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王様登場
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しばらくして奥の扉が全開になり、王様が徐に大臣やらお付きのものを大勢引き連れて現れて玉座に着いた。人々は概ね遅ればせながらの王子のご帰還に喜びと安堵の表情を浮かべている。でも、若干名そうじゃない者もいるようだ。特に大臣らしき小太りの中年のおっさんは、顔こそ笑ってはいるが、目が笑ってはおらず、なんとなく心の中で舌打ちしているのが聞こえてきそうな気がした。
【コータル、ようやく帰って参ったか。あまりに遅いので、無法者に襲われて命を落としたという者まで現れてな、心配したぞ。いくらこちらでの挙式がまだだからとは言え、セルディオとたった二人でなく、姫の馬車と同行する形で帰っても良かったのではないか?】
王様は先輩にそう言った。やっぱりフローリア姫は王子の婚約者だったんだ。王様の言ってることを考えると、一応、ガッシュタルトでの結婚式は終わっているみたいだけど。
【いいえ、今度のことは私が不注意だっただけのこと。そのためにセルディオを大変な目に遭わせてしまいました】
王様の労いの言葉に、先輩がさっきのクロヴィスさんへの発言とも辻褄を合わせるように報告する。
【そうだ、セルディオ、コータルの命を救ってくれたのだとな。このバルド、高い壇上からではあるが、心から礼を言うぞ】
【とんでもない。私は殿下に仕えるものとして、当然の責務を果たしたまでのこと。そのようなお言葉、もったいのうございます】
王様の感謝の言葉に、僕は低くしている姿勢をなお低くしてそう答えた。というより、一旦膝をついてしまったら、もう元に戻せなくなっているのもある。ホントのところをいうと、僕の額にはうっすらと脂汗が浮かんでいる。
【して、その美しい少女は?】
続いて、王様は僕の横でそんな僕の様子を心配げに頭を下げているマシュー改めエリーサちゃんに眼を向けた。
【ガッシュタルト王女、エリーサ様にございます】
僕の紹介にエリーサちゃんは、王様にお辞儀をした。その仕草はとても優雅で美しい。こんなにちゃんとしつけられている彼女があの大男マシューと同一人物だったなんて信じられない。
【ごめんなさい、お姉ちゃまのご成婚がどうしても見たくて、コータル様を追いかけて、強引に付いてきてしまいました】
ここにいる理由をそう言ったエリーサちゃんに、
【そうか、やはり小さくても女性は女性ということか。姫の婚儀をそれほどまでに見たかったか】
と、目を細める王様。でも、結婚式を見るために男になりすましてまで、たぶん、二百キロメートル近い距離は歩かんでしょう、普通。本当は違う理由があるんだろうけど、そこは今聞けないし、これは乗った方が良い。
【謝るのは私の方です。遅れた分、一刻も早く城に戻ろうと、あなたを先にお送りせずに、連れ歩いてしまいました。その上、リルムの町では危ない目にも遭わせてしまいましたし、そんな私をあなたはわざわざガザの実を取りに行ってまで看病してくださったじゃないですか】
と、熱くエリーサちゃんを見る。
【殿下と姫様のご婚儀が終わり次第、ちゃんとガッシュタルトまで私がお送りしますからね 】
【セルディオ様……】
エリーサちゃんがうるうるの眼で僕を見つめた。これで、僕はこの城を出られる。先輩は……このままグランディールの王子様になってもらおう。
たぶん、僕の推測では王子様とセルディオさんはもうこの世にはいない。もしいたら、今頃きっとお城に帰って来れなくても何らかの連絡はしているはずだ。それがないってことは……そう言うことなんだと思う。
【それでは、婚儀は明後日に執り行う。国中に触れを出せ】
一通り話を終えた後、王様は高らかに結婚式の日程を宣言した。しかし、その時、慌てて
【王よ、お待ちください。騙されてはなりませんぞ。こやつらは、殿下とセルディオ卿を騙る偽物でございます】
そう進言したのは、一人眼の笑っていなかった小太りのおっさんだった。
【コータル、ようやく帰って参ったか。あまりに遅いので、無法者に襲われて命を落としたという者まで現れてな、心配したぞ。いくらこちらでの挙式がまだだからとは言え、セルディオとたった二人でなく、姫の馬車と同行する形で帰っても良かったのではないか?】
王様は先輩にそう言った。やっぱりフローリア姫は王子の婚約者だったんだ。王様の言ってることを考えると、一応、ガッシュタルトでの結婚式は終わっているみたいだけど。
【いいえ、今度のことは私が不注意だっただけのこと。そのためにセルディオを大変な目に遭わせてしまいました】
王様の労いの言葉に、先輩がさっきのクロヴィスさんへの発言とも辻褄を合わせるように報告する。
【そうだ、セルディオ、コータルの命を救ってくれたのだとな。このバルド、高い壇上からではあるが、心から礼を言うぞ】
【とんでもない。私は殿下に仕えるものとして、当然の責務を果たしたまでのこと。そのようなお言葉、もったいのうございます】
王様の感謝の言葉に、僕は低くしている姿勢をなお低くしてそう答えた。というより、一旦膝をついてしまったら、もう元に戻せなくなっているのもある。ホントのところをいうと、僕の額にはうっすらと脂汗が浮かんでいる。
【して、その美しい少女は?】
続いて、王様は僕の横でそんな僕の様子を心配げに頭を下げているマシュー改めエリーサちゃんに眼を向けた。
【ガッシュタルト王女、エリーサ様にございます】
僕の紹介にエリーサちゃんは、王様にお辞儀をした。その仕草はとても優雅で美しい。こんなにちゃんとしつけられている彼女があの大男マシューと同一人物だったなんて信じられない。
【ごめんなさい、お姉ちゃまのご成婚がどうしても見たくて、コータル様を追いかけて、強引に付いてきてしまいました】
ここにいる理由をそう言ったエリーサちゃんに、
【そうか、やはり小さくても女性は女性ということか。姫の婚儀をそれほどまでに見たかったか】
と、目を細める王様。でも、結婚式を見るために男になりすましてまで、たぶん、二百キロメートル近い距離は歩かんでしょう、普通。本当は違う理由があるんだろうけど、そこは今聞けないし、これは乗った方が良い。
【謝るのは私の方です。遅れた分、一刻も早く城に戻ろうと、あなたを先にお送りせずに、連れ歩いてしまいました。その上、リルムの町では危ない目にも遭わせてしまいましたし、そんな私をあなたはわざわざガザの実を取りに行ってまで看病してくださったじゃないですか】
と、熱くエリーサちゃんを見る。
【殿下と姫様のご婚儀が終わり次第、ちゃんとガッシュタルトまで私がお送りしますからね 】
【セルディオ様……】
エリーサちゃんがうるうるの眼で僕を見つめた。これで、僕はこの城を出られる。先輩は……このままグランディールの王子様になってもらおう。
たぶん、僕の推測では王子様とセルディオさんはもうこの世にはいない。もしいたら、今頃きっとお城に帰って来れなくても何らかの連絡はしているはずだ。それがないってことは……そう言うことなんだと思う。
【それでは、婚儀は明後日に執り行う。国中に触れを出せ】
一通り話を終えた後、王様は高らかに結婚式の日程を宣言した。しかし、その時、慌てて
【王よ、お待ちください。騙されてはなりませんぞ。こやつらは、殿下とセルディオ卿を騙る偽物でございます】
そう進言したのは、一人眼の笑っていなかった小太りのおっさんだった。
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