切り取られた青空

神山 備

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切り取られた青空

悪寒

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 さっき、修司に抱きしめられたとき…私はなんで声を上げて飛び退いてしまったのだろう。
亮平のことに対する後ろめたさか……

そもそも、私は修司を愛しているんだろうか――

私と修司は職場結婚。好意がなかったって訳じゃないけど、みんなからお似合いとほだされてなんとなく付き合い始めて、修司のプロポーズをすんなり受け入れて結婚した。

それでも結婚してすぐ陸が生まれて、瞳が生まれて……子育てに一生懸命で……それが幸せだと思っていた。

パパ、ママと呼ばれるようになって、生活共同体にすり替わっていった私たち夫婦の関係。それにそんなに寂しさなんて感じていなかった。

修司との夫婦生活にそれほど感じなくても、今までは彼しか知らなかったからそれが感じていないなんて判らなかった。

私は最初から今まで、本気で修司を愛していなかったのかもしれない。そう考えた時、私は自分の気持ちがおぞましくなり、体が震えて吐き気を感じた。(私の結婚って結局自分の居場所が欲しかっただけ?)だとしたら、私ってサイテーだわ……

私は亮平のメールをその夜開かなかった。いや、修司がすぐそばに居る空間で開くことができなかった。

そして、修司の隣にもぐりこむ事さえできずに、こどもたちの居ないこども部屋で、まんじりともせず朝を迎えた。
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