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おうどん
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私が葛藤してるうちに生地の休憩時間も終わっていよいよ麺の形にしていく作業だ。片栗粉を振ったまな板の上でぐんぐん伸ばしていく。
のぺーっとしたところで折りたたんで包丁で細切りにして完成だ。沸騰したお湯にほぐしながら入れて、時々かき混ぜながら様子を見ていく。
「あ、お嬢様。冷水が欲しいのですが、氷をお願いできますか?」
「はーい」
ノノが構えた金属のボウルにカラカラと氷の欠片を生成していく。
茹で上がった麺はしっかり洗ってから氷水で〆る。カット野菜や蒸した鶏肉と一緒に盛り付けて、上からごまだれを掛けて完成だ。
「お、美味しそう……!」
「麺の白に鮮やかな野菜が映えるな。濃いめのごまだれは差し色としても見事だ」
「聖女ごまだれに聖女うどん……!」
ロンドさんが不穏なこと言ってるけど絶対そんな名前にさせないからね!?
というかまずは食べないと!
がーっと混ぜてから麺をちゅるっと吸う。濃厚なごまの香りに、しゃきしゃき野菜の歯ごたえが楽しい。
そして肝心のうどんはすごかった。硬い訳じゃない。どちらかと言えばしっかり茹でてもちもちなのに、簡単には噛み切れないくらいに弾力があるのだ!
これがノノのいうコシってやつなんだろうか。
ごまだれが絡んだ麺は噛めば噛むほど小麦の甘味が引き立って、どんどん美味しくなる。
魔法でお手伝いした甲斐があった。
「……あいかわらず、幸せそうに食べるな」
だって美味しいもん。口の中にまだおうどんが入ってるから反論しないけどね。
ちなみにルビーには小盛にしたものをそのまま出している。
……はずなんだけど、どう見ても私が食べてるのと同じくらいの量がある。絶対おかしいよ!
体のサイズが全然違うのに!
当のルビーは調理されたものを食べるのは初めてだったのか、最初の一口はおっかなびっくり。だけど二口目からは目にも止まらぬ速さだった。
さすが速さが特徴のカーバンクル。
私たちが食べ終わるよりずっと早く完食して、ぽんぽこりんなお腹をさすりながらヘソ天でくつろいでいた。
……あのお腹だと速さはきっと出せないね……。
そうこうしているうちに私たちも完食だ。
「「「ごちそうさまでした!」」」
ちなみに。
食後の話し合いを経てメニューの名前が決まった。
どうしても聖女って入れたいノノと、自分も参加したいアーヴァインが拮抗。最終的にロンドさんが取りまとめて『皇太子公認聖女うどん』と『皇太子公認聖女ごまだれ』になった。
プッタネスカはもともとの意味合いがあんまり私らしくないとのことで、『皇太子公認プッタネスカ』だそうだ。
「聖女様の名の元に売り出すだけでもほかの商品とは一線を画しますが、皇太子御用達となれば箔が違いますからね!」
「うむ。俺のお陰でマリィとノノの評価もあがりやすくなったわけだな。利益の一部はきちんとマリィに還元しろよ?」
「もちろんでございます! 古今東西、珍しい調味料やハーブ、香辛料を手あたり次第に集めていますし、食材も高級品を取り揃えておきます」
「ロンド。お主、なかなか分かっているな」
……いや、それノノの美味しいご飯がいっぱい食べたいだけじゃん。
私もそうなんだけど! そうなんだけど何か納得いかない!
のぺーっとしたところで折りたたんで包丁で細切りにして完成だ。沸騰したお湯にほぐしながら入れて、時々かき混ぜながら様子を見ていく。
「あ、お嬢様。冷水が欲しいのですが、氷をお願いできますか?」
「はーい」
ノノが構えた金属のボウルにカラカラと氷の欠片を生成していく。
茹で上がった麺はしっかり洗ってから氷水で〆る。カット野菜や蒸した鶏肉と一緒に盛り付けて、上からごまだれを掛けて完成だ。
「お、美味しそう……!」
「麺の白に鮮やかな野菜が映えるな。濃いめのごまだれは差し色としても見事だ」
「聖女ごまだれに聖女うどん……!」
ロンドさんが不穏なこと言ってるけど絶対そんな名前にさせないからね!?
というかまずは食べないと!
がーっと混ぜてから麺をちゅるっと吸う。濃厚なごまの香りに、しゃきしゃき野菜の歯ごたえが楽しい。
そして肝心のうどんはすごかった。硬い訳じゃない。どちらかと言えばしっかり茹でてもちもちなのに、簡単には噛み切れないくらいに弾力があるのだ!
これがノノのいうコシってやつなんだろうか。
ごまだれが絡んだ麺は噛めば噛むほど小麦の甘味が引き立って、どんどん美味しくなる。
魔法でお手伝いした甲斐があった。
「……あいかわらず、幸せそうに食べるな」
だって美味しいもん。口の中にまだおうどんが入ってるから反論しないけどね。
ちなみにルビーには小盛にしたものをそのまま出している。
……はずなんだけど、どう見ても私が食べてるのと同じくらいの量がある。絶対おかしいよ!
体のサイズが全然違うのに!
当のルビーは調理されたものを食べるのは初めてだったのか、最初の一口はおっかなびっくり。だけど二口目からは目にも止まらぬ速さだった。
さすが速さが特徴のカーバンクル。
私たちが食べ終わるよりずっと早く完食して、ぽんぽこりんなお腹をさすりながらヘソ天でくつろいでいた。
……あのお腹だと速さはきっと出せないね……。
そうこうしているうちに私たちも完食だ。
「「「ごちそうさまでした!」」」
ちなみに。
食後の話し合いを経てメニューの名前が決まった。
どうしても聖女って入れたいノノと、自分も参加したいアーヴァインが拮抗。最終的にロンドさんが取りまとめて『皇太子公認聖女うどん』と『皇太子公認聖女ごまだれ』になった。
プッタネスカはもともとの意味合いがあんまり私らしくないとのことで、『皇太子公認プッタネスカ』だそうだ。
「聖女様の名の元に売り出すだけでもほかの商品とは一線を画しますが、皇太子御用達となれば箔が違いますからね!」
「うむ。俺のお陰でマリィとノノの評価もあがりやすくなったわけだな。利益の一部はきちんとマリィに還元しろよ?」
「もちろんでございます! 古今東西、珍しい調味料やハーブ、香辛料を手あたり次第に集めていますし、食材も高級品を取り揃えておきます」
「ロンド。お主、なかなか分かっているな」
……いや、それノノの美味しいご飯がいっぱい食べたいだけじゃん。
私もそうなんだけど! そうなんだけど何か納得いかない!
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