身代わりサキュバスのつぶやき~30歳まで童貞でいたら、魔法使いを通り越して魔人になってしまいました~

神山 備

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自称神様

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「そう堅くならないで。これから試運転しましょ」
自称神様は、そういうと、俺の首に手を回して口づけた。……俺の記念すべきファーストキスの相手が自称でも神様になるとは……だが、彼女(?なんだろうか)がキスすると同時に俺の身体に流れ込んできたのは極上のシャンンパン。びっくりする俺に、
「うふふ、あたしに性別があるわけがないでしょ……どうでもいいけど。でね、これからあなたの主食は、基本人間の体液になるから。せっかくだから、味はあなたの食べたいものになるようにしておいたわ。ただ、今は生まれ変わったあなたへ、私からのお祝いで、これね」
と、相変わらず脳天気な口調で自称神様が言う。そして、
「これまでの人間の食事ができない訳じゃないのよ。
ただ、もう好み変わっちゃったから、今までみたいに楽しめないと思うのよね」
自称神様は、ニコリと笑って再び俺の唇を絡め取る。すると、俺は、無意識のうちに自称神様に腕を回し、本格的に彼女(?)の舌に自分の舌をからめる。次々と喉に流れ込んでいくシャンパン(実は唾液)それは、グラスで優雅に酒を飲むというより、犬か猫がボウルに入った水をペロペロ舐めまくっている感じだ。やがて律儀にアルコール分を入れてあるのか、俺の身体は徐々に熱くなってきた。ん? けど、熱がなんだか股間に集中してるような……それってもしかして……
「び・や・く!媚薬、よくできました。
あ、それからあたしには効かないんだけど、あなたの唾液にもしっかり入っているのよ。人間にはキスした瞬間、相手は一定時間、あなたしか見えなくなるわ」
その言葉に、俺は思わずガッツポーズ。だが、それに対して、
「でもね、だからあなたには闇雲に突っ走ってもらうつもりはないわぁ。あたしが紹介する相手と寝てもらうから」
そのために呼んだのよと、自称神様。そうだよな、なんかヤりまくりの人生だなんて何かウマすぎると思ったんだ。やっぱり裏があるのかよ。と思った俺に、
「失礼ね、嘘はついてないわよ、あたし。
それに、自称神様ってのも止めてほしいわぁ。あたしにはちゃんとシェラザードって名前があるんだから」
相変わらず、こっちの心を読んで一人でぷんすかしゃべりまくっている。自称神様改めシェラザード(様?まったく威厳ないけど)にしたって、俺まだ名前も聞いてなかったんだぜ。
「悪かったわね……もう、とにかく、あたしココに連れてくる前に聞いたよね」
ああ、『ヤりたいの? ヤりたくないの?』とは聞かれたな。
「じゃぁ、ぐだぐだ言わない。次行くわよ」
シェラザード(様)は、相変わらず怒りながら俺を座らせた。
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