすかセリフ削ってくれ。
ファンサ考えるならメインキャラの声優変更とかしないで欲しい、これは本当に残念だった点、これだけでもクソと言いたくなる。
総評。
カガリの側近トーマヤシマとか、活躍無かったし、ファウンデーション自体も小物過ぎたし、アコードとラクスの掘り下げも全然だったし、もしかしたら続編あるかも?って密度だったのが思うところ。
スタゲ、アストレイ、エクリプスと繋げる気があるかは分からないけど、ファンサ重視ならこの辺も次回作では登場させて欲しい。
20年越しの〝完結編〟としては微妙な出来、00、UCと比べて内容がガンプラの販促目的過ぎる。
映画館じゃなかったらただの駄作、これはREDやグリッドマンでも言えるような話だけど、まぁ、映画館補正ならまじで最高の作品だし、よくある〝映画特有の構成〟を作る上で、SEEDという作品の魅力である〝殺伐として無慈悲な世界観〟がオミットされた結果とも言えるのかもしれない。
なので個人的には続編を希望します。
続編はナチュラルとコーディネーターの〝これから〟、憎しみに満ちた世界で両者がどうやって手を取り合うのか、それをテーマに、デスティニープランや人の業に対する答えを示して欲しいかな、と思います。
ラウル・クルーゼ、ロゴス、ファウンデーションの裏に、実はアルダフラガとユーレンビビキ、ウズミが隠れてて、こいつらがAGEのイゼルカント的な諸悪の根源としてラスボスとして登場したら面白いかな、と思います。
20年待たされた結果が、キララクのすったもんだと運命、隠者、ストフリの無双だけというのは、少々物足りなさを感じるのが、正直な感想ですね。
以上、感想文と改善案でした~☆。
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――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
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