進撃!犬耳機動部隊

kaonohito

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第3話 チハーキュへようこそ日本人さん

Chapter-26

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 の落ちたカムイガルド亜大陸、中央大盆地の東西の中ほどに、朝露に濡れた蜘蛛の巣のように、人工の光の集合が、放射状に広がっているのが見える。
 特急ラスティナ号は、すでにレングード都市圏に入っている。信号機は再び4灯の色灯式になり、線路は複々線になっていた。
 ゴォッ
「!」
 内側の上り急行線を走っていたラスティナが、下り急行電車とすれ違う。この場合の急行とは、優等料金を徴収しない近郊電車の速達型の事で、日本国鉄では後に急行に電車が投入された際、紛らわしいため “快速” と改称する。
 離合していく後ろ姿を、克三郎は窓越しに見た。
 濃い青地に窓周りを白く塗った、流線型のシルエットが確かに見えた。
「今の電車は……流線型だったようですが」
 克三郎は、ユージンに対して訊く。
「モハ52形ですね。レングードの近郊区間、特にこのレングード・スターリー線の電化区間で使う為に製造されました」
「やっぱり……」
 ユージンの説明を聞いた克三郎が、小さく呟くように言うと、
「やはり、日本に同じ型の車両が?」
 と、ユージンが聞き返す。
「ええ、日本の第2の都市圏である、大阪と京都の電化区間で、やはり急行電車用に製造された形式とよく似ています」
「なるほど、仰られていたとおり、中央管理局の車両は日本国鉄とほぼ同じ形式が造られている、と」
「そう言うことになりますね」
 ユージンの問い返すような言葉に、克三郎は同意してから、
「あのモハ52は、量産されているのですか?」
 と、聞いた。
 日本のモハ52形は3編成分の6両が製造されたが、編成の両端にしか使えない、流美さを追求して乗務員室扉を省略したため乗務員の手間が大きい、床下機器をスカートで覆ったため整備性が悪い、などが運用側から指摘された。
 さらに2次車が製造されたのが昭和12年、1937年というのもタイミングが悪かった。この年、日華事変が勃発し、このような “遊び” のある車両を製造している余裕がなくなった。
 一方、チハーキュ国鉄では……────
「ええ、特にレングードの看板となる路線の車両ですからな、ただ……」
「ただ?」
「スカートが整備を阻害する、制輪子の鉄粉が入り込んで機器を壊す、独立した乗務員室扉がない、と問題になりまして。初期車のスカートは撤去して、3次車以降は最初からスカートなし、乗務員室扉付きにしています」
「やはりそうなりましたか」
 ユージンの説明を聞いて、克三郎は引きつったような苦笑をする。
「それと、輸送力の確保がより急務になりまして、専用の2扉車では揃えず、主電動機の出力を上げたモハ60形などの3扉車を中間に挟んでおります」
「なるほど」
 ──────── ラスティナは減速を始める。緩行線にしかホームのない駅を通過するのとほぼ同時に、レングード中央駅への到着がアナウンスされた。
 ブレーキをかけて制動中の車輪と、レールとの間で軋む音を立てながら、EF58形を先頭に、神殿を思わせるような屋根付きの巨大駅のホームへと、ラスティナは滑り込んでいく。
[レングード中央駅、レングード中央駅、終点、レンクード中央駅です。列車をお降りのお客様は、お忘れ物のなきよう、今一度お手回り品の確認をお願いいたします。本日はチハーキュ帝国国有鉄道をご利用いただき、誠にありがとうございました]
 当然、カムイガルド語でアナウンスされている。
「あ、来た来た」
 アサギリを先頭に、日本視察班と同行者のメンバーが、1・2等区分室車の前側の扉から降りると、1両前の寝台車の前側の出入台からホームへ出たところで、アイリと珊瑚が待っていた。
「アイリー!」
 アサギリが、すこし小走りに、アイリに駆け寄る。
「到着前に合流してくれないと困るじゃん。何かあったのかと思った」
「そう言う中尉こそ、磯原さんほっぽりだしたまま何やってたんですか」
 アサギリが少しだけ咎めるような口調で言うと、アイリが呆れたような視線をアサギリに向けてそう言った。
「え? いやまぁ、その……」
 そう言われたアサギリは、何故か挙動不審気味に、後頭部を手で掻くような仕種をしながら、言葉を濁らせる。
 実は、主に克三郎とユージンの会話についていけず、ついうっつらうっつらしてたのだが、流石に馬鹿正直に言うのはためらわれた。 ──── が、アイリの方は、それで察した、というように、大きくため息をいた。
 そんな2人を余所に、
「流石に帝都の中央駅と言うだけあって、それなりの賑わいですね……」
 と、丈乃が、学に同意を求めるように話しかける。
「ああ……東京駅と言うよりは、上野駅を思わせる感じだな」
 この当時の日本では、東京より南西方向へ向かう東海道本線系統の列車は東京駅から、北東方向へ向かう東北本線系統の列車は上野駅から、それぞれ発着していた。
 レングード中央駅は、造りこそ美観を重んじた、厳かさを感じさせる意匠になっているが、そこは首都の中枢駅、人でごった返し、喧騒が響いている。
 ラスティナが到着した特急・急行ホームでも、到着した列車から降りる人々、スターリーを始めとする地方都市へ向かう夜行列車に乗車する人々、列車の荷物車、郵便車から荷物を載せたり下ろしたりする係員など、大勢行き交っている。
 ラスティナの1号車のスハユニ09も、電車型乗降扉から乗客が降車する中、手荷物・小荷物類や、郵便袋が、搬送用のワゴンに移されていく。郵便袋を載せるワゴンは、かなりはっきりと解るように、郵便のマークが入れられていた。
 単端式のホームからコンコースへ出ると、今度は電車線ホームに向かう帰宅を急ぐ通勤客で、よりごった返している。
 当然、その多くはヴォルクスだ。だがよーく注意して観察すると、結構な割合でフィリシスが混ざり込んでいるのがわかる。
 ダークエルフは、さらに目に見えて数が少なかったが、褐色肌を持っているため、いればすぐ見つけることができた。
 特に女性のダークエルフは、非常に扇情的な衣装を身に着けている者が目立つ。今の日本人視察班員が解るはずもなかったが、より後の世代の人間ならそれを「ボディコン」と呼んでいただろう。
「あの電車は……」
 電車線ホームで、複数の編成がコンコース側に向けている先頭車を指して、克三郎がユージンに訊ねる。
 EF58形にも通じる2枚窓の半流線型の姿をしている。日本の既存の国鉄電車にはない形状のはずだが、やたら日本臭くも感じる。
「モハ70系ですね。52形よりも少し通勤輸送に振った感じの電車になります。同じ基本設計を共有する形式をまとめて運用する思想で製造が始まったのですが……」
「ですが?」
 その先は読めたと思いつつも、克三郎は訊ねる。
「輸送需要に追いつきませんで、結局中間には旧型車も混用しております」
 ユージンはそう答えてから、
「あの電車は、やはり日本にも?」
 と、訊ね返した。
「いえ。私が記憶している限り、あのような電車は存在していなかったと思います。ただ、日本臭い形状をしているとは思いますね」
「確かに、欧風って言うよりは、どこか日本人好みの形だわ」
 克三郎が言い、珊瑚が賛同の声を出した。
「おわっと!」
「こらこら! 気をつけろい!」
 一度立ち止まりかけた一行のすぐ脇で、ラスティナの荷物車から降ろされてきた荷物のワゴンに、別の列車の食堂車用の木箱を運んでいたヴォルクスが、ぶつかりかけた。
 ワゴンの影から、ひょこっ、と、肉付きのいい少年のような見た目の者が姿を表し、声を荒げる。肌は色白な日本人のような色をしているが、犬や猫の耳はない。デミ・ドワーフだ。
 彼は、荷物満載のワゴンを軽々と押して、改札や駅事務所のある方向へと向かっていった。
「皆さんの手荷物は、直接ホテルの方へお運びいたしますので」
 それを見て思い出したように、アサギリが、日本人視察班員に向かってそう告げた。
 改札を抜け、駅の正面口から駅舎の外へ出る。
「おおっ!?」
 駅の正面は、太い幹線道路が横切っており、併用軌道も敷設されている。だが、それを挟み、堀とそれをわたる橋があって、その奥は、照明こそいているものの、どこか厳かな、この大都市の喧騒からは切り離されたような空間になっている。
 閉じられている鉄柵の門があり、その奥は、庭園のようになっている。そしてその最深部に、城が見えた。
 薄明かりの中でシルエットだけだが、西洋風の建築物のようにも見えるが、日本の城のように天守閣を大きく突き出している。
「こちらは……」
「はい。チハーキュ皇宮になります」
 丈乃が訊ねると、アサギリがそう答えた。
「鉄道が敷設される際、当時の皇帝が、帝国の神経となる交通網の集約点となる場所として、皇宮の正面に駅を建設せよと。その後も代々、現帝陛下に至るまで、それを貫かれています」
「なるほど」
 そう会話をしていると、スターリーと同様に、鉄道線車両のような高床式の路面電車 ──── に見える何かが走ってきた。よく見ると、そもそも併用軌道の上に、架線がない。その車両が立てる音も、電車とは異質のものだった。
「もしかして、あれはガソリンカーですか?」
 克三郎が、ユージンに対して質問した。
「いえ。現在はディーゼルエンジンですな」
 ユージンが答える。
「鉄道に思い入れのある歴代皇帝陛下に対し、駅と皇宮の間に架線を張るのは申し訳ないということで、この区間だけ、石油系の発動機による運転となっています」
「なるほど」
 そして、一行は、アサギリとアイリの先導でタクシー発着場へと向かう。
 何台ものタクシーが、客待ちをしていたが、そちらとは別に、送迎車専用のスペースまでやってきた。
 黒塗りの乗用車2台が、縦列に並んで待っていた。
「むむ……」
 その乗用車にも興味を示したかのように、克三郎と、それに学が、軽く外見を観察した。
「それでは、私はここで失礼させていただきます」
 姿勢を正して直立したユージンが、そう告げた。
「今日はありがとうございました。また、機会が有りましたらお話をお聞かせください」
「はい、楽しみにしております」
 克三郎の挨拶に、ユージンが笑顔でそう答え、2人は握手を交わす。
 克三郎と珊瑚にアサギリ、丈乃と学にアイリ、と分かれて、それぞれ乗用車に乗り込んだ。
 乗用車が走り出し、交差点から道路本線まで出ていくまで、ユージンは見送っていた。

 自動車が少し走ると、商業都市としてのレングードの中枢が見えてくる。戦前の銀座や上野のような、電光に彩られたビル群の立ち並ぶ密集都市の様相を呈している。
 スターリーと同じように、鉄道線のような高床式の電車を使う路面電車が、縦横無尽に走っている。
「自動車もだいぶ多いな……」
 次々とすれ違う無数の乗用車を見て、丈乃が呟くように言った。乗用車や小型トラックの数は、明らかに東京より多いと感じた。
 しかし、それはある意味当然のことだ。チハーキュの自動車生産数は、アメリカの2/3程度あると言う。この時代、すでに大衆自動車社会化していたアメリカばりに乗用車が普及しているのも、自然なことと言える。
 一般人向けの廉価形と目される、前2輪、後1輪の3輪自動車が、チラホラと見えた。
「これだけ、産業が発展している国なのに、なぜ鉄道車両だけまるで同じものが作られているんでしょうかね、川口大尉?」
 丈乃は、隣に座る学に、疑問を口にする。
「いや……」
 幾分難しい表情をしながら、学は口を開いた。
「鉄道ほど顕著ではないだけで、他も多かれ少なかれ似ているところがある」
「えっ!? そうなんですか!?」
 学の答えに、丈乃が軽く驚いた声を出す。
「そ、そうなんですか!?」
 助手席に座っていたアイリも、思わず驚いたような声を出し、振り返る。
「ああ、例えば軍艦の構造だ。軍艦の艦橋構造物はその国によって特色がある。だが、チハーキュ艦の艦橋構造物はやたら日本に似ているんだ。それに空母」
「空母、ですか」
 その空母航空隊に属するアイリが、問い返す。
「側面下方に向けた湾曲煙突を採用しているだろう? あれは地球では日本でしか採用していない。他にも車両も同じ技術を採用している。チハーキュ軍はすでにガダルカナルに送る戦車やハーックの自動貨車を日本に持ち込んでいるが、そのサスョンが、日本と同じリンクアームと圧縮コイルバネの組み合わせを使っている。これも、地球では日本だけが採用している機構だ。乗用車なんかのデザインも、どこかトヨタや日産に似ている。それは、丹波さんも気づいてるんじゃないか?」
「え、ええ、確かに、この乗用車なんかも、日産みたいな前部をしているとは思いました……でも、その事をなぜ?」
 戸惑いながら答えた丈乃は、訝しげに眉をひそめて、問いかけるような言葉を出す。
「いや、見ている者なら、日本のものに似ているな、とは思っているさ。ただ、鉄道車両の話を聞く前だと、合理的に説明できなくもないんだ。…………ウェブスター二飛曹」
「は、はい」
 妙な緊張感を感じて、アイリは思わず、返事をどもらせてしまった。
「空母の煙突が、なぜあの構造をしているか、空母搭乗員なら解るでしょう?」
「え、ええ、排気を海面に一度当てることで、排気の温度が下がって、甲板上の気流の乱れを抑えられるからです」
 アイリは、口元に指を当てて考え込むようにしつつ、そう答えた。
「な? 日本も理由があって採用しているから、別に同じものを採用しても不自然じゃないんだ。戦車の懸架装置も、超壕の際に問題があるとはいえ、ドイツのトーションバー式に比べて、バネにかかる負担が単純で壊れにくいという利点があるしな」
「なるほど……確かに」
 丈乃が、納得したような、しきれていないような声を出す。
「まいったな」
 面倒くさいことになった、と言うように、学は言う。
「クライトン部長が言っていただろう、今でも “舟形遺跡” がこの国の技術に影響を与えていると。一体何が出てくるのか、どえらいもんを見せられることになるかも知れないぞ…………」

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