泡沫のゆりかご 一部・番外編 ~獣王の溺愛~

丹砂 (あかさ)

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二部 番外編:怖がりな蓑虫

怖がりな蓑虫 7 ※

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「ほら、もう1度触るぞ。しっかり見てろ」

「いやですっ! やだっ! もう、おかしくなっちゃうからっ……!」

レフラが首を捻って、ギガイの方へ振り向いた。どうにか止めて欲しくて、首を振って、イヤイヤとギガイへ訴える。

「大丈夫だ。ただ気持ちいいだけだ」

だけどギガイの優しいキスが、レフラをあやすように、頬や唇に何度も何度も落ちてくる。

容赦ない快感でレフラを翻弄しているのはギガイだった。それなのに、宥める雰囲気も触れる感触もとても柔らかい。そんなギガイから、愛おしいと思ってくれていることが、痛いぐらいに伝わってくる。

そうなれば、与えられる温もりや雰囲気に絆されて、レフラは今日もまたギガイの行為を受け入れてしまっていた。

「ほら、お前のここも、気持ちよさそうにしているだろう?」

ギガイの言葉の通りに、身体だってすでに受け入れているような状態だった。立ち上がった茎は、ずっと刺激を求めてフルフルと震えながら蜜を溢れさせている。

「で、でも……きもち、良すぎて……へん、になります……」

強すぎる快感は、もはや苦痛に近かった。性戯に長けて、さんざんレフラへ快感を与え続けているギガイには、それはよく分かっているはずだった。

しかも嫁ぐまでは、自慰さえろくにしていなかったのだから。レフラの身体は、こんな快感には慣れていない。

「それ、に……気にならないように、してくれるって……言ってたのに……」

それなのに、何でこんなことになったのだろう。レフラは全く分からないまま、ギガイへ非難がましい目を向けた。

「だから、そうしているだろう?」

それなのに返ってきたのは、飄々とした言葉だった。

(この行為が、いったいどう繋がるんですか……)

快感に蕩けた頭のせいで、自分の理解が追いついていないだけなのか。レフラは戸惑って、ギガイをオロオロと見つめ返す。

「不安や恐怖は強い感情だからな。その感情とこうやって視界や音と併せて覚え込んだ快感は、記憶によみがえりやすいと思わないか?」

ギガイが口角を上げて、停止していた手を再び動かした。それに伴って、ヌチャヌチャとした卑猥な音が、浴室内に響いていく。

オイルと止まらない淫蜜が、ギガイの手で混ざり合う。しとどに濡れたレフラの茎が、浴室の灯りをテラテラと淫靡に纏っていた。

「っぁ、ギガイさまぁ、ぁっ、ぁ、まってぇ……」

緩く握り込んだギガイの手が、ゆっくりとレフラの茎を上下に擦っていた。強すぎる快感に泣いた後に、刺激が途切れていた身体は、ずっと熟れたままだった。それなのに再び与えられた快感は、あまりにもどかしい刺激で、逆にレフラを追い詰めていく。

「闇への不安や風の音を聞くつどに、こうやって私に触られた事を思い出すだろう。そうして、私のことだけを意識してればいい」

そんな中で聞こえてきたのは、楽しげなギガイの声だった。

さっきのように急激に快感を与えないのは、ギリギリまで理性を保たせるためかもしれない。頭の中に染み込んでいくギガイの言葉がそう思わせる。

だけどそれではダメなのだ。だって本当にそんなことになってしまえば、色々マズイことになってしまう。

「だ、だめ……ギガイさ、ま……だめぇ……っ」

どうにか払い退けようと振った頭は弱々しかった。それでも飲み込まれる訳にはいかなくて、ゆっくりと扱くギガイの手に、レフラが上から手を添えた。

「そ、そしたら……みられ、ちゃう……おかしく、おもわれちゃう、から……」

「見られる、というのは?」

日頃から『自分だけの御饌として、隠しておきたい』と告げるような主なのだから。さすがに気になる言葉だったのか、その言葉にようやくギガイが反応する。
そのまま手をピタッと止めて、レフラを見つめるギガイの眼には、訝しげな色が浮かんでいた。
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