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第2話 昨夜の出来事
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『えっ、和真の誕生日って今月なの?』
『ああ、19日だな』
雑誌の星占いのページを開いたまま、亜樹が驚いて凭れていたカウチを振り返る。
大きなクッションを背もたれに、足を伸ばして書類らしきものを捲っていた和真が『それがどうした?』と顔を上げた。
『19日って明後日でしょ、早く知ってたら何かできたかもしれないのに』
『この歳で誕生日もないだろ』
それに、と言葉を区切りながら、和真が別の書類に手を伸ばした。
『誕生日パーティーを口実に近づいて来る奴らが多すぎるから、誕生日は公開していないからな』
これまでに何度も嫌な思いをしてきたのだろう。
公開していないと言う和真の口調はうんざりとしたものだ。
『俺はいいの?』
できることならば恋人の誕生日は祝ってあげたかった。
それでも本人が望まないなら、諦めるべきだという事は分かっている。
『お前は恋人で、他の奴らとは違うだろ』
クスリと笑った和真が書類をサイドチェストの上に置き。
手を亜樹の方へと伸ばしてくる。
その掌に頬を寄せれば、猫の首筋をくすぐるように和真の指先が顎下を撫でてきた。
『ふふっ、くすぐったいよ』
その指先から身を捩って距離を取って、和真を見上げてみる。
長身で顔も良くて、お金も知識も持っている。
非の打ち所が無いような人だった。
欲しい物は全て、自分の力で手に入れてしまう和真にとって、いまさらプレゼントで欲しい物なんて無いかもしれない。
(でも、俺からも何かあげたいな)
自己満足だとしても、いつもしてもらってばかりの自分が、恋人に何かをしてあげられるかも、なんて思えば気持ちがワクワクした。
(その為にお金をどうにかしなくちゃ)
日頃渡されているカードを使えば、それこそ高級時計だって簡単に買える。
でもそれではいつもと何も変わらない。
どうしても和真に頼らないお金が欲しかった。
『何だ?』
亜樹の視線に気が付いた和真が、優しく言葉を促してくる。
だが、その問い掛けに亜樹は小さく笑って首を振った。
プレゼントに関しては、サプライズで渡すその時まで秘密だった。
『ああ、19日だな』
雑誌の星占いのページを開いたまま、亜樹が驚いて凭れていたカウチを振り返る。
大きなクッションを背もたれに、足を伸ばして書類らしきものを捲っていた和真が『それがどうした?』と顔を上げた。
『19日って明後日でしょ、早く知ってたら何かできたかもしれないのに』
『この歳で誕生日もないだろ』
それに、と言葉を区切りながら、和真が別の書類に手を伸ばした。
『誕生日パーティーを口実に近づいて来る奴らが多すぎるから、誕生日は公開していないからな』
これまでに何度も嫌な思いをしてきたのだろう。
公開していないと言う和真の口調はうんざりとしたものだ。
『俺はいいの?』
できることならば恋人の誕生日は祝ってあげたかった。
それでも本人が望まないなら、諦めるべきだという事は分かっている。
『お前は恋人で、他の奴らとは違うだろ』
クスリと笑った和真が書類をサイドチェストの上に置き。
手を亜樹の方へと伸ばしてくる。
その掌に頬を寄せれば、猫の首筋をくすぐるように和真の指先が顎下を撫でてきた。
『ふふっ、くすぐったいよ』
その指先から身を捩って距離を取って、和真を見上げてみる。
長身で顔も良くて、お金も知識も持っている。
非の打ち所が無いような人だった。
欲しい物は全て、自分の力で手に入れてしまう和真にとって、いまさらプレゼントで欲しい物なんて無いかもしれない。
(でも、俺からも何かあげたいな)
自己満足だとしても、いつもしてもらってばかりの自分が、恋人に何かをしてあげられるかも、なんて思えば気持ちがワクワクした。
(その為にお金をどうにかしなくちゃ)
日頃渡されているカードを使えば、それこそ高級時計だって簡単に買える。
でもそれではいつもと何も変わらない。
どうしても和真に頼らないお金が欲しかった。
『何だ?』
亜樹の視線に気が付いた和真が、優しく言葉を促してくる。
だが、その問い掛けに亜樹は小さく笑って首を振った。
プレゼントに関しては、サプライズで渡すその時まで秘密だった。
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