13 / 28
グラスネス
13話
しおりを挟む
魔王城近くの森、バーウェアの最も植物が茂る地帯で草に紛れた人間が三人、隠れていた。
「おい!ほんとにここら辺で勇者様見たんだろうな!?」
「馬鹿みたいに喚くなよ、見たって言ってんだろうが」
苛立った様子で声を荒げる男を睨みつける男は周りを見回し魔物を警戒する素振りが絶えない。声を荒げる男は腕に棘を生やし筋肉を蓄えているところから格闘家、睨みつける男は二振りの剣を納刀しているところから剣士だと読み取れる。
「二人ともうるさぃ、魔物に見つかったらどうするのっ、、」
見るからになよなよとした髪の長い男は眼球をぎょろぎょろと動かしながら二人を嗜めた。汗が滲んだ掌が掴む磨がれた木の棒と腰まで覆うローブを見るに男は魔法使いである。
勇者だけが足りないパーティはバーウェアという強靭な魔物がうじゃうじゃいる森にはそぐわず、迫力も心持ちも力量も足りていないように見える。現に魔物の気配に三人が戦闘ではなく、潜伏を選ぶ姿はそれ以前の魔物に淘汰されるであろうパーティに思える。そんなパーティが何故、バーウェアで生き残れているのか、それは一重に勇者の力量のみで討伐を進めてきたからである。その勇者とは数日前に魔王攻略を果たし魔王を誘拐したナヴィという青年である。
「絶対、もう勇者様の機嫌を損ねないで。その約束でしょ」
アルキドセ王国では討伐パーティの申請は四人からとされている。初期の頃は何人でも許可は通されたが、敢えなく敗北する冒険者が多く最低人数としての規定が設けられた。構成はどうだっていいが四人揃っていないと許可が降りない。どのような強者であっても。
「にしても、本当に置いていくなんてな」
「お前が勇者様を侮辱するようなこと言うからだろ」
「はあ!?お前だって言ってただろうが!!」
「だから、うるさいってッ」
その制度のせいで冒険に出れないでいた勇者に声を掛けたのはこの三人。腕は中級だが、勇者は他には無関心で押されるがままにパーティを組んだ。初期は戦闘についていけていた三人も段々と魔物のレベルに押し負けるようになり、それからは勇者任せで討伐を進めていた。しかし、格闘家と剣士の口論は冒険中止むことはなく、弾みをつけた末に勇者にまで突っ掛かり、三人は勇者に見放され置いていかれることとなったのだ。
ガサガサガサッ
「ヒッぃ!!」
遠慮のない足取りは近づく気配が魔物であることを予測させる。魔法使いの引き攣った悲鳴は緊張感を増幅させた。間から覗く影は小柄な人型と樹木ほどの高さと毛皮を纏う屈強な筋肉を持つ獣の魔物。人型であれば強大な力があると人間は信じており、片方は獣の中でも最高位、真正面から立ち向かって勝てる魔物のランクではなかった。
「くそッうぉおおお!!」
「あ?」
ガキッキィイインッ!!
「ぉらぁあああッ!!!」
「ぅおっ、ぐあッ」
死角から飛び出した剣士に獣の魔物、アルヴァーが剣を捻じ曲げる。飛び掛かる剣士を跳ね飛ばすと出来た背後の隙に格闘家が一発、振りかぶった。常時であれば、防げる攻撃も不意打ちに襲われた油断で後頭部を殴られてしまった。歪んだ視界に堪らずふらついた身体は格闘家を下敷きにして仰向けに倒れ込んだ。
「えっ、ぇッ!?ある、あるゔぁっ、キャッ!?いやなにッ、~~ッ!?!?」
「よし、よしよし、ッ捕まえたっ、」
目の前の戦闘とアルヴァーが攻撃された事実に混乱したままで硬直したセーレの首元に杖が触れる。盗賊のように肩に巻きついた腕と添えられた凶器に声にならない悲鳴をあげた。一瞬の隙に軍配は人間に傾いてしまった。
「おねがいだから、抵抗しないでっね?」
「……っひぃいいッ」
「……君は人型だけど、臆病だね?」
恐る恐る指先が確認するように術をかけていく。三本の光の輪がセーレに巻きついて腕を沿わせたまま、動けない。怯えと恐怖に伏せた視線は潤み、こんなことなら大人しく魔王城の中にいるべきだったと激しい後悔に苛まれる。折角持ってきた水晶も勇者ではなかったのだから、役割は果たせなかった。
「ん、?ぇ……」
「ぅぐ、っ」
「、ぁ、あれ?この角、ッ」
晒された容姿に魔法使いは眉を顰める。この魔法使い、魔物の種と地位には造詣が深かった。セーレの側頭部に生える湾曲した純白の角は書に描かれた魔王の特徴に沿ったものである。警戒しながらもセーレに触れては思案する魔法使いは顎を掴んで瞳を覗き込む。諦めたように放心しているセーレの伏せた紫を確認すると、確信をもって喜色に頬を染めた。
「もしかして、魔王の血族、?……っやった、この子を連れていけば……」
「ぁ、ぐッぅ……」
狂気的なまでに喜びを表す魔法使いが杖を一振りする。地面に浮かび上がった光に二人は囲まれた。その瞬間、気絶していたアルヴァーの意識が浮上する。けれど、揺らぐ視界に状況把握はままならない。
少し離れた位置に魔法使いが移動したことも作用して、その瞳が見開かれるころには魔法使いとセーレは眩い光に包まれていた。
「ハッ!?、まおうさまっ!」
「なにっやだ、!ッ!!、あるゔぁ、ッひ、ぃ!?」
「やば、はやくしないと、」
数秒の差。アルヴァーの爪が魔法使いを裂く前に空間から二人が消えた。常に薄暗いバーウェアを閃光のような光が切り裂く。静けさが包む空間に獣が幹を薙ぎ倒す轟音が響いた。
「おい!ほんとにここら辺で勇者様見たんだろうな!?」
「馬鹿みたいに喚くなよ、見たって言ってんだろうが」
苛立った様子で声を荒げる男を睨みつける男は周りを見回し魔物を警戒する素振りが絶えない。声を荒げる男は腕に棘を生やし筋肉を蓄えているところから格闘家、睨みつける男は二振りの剣を納刀しているところから剣士だと読み取れる。
「二人ともうるさぃ、魔物に見つかったらどうするのっ、、」
見るからになよなよとした髪の長い男は眼球をぎょろぎょろと動かしながら二人を嗜めた。汗が滲んだ掌が掴む磨がれた木の棒と腰まで覆うローブを見るに男は魔法使いである。
勇者だけが足りないパーティはバーウェアという強靭な魔物がうじゃうじゃいる森にはそぐわず、迫力も心持ちも力量も足りていないように見える。現に魔物の気配に三人が戦闘ではなく、潜伏を選ぶ姿はそれ以前の魔物に淘汰されるであろうパーティに思える。そんなパーティが何故、バーウェアで生き残れているのか、それは一重に勇者の力量のみで討伐を進めてきたからである。その勇者とは数日前に魔王攻略を果たし魔王を誘拐したナヴィという青年である。
「絶対、もう勇者様の機嫌を損ねないで。その約束でしょ」
アルキドセ王国では討伐パーティの申請は四人からとされている。初期の頃は何人でも許可は通されたが、敢えなく敗北する冒険者が多く最低人数としての規定が設けられた。構成はどうだっていいが四人揃っていないと許可が降りない。どのような強者であっても。
「にしても、本当に置いていくなんてな」
「お前が勇者様を侮辱するようなこと言うからだろ」
「はあ!?お前だって言ってただろうが!!」
「だから、うるさいってッ」
その制度のせいで冒険に出れないでいた勇者に声を掛けたのはこの三人。腕は中級だが、勇者は他には無関心で押されるがままにパーティを組んだ。初期は戦闘についていけていた三人も段々と魔物のレベルに押し負けるようになり、それからは勇者任せで討伐を進めていた。しかし、格闘家と剣士の口論は冒険中止むことはなく、弾みをつけた末に勇者にまで突っ掛かり、三人は勇者に見放され置いていかれることとなったのだ。
ガサガサガサッ
「ヒッぃ!!」
遠慮のない足取りは近づく気配が魔物であることを予測させる。魔法使いの引き攣った悲鳴は緊張感を増幅させた。間から覗く影は小柄な人型と樹木ほどの高さと毛皮を纏う屈強な筋肉を持つ獣の魔物。人型であれば強大な力があると人間は信じており、片方は獣の中でも最高位、真正面から立ち向かって勝てる魔物のランクではなかった。
「くそッうぉおおお!!」
「あ?」
ガキッキィイインッ!!
「ぉらぁあああッ!!!」
「ぅおっ、ぐあッ」
死角から飛び出した剣士に獣の魔物、アルヴァーが剣を捻じ曲げる。飛び掛かる剣士を跳ね飛ばすと出来た背後の隙に格闘家が一発、振りかぶった。常時であれば、防げる攻撃も不意打ちに襲われた油断で後頭部を殴られてしまった。歪んだ視界に堪らずふらついた身体は格闘家を下敷きにして仰向けに倒れ込んだ。
「えっ、ぇッ!?ある、あるゔぁっ、キャッ!?いやなにッ、~~ッ!?!?」
「よし、よしよし、ッ捕まえたっ、」
目の前の戦闘とアルヴァーが攻撃された事実に混乱したままで硬直したセーレの首元に杖が触れる。盗賊のように肩に巻きついた腕と添えられた凶器に声にならない悲鳴をあげた。一瞬の隙に軍配は人間に傾いてしまった。
「おねがいだから、抵抗しないでっね?」
「……っひぃいいッ」
「……君は人型だけど、臆病だね?」
恐る恐る指先が確認するように術をかけていく。三本の光の輪がセーレに巻きついて腕を沿わせたまま、動けない。怯えと恐怖に伏せた視線は潤み、こんなことなら大人しく魔王城の中にいるべきだったと激しい後悔に苛まれる。折角持ってきた水晶も勇者ではなかったのだから、役割は果たせなかった。
「ん、?ぇ……」
「ぅぐ、っ」
「、ぁ、あれ?この角、ッ」
晒された容姿に魔法使いは眉を顰める。この魔法使い、魔物の種と地位には造詣が深かった。セーレの側頭部に生える湾曲した純白の角は書に描かれた魔王の特徴に沿ったものである。警戒しながらもセーレに触れては思案する魔法使いは顎を掴んで瞳を覗き込む。諦めたように放心しているセーレの伏せた紫を確認すると、確信をもって喜色に頬を染めた。
「もしかして、魔王の血族、?……っやった、この子を連れていけば……」
「ぁ、ぐッぅ……」
狂気的なまでに喜びを表す魔法使いが杖を一振りする。地面に浮かび上がった光に二人は囲まれた。その瞬間、気絶していたアルヴァーの意識が浮上する。けれど、揺らぐ視界に状況把握はままならない。
少し離れた位置に魔法使いが移動したことも作用して、その瞳が見開かれるころには魔法使いとセーレは眩い光に包まれていた。
「ハッ!?、まおうさまっ!」
「なにっやだ、!ッ!!、あるゔぁ、ッひ、ぃ!?」
「やば、はやくしないと、」
数秒の差。アルヴァーの爪が魔法使いを裂く前に空間から二人が消えた。常に薄暗いバーウェアを閃光のような光が切り裂く。静けさが包む空間に獣が幹を薙ぎ倒す轟音が響いた。
31
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
α主人公の友人モブαのはずが、なぜか俺が迫られている。
宵のうさぎ
BL
異世界に転生したと思ったら、オメガバースの世界でした。
しかも、どうやらここは前世の姉ちゃんが読んでいたBL漫画の世界らしい。
漫画の主人公であるハイスぺアルファ・レオンの友人モブアルファ・カイルとして過ごしていたはずなのに、なぜか俺が迫られている。
「カイル、君の為なら僕は全てを捨てられる」
え、後天的Ω?ビッチング!?
「カイル、僕を君のオメガにしてくれ」
この小説は主人公攻め、受けのビッチング(後天的Ω)の要素が含まれていますのでご注意を!
騎士団長子息モブアルファ×原作主人公アルファ(後天的Ωになる)
ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜
キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」
(いえ、ただの生存戦略です!!)
【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】
生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。
ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。
のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。
「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。
「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。
「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」
なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!?
勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。
捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!?
「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」
ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます!
元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる