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第4話 第二次珊瑚海海戦
Chapter-38
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「舵戻せ!」
海面上を左に旋回していたユリンが、その旋回を止めて直進に戻りかける。
米攻撃隊の攻撃は、この段階でまだ続いている。
フリーデルン艦長は、左手で秒針付きの懐中時計を持ちながら、険しい表情をしている。
「敵降爆、空母の上空に迫ります!」
「面舵22°! 機関そのまま!」
「了解!」
ユリンが今度は反対方向に舵を切る。
日本艦とは異なるのだろうが、舵角表示と機関指示器が取付けられた舵機台に向かう操舵手が、舵輪を回して指示された舵角に合わせる。
ユリンの舵が効き始めると、それを追うように他の艦も同方向に舵を切る。
──陸上の歩兵のような、揃った機動だ。
相良は、一斉に転舵する第72任務部隊の各艦を見て、そう思った。
日本海軍と異なり、チハーキュ海軍では空母部隊における防空戦闘時、随伴艦による対空射撃網を維持するため、艦隊である程度揃って回避運動を行う。その際の運動行程も、一方向へグルグル回るのを嫌って、右へ左へとS字を描くような運動が基本とされている。個艦の判断を全くしないわけではないが、陣形を崩して肝心の対空射撃の範囲から、特に空母が飛び出してしまわないようにと考案されたものだった。
この当時のチハーキュ海軍では編成方法がアメリカ軍に近く、同時に動くペアが決まっている場合はあるものの、基本的に任務単位で艦隊編成を行うため、艦隊ごとに慣熟訓練などをしているわけではない。この為、対空戦闘に限らず、旗艦とは別に行動時の“基準艦”を設けて、それに倣う、あるいは続航するかたちで各艦が運動を行う。この基準艦は序列が指定されていて、第1基準艦が行動不可能になって場合は第2、それも無理な場合は第3……となるようになっている一方、上位の基準艦は簡単に沈まないよう、戦艦が指定されることが多い。この為、チハーキュ海軍の輪形陣はアメリカのものとも異なり、先頭が戦艦、次点で重巡洋艦が配置される。流石に空母をここに配置してしまうと本末転倒なのでやらないが。
「この! この!! 墜ちろ! 蚊トンボ!」
照準器の中に捉えられたSBDに対して、45mm銃弾を撃ちあげる。
視覚の中では火線がSBDに向かっているように見えるが、平然と飛んでいる様に見えた。
「いいぞ! ドンピシャの位置に出た!」
VB-7、マシュー大尉の小隊4機が、レムリアスとアフルヘイムラーが並んでいる、その側面をつくかたちで上方に出た。
パンチングフラップを開き、急降下に入る。
「急降下! 入った!」
レムリアスの見張りが叫ぶ。アリーネが立ったまま表情を険しく顰めた。
ドゴッ、グワォッ!!
「アフルヘイムラー被弾!」
アフルヘイムラーのやや後方に、SBDから投下された1000lb爆弾がたて続けに命中した。
炸裂、閃光の一瞬後に衝撃が迸る。飛行甲板が一瞬めくれ上がり、エレベーターを残して無惨なかたちに変わっていた。
「後部軽質油バルブ応答してる!?」
「ランプは点いてます!」
アフルヘイムラー艦長、キャサリン・モリナ・ウェストン大佐が問い質す声に、オペレーターの声が返ってくる。
「閉鎖! 閉鎖!!」
「了解!」
「上空、まだいる?」
「えっと、────あっ!?」
ドガァンッ
至近から、炸裂音と衝撃が響いてきた。
「今のは!?」
「て、敵機がグラディンホルに突っ込みました!」
後続のSBDが急降下中、20mm機銃弾を浴びて炎に包まれたかと思うと、故意か偶然か、降下の進路をずらして、重巡洋艦グラディンホルにほぼ垂直に飛び込んだ。
SBDの機体本体の残ったガソリンが爆発した後に、抱えていた爆弾が炸裂した。
SBDはひっくり返るような姿勢だったため、爆風と破片は上に流れていった。完全に幸運だったが、魚雷発射管の誘爆が起こらず、グラディンホルは損傷しながらも航走を続けていた。
一方。
「上空クリア!」
「応急班、消火復旧開始!」
さらなる攻撃の心配がないと判断したところで、キャサリン艦長がアフルヘイムラーの応急班に下令する。
すでに遠巻きから放水は開始されていたが、格納庫後部の応急班が本格的な活動を始める。
「アフルヘイムラー、火災消火見込みあり、航走に支障なし」
旗艦レムリアスの戦闘艦橋で、アリーネに報告が上がってくる。
「グラディンホル、主発電機室の損傷と排煙不良のため出力抑制、速力21ノット」
「よーし」
険しい表情で、脚を開いて立っていたアリーネが、軽く息を吐き出し、身体の緊張を幾分緩めた。
「他に接近する反応は!?」
「ありません!」
「警戒を継続、見張りも気を抜かないでよ!」
「了解」
この時、9月6日12:54。
速度差があるため、米軍攻撃隊がチハーキュ艦隊の上空を離脱してからおよそ1時間弱経過後に、チハーキュ軍攻撃隊が米TF61上空に差し掛かりつつあった。
「!」
イングリッドが視線を上げる。
「上方、敵です!」
イングリッドはそう言いつつ、自身が握っている8mm連装機銃を、その接近してくる存在に向けた。
「上だ! いるぞ!」
ハンセリアが隊内無線に向かって声を出す。
ヴォゥ……!
タタタタタタ……
上方から接近してくる編隊に向かって、Se12の編隊の後部機銃から射撃が浴びせられる。
ダダダダダダ……ッ
F4Fが緩降下を伴いながら、Se12に向かって襲いかかる。
「3機脱落!」
イングリッドが声を上げる。
F4Fの射撃を浴びせられたSe12の3機が、煙を吹きながら高度を落としていく。
「戦闘機は!?」
「来ました!」
やや苛立った口調でハンセリアが言いかけると、イングリッドが即答する。
Se12の編隊の前方下方へ抜けていったF4Fを追うように、Ie9が、胴体下の錫塗り木製ドロップタンクを投棄しながら、Se12の横をすり抜けるように追い抜いていく。
ダダダッ
再上昇しようと機首を上げかけたF4Fに、Ie9の射撃が浴びせられた。
複数の20mm弾、14mm弾に貫かれたF4Fは、黒い煙を吹きつつ分解しながら墜ちていく。
──戦闘機が現れたということは……
ハンセリアは、海面に視線を落として周囲を捜索する。神経を張り詰めさせた影響で、普段は張りの弱いコリーのような耳もピンっと立ち上がってしまう。
「いた!」
指先ほどの大きさだが、明らかに白い航跡を曳いて航走する複数の存在を発見した。
「敵艦隊発見した! 右手下方! 各機突入準備!」
無線で指示を出しつつ、そちらに向かうようにゆるく旋回をかける。
「敵戦闘機、更に接近!」
イングリッドが言うが、その時すでにIe9が、前方から新たに接近してくるF4Fに向かって、対向の位置から突進していく。
チハーキュ帝国陸海軍航空隊は、F4Fについて詳細な情報を持っていないし、実際に対峙したのも、今のところミッドウェイ沖海戦のみだった。
日本軍からの聞き取りでは、F4Fの性能評価について、日本軍は楽観的な評価を下しているようだった。
流石に、零戦や、中島キ-43 一式戦闘機に比して、後の世で素人が言うような一方的な“カモ”という評価まではしていないものの、不意討ちなど不利な条件での空戦開始ではない限り、容易く抑え込める相手、というところだった。
しかし、ミッドウェイ沖海戦や珊瑚海海戦の損害状況を見たところ、日本軍の搭乗員が“認識”しているほどには楽観できる相手ではないのではないか、と慎重に判断することにした。
結論としては、ミッドウェイ沖海戦時にそうした様に、基本的に2機分隊・2組4機で1個小隊とする集団戦法を堅持し、スペック的な機動性としては素性のいい運動性を活かして、撚り返し型の戦闘機動を行う。
El11の場合、速度が対等で、上昇力・加速力がやや優れているが、性能だけで圧倒できるわけではない程度、と目されるので、堅実にこの戦い方で劣位を取らず優位を取る。
Ie9は、El11よりさらに速度・上昇力・加速力が優秀なため、基本としてはこの戦術を取りつつも、多少の無理は効く。ただし、その場合でも単独行動は厳に戒め、分隊・小隊の列機とはぐれないようにし、万一その場合は迷わず無線で救援を求める事、とされた。
もともとなんとなくそう言う位置づけではあったが、対米戦においてはIe9を侵攻用戦闘機とし、El11を防禦用戦闘機として、運用するという大雑把な方針が立てられていた。
海軍の場合、もともと大型空母にIe9、軽空母にEl11を配備していたので、自ずとそのような運用になった。一方、陸軍でIe9を装備しているのは、本土や拠点の防衛を目的とした部隊に重点配備されている為、部隊編成に苦労していた。
「────正面の敵戦闘機小隊、かかるよ!」
リネッタ・アンジェリーク・ベルトラン飛行少尉が、無線越しに告げる。スロットルレバーを引き、戦闘出力に投入する。
「フロリ、右から行く、反対からお願い」
『おけ』
リネッタの言葉に対し、列機である無線越しにフローリア・セシル・バレッタ上級飛行曹長が短く答える。
戦闘機が向かってきていると気づいたのか、F4FはIe9が向かってくる正面から、左右に別れて回避運動を採った。
「ブレイク!」
撚り返し運動に入る前に、それを解いて、自分達も横転を伴いながらその機動を一旦崩す。リネッタは、「チッ」、と舌打ちをした。
F4Fの横転特性は悪くないように感じられたが、追いすがろうと思えばできないこともないように感じられた。が、それを戒め、状況認識に努める。
この間も、エンジンの出力は落とさない。空中戦において機動力を失することは命取りだ、と、チハーキュの戦闘機搭乗員は志向の根底に染み付いている。
「────っ」
リネッタは困惑した。それは不都合なものではなかったが、それでも一瞬戸惑った。
──戦闘機の数が少ない!
ほぼ、同じ規模の空母部隊であろう────と、アリーネの司令部は読んでいたから、リネッタ達は20~30機程度の要撃戦闘機が、敵艦隊上空に張り付いていると思っていた。
しかし、見る限り、20機ほどもいないように見える。
実際に、今TF61の上空にいるF4Fは、チハーキュ攻撃隊がTF61のレーダーに捉えられた時点で、12機のみだった。
対して、チハーキュ攻撃隊はIe9が48機。
最初の奇襲的な攻撃が終わったあとは、F4FはIe9によって攻撃隊から引き離され、攻撃隊は楽にTF61への進入路を確保できた。
輪形陣の規模は、第72任務部隊とほぼ同じ。
この時、TF61は南に向かって航海していた。想定された対空射撃範囲の外側を回り込み、実際の防空射撃範囲内への進入はその艦隊の先頭の方から始まった。
ドン、ドン、ドン、ドンッ
ガガガガガガ……
有効射程内に入ったと見て、TF61の対空射撃が激しく撃ち上げられ始めた。
「いいぞ! パピー共はわざわざ、防空火器の軸から侵入してきやがった!」
サラトガの戦闘艦橋で、そう声が上がった。
敵の編隊は、わざわざ防空を担当する艦の真上を通過する侵入コースをとっている。そう見えた。
しかし、それを聞いたハルゼーは、はっと目を見開いた。
「何を考えている、何をするつもりだ!?」
まさに、彼がそう言ったとき。
「もらった! 第1、第2小隊、突撃せよ!」
ハンセリアが指示する。
Se12の引き込み式スノコ型ダイブブレーキを開き、一気に機首を下げる。
「何……なんだとぉっ!?」
空母を攻擊する進路を取っている、その前提で、米艦隊はその進路上に対空砲火を撃ち上げていた。
だが、先頭の8機は、その想定進路をいきなり外れ、急降下を開始した。
「悪いな、狙いはお前らなんだ!」
ハンセリアが、興奮で血走った目で、その目標を凝視しながら声を上げる。
その視線の先にあったのは、サラトガとワスプ────ではなく、軽巡洋艦『サンディエゴ』。
アトランタ級軽巡洋艦は、軽巡洋艦となっているが、主砲は口径的には駆逐艦のそれに過ぎない5インチ(12.7cm)両用砲とし、それを連装8基16門搭載した、防空艦として設計されていた。
何度目かになるが、この当時の、地上や海上からの対空火器は必中を期せるものではない。その為、それらは積極的に航空機を狙って落とすというものではなく、何かを航空攻撃から守るためのものである。
アトランタ級は、当初の計画では戦艦、現在は空母も含まれるが、それら大型でより重要な対象を防御するために建造された。逆に言うと、自身が攻撃目標になることはさほど考えられていない。
あるいは最初からその意図が解っていれば別だが、空母への進入路を想定して射撃していたため、その多数の対空砲は想定外の動きをする急降下爆撃機に対処できなかった。
Se12の胴体下に2発ずつ搭載された500kg爆弾が投下される。
ドガンッ、ドガッ、グワッ、ドガンッ、ゴワンッ!!
サンディエゴにたて続けに5発、並行して、同型の『ジュノー』(USS CL-52)に4発が命中した。
2万トンを超える大型空母を行動不能にするための500kg爆弾だ。自身は6,000トン級に過ぎないサンディエゴとジュノーはひとたまりもなかった。
サンディエゴの砲塔がその台座ごと木っ端微塵になった。ジュノーとともに大爆発を繰り返しながら、艦体が明らかに歪んでいる状態で、急速に沈み始める。
「くそっ、転舵だ! 右に転舵しろ!」
その後方を進んでいた重巡洋艦『ニューオリンズ』が、すでに機関もその能力を失い漂流状態のサンディエゴを交わすため、舵を切った。
──一方。
「行きがけの駄賃だッ!」
ハンセリアは、引き起こした先に駆逐艦が視界に入ると、僅かに当て舵を当てた直後、操縦桿先端の機銃発射釦を押し込む。
アフルヘイムラーに移る際に受領した、Se12 Mk.IIIの機首に装備された、20mm機銃1門、14mm機銃3丁が、駆逐艦『スタック』(ベンハム級)に向かって射撃する。
駆逐艦の場合、致命的かどうかはともかく、20mm機銃でも充分ダメージが入った。そして、スタックは不幸だった。ただしその不幸は、ある程度は米軍の瑕疵によって引き寄せた。
巡洋艦以上のイメージとは裏腹に、この大戦における米軍駆逐艦は基本的に、やたら雷装が充実していた。口径や魚雷の性能を計算に入れないなら、ベンハム級駆逐艦は4連装4基16門と、日本海軍のそれすら上回る重雷装だった。
ところが連合軍の水上艦用魚雷発射管は、チハーキュや日本のものと異なり、主に防波を意識したシールド装備されていなかった。発射管は直接14mm機銃弾によって撃ち抜かれ、────
ドッグワゥン……ッ!!
スタックの魚雷発射管の1つが大爆発を起こし、スタックはへたり込むように破壊され、そのまま沈み始めた。
戦艦『ノースカロライナ』(ノースカロライナ級)にも6発の500kg爆弾が命中したが、多少の破壊はあったものの、致命的なことにはならず耐えている。
一方、ニューオリンズは3発の爆弾が飛び込み、後部で激しい火災が発生している。
「あちゃー、これは良くないなー」
フジタは、Se12の水上艦襲撃で混乱状態にある米艦隊の輪形陣内に侵入しつつ、苦笑しながらそう言った。
「いやーまいったマイッタ、先に空母がドンピシャの場所にいるってのに、巡洋艦が邪魔で当たらんなぁー!」
どこか……いや、思い切りワザとらしく、フジタは不真面目におどけた口調で言う。
その低空を這うように飛ぶ先に、重巡『サンフランシスコ』(ニューオリンズ級)が、空母との魚雷の射線を塞いでいた。
「…………しょーがねーぇから、巡洋艦を食っちまうか」
真面目な口調に戻って、唇の端を吊り上げながら、言う。
「雷撃機、小隊毎に突入、好きなもの食え」
防空を担当する駆逐艦は未だ、激しく射撃を続けているが、Ie7にはあまり有効ではなかった。
というのも、枢軸軍の雷撃機の速度差がありすぎるためだ。
「うぉ!」
派手な対空砲の炸裂が目前に発生し、雷撃隊の誰かが声を上げた。
だが、逆に言うと対空砲弾の炸裂タイミングが早すぎる。
機銃の範囲を超える対空砲弾は、砲弾を直撃させるのではなく、航空機の至近で炸裂させて、弾片を撒き散らす事で目標航空機にダメージを入れる。
この時期、アメリカでもまだ、それには時限信管を使い、敵航空機の推定位置で炸裂させる方法をとっていた。
この推定位置は、航空機の進行速度を考慮して割り出すのだが、全金属単葉の中島B5N 九七式艦上攻撃機と、複葉のIe7とは速度差が80km/hほどある。30秒あれば650m以上も場所が変わってしまう。
その上、最近は空母同士の戦闘もなく、九七艦攻よりもさらに高速なRe4や三菱G4M 一式陸上攻撃機ばかりを相手していたから、すぐに諸元を設定し直せなかった。しかも、Ie7の速度性能は、まだ連合軍は取得できていない。
一見、濃密な弾幕射撃の中を、流石に損害皆無とは言えないが、うまくすり抜けて、複葉の雷撃機は、巡洋艦に向かって魚雷を投射する────
「な、なぜだ、なぜ巡洋艦ばかりを狙う?」
サンフランシスコと、空母を挟んで反対側にいた重巡『ソルトレイクシティ』(ペンサコラ級)の舷側に、魚雷命中の水柱が上がる。
状況によっては、最優先目標である空母、もしくは戦艦への攻撃を諦めて、巡洋艦や駆逐艦を攻擊することはあるだろう。
しかし、明らかに巡洋艦を狙い、そのついでで駆逐艦が狙われている。
「────舐めた真似をしてくれる」
狼狽しているブラウニングとは対象的に、ハルゼーは、低い声で、忌々しそうに言う。
憎悪をむき出しにしたような表情で、何処ともなく睨みつけていた。
「────ジャップだ」
この時、第五航空戦隊を発った、第1波・九七式艦上攻撃機18機、愛知D3A九九式艦上爆撃機33機、零戦24機、第2波九七艦攻18機、九九艦爆24機、零戦6機の2波にわたる攻撃隊が、もう1時間もかからないところまで迫ってきていた。
─※──※──※──※─
Ie9 Mk.III 艦上戦闘機
設計・製造 エリア航空機製作所
全長:9,970mm
全幅:12,600mm
主脚展開時高さ:3,850mm
エンジン:レイアナー LV12-Mk.LVIII 液冷V型12気筒 1,375hp
ターボチャージャー装備
最高速度:595km/h
実用上昇限度:11,800m
航続距離:1,200km
固定武装:
20mm機銃×1
14mm機銃×2
搭載力:
主翼下 爆弾 125kgまで×2
胴体下 280l増槽
海面上を左に旋回していたユリンが、その旋回を止めて直進に戻りかける。
米攻撃隊の攻撃は、この段階でまだ続いている。
フリーデルン艦長は、左手で秒針付きの懐中時計を持ちながら、険しい表情をしている。
「敵降爆、空母の上空に迫ります!」
「面舵22°! 機関そのまま!」
「了解!」
ユリンが今度は反対方向に舵を切る。
日本艦とは異なるのだろうが、舵角表示と機関指示器が取付けられた舵機台に向かう操舵手が、舵輪を回して指示された舵角に合わせる。
ユリンの舵が効き始めると、それを追うように他の艦も同方向に舵を切る。
──陸上の歩兵のような、揃った機動だ。
相良は、一斉に転舵する第72任務部隊の各艦を見て、そう思った。
日本海軍と異なり、チハーキュ海軍では空母部隊における防空戦闘時、随伴艦による対空射撃網を維持するため、艦隊である程度揃って回避運動を行う。その際の運動行程も、一方向へグルグル回るのを嫌って、右へ左へとS字を描くような運動が基本とされている。個艦の判断を全くしないわけではないが、陣形を崩して肝心の対空射撃の範囲から、特に空母が飛び出してしまわないようにと考案されたものだった。
この当時のチハーキュ海軍では編成方法がアメリカ軍に近く、同時に動くペアが決まっている場合はあるものの、基本的に任務単位で艦隊編成を行うため、艦隊ごとに慣熟訓練などをしているわけではない。この為、対空戦闘に限らず、旗艦とは別に行動時の“基準艦”を設けて、それに倣う、あるいは続航するかたちで各艦が運動を行う。この基準艦は序列が指定されていて、第1基準艦が行動不可能になって場合は第2、それも無理な場合は第3……となるようになっている一方、上位の基準艦は簡単に沈まないよう、戦艦が指定されることが多い。この為、チハーキュ海軍の輪形陣はアメリカのものとも異なり、先頭が戦艦、次点で重巡洋艦が配置される。流石に空母をここに配置してしまうと本末転倒なのでやらないが。
「この! この!! 墜ちろ! 蚊トンボ!」
照準器の中に捉えられたSBDに対して、45mm銃弾を撃ちあげる。
視覚の中では火線がSBDに向かっているように見えるが、平然と飛んでいる様に見えた。
「いいぞ! ドンピシャの位置に出た!」
VB-7、マシュー大尉の小隊4機が、レムリアスとアフルヘイムラーが並んでいる、その側面をつくかたちで上方に出た。
パンチングフラップを開き、急降下に入る。
「急降下! 入った!」
レムリアスの見張りが叫ぶ。アリーネが立ったまま表情を険しく顰めた。
ドゴッ、グワォッ!!
「アフルヘイムラー被弾!」
アフルヘイムラーのやや後方に、SBDから投下された1000lb爆弾がたて続けに命中した。
炸裂、閃光の一瞬後に衝撃が迸る。飛行甲板が一瞬めくれ上がり、エレベーターを残して無惨なかたちに変わっていた。
「後部軽質油バルブ応答してる!?」
「ランプは点いてます!」
アフルヘイムラー艦長、キャサリン・モリナ・ウェストン大佐が問い質す声に、オペレーターの声が返ってくる。
「閉鎖! 閉鎖!!」
「了解!」
「上空、まだいる?」
「えっと、────あっ!?」
ドガァンッ
至近から、炸裂音と衝撃が響いてきた。
「今のは!?」
「て、敵機がグラディンホルに突っ込みました!」
後続のSBDが急降下中、20mm機銃弾を浴びて炎に包まれたかと思うと、故意か偶然か、降下の進路をずらして、重巡洋艦グラディンホルにほぼ垂直に飛び込んだ。
SBDの機体本体の残ったガソリンが爆発した後に、抱えていた爆弾が炸裂した。
SBDはひっくり返るような姿勢だったため、爆風と破片は上に流れていった。完全に幸運だったが、魚雷発射管の誘爆が起こらず、グラディンホルは損傷しながらも航走を続けていた。
一方。
「上空クリア!」
「応急班、消火復旧開始!」
さらなる攻撃の心配がないと判断したところで、キャサリン艦長がアフルヘイムラーの応急班に下令する。
すでに遠巻きから放水は開始されていたが、格納庫後部の応急班が本格的な活動を始める。
「アフルヘイムラー、火災消火見込みあり、航走に支障なし」
旗艦レムリアスの戦闘艦橋で、アリーネに報告が上がってくる。
「グラディンホル、主発電機室の損傷と排煙不良のため出力抑制、速力21ノット」
「よーし」
険しい表情で、脚を開いて立っていたアリーネが、軽く息を吐き出し、身体の緊張を幾分緩めた。
「他に接近する反応は!?」
「ありません!」
「警戒を継続、見張りも気を抜かないでよ!」
「了解」
この時、9月6日12:54。
速度差があるため、米軍攻撃隊がチハーキュ艦隊の上空を離脱してからおよそ1時間弱経過後に、チハーキュ軍攻撃隊が米TF61上空に差し掛かりつつあった。
「!」
イングリッドが視線を上げる。
「上方、敵です!」
イングリッドはそう言いつつ、自身が握っている8mm連装機銃を、その接近してくる存在に向けた。
「上だ! いるぞ!」
ハンセリアが隊内無線に向かって声を出す。
ヴォゥ……!
タタタタタタ……
上方から接近してくる編隊に向かって、Se12の編隊の後部機銃から射撃が浴びせられる。
ダダダダダダ……ッ
F4Fが緩降下を伴いながら、Se12に向かって襲いかかる。
「3機脱落!」
イングリッドが声を上げる。
F4Fの射撃を浴びせられたSe12の3機が、煙を吹きながら高度を落としていく。
「戦闘機は!?」
「来ました!」
やや苛立った口調でハンセリアが言いかけると、イングリッドが即答する。
Se12の編隊の前方下方へ抜けていったF4Fを追うように、Ie9が、胴体下の錫塗り木製ドロップタンクを投棄しながら、Se12の横をすり抜けるように追い抜いていく。
ダダダッ
再上昇しようと機首を上げかけたF4Fに、Ie9の射撃が浴びせられた。
複数の20mm弾、14mm弾に貫かれたF4Fは、黒い煙を吹きつつ分解しながら墜ちていく。
──戦闘機が現れたということは……
ハンセリアは、海面に視線を落として周囲を捜索する。神経を張り詰めさせた影響で、普段は張りの弱いコリーのような耳もピンっと立ち上がってしまう。
「いた!」
指先ほどの大きさだが、明らかに白い航跡を曳いて航走する複数の存在を発見した。
「敵艦隊発見した! 右手下方! 各機突入準備!」
無線で指示を出しつつ、そちらに向かうようにゆるく旋回をかける。
「敵戦闘機、更に接近!」
イングリッドが言うが、その時すでにIe9が、前方から新たに接近してくるF4Fに向かって、対向の位置から突進していく。
チハーキュ帝国陸海軍航空隊は、F4Fについて詳細な情報を持っていないし、実際に対峙したのも、今のところミッドウェイ沖海戦のみだった。
日本軍からの聞き取りでは、F4Fの性能評価について、日本軍は楽観的な評価を下しているようだった。
流石に、零戦や、中島キ-43 一式戦闘機に比して、後の世で素人が言うような一方的な“カモ”という評価まではしていないものの、不意討ちなど不利な条件での空戦開始ではない限り、容易く抑え込める相手、というところだった。
しかし、ミッドウェイ沖海戦や珊瑚海海戦の損害状況を見たところ、日本軍の搭乗員が“認識”しているほどには楽観できる相手ではないのではないか、と慎重に判断することにした。
結論としては、ミッドウェイ沖海戦時にそうした様に、基本的に2機分隊・2組4機で1個小隊とする集団戦法を堅持し、スペック的な機動性としては素性のいい運動性を活かして、撚り返し型の戦闘機動を行う。
El11の場合、速度が対等で、上昇力・加速力がやや優れているが、性能だけで圧倒できるわけではない程度、と目されるので、堅実にこの戦い方で劣位を取らず優位を取る。
Ie9は、El11よりさらに速度・上昇力・加速力が優秀なため、基本としてはこの戦術を取りつつも、多少の無理は効く。ただし、その場合でも単独行動は厳に戒め、分隊・小隊の列機とはぐれないようにし、万一その場合は迷わず無線で救援を求める事、とされた。
もともとなんとなくそう言う位置づけではあったが、対米戦においてはIe9を侵攻用戦闘機とし、El11を防禦用戦闘機として、運用するという大雑把な方針が立てられていた。
海軍の場合、もともと大型空母にIe9、軽空母にEl11を配備していたので、自ずとそのような運用になった。一方、陸軍でIe9を装備しているのは、本土や拠点の防衛を目的とした部隊に重点配備されている為、部隊編成に苦労していた。
「────正面の敵戦闘機小隊、かかるよ!」
リネッタ・アンジェリーク・ベルトラン飛行少尉が、無線越しに告げる。スロットルレバーを引き、戦闘出力に投入する。
「フロリ、右から行く、反対からお願い」
『おけ』
リネッタの言葉に対し、列機である無線越しにフローリア・セシル・バレッタ上級飛行曹長が短く答える。
戦闘機が向かってきていると気づいたのか、F4FはIe9が向かってくる正面から、左右に別れて回避運動を採った。
「ブレイク!」
撚り返し運動に入る前に、それを解いて、自分達も横転を伴いながらその機動を一旦崩す。リネッタは、「チッ」、と舌打ちをした。
F4Fの横転特性は悪くないように感じられたが、追いすがろうと思えばできないこともないように感じられた。が、それを戒め、状況認識に努める。
この間も、エンジンの出力は落とさない。空中戦において機動力を失することは命取りだ、と、チハーキュの戦闘機搭乗員は志向の根底に染み付いている。
「────っ」
リネッタは困惑した。それは不都合なものではなかったが、それでも一瞬戸惑った。
──戦闘機の数が少ない!
ほぼ、同じ規模の空母部隊であろう────と、アリーネの司令部は読んでいたから、リネッタ達は20~30機程度の要撃戦闘機が、敵艦隊上空に張り付いていると思っていた。
しかし、見る限り、20機ほどもいないように見える。
実際に、今TF61の上空にいるF4Fは、チハーキュ攻撃隊がTF61のレーダーに捉えられた時点で、12機のみだった。
対して、チハーキュ攻撃隊はIe9が48機。
最初の奇襲的な攻撃が終わったあとは、F4FはIe9によって攻撃隊から引き離され、攻撃隊は楽にTF61への進入路を確保できた。
輪形陣の規模は、第72任務部隊とほぼ同じ。
この時、TF61は南に向かって航海していた。想定された対空射撃範囲の外側を回り込み、実際の防空射撃範囲内への進入はその艦隊の先頭の方から始まった。
ドン、ドン、ドン、ドンッ
ガガガガガガ……
有効射程内に入ったと見て、TF61の対空射撃が激しく撃ち上げられ始めた。
「いいぞ! パピー共はわざわざ、防空火器の軸から侵入してきやがった!」
サラトガの戦闘艦橋で、そう声が上がった。
敵の編隊は、わざわざ防空を担当する艦の真上を通過する侵入コースをとっている。そう見えた。
しかし、それを聞いたハルゼーは、はっと目を見開いた。
「何を考えている、何をするつもりだ!?」
まさに、彼がそう言ったとき。
「もらった! 第1、第2小隊、突撃せよ!」
ハンセリアが指示する。
Se12の引き込み式スノコ型ダイブブレーキを開き、一気に機首を下げる。
「何……なんだとぉっ!?」
空母を攻擊する進路を取っている、その前提で、米艦隊はその進路上に対空砲火を撃ち上げていた。
だが、先頭の8機は、その想定進路をいきなり外れ、急降下を開始した。
「悪いな、狙いはお前らなんだ!」
ハンセリアが、興奮で血走った目で、その目標を凝視しながら声を上げる。
その視線の先にあったのは、サラトガとワスプ────ではなく、軽巡洋艦『サンディエゴ』。
アトランタ級軽巡洋艦は、軽巡洋艦となっているが、主砲は口径的には駆逐艦のそれに過ぎない5インチ(12.7cm)両用砲とし、それを連装8基16門搭載した、防空艦として設計されていた。
何度目かになるが、この当時の、地上や海上からの対空火器は必中を期せるものではない。その為、それらは積極的に航空機を狙って落とすというものではなく、何かを航空攻撃から守るためのものである。
アトランタ級は、当初の計画では戦艦、現在は空母も含まれるが、それら大型でより重要な対象を防御するために建造された。逆に言うと、自身が攻撃目標になることはさほど考えられていない。
あるいは最初からその意図が解っていれば別だが、空母への進入路を想定して射撃していたため、その多数の対空砲は想定外の動きをする急降下爆撃機に対処できなかった。
Se12の胴体下に2発ずつ搭載された500kg爆弾が投下される。
ドガンッ、ドガッ、グワッ、ドガンッ、ゴワンッ!!
サンディエゴにたて続けに5発、並行して、同型の『ジュノー』(USS CL-52)に4発が命中した。
2万トンを超える大型空母を行動不能にするための500kg爆弾だ。自身は6,000トン級に過ぎないサンディエゴとジュノーはひとたまりもなかった。
サンディエゴの砲塔がその台座ごと木っ端微塵になった。ジュノーとともに大爆発を繰り返しながら、艦体が明らかに歪んでいる状態で、急速に沈み始める。
「くそっ、転舵だ! 右に転舵しろ!」
その後方を進んでいた重巡洋艦『ニューオリンズ』が、すでに機関もその能力を失い漂流状態のサンディエゴを交わすため、舵を切った。
──一方。
「行きがけの駄賃だッ!」
ハンセリアは、引き起こした先に駆逐艦が視界に入ると、僅かに当て舵を当てた直後、操縦桿先端の機銃発射釦を押し込む。
アフルヘイムラーに移る際に受領した、Se12 Mk.IIIの機首に装備された、20mm機銃1門、14mm機銃3丁が、駆逐艦『スタック』(ベンハム級)に向かって射撃する。
駆逐艦の場合、致命的かどうかはともかく、20mm機銃でも充分ダメージが入った。そして、スタックは不幸だった。ただしその不幸は、ある程度は米軍の瑕疵によって引き寄せた。
巡洋艦以上のイメージとは裏腹に、この大戦における米軍駆逐艦は基本的に、やたら雷装が充実していた。口径や魚雷の性能を計算に入れないなら、ベンハム級駆逐艦は4連装4基16門と、日本海軍のそれすら上回る重雷装だった。
ところが連合軍の水上艦用魚雷発射管は、チハーキュや日本のものと異なり、主に防波を意識したシールド装備されていなかった。発射管は直接14mm機銃弾によって撃ち抜かれ、────
ドッグワゥン……ッ!!
スタックの魚雷発射管の1つが大爆発を起こし、スタックはへたり込むように破壊され、そのまま沈み始めた。
戦艦『ノースカロライナ』(ノースカロライナ級)にも6発の500kg爆弾が命中したが、多少の破壊はあったものの、致命的なことにはならず耐えている。
一方、ニューオリンズは3発の爆弾が飛び込み、後部で激しい火災が発生している。
「あちゃー、これは良くないなー」
フジタは、Se12の水上艦襲撃で混乱状態にある米艦隊の輪形陣内に侵入しつつ、苦笑しながらそう言った。
「いやーまいったマイッタ、先に空母がドンピシャの場所にいるってのに、巡洋艦が邪魔で当たらんなぁー!」
どこか……いや、思い切りワザとらしく、フジタは不真面目におどけた口調で言う。
その低空を這うように飛ぶ先に、重巡『サンフランシスコ』(ニューオリンズ級)が、空母との魚雷の射線を塞いでいた。
「…………しょーがねーぇから、巡洋艦を食っちまうか」
真面目な口調に戻って、唇の端を吊り上げながら、言う。
「雷撃機、小隊毎に突入、好きなもの食え」
防空を担当する駆逐艦は未だ、激しく射撃を続けているが、Ie7にはあまり有効ではなかった。
というのも、枢軸軍の雷撃機の速度差がありすぎるためだ。
「うぉ!」
派手な対空砲の炸裂が目前に発生し、雷撃隊の誰かが声を上げた。
だが、逆に言うと対空砲弾の炸裂タイミングが早すぎる。
機銃の範囲を超える対空砲弾は、砲弾を直撃させるのではなく、航空機の至近で炸裂させて、弾片を撒き散らす事で目標航空機にダメージを入れる。
この時期、アメリカでもまだ、それには時限信管を使い、敵航空機の推定位置で炸裂させる方法をとっていた。
この推定位置は、航空機の進行速度を考慮して割り出すのだが、全金属単葉の中島B5N 九七式艦上攻撃機と、複葉のIe7とは速度差が80km/hほどある。30秒あれば650m以上も場所が変わってしまう。
その上、最近は空母同士の戦闘もなく、九七艦攻よりもさらに高速なRe4や三菱G4M 一式陸上攻撃機ばかりを相手していたから、すぐに諸元を設定し直せなかった。しかも、Ie7の速度性能は、まだ連合軍は取得できていない。
一見、濃密な弾幕射撃の中を、流石に損害皆無とは言えないが、うまくすり抜けて、複葉の雷撃機は、巡洋艦に向かって魚雷を投射する────
「な、なぜだ、なぜ巡洋艦ばかりを狙う?」
サンフランシスコと、空母を挟んで反対側にいた重巡『ソルトレイクシティ』(ペンサコラ級)の舷側に、魚雷命中の水柱が上がる。
状況によっては、最優先目標である空母、もしくは戦艦への攻撃を諦めて、巡洋艦や駆逐艦を攻擊することはあるだろう。
しかし、明らかに巡洋艦を狙い、そのついでで駆逐艦が狙われている。
「────舐めた真似をしてくれる」
狼狽しているブラウニングとは対象的に、ハルゼーは、低い声で、忌々しそうに言う。
憎悪をむき出しにしたような表情で、何処ともなく睨みつけていた。
「────ジャップだ」
この時、第五航空戦隊を発った、第1波・九七式艦上攻撃機18機、愛知D3A九九式艦上爆撃機33機、零戦24機、第2波九七艦攻18機、九九艦爆24機、零戦6機の2波にわたる攻撃隊が、もう1時間もかからないところまで迫ってきていた。
─※──※──※──※─
Ie9 Mk.III 艦上戦闘機
設計・製造 エリア航空機製作所
全長:9,970mm
全幅:12,600mm
主脚展開時高さ:3,850mm
エンジン:レイアナー LV12-Mk.LVIII 液冷V型12気筒 1,375hp
ターボチャージャー装備
最高速度:595km/h
実用上昇限度:11,800m
航続距離:1,200km
固定武装:
20mm機銃×1
14mm機銃×2
搭載力:
主翼下 爆弾 125kgまで×2
胴体下 280l増槽
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