切り取られた青空

神山 備

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いと

入籍

 この記事を出してすぐ、宵っ張りのブロガーからは続々お祝いのコメントが届いた。
そして、Tomさんからはそんなコメントとは別にメールも届いた。
-以前、エイプリルさんと、かりんさんのことを誤解するようなメールを入れて、どうもすいませんでした。
自分の思い違いで、さぞお気を悪くされたことでしょ。心からお詫びします。
末永くお幸せに。
                                                Tom-

 かりんとの日々はもう何年も前のことのような気がする。しかし、あの時は彼女をとは言えないし、どう返事していいかわからない。
-ありがとうございます。
でも、気になさらないでください。あの時私たちは出会ったばかりで、私もエルと縁があるとは夢にも思ってませんでしたから。自分が一番びっくりしてますよ。
                                               エイプリル-

そう書くのが精一杯だった。


 そして、予想通り日曜の朝、香織が職場で辞表を提出した時の課長と主任の驚きは相当なものだったらしい。
 特に主任は女性だが、香織が痩せてしかも体調が悪いことにも気付いていて、彼女が辞表を提出した時、てっきり病気だと思って、
「そんな引継ぎなんてどうでもいいから、辞めるなんて言わないで。体治して早く帰ってきなさい。」
と言ってくれたという。
 彼女がおずおずと、体調不良の原因が妊娠であること、結婚のために岐阜に行かねばならないことを告げると、一気に顔がほころんで涙を浮かべて喜んでくれたと、嬉しそうに電話で話していた。
 その後、彼女から彼女の戸籍と彼女の欄に書き込みのされた婚姻届が届いた。
私は、自分の戸籍を取ってその場で役場に提出し、2人は晴れて夫婦となった。
夜、その報告をしたら、彼女はまた泣いていた。

 それから1ヶ月あまり経った頃、わずかに目立ち始めたお腹を抱えて香織は私の許にやってきて、ようやく2人の生活が始まった。私たちは、最初で最後の2人だけのクリスマスと正月を味わった。春からは3人での生活が始まる。

 そして、3月の終わり、香織は一旦茨城に戻って、4月25日に男の子を産んだ。名前は晃平とつけた。
 ハンドルネームをエイプリルとした2月生まれの私が、息子を4月に儲けるのはなんだか不思議で嬉しい気がした。
 子供の居る生活は忙しくて楽しい日々。1人で過ごしてきた時から考えると、毎日がお祭り騒ぎのようだった。

 そんな風にして3年余りの時があっという間に過ぎた。



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