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切り取られた青空
秘密
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修司の帰りは日に日に遅くなっていき、休みの日も今までならうちにいたのに、出かけることが多くなった。聞いても「仕事」としか答えないし、ご飯もそこそこに寝てしまう。ちょっと前なら、折角作ったのに……とぷりぷり怒りながら修司の残したおかずを夜中につまんでいた私。それをしない今は、ぽつりとテーブルに夕食だけが残される。
それだけではなかった。今までメールなんかにパスかけてなかったのに最近ではかかっていること。
想像したくはないけれど……『浮気』の二文字が頭を離れない。
気持ちの落ち込みとリンクするように、私の体重減少は止まった。俗に言う停滞期、そう思えばいいのだけれど、妙に焦っていた気がする。改めていろんな本を読み漁っていた。
そんなとき、エイプリルさんが私の読みたかった本のことを記事にしていた。もう絶版になっている本だったが、以前手に入れて本棚にあったのを読み返したらしい。
-その本読みたかったけど、絶版になってますよね-
-中古ででもあればいいんですけど、どうしてもなければ貸しても良いですよ。-
古い本だったので、やはりなくて……わたしは非表示でメアドを教えてもらい、メールで住所を知らせた。
数日後、綿貫亮平(エイプリル)と書かれた小包が届いた。
送り状の最後にはこう書いてあった。
『僕がなぜ4月生まれでもないのにエイプリルなのかと言うと、四月一日とかいてわたぬきと読むことからなんです』
わたぬきだからエイプリル……他のブロガーさんが知らないことを私だけが知っている。それだけで何かドキドキしている私がいた。
それだけではなかった。今までメールなんかにパスかけてなかったのに最近ではかかっていること。
想像したくはないけれど……『浮気』の二文字が頭を離れない。
気持ちの落ち込みとリンクするように、私の体重減少は止まった。俗に言う停滞期、そう思えばいいのだけれど、妙に焦っていた気がする。改めていろんな本を読み漁っていた。
そんなとき、エイプリルさんが私の読みたかった本のことを記事にしていた。もう絶版になっている本だったが、以前手に入れて本棚にあったのを読み返したらしい。
-その本読みたかったけど、絶版になってますよね-
-中古ででもあればいいんですけど、どうしてもなければ貸しても良いですよ。-
古い本だったので、やはりなくて……わたしは非表示でメアドを教えてもらい、メールで住所を知らせた。
数日後、綿貫亮平(エイプリル)と書かれた小包が届いた。
送り状の最後にはこう書いてあった。
『僕がなぜ4月生まれでもないのにエイプリルなのかと言うと、四月一日とかいてわたぬきと読むことからなんです』
わたぬきだからエイプリル……他のブロガーさんが知らないことを私だけが知っている。それだけで何かドキドキしている私がいた。
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