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計画の頓挫
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それでも夫が帰る前に仕込んでしまえばいいのだ。夫鳴澤憲幸の帰宅はあと20日あまり、その少し前に秀一郎と同衾すればいい。そう思ったほのかだったが……
「ただいま」
と満面の笑みで憲幸が帰宅したのは、本来帰ってくる三日も前のしかも午後であった。
この日ほのかは、秀一郎との逢瀬を楽しむつもりで結城の家に行く準備していた矢先で、夫の顔を見た彼女は、しばし口を開いたまま固まって、
「……早かったのね」
と言うのが精一杯だった。それに対して憲幸は、
「うん、一刻も早くほのちゃんにに会いたくて、急いで仕事片づけちゃったからさ」
とニコニコ笑って答える。ほのちゃんという呼び方も、
『ほのかさんってなんか他人行儀だろ。同い年なんだし、ほのちゃんにしてもいいか』
と、憲幸から言い出したことだ。彼自身ののことは
『憲幸って呼び捨てでいいぜ』
と言っていたが、自分はちゃん付けで呼ばれているのに、こちらが呼び捨てではすごく横柄に聞こえる。同じように憲幸さんはNGだと言われて、ほのかはのりさんと呼ぶことになったのだ。
にしても、3日も早く帰ってくるとは、どれだけ詰め込んで仕事をしてきたのだろう。アメリカで見てきた彼の普段の仕事量を考えると、想像ができない。
ほのかは憲幸に見えないようにそっとこめかみを押さえたが、見られてしまっていたようで、
「どうしたの? 調子悪い?」
と夫に顔をのぞき込まれる。
「ううん、ちょっとびっくりしただけです。まだお帰りじゃないと思ってましたから」
ほのかはしまったと心の中で舌打ちをしつつ、そう言って表情が見られないように俯いた。それを見て憲幸は、
「あ、メールも入れないでゴメン。でも、びっくりさせたかったからさ。
実際、ほのちゃんに会いたい一心で仕事片づけたから、進んで進んで……自分でもびっくりだったんだ。
でもね、よくよく考えたら、以前は早めに仕事が終わっても、付随した仕事をわざわざ見つけて片づけてたりしてたからだったみたい。
要するに、あんまり帰るってことを重要視してこなかったって事なんだと思う」
と、申し訳なさそうにそう言って、ほのかの顎を持ち上げて10センチほど高い自分の顔の方に彼女の顔をむけさせ。
「ああ、早くほのちゃんを充電したい」
と言いつつ、ほのかの唇に自身のそれを重ねて巧みにほのかの舌をとらえてからめ取る。
「うんっ……うんっ……はぁ、はぁ……」
初めて重ねられたときには随分ぎこちなかったはずなのに、回を重ねるごとに憲幸の口づけは格段にうまくなっている。それに、ほのかの火の付け方も覚えてしまっているようだ。憲幸は唇を貪りながら抱え込んだほのかの右の耳の裏をさわさわと撫で上げる。彼女は耳が弱い。身体にぞくりとした電気が走ってきゅっと乳首が立ち上がる。憲幸は唇を離す頃にはすっかり腰砕けになってしまったほのかを抱き上げると、そのまま寝室に向かった。
「あの……のりさん、お風呂は……ご飯は……」
とほのかは慌ててそう言うが、
「ほのちゃん、ご飯にはまだ早いよ。お風呂は……ごめん、帰る間中ほのちゃんのことで頭がいっぱいだったから、もう我慢できない。そうだ、あとで一緒に入ろうよ」
と言い、ほのかを寝室のベッドに置くと、秀一郎の好きな藤色のカットソーをたくし上げてさっと抜いてしまう。ほのかは思わず、
「ひっ」
という小さな声を上げて飛び上がる。さらに無防備になった隙にブラジャーもトップス同様に頭から抜かれた。憲幸は露わになったほのかの胸に、幼子のようにむしゃぶりつく。幼子とは違うのは、口の入っていない左の乳房の先を右手でころころと転がしていることだ、キスで堅く立ち上がっていた両の双丘へのそれに、じゅわりとほのかの中心に熱が広がる。そう、今日は危険日。学術的な検証があるかどうかはさだかではないが、エクスタシーを感じる時の方が、妊娠しやすいと聞く。動物において、受胎する確率が高いときに発情期を迎えるというのは理にかなっているとほのかも思う。
「のりさん、ダメぇ」
だからこそ今は夫と交わりたくない。このままではできてしまう、そう思って必死に夫の熱を冷ませないかと考えるほのかだが、ダメのイヤのといくら言おうが、却ってそれは煽っているとしか取られないということは、秀一郎との逢瀬でイヤと言うほど解っている。
それに、この頭のいい男は、一緒に過ごした蜜月の間に、どうすればほのかの身体が悦ぶかということを既に熟知してしまっている。双丘を楽しんだ後は、ぬかるみに手を染めてその長い指を使ってほのかの啼くポイントを的確に擦り上げる。そして、身体はほどなくしてやってくるであろう肉棒を心に関係なく期待して腰を揺らす。やがて快感は心も浸食していき、ほのかは何度も昇りつめて気がつけば陽はとっぷりと暮れていた。時差もありぐっすり眠っている夫を横目で見ながら、<夫が急に帰ってきたので今日は行けない>とのメール秀一郎に打った後、身体中にちりばめられた夫の『所有の証』を改めて確認してため息をついた。
「ただいま」
と満面の笑みで憲幸が帰宅したのは、本来帰ってくる三日も前のしかも午後であった。
この日ほのかは、秀一郎との逢瀬を楽しむつもりで結城の家に行く準備していた矢先で、夫の顔を見た彼女は、しばし口を開いたまま固まって、
「……早かったのね」
と言うのが精一杯だった。それに対して憲幸は、
「うん、一刻も早くほのちゃんにに会いたくて、急いで仕事片づけちゃったからさ」
とニコニコ笑って答える。ほのちゃんという呼び方も、
『ほのかさんってなんか他人行儀だろ。同い年なんだし、ほのちゃんにしてもいいか』
と、憲幸から言い出したことだ。彼自身ののことは
『憲幸って呼び捨てでいいぜ』
と言っていたが、自分はちゃん付けで呼ばれているのに、こちらが呼び捨てではすごく横柄に聞こえる。同じように憲幸さんはNGだと言われて、ほのかはのりさんと呼ぶことになったのだ。
にしても、3日も早く帰ってくるとは、どれだけ詰め込んで仕事をしてきたのだろう。アメリカで見てきた彼の普段の仕事量を考えると、想像ができない。
ほのかは憲幸に見えないようにそっとこめかみを押さえたが、見られてしまっていたようで、
「どうしたの? 調子悪い?」
と夫に顔をのぞき込まれる。
「ううん、ちょっとびっくりしただけです。まだお帰りじゃないと思ってましたから」
ほのかはしまったと心の中で舌打ちをしつつ、そう言って表情が見られないように俯いた。それを見て憲幸は、
「あ、メールも入れないでゴメン。でも、びっくりさせたかったからさ。
実際、ほのちゃんに会いたい一心で仕事片づけたから、進んで進んで……自分でもびっくりだったんだ。
でもね、よくよく考えたら、以前は早めに仕事が終わっても、付随した仕事をわざわざ見つけて片づけてたりしてたからだったみたい。
要するに、あんまり帰るってことを重要視してこなかったって事なんだと思う」
と、申し訳なさそうにそう言って、ほのかの顎を持ち上げて10センチほど高い自分の顔の方に彼女の顔をむけさせ。
「ああ、早くほのちゃんを充電したい」
と言いつつ、ほのかの唇に自身のそれを重ねて巧みにほのかの舌をとらえてからめ取る。
「うんっ……うんっ……はぁ、はぁ……」
初めて重ねられたときには随分ぎこちなかったはずなのに、回を重ねるごとに憲幸の口づけは格段にうまくなっている。それに、ほのかの火の付け方も覚えてしまっているようだ。憲幸は唇を貪りながら抱え込んだほのかの右の耳の裏をさわさわと撫で上げる。彼女は耳が弱い。身体にぞくりとした電気が走ってきゅっと乳首が立ち上がる。憲幸は唇を離す頃にはすっかり腰砕けになってしまったほのかを抱き上げると、そのまま寝室に向かった。
「あの……のりさん、お風呂は……ご飯は……」
とほのかは慌ててそう言うが、
「ほのちゃん、ご飯にはまだ早いよ。お風呂は……ごめん、帰る間中ほのちゃんのことで頭がいっぱいだったから、もう我慢できない。そうだ、あとで一緒に入ろうよ」
と言い、ほのかを寝室のベッドに置くと、秀一郎の好きな藤色のカットソーをたくし上げてさっと抜いてしまう。ほのかは思わず、
「ひっ」
という小さな声を上げて飛び上がる。さらに無防備になった隙にブラジャーもトップス同様に頭から抜かれた。憲幸は露わになったほのかの胸に、幼子のようにむしゃぶりつく。幼子とは違うのは、口の入っていない左の乳房の先を右手でころころと転がしていることだ、キスで堅く立ち上がっていた両の双丘へのそれに、じゅわりとほのかの中心に熱が広がる。そう、今日は危険日。学術的な検証があるかどうかはさだかではないが、エクスタシーを感じる時の方が、妊娠しやすいと聞く。動物において、受胎する確率が高いときに発情期を迎えるというのは理にかなっているとほのかも思う。
「のりさん、ダメぇ」
だからこそ今は夫と交わりたくない。このままではできてしまう、そう思って必死に夫の熱を冷ませないかと考えるほのかだが、ダメのイヤのといくら言おうが、却ってそれは煽っているとしか取られないということは、秀一郎との逢瀬でイヤと言うほど解っている。
それに、この頭のいい男は、一緒に過ごした蜜月の間に、どうすればほのかの身体が悦ぶかということを既に熟知してしまっている。双丘を楽しんだ後は、ぬかるみに手を染めてその長い指を使ってほのかの啼くポイントを的確に擦り上げる。そして、身体はほどなくしてやってくるであろう肉棒を心に関係なく期待して腰を揺らす。やがて快感は心も浸食していき、ほのかは何度も昇りつめて気がつけば陽はとっぷりと暮れていた。時差もありぐっすり眠っている夫を横目で見ながら、<夫が急に帰ってきたので今日は行けない>とのメール秀一郎に打った後、身体中にちりばめられた夫の『所有の証』を改めて確認してため息をついた。
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