214 / 229
二部 番外編:怖がりな蓑虫
怖がりな蓑虫 7 ※
しおりを挟む
「ほら、もう1度触るぞ。しっかり見てろ」
「いやですっ! やだっ! もう、おかしくなっちゃうからっ……!」
レフラが首を捻って、ギガイの方へ振り向いた。どうにか止めて欲しくて、首を振って、イヤイヤとギガイへ訴える。
「大丈夫だ。ただ気持ちいいだけだ」
だけどギガイの優しいキスが、レフラをあやすように、頬や唇に何度も何度も落ちてくる。
容赦ない快感でレフラを翻弄しているのはギガイだった。それなのに、宥める雰囲気も触れる感触もとても柔らかい。そんなギガイから、愛おしいと思ってくれていることが、痛いぐらいに伝わってくる。
そうなれば、与えられる温もりや雰囲気に絆されて、レフラは今日もまたギガイの行為を受け入れてしまっていた。
「ほら、お前のここも、気持ちよさそうにしているだろう?」
ギガイの言葉の通りに、身体だってすでに受け入れているような状態だった。立ち上がった茎は、ずっと刺激を求めてフルフルと震えながら蜜を溢れさせている。
「で、でも……きもち、良すぎて……へん、になります……」
強すぎる快感は、もはや苦痛に近かった。性戯に長けて、さんざんレフラへ快感を与え続けているギガイには、それはよく分かっているはずだった。
しかも嫁ぐまでは、自慰さえろくにしていなかったのだから。レフラの身体は、こんな快感には慣れていない。
「それ、に……気にならないように、してくれるって……言ってたのに……」
それなのに、何でこんなことになったのだろう。レフラは全く分からないまま、ギガイへ非難がましい目を向けた。
「だから、そうしているだろう?」
それなのに返ってきたのは、飄々とした言葉だった。
(この行為が、いったいどう繋がるんですか……)
快感に蕩けた頭のせいで、自分の理解が追いついていないだけなのか。レフラは戸惑って、ギガイをオロオロと見つめ返す。
「不安や恐怖は強い感情だからな。その感情とこうやって視界や音と併せて覚え込んだ快感は、記憶によみがえりやすいと思わないか?」
ギガイが口角を上げて、停止していた手を再び動かした。それに伴って、ヌチャヌチャとした卑猥な音が、浴室内に響いていく。
オイルと止まらない淫蜜が、ギガイの手で混ざり合う。しとどに濡れたレフラの茎が、浴室の灯りをテラテラと淫靡に纏っていた。
「っぁ、ギガイさまぁ、ぁっ、ぁ、まってぇ……」
緩く握り込んだギガイの手が、ゆっくりとレフラの茎を上下に擦っていた。強すぎる快感に泣いた後に、刺激が途切れていた身体は、ずっと熟れたままだった。それなのに再び与えられた快感は、あまりにもどかしい刺激で、逆にレフラを追い詰めていく。
「闇への不安や風の音を聞くつどに、こうやって私に触られた事を思い出すだろう。そうして、私のことだけを意識してればいい」
そんな中で聞こえてきたのは、楽しげなギガイの声だった。
さっきのように急激に快感を与えないのは、ギリギリまで理性を保たせるためかもしれない。頭の中に染み込んでいくギガイの言葉がそう思わせる。
だけどそれではダメなのだ。だって本当にそんなことになってしまえば、色々マズイことになってしまう。
「だ、だめ……ギガイさ、ま……だめぇ……っ」
どうにか払い退けようと振った頭は弱々しかった。それでも飲み込まれる訳にはいかなくて、ゆっくりと扱くギガイの手に、レフラが上から手を添えた。
「そ、そしたら……みられ、ちゃう……おかしく、おもわれちゃう、から……」
「見られる、というのは?」
日頃から『自分だけの御饌として、隠しておきたい』と告げるような主なのだから。さすがに気になる言葉だったのか、その言葉にようやくギガイが反応する。
そのまま手をピタッと止めて、レフラを見つめるギガイの眼には、訝しげな色が浮かんでいた。
「いやですっ! やだっ! もう、おかしくなっちゃうからっ……!」
レフラが首を捻って、ギガイの方へ振り向いた。どうにか止めて欲しくて、首を振って、イヤイヤとギガイへ訴える。
「大丈夫だ。ただ気持ちいいだけだ」
だけどギガイの優しいキスが、レフラをあやすように、頬や唇に何度も何度も落ちてくる。
容赦ない快感でレフラを翻弄しているのはギガイだった。それなのに、宥める雰囲気も触れる感触もとても柔らかい。そんなギガイから、愛おしいと思ってくれていることが、痛いぐらいに伝わってくる。
そうなれば、与えられる温もりや雰囲気に絆されて、レフラは今日もまたギガイの行為を受け入れてしまっていた。
「ほら、お前のここも、気持ちよさそうにしているだろう?」
ギガイの言葉の通りに、身体だってすでに受け入れているような状態だった。立ち上がった茎は、ずっと刺激を求めてフルフルと震えながら蜜を溢れさせている。
「で、でも……きもち、良すぎて……へん、になります……」
強すぎる快感は、もはや苦痛に近かった。性戯に長けて、さんざんレフラへ快感を与え続けているギガイには、それはよく分かっているはずだった。
しかも嫁ぐまでは、自慰さえろくにしていなかったのだから。レフラの身体は、こんな快感には慣れていない。
「それ、に……気にならないように、してくれるって……言ってたのに……」
それなのに、何でこんなことになったのだろう。レフラは全く分からないまま、ギガイへ非難がましい目を向けた。
「だから、そうしているだろう?」
それなのに返ってきたのは、飄々とした言葉だった。
(この行為が、いったいどう繋がるんですか……)
快感に蕩けた頭のせいで、自分の理解が追いついていないだけなのか。レフラは戸惑って、ギガイをオロオロと見つめ返す。
「不安や恐怖は強い感情だからな。その感情とこうやって視界や音と併せて覚え込んだ快感は、記憶によみがえりやすいと思わないか?」
ギガイが口角を上げて、停止していた手を再び動かした。それに伴って、ヌチャヌチャとした卑猥な音が、浴室内に響いていく。
オイルと止まらない淫蜜が、ギガイの手で混ざり合う。しとどに濡れたレフラの茎が、浴室の灯りをテラテラと淫靡に纏っていた。
「っぁ、ギガイさまぁ、ぁっ、ぁ、まってぇ……」
緩く握り込んだギガイの手が、ゆっくりとレフラの茎を上下に擦っていた。強すぎる快感に泣いた後に、刺激が途切れていた身体は、ずっと熟れたままだった。それなのに再び与えられた快感は、あまりにもどかしい刺激で、逆にレフラを追い詰めていく。
「闇への不安や風の音を聞くつどに、こうやって私に触られた事を思い出すだろう。そうして、私のことだけを意識してればいい」
そんな中で聞こえてきたのは、楽しげなギガイの声だった。
さっきのように急激に快感を与えないのは、ギリギリまで理性を保たせるためかもしれない。頭の中に染み込んでいくギガイの言葉がそう思わせる。
だけどそれではダメなのだ。だって本当にそんなことになってしまえば、色々マズイことになってしまう。
「だ、だめ……ギガイさ、ま……だめぇ……っ」
どうにか払い退けようと振った頭は弱々しかった。それでも飲み込まれる訳にはいかなくて、ゆっくりと扱くギガイの手に、レフラが上から手を添えた。
「そ、そしたら……みられ、ちゃう……おかしく、おもわれちゃう、から……」
「見られる、というのは?」
日頃から『自分だけの御饌として、隠しておきたい』と告げるような主なのだから。さすがに気になる言葉だったのか、その言葉にようやくギガイが反応する。
そのまま手をピタッと止めて、レフラを見つめるギガイの眼には、訝しげな色が浮かんでいた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,440
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる