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プロローグ
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「お見合い~っ!」
私が20歳になった時、上河原のおじいちゃんが息せき切って持ってきのは、なんとお見合いの話だった。しかも、その相手は世界にまで進出している大企業、「YUUKI」の御曹司だっていうんだからビックリ。
「悪い虫がつかんうちにまとめんとな」
おじいちゃんはママをちらりと睨みながらそう言った。
「あちらが先に奥様と結婚したんじゃない。私のせいじゃないから」
それを聞いてママがそう反論する。そう、この縁談は元々は親友同士だったそれぞれのおじいちゃんが、『子供が生まれたら是非とも嫁(あるいは婿)に』という約束を交わしたことから始まるんだけど、ママと結婚してほしかった跡取り息子の龍太郎さんは高校時代の同級生とデキ婚しちゃうし、龍太郎さんとはお母さんが違う壮平さんは、YUUKIを嫌って家出しちゃうし、一番下の爽太さんではママより若い。ま、壮平さんが家出したすぐあと、ママはパパと出会って結婚したし。あと、ママにはお兄さんがいるけど、真ん中の琴子さんは伯父さんより年上で、伯父さんが学校を卒業するころにはすでに他の人と結婚が決まっていた。
まぁ、そういうわけで、孫の代ではその轍を踏まないと満を持して20歳になったそうそう、我が家に話を持ち込んだというわけ。
とはいえ、龍太郎さんは高校時代にはもう奥様と結婚すると決めていたらしいので、私もそうだったらどうなっていたんだろ。妹の明日香はまだ高校生だしね。ま、私にはカレシなんていないからいいんだけど。
とにかく、会うだけは会おうと思って行ったった席にはスーツをびしっと着込んだ背の高い男性がいた。カッコいいし、物腰も柔らかい。なかなか見合いも悪くないかもと思っていたんだけど、両方のおじいちゃんがいなくなった後、相手の秀一郎さんの態度が一変した。
「未来ちゃんだっけ。悪いけど僕、誰とも結婚する気はないんだけどな。
君から適当に断ってくれない?」
秀一郎さんは、ソファーに足を組んで座り、煙草に火をつけそう言った。
「それは……」
適当に断るって……ムリ! おじいちゃんめちゃくちゃ気合入ってるから。それを察したのか、
「ああ、この話はそっちから持ち込んだんだったな。あんたのじいさん、すごい入れ込みようだったもんな。
けど、困るんだよね。僕、きっと君のことを好きにはならないよ」
と返す秀一郎さん。
「それは、秀一郎さんにも心に決めた方がいるってことですか?」
彼の父、龍太郎さんにも高校時代から決まった相手がいたのだ、秀一郎さんにもそういう女性がいてもおかしくはない。だが、私の言葉に秀一郎さんの返事はなかった。ただ、その代わりに彼の肩がビクっと揺れる。肯定してるってことだろうか。それで私が、
「なら、あなたのお祖父様にそう言えばいいのに」
と言うと、
「君になにが分かる! 簡単に言わないでくれ!!
それができるくらいなら、僕はもうとっくに……」
と、秀一郎さんはいきなりキレた。彼はしばらく拳を握りしめて、私を冷たい眼でで眺めていたが、急にそれを緩めると、
「そうだ、君が手伝ってくれる? どうせ君にも僕にも断るって選択肢はないみたいだしね。
そうすれば、僕も痛くない腹を探られずに済む」
そう言って、きれいな秀一郎さんの唇の端が少し上がった。
私が20歳になった時、上河原のおじいちゃんが息せき切って持ってきのは、なんとお見合いの話だった。しかも、その相手は世界にまで進出している大企業、「YUUKI」の御曹司だっていうんだからビックリ。
「悪い虫がつかんうちにまとめんとな」
おじいちゃんはママをちらりと睨みながらそう言った。
「あちらが先に奥様と結婚したんじゃない。私のせいじゃないから」
それを聞いてママがそう反論する。そう、この縁談は元々は親友同士だったそれぞれのおじいちゃんが、『子供が生まれたら是非とも嫁(あるいは婿)に』という約束を交わしたことから始まるんだけど、ママと結婚してほしかった跡取り息子の龍太郎さんは高校時代の同級生とデキ婚しちゃうし、龍太郎さんとはお母さんが違う壮平さんは、YUUKIを嫌って家出しちゃうし、一番下の爽太さんではママより若い。ま、壮平さんが家出したすぐあと、ママはパパと出会って結婚したし。あと、ママにはお兄さんがいるけど、真ん中の琴子さんは伯父さんより年上で、伯父さんが学校を卒業するころにはすでに他の人と結婚が決まっていた。
まぁ、そういうわけで、孫の代ではその轍を踏まないと満を持して20歳になったそうそう、我が家に話を持ち込んだというわけ。
とはいえ、龍太郎さんは高校時代にはもう奥様と結婚すると決めていたらしいので、私もそうだったらどうなっていたんだろ。妹の明日香はまだ高校生だしね。ま、私にはカレシなんていないからいいんだけど。
とにかく、会うだけは会おうと思って行ったった席にはスーツをびしっと着込んだ背の高い男性がいた。カッコいいし、物腰も柔らかい。なかなか見合いも悪くないかもと思っていたんだけど、両方のおじいちゃんがいなくなった後、相手の秀一郎さんの態度が一変した。
「未来ちゃんだっけ。悪いけど僕、誰とも結婚する気はないんだけどな。
君から適当に断ってくれない?」
秀一郎さんは、ソファーに足を組んで座り、煙草に火をつけそう言った。
「それは……」
適当に断るって……ムリ! おじいちゃんめちゃくちゃ気合入ってるから。それを察したのか、
「ああ、この話はそっちから持ち込んだんだったな。あんたのじいさん、すごい入れ込みようだったもんな。
けど、困るんだよね。僕、きっと君のことを好きにはならないよ」
と返す秀一郎さん。
「それは、秀一郎さんにも心に決めた方がいるってことですか?」
彼の父、龍太郎さんにも高校時代から決まった相手がいたのだ、秀一郎さんにもそういう女性がいてもおかしくはない。だが、私の言葉に秀一郎さんの返事はなかった。ただ、その代わりに彼の肩がビクっと揺れる。肯定してるってことだろうか。それで私が、
「なら、あなたのお祖父様にそう言えばいいのに」
と言うと、
「君になにが分かる! 簡単に言わないでくれ!!
それができるくらいなら、僕はもうとっくに……」
と、秀一郎さんはいきなりキレた。彼はしばらく拳を握りしめて、私を冷たい眼でで眺めていたが、急にそれを緩めると、
「そうだ、君が手伝ってくれる? どうせ君にも僕にも断るって選択肢はないみたいだしね。
そうすれば、僕も痛くない腹を探られずに済む」
そう言って、きれいな秀一郎さんの唇の端が少し上がった。
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