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第四話 アクセルの力
アクセルの力 05
しおりを挟む「さて、ざっと早足で説明したけど、だいたい思い出したかな?」
両手を左右に翳して振り返るセレーラルを見上げてゼオンとアーシェリは力強く頷いた
そんな二人をを隣で見ていたシェリエールは両手を上げてやれやれと呆れて、ゼオンはセレーラルに感謝を述べる
「おかげさまで思い出したよ、また一から勉強し直すとするさ」
本人も無知だった自分を恥じて、赤面しながら冷や汗をかいていた
元々自分を鍛えることは怠らなかったものの体を動かす修練しかしていなかったが為に、能力に関する知識を得たり、見聞を広めたりはしようとしていなかったが、ここへ来てその大切さを思い出したようだ
同じことをアーシェリも感じており、真剣な目つきでセレーラルの話を聞いていた
「じゃあ、次は『アクセルウェポン』の話をするけどいいかな」
「あ、そーいえばそいつもあったな!」
セレーラルが『アクセルウェポン』と言った後、アーシェリは今までの話に夢中になりすぎて、その単語をすっかり忘れており、思い出した今になって両掌を強く叩いて音を鳴らす
基本的な能力といえば『メインアクセル』と『ブランチアクセル』の二つであり、『アクセルウェポン』は武器を霊気で形造って武装するだけの能力であった為にアーシェリ自身は無意識に頭の外に置いていた
その心を見越してか、シェリエールが流し目でアーシェリを見ていると、アーシェリは慌てて言い訳をして取り繕う
「いやいや、覚えてはいるけど能力としては考えていなかったっつーか…いや能力なんだけど能力じゃないっつーか」
「まぁ、なんとなくわかるけどね、能力としては地味で基本的には武器を取り出して武装するだけだから、なんとなくパッとしない気持ちはわかるよん!」
言い訳で墓穴を掘って慌てふためくアーシェリを見かねてか、セレーラルは助け舟として同情を示し、アーシェリはうんうんとセレーラルに感謝しながら頷く
「では、さっそく実演といこう!
みんな分かっていると思うけど、改めてやってみるよ」
両手を正面にかざしたセレーラルは一つ深呼吸をする
すると両手から現れた水色のラインを先行に、そこから溢れ出る黒色の塗料が手の上に浸食して銃の形を形成していき、先の戦いでも使用した二丁拳銃『オブロンズスカイ』を手中に出現させる
「これが『アクセルウェポン』
人によってそれぞれ違う武器の形を持つけど、こうやって何もない所から取り出せるから、わざわざ武器の持ち運びをしなくてもいいのが利点かな
だけど、手から少しでも離れたら消えちゃうからそこが難点だね…っと!!」
言葉尻に右手の銃を屈んだ後に上へ放り投げると、手から離れた瞬間に空気に溶けるように四散した
そして、掴むものが無くなった右手をゆっくりと下ろしていく
「手から離れるというより、掌の『アクセルライン』が途切れたら形が保てなくなるんだけどね」
「おかげさまで投げつけることも出来ねーしな
それなりに重量が変えられるのに、投擲できねーのは残念だけど」
アーシェリが『アクセルウェポン』の難点に愚痴を零すと、セレーラルが空になった右手をゆっくりと目前に動かしながらアーシェリに語りかける
「だけど、霊気さえあれば瞬時に武装できるのはこの力の利点だよ
奇襲にも対応しやすいし…一瞬の攻防に備えられるもんね」
説明を続けるセレーラルが下ろした右手を持ち上げると既に消えていた筈の銃がいつの間にかその手に握られていた
まるで四散して消えていったのが嘘だったかのように
「更に『アクセルウェポン』の中に独自の『アクセルライン』を展開させることができるから武器を経由して発生する『ブランチアクセル』は攻撃の形状を変えることだってできるところも立派な利点さ」
そう言ったセレーラル自身は殆どと言っていいほど『ブランチアクセル』を行使することができず、姉妹と比較して一時期思い悩んで塞ぎ込んでいた時期があった
それこそ、CICの兵士としての道を諦めてしまうくらいに
しかし、それを可能にしたのは紛れもなく『アクセルウェポン』である『オブロンズスカイ』の恩恵である
それは、人体では既に『アクセルライン』の通り道が固定化されており、ラインの組み替えが不可能とされる
しかし、『アクセルウェポン』は外殻の形状は基本的に決まっているが、中のラインの組み替えが変えられる為、『アクセルウェポン』ありきの『ブランチアクセル』が発動出来るといった事例も数多く存在している
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