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第九章
第四十二話
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騒つく店内に甲高い声が響いた。
「一体なんザマス!?今頃帰ってきたって!?
この店にお前の居場所はないザマスわよ!?」
資産も顧客もカリファール随一の老舗宝石店、
『ザギンカタナ』の店内にて、この店のオーナーの女性と対峙するシェリー。
厄介な家出娘に対して一方的に喚き散らす女主人。
久方ぶりに再開した娘への愛情などは全く無いように見える。
「──心得ています、
結婚の報告──それだけのために参りました」
小さくも透き通った声で、場のざわめきを鎮圧するシェリー。
彼女と母親の髪色は、染め粉では決して再現できない
ラピスグリッター。
それだけで、見る者達にはカタナ家の血縁だということがわかる。
「……やはり本家の娘か」
「姿を消していたと聞いたが……」
客の間に小声が飛び交い、黒服の店員たちも一瞬足を止める。
この場の空気を支配するのは、もはや怒鳴る女主人ではなく、静かに告げたシェリーの言葉だった。
「三十もとうに過ぎて結婚!?勝手にするザマス!!
さっさと出ていくザマスよ!!」
甲高い声が店内に響く。
シェリーは幼い頃に暗黒魔法が顕現し、その副作用故か加齢速度が人よりも緩慢になっていた。
セーブルがまだ少年だった頃には十年近い年齢差があったはずが、
今や外見上は年下女房に見える。
魔法を使わなければ、そういった影響は出ない。
つまり──それだけ過密に、幼少期のセーブルを弄んでいたという事なのだろう。
「報告は貴女にではありません。
そして──今日は“アレ”を壊しに来ました」
シェリーが指差したのは天井……いや、さらにその上の階。
彼女の言葉の意味は、店内の誰もが直感的に理解してしまった。
「バカいうんじゃないザマス!アレは最上級のお客様にしかお見せしない至宝ザマス!
街に堕ちた小汚い娘などに触らせる物じゃないザマスよ!!」
「フン…絶対に壊せねー、とかなんとか謳っていたんじゃねーのか?それとも……所詮は紛い物か?」
常に礼節を重んじるセーブルが、柄にもなく無礼な態度を装って、女主人を挑発する。
慣れていない言葉遣いに、少々目元が引き攣るが……
許容範囲であろう。
「な!?紛い物!?……キィィィー!!
なんて無礼な輩ザマスの!出来損ないのあーたに
お似合いザマスわ!!」
見事に釣れた巨体……女主人。
「出来る物ならやってみればいいザマス!!ただし…出来なければ衛兵を呼んで牢屋にブチ込むザマスわ!!」
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
店中の客と店員を引き連れてゾロゾロと階段を上がるスマーザ。
後に続くセーブルとシェリー。
二階の特別大展覧室の扉が重苦しく開けば──
大きな部屋の中心に、天井から鎖で吊られる形で展示されている、巨大な甲羅が目に入る。
『アダマンタートル・シェル』と名付けられたそれは、3メートル程もある高い天井の部屋スレスレまでもあり、横幅も2メートル以上はあるように見える。
その甲羅の表面は、「世界一硬い魔物」として名高く、攻城兵器を用いてもヒビすら入らない逸品である。
──さらに美しい。沈みかけの夕日、天使の小便、など様々な呼び名があり、観る者を魅了する。
室内の壁際には、特別な顧客専用の展示品がずらりと並び、一階の店舗スペースとは格式も、値札のゼロの数もまるで違っていた。
店員に怒鳴り散らすスマーザは、
「あーた達!衛兵を呼んでおくザマス!このドブネズミみたいな輩を逃すんじゃないザマスわよ!!」
と唾を撒き散らし、血管を浮き立たせる。
「気の済むまでやればいいザマス!今日で陽を見れるのも最期ザマスからね!!」
初めて二階に招待された客も多く、どよめきながら、あまりにも立派すぎるその鼈甲に目を奪われていた。
吊られた甲羅の前に立つのはセーブル。
シェリーは三歩ほど下がり、愛しき夫を見守る。
ヌルリと自らの影から巨大なハルバードを抜き出した彼は、緊張することも力むこともなく、冷静な顔でゆっくりと槍先を繰り出した。
カツッ……と先端が甲羅の中心に触れる。
周囲の見物人からすれば、それはただの間合いを測っているようにしか見えない。
だが──セーブルの攻撃は、その瞬間すでに終わっていた。
さらに言えば、気高きプライドの塊であるスマーザは、皆を部屋に通す前に、お抱えの魔導士に結界魔法を施させていた。
ドラゴンが踏んでも壊れそうもないという結界。
だが──その中心に、鉛筆の先ほどの孔が穿たれる。
突き抜けた衝撃は背後の壁をも砕き、轟音とともに崩壊させた。
甲羅の紋様に沿うようにヒビが走り、さらに分断された細かな亀裂が鼈甲全体を覆う。
次の瞬間、サラサラと砂のように崩れ落ちる甲羅。
後には、吊るしていた鎖だけが、虚しく揺れて残った。
なぜセーブルとシェリーが、わざわざ実家に喧嘩を売るような真似をしたのか──
その答えは、崩れた壁の向こうにあった。
山のように積まれた 白金貨。
その煌めきを取り囲むように、無数の 白骨死体 が転がっている。
壁には錆びついた鎖と手錠、拷問の痕を物語る鉄具の影。
煌びやかな宝石店とはまるで似つかわしくない、地獄のような空間が、
客たちの目に──そして駆けつけた衛兵たちの目に、露わとなったのだった。
「やはり、お父様もここで殺したのですね。」
血の気の引いたスマーザは重そうな尻を床に付きワナワナと震えている。
「ま、まさかまさか…壁を…甲羅を壊すなんて……」
セーブルはあんぐりと口を開けて突っ立っている衛兵に向かって言った。
「セリオン王国、国王側近騎士のセーブルだ!
この店主を捕えよ!」
電気が走ったように動き出した衛兵は、階下の応援を呼び、ゾロゾロとスマーザを取り囲み縄を掛けてゆく。
砕かれて乱雑に寄せられた骨クズの中から、シェリーは一つ、小さな指輪を拾いあげる。
「お父様、只今戻りました。
──間に合わずに申し訳ありません…」
そう呟いた彼女の目から静かに涙が溢れたのだった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
次々と、海底ゴブリンを跳ねたり轢いたりしてゆくおっさん。
横断歩道もない海底をウロウロ歩くから悪いのだ。
荷台に段々と積まれてゆく極上スパイスの元。
リリからは先程電話が来て、宿を取って休んでおくので、ゆっくり帰ってきて下さい。とのこと。
小一時間程しか経っていない気がするが、一体何の用足しをしていたのだろうか?
「腹の具合でも悪いんであんめぇか?」
と、見当違いな気を揉むおっさん。
娘達が最初に採掘できた宝石は、ルビーだった。
この国の基準で言えば、【Rランク】らしい
日本で同じ物を探せば、目玉が飛び出そうなサイズと輝きだったが、それでもRということは、
N、R、SR、UR、LR、と様々あるランクでは下の方に位置するのであろう。
それでも、初めての獲物に娘たちは大喜びで、手を取り合ってはしゃいでいた。
おっさんはその様子をしばし微笑ましく見守り──
やがて腰袋を叩きながら、調味料探しのドライブへと戻った。
助手席ではテティスが、ほぼ完コピで覚えてしまった90年代J-Popを、さらに捻りまくったギャル風替え歌でテープに合わせて熱唱している。
「マ~ジで~~☆♪ チョベリグ~にアガる~♪」
女神様もビックリしそうなノリノリの替え歌に、おっさんの脳内の記憶はそちらの歌詞で書き換えられていく。
酒もいいが、これ程珍しいスパイスが手に入るならば、カレーという物を見つめ直しても良いのかもしれない。
孤児達が売っていたイマイチなブリトーを思い出して、少し手助けしてやってもいいかと、組み合わせを妄想し始めた。
するとまた、飛び出してきた深海ゴブリンをうっかり跳ねてしまうおっさんであった。
「一体なんザマス!?今頃帰ってきたって!?
この店にお前の居場所はないザマスわよ!?」
資産も顧客もカリファール随一の老舗宝石店、
『ザギンカタナ』の店内にて、この店のオーナーの女性と対峙するシェリー。
厄介な家出娘に対して一方的に喚き散らす女主人。
久方ぶりに再開した娘への愛情などは全く無いように見える。
「──心得ています、
結婚の報告──それだけのために参りました」
小さくも透き通った声で、場のざわめきを鎮圧するシェリー。
彼女と母親の髪色は、染め粉では決して再現できない
ラピスグリッター。
それだけで、見る者達にはカタナ家の血縁だということがわかる。
「……やはり本家の娘か」
「姿を消していたと聞いたが……」
客の間に小声が飛び交い、黒服の店員たちも一瞬足を止める。
この場の空気を支配するのは、もはや怒鳴る女主人ではなく、静かに告げたシェリーの言葉だった。
「三十もとうに過ぎて結婚!?勝手にするザマス!!
さっさと出ていくザマスよ!!」
甲高い声が店内に響く。
シェリーは幼い頃に暗黒魔法が顕現し、その副作用故か加齢速度が人よりも緩慢になっていた。
セーブルがまだ少年だった頃には十年近い年齢差があったはずが、
今や外見上は年下女房に見える。
魔法を使わなければ、そういった影響は出ない。
つまり──それだけ過密に、幼少期のセーブルを弄んでいたという事なのだろう。
「報告は貴女にではありません。
そして──今日は“アレ”を壊しに来ました」
シェリーが指差したのは天井……いや、さらにその上の階。
彼女の言葉の意味は、店内の誰もが直感的に理解してしまった。
「バカいうんじゃないザマス!アレは最上級のお客様にしかお見せしない至宝ザマス!
街に堕ちた小汚い娘などに触らせる物じゃないザマスよ!!」
「フン…絶対に壊せねー、とかなんとか謳っていたんじゃねーのか?それとも……所詮は紛い物か?」
常に礼節を重んじるセーブルが、柄にもなく無礼な態度を装って、女主人を挑発する。
慣れていない言葉遣いに、少々目元が引き攣るが……
許容範囲であろう。
「な!?紛い物!?……キィィィー!!
なんて無礼な輩ザマスの!出来損ないのあーたに
お似合いザマスわ!!」
見事に釣れた巨体……女主人。
「出来る物ならやってみればいいザマス!!ただし…出来なければ衛兵を呼んで牢屋にブチ込むザマスわ!!」
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
店中の客と店員を引き連れてゾロゾロと階段を上がるスマーザ。
後に続くセーブルとシェリー。
二階の特別大展覧室の扉が重苦しく開けば──
大きな部屋の中心に、天井から鎖で吊られる形で展示されている、巨大な甲羅が目に入る。
『アダマンタートル・シェル』と名付けられたそれは、3メートル程もある高い天井の部屋スレスレまでもあり、横幅も2メートル以上はあるように見える。
その甲羅の表面は、「世界一硬い魔物」として名高く、攻城兵器を用いてもヒビすら入らない逸品である。
──さらに美しい。沈みかけの夕日、天使の小便、など様々な呼び名があり、観る者を魅了する。
室内の壁際には、特別な顧客専用の展示品がずらりと並び、一階の店舗スペースとは格式も、値札のゼロの数もまるで違っていた。
店員に怒鳴り散らすスマーザは、
「あーた達!衛兵を呼んでおくザマス!このドブネズミみたいな輩を逃すんじゃないザマスわよ!!」
と唾を撒き散らし、血管を浮き立たせる。
「気の済むまでやればいいザマス!今日で陽を見れるのも最期ザマスからね!!」
初めて二階に招待された客も多く、どよめきながら、あまりにも立派すぎるその鼈甲に目を奪われていた。
吊られた甲羅の前に立つのはセーブル。
シェリーは三歩ほど下がり、愛しき夫を見守る。
ヌルリと自らの影から巨大なハルバードを抜き出した彼は、緊張することも力むこともなく、冷静な顔でゆっくりと槍先を繰り出した。
カツッ……と先端が甲羅の中心に触れる。
周囲の見物人からすれば、それはただの間合いを測っているようにしか見えない。
だが──セーブルの攻撃は、その瞬間すでに終わっていた。
さらに言えば、気高きプライドの塊であるスマーザは、皆を部屋に通す前に、お抱えの魔導士に結界魔法を施させていた。
ドラゴンが踏んでも壊れそうもないという結界。
だが──その中心に、鉛筆の先ほどの孔が穿たれる。
突き抜けた衝撃は背後の壁をも砕き、轟音とともに崩壊させた。
甲羅の紋様に沿うようにヒビが走り、さらに分断された細かな亀裂が鼈甲全体を覆う。
次の瞬間、サラサラと砂のように崩れ落ちる甲羅。
後には、吊るしていた鎖だけが、虚しく揺れて残った。
なぜセーブルとシェリーが、わざわざ実家に喧嘩を売るような真似をしたのか──
その答えは、崩れた壁の向こうにあった。
山のように積まれた 白金貨。
その煌めきを取り囲むように、無数の 白骨死体 が転がっている。
壁には錆びついた鎖と手錠、拷問の痕を物語る鉄具の影。
煌びやかな宝石店とはまるで似つかわしくない、地獄のような空間が、
客たちの目に──そして駆けつけた衛兵たちの目に、露わとなったのだった。
「やはり、お父様もここで殺したのですね。」
血の気の引いたスマーザは重そうな尻を床に付きワナワナと震えている。
「ま、まさかまさか…壁を…甲羅を壊すなんて……」
セーブルはあんぐりと口を開けて突っ立っている衛兵に向かって言った。
「セリオン王国、国王側近騎士のセーブルだ!
この店主を捕えよ!」
電気が走ったように動き出した衛兵は、階下の応援を呼び、ゾロゾロとスマーザを取り囲み縄を掛けてゆく。
砕かれて乱雑に寄せられた骨クズの中から、シェリーは一つ、小さな指輪を拾いあげる。
「お父様、只今戻りました。
──間に合わずに申し訳ありません…」
そう呟いた彼女の目から静かに涙が溢れたのだった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
次々と、海底ゴブリンを跳ねたり轢いたりしてゆくおっさん。
横断歩道もない海底をウロウロ歩くから悪いのだ。
荷台に段々と積まれてゆく極上スパイスの元。
リリからは先程電話が来て、宿を取って休んでおくので、ゆっくり帰ってきて下さい。とのこと。
小一時間程しか経っていない気がするが、一体何の用足しをしていたのだろうか?
「腹の具合でも悪いんであんめぇか?」
と、見当違いな気を揉むおっさん。
娘達が最初に採掘できた宝石は、ルビーだった。
この国の基準で言えば、【Rランク】らしい
日本で同じ物を探せば、目玉が飛び出そうなサイズと輝きだったが、それでもRということは、
N、R、SR、UR、LR、と様々あるランクでは下の方に位置するのであろう。
それでも、初めての獲物に娘たちは大喜びで、手を取り合ってはしゃいでいた。
おっさんはその様子をしばし微笑ましく見守り──
やがて腰袋を叩きながら、調味料探しのドライブへと戻った。
助手席ではテティスが、ほぼ完コピで覚えてしまった90年代J-Popを、さらに捻りまくったギャル風替え歌でテープに合わせて熱唱している。
「マ~ジで~~☆♪ チョベリグ~にアガる~♪」
女神様もビックリしそうなノリノリの替え歌に、おっさんの脳内の記憶はそちらの歌詞で書き換えられていく。
酒もいいが、これ程珍しいスパイスが手に入るならば、カレーという物を見つめ直しても良いのかもしれない。
孤児達が売っていたイマイチなブリトーを思い出して、少し手助けしてやってもいいかと、組み合わせを妄想し始めた。
するとまた、飛び出してきた深海ゴブリンをうっかり跳ねてしまうおっさんであった。
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