61 / 65
いと
入籍
この記事を出してすぐ、宵っ張りのブロガーからは続々お祝いのコメントが届いた。
そして、Tomさんからはそんなコメントとは別にメールも届いた。
-以前、エイプリルさんと、かりんさんのことを誤解するようなメールを入れて、どうもすいませんでした。
自分の思い違いで、さぞお気を悪くされたことでしょ。心からお詫びします。
末永くお幸せに。
Tom-
かりんとの日々はもう何年も前のことのような気がする。しかし、あの時は彼女をとは言えないし、どう返事していいかわからない。
-ありがとうございます。
でも、気になさらないでください。あの時私たちは出会ったばかりで、私もエルと縁があるとは夢にも思ってませんでしたから。自分が一番びっくりしてますよ。
エイプリル-
そう書くのが精一杯だった。
そして、予想通り日曜の朝、香織が職場で辞表を提出した時の課長と主任の驚きは相当なものだったらしい。
特に主任は女性だが、香織が痩せてしかも体調が悪いことにも気付いていて、彼女が辞表を提出した時、てっきり病気だと思って、
「そんな引継ぎなんてどうでもいいから、辞めるなんて言わないで。体治して早く帰ってきなさい。」
と言ってくれたという。
彼女がおずおずと、体調不良の原因が妊娠であること、結婚のために岐阜に行かねばならないことを告げると、一気に顔がほころんで涙を浮かべて喜んでくれたと、嬉しそうに電話で話していた。
その後、彼女から彼女の戸籍と彼女の欄に書き込みのされた婚姻届が届いた。
私は、自分の戸籍を取ってその場で役場に提出し、2人は晴れて夫婦となった。
夜、その報告をしたら、彼女はまた泣いていた。
それから1ヶ月あまり経った頃、わずかに目立ち始めたお腹を抱えて香織は私の許にやってきて、ようやく2人の生活が始まった。私たちは、最初で最後の2人だけのクリスマスと正月を味わった。春からは3人での生活が始まる。
そして、3月の終わり、香織は一旦茨城に戻って、4月25日に男の子を産んだ。名前は晃平とつけた。
ハンドルネームをエイプリルとした2月生まれの私が、息子を4月に儲けるのはなんだか不思議で嬉しい気がした。
子供の居る生活は忙しくて楽しい日々。1人で過ごしてきた時から考えると、毎日がお祭り騒ぎのようだった。
そんな風にして3年余りの時があっという間に過ぎた。
そして、Tomさんからはそんなコメントとは別にメールも届いた。
-以前、エイプリルさんと、かりんさんのことを誤解するようなメールを入れて、どうもすいませんでした。
自分の思い違いで、さぞお気を悪くされたことでしょ。心からお詫びします。
末永くお幸せに。
Tom-
かりんとの日々はもう何年も前のことのような気がする。しかし、あの時は彼女をとは言えないし、どう返事していいかわからない。
-ありがとうございます。
でも、気になさらないでください。あの時私たちは出会ったばかりで、私もエルと縁があるとは夢にも思ってませんでしたから。自分が一番びっくりしてますよ。
エイプリル-
そう書くのが精一杯だった。
そして、予想通り日曜の朝、香織が職場で辞表を提出した時の課長と主任の驚きは相当なものだったらしい。
特に主任は女性だが、香織が痩せてしかも体調が悪いことにも気付いていて、彼女が辞表を提出した時、てっきり病気だと思って、
「そんな引継ぎなんてどうでもいいから、辞めるなんて言わないで。体治して早く帰ってきなさい。」
と言ってくれたという。
彼女がおずおずと、体調不良の原因が妊娠であること、結婚のために岐阜に行かねばならないことを告げると、一気に顔がほころんで涙を浮かべて喜んでくれたと、嬉しそうに電話で話していた。
その後、彼女から彼女の戸籍と彼女の欄に書き込みのされた婚姻届が届いた。
私は、自分の戸籍を取ってその場で役場に提出し、2人は晴れて夫婦となった。
夜、その報告をしたら、彼女はまた泣いていた。
それから1ヶ月あまり経った頃、わずかに目立ち始めたお腹を抱えて香織は私の許にやってきて、ようやく2人の生活が始まった。私たちは、最初で最後の2人だけのクリスマスと正月を味わった。春からは3人での生活が始まる。
そして、3月の終わり、香織は一旦茨城に戻って、4月25日に男の子を産んだ。名前は晃平とつけた。
ハンドルネームをエイプリルとした2月生まれの私が、息子を4月に儲けるのはなんだか不思議で嬉しい気がした。
子供の居る生活は忙しくて楽しい日々。1人で過ごしてきた時から考えると、毎日がお祭り騒ぎのようだった。
そんな風にして3年余りの時があっという間に過ぎた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
絶交した幼馴染と大学の合コンで再会した。
孤独な蛇
恋愛
中学生の浅野春樹は上級生と喧嘩騒動を起こしたことがあった。
その上、目つきが悪く地毛は茶髪のため不良少年のような扱いを受けて学校では孤立していた。
そんな中、幼馴染の深瀬志穂だけは春樹のことをいつも気遣ってくれていた。
同じ高校に行こうと声を掛けてくれる志穂の言葉に応えたい一心で受験勉強にも力を入れていた。
春樹にとって、学校で孤立していることは問題ではなかった。
昔から志穂が近くにいてくれるから……。
しかし、3年生なってから志穂の態度がよそよそしくなってきた。
登下校も別々になり、学校で話しかけてくることも無くなった。
志穂の心が自分から離れていってしまっている気がした春樹は焦っていた。
彼女と話がしたい。笑った顔が見たい。
志穂と一緒に帰ろうと、彼女が部活動を行っている体育館へ向かったのだが……。
そこで春樹が耳にしたのは、自分の悪口を言って部活の友達と楽しそうにしている志穂の声だった。
その瞬間、春樹の中で志穂に対する想いや信頼は……消滅した。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
藤白ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
◆エブリスタ様にも掲載。人気沸騰中です!
https://estar.jp/novels/26513389
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。