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いつまでも女で……
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「だけど、ちょっとホッとしました。修司さん、『加奈子が最近荒れてる』って言ってたから。旦那様の浮気が分かればそりゃ怒りますよね。それを更年期だなんて」
未来は自分のことのようにプリプリしながらそう言った。普通なら激怒するのだろうな、と加奈子は思った。だが、自分にも身に覚えがあるから、修司のことは言えない。ただ、あまりにも寛大でいると、勘ぐられてしまうかも知れないが、だからこれくらいの拗ねモードがちょうど良いのではないかと。
「修司、そんなことまで未来ちゃんに言ったの? でも、荒れてたのはホントだからしょうがないかな」
「ううん、しょうがなくないですよもっと怒って良いです。それに加奈子さんまだ若いですから」
だが、なおも加奈子を擁護し続ける未来に、加奈子は少し照れながら、
「ううん、もういい歳。だって今、女の瀬戸際だもの。
あんなものない方がせいせいするはずなのにね……でも、いざ遅れたり飛んだりするとなんだか寂しいものなのね。
健康な身体に戻すはずなのに、大幅なダイエットって結局身体を削っている部分もあったりするの。その一つが更年期。普通より早くくることが多いらしいわ。
ま、あのままデブでいて、血管が切れてころっと死んでしまえればいいけど、下手に助かって動けなくなったら、あの頃の私じゃ修司にものすごく面倒をかけてしまうだろうから。それはイヤ。
でも、なんかさぁ、できるならいつまでも女でいたいじゃない? そう思うと、何もかもが腹立たしくってイラついて……」
と言った。そうだ、私はいつまでも女でいたかったのだ。妻や母が嫌な訳では決してないが、それでも女でありたいのだ。加奈子は未来に話すことでやっとそれに気づいた。
「じゃぁ、休ませてもらうわね。今日は本当にありがとう」
そう言いながら加奈子は立ち上がり、
「でも、若い未来ちゃんに聞かせる話じゃなかったわね。でも私、だから未来ちゃんに後悔して欲しくなくて。女にとって自分の子供はやっぱり特別だもの。苦労はすると思うけど、双子ちゃんたち絶対に手放しちゃだめよ。相手の人、結構なお金持ちなんでしょ。達也くんのことが知れたら、跡取りとして狙われそうじゃない? じゃぁ、おやすみ」
そう言って軽く手を振りながら、今夜の宿として提供された未来の妹明日香の部屋に入って行った。
未来は自分のことのようにプリプリしながらそう言った。普通なら激怒するのだろうな、と加奈子は思った。だが、自分にも身に覚えがあるから、修司のことは言えない。ただ、あまりにも寛大でいると、勘ぐられてしまうかも知れないが、だからこれくらいの拗ねモードがちょうど良いのではないかと。
「修司、そんなことまで未来ちゃんに言ったの? でも、荒れてたのはホントだからしょうがないかな」
「ううん、しょうがなくないですよもっと怒って良いです。それに加奈子さんまだ若いですから」
だが、なおも加奈子を擁護し続ける未来に、加奈子は少し照れながら、
「ううん、もういい歳。だって今、女の瀬戸際だもの。
あんなものない方がせいせいするはずなのにね……でも、いざ遅れたり飛んだりするとなんだか寂しいものなのね。
健康な身体に戻すはずなのに、大幅なダイエットって結局身体を削っている部分もあったりするの。その一つが更年期。普通より早くくることが多いらしいわ。
ま、あのままデブでいて、血管が切れてころっと死んでしまえればいいけど、下手に助かって動けなくなったら、あの頃の私じゃ修司にものすごく面倒をかけてしまうだろうから。それはイヤ。
でも、なんかさぁ、できるならいつまでも女でいたいじゃない? そう思うと、何もかもが腹立たしくってイラついて……」
と言った。そうだ、私はいつまでも女でいたかったのだ。妻や母が嫌な訳では決してないが、それでも女でありたいのだ。加奈子は未来に話すことでやっとそれに気づいた。
「じゃぁ、休ませてもらうわね。今日は本当にありがとう」
そう言いながら加奈子は立ち上がり、
「でも、若い未来ちゃんに聞かせる話じゃなかったわね。でも私、だから未来ちゃんに後悔して欲しくなくて。女にとって自分の子供はやっぱり特別だもの。苦労はすると思うけど、双子ちゃんたち絶対に手放しちゃだめよ。相手の人、結構なお金持ちなんでしょ。達也くんのことが知れたら、跡取りとして狙われそうじゃない? じゃぁ、おやすみ」
そう言って軽く手を振りながら、今夜の宿として提供された未来の妹明日香の部屋に入って行った。
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