泡沫のゆりかご 一部・番外編 ~獣王の溺愛~

丹砂 (あかさ)

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二部 番外編:怖がりな蓑虫

怖がりな蓑虫 8 ※

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「だっ、だって。ギガイ様がいない所で、風の音や陰が不安になったら、どうしたら良いんですか……もしそんなものでギガイ様の感触を思い出してしまったら……ラクーシュ様達にも気付かれちゃいます……」

「……1人じゃなくても怖いのか?」

「はい……だって、ギガイ様も言ってたじゃないですか……だいぶ苦手だって……」

「……」

さすがにそこまでは思ってもいなかった。
思わずという雰囲気で絶句しているギガイから、言葉になっていないそんな声が聞こえてくる。

思いがけず流れた無言の時間に、恥ずかしくて、居たたまれなくて、レフラの頬が熱くなった。

そんな感情に理不尽だと分かりながらも、フツフツと腹が立ってくる。

「さ、さっき、ギガイ様と一緒でも、ビックリしたんですよ…… それなのに他の方と一緒で、平気な訳がないじゃないですか……ッ!」

だいぶ苦手なことは、最初の段階でギガイだって気が付いていたはずだ。

『苦手とする者は、大人であってもそれなりにいるぞ』

自分へそう言ったのはギガイなのに、今さらそんな反応を向けてくるのはひどかった。

レフラははっきりとスネた表情を浮かべながら、ギガイへムキになって訴えた。

「あ、あぁ、そうだな。悪かった」

レフラの勢いに圧されたように、ギガイの口から謝罪の言葉が告げられる。

(本当は、ギガイ様が謝ることじゃないんでしょうけど……)

レフラだって、そんなことは分かっていた。それなのに、恥ずかしさで饒舌になった口は、なけなしの理性に反して上手く止まってくれる様子はない。

過去には不安に駆り立てられて言葉が過ぎた結果、この主の不興を買ったこともあるぐらいなのだ。感情に振り回されて口を開けば墓穴を掘ることも分かっている。だけど。

「今だって、ギガイ様の腕の中で他が気になっちゃうことがお嫌なら、普通に抱いてくださるだけで、私はギガイ様でいっぱいになるのに!」

「そうか、ならお前の言葉通りにそうしよう」

結局レフラの口が止まったのはそう言って、ギガイがクツクツ楽しそうに笑い始めた後だった。

「あっ、いや、違うんです! 今のはただの言葉の綾で……」

ギガイの表情に失敗したと、我に返った時には遅かった。また大きな墓穴を掘ってしまったことに気が付いて、レフラの背中を冷たい汗が流れていった。

「遠慮をするな、お前が私以外に何も考えられなくなるぐらい抱いてやる」

ギガイの指が、そんなレフラの背中をツゥと辿っていく。レフラへ認識させるようにゆっくりと進んでいくその感触に、怯えと期待が入り混じった感覚が、ゾクリと腹の奥から湧き上がった。

ギガイも思わず竦んだ身体に、気が付いたのだろう。
口元に浮かんでいた笑みが深まって、ギガイの纏う空気もレフラを愛しむ甘さより、支配者の雄の色香が際立っていく。

止まらないギガイの指が無遠慮に、双丘の間を進んでいった。呆気なくレフラの窄みへ辿り着き、クルリと肉の縁をなぞられる。レフラは思わず、身体をピクピクと震わせた。

いつ蕾の中心を、ギガイの指が割開くのかも分からない。
そんな緊張も重なって、縁を弄い続ける指の動きに、どうしても集中してしまう。重なり合った視線からも、ギガイのタイミングは掴めなかった。

不意にギガイの爪先が潜り込む。
そのまま開かれると身構えたレフラに、ククッと笑ったギガイが指を引き抜いた。

遠ざかる指先に、身構えていたレフラの身体から強張りがわずかに解けていく。だけどホッと力を抜いた瞬間だった。ギガイが指の根元まで、一気に隘路あいろへ捻じ込んだ。

「ひっ…あぁ…ぅあ……」

もともと快感に煽られて、身体は疼いたままだった。続きの行為を期待して後孔も、ゆるく開閉を繰り返していた。
そんな中でギガイの指に慣れた身体は、オイルを纏った指1本ぐらい、難なく咥え込んでいった。
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