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第九章
第六十話
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国道と川龍の視察を終え、自宅へと戻ったおっさんとリリ。
冷えたワインで乾杯しながら、今後の展望を語り合っていた。
「ありゃよぉ……ウナギっていう魚の一種だと思うんだっけ」
大きさも首の数も化け物じみてはいたが──あのヌメリ感、そして黒光りしながらウネウネと泳ぐ胴体。
それを目にしたおっさんは、確信を強めていた。
「うなぎ……ですか?あまり耳にしたことのない魔物ですね。
それは……食べられるのですか?」
『岩をも穿つ河川の暴龍』──依頼票にそう記されてはいたが、可食かどうかまでは、アカシックな記録を持つリリですら判じかねていた。
「あぁ、ちっとばっか捌くのは面倒なんだけんどもよ……ありゃぁ美味えど~」
異世界に来てから久しく味わえていなかった──
鰻重の、あの暴力的な香りを思い出しながら、おっさんはしみじみと語る。
わざとらしくはみ出した身、たっぷりの甘ダレに山椒の粉。
思い出すだけで唾液がせり上がってくるが、あの料理だけは他の魚や肉で代用が利かない。
「しゃーねぇ、今あるもんで晩メシでも……」
と支度を始めようとしたところへ──娘たちとパステルが帰ってきた。
「パーパ見てコレ~!服あげたらさ~?
女神がなんかくれたんですケド~?」
テティスとパステルは目がくらむようなド派手な新装備で現れ、その手にはなぜか──スーパーの買い物カゴが。
側面には堂々と『スーパーヴィーナス』の文字。
見覚えがあった。
──あれは、かつて誘拐された貴族を救出したとき。
担々麺を食いたいと駄々をこねた自分に、女神が突然与えた“あのカゴ”と同じものだ。
「私が祈りを捧げておりましたら、
いつの間にか……この手に握らされていたのですわ。
……ですが、この黒く長い……
蛇のようなものは、一体……?」
ふと見上げれば──部屋の中を泳ぐ魚……ではなく、トゥエラだった。
「おとーさん! それおいしいのー?」
フヨフヨと宙を泳ぎながら嬉しそうに声をかけてくる人魚風幼女に誘われるように、カゴを覗き込んでみると──
「おぉ、またくれたのけ。女神さん、ごっそさんね」
今まさに求めていた食材だということはすぐに理解したが、真っ先に目を引いたのはカゴの隅に収まっていた350ml缶。
銀と黒のラベルに大きく書かれた文字。
『漢梅サワー』
プシュッと開けて喉へ流し込めば──
「んあ~! うめぇんでねぇの!?」
朧げな記憶の中にあった市販品よりも格段に洗練されていて、しかも『つぶつぶみかんジュース』よろしく、梅干しの実がゴロゴロと入っている。
さらに酒精はストゼロ並みに高く、どこかにフワッとカボスのような柑橘の香りも漂う。
──おっさんの大好物になるのは、疑いようもなかった。
グビグビと一気に煽ったおっさん。
だが、トンとテーブルに置けば──あら不思議。
缶の中身は満タンに戻り、ラベルには霜が降りるほどに再び冷やされていた。
エターナルドリンクのコレクションがまた一本増えたことに、ニヤリと頬を緩めるおっさん。
それでも気を取り直して、改めてカゴの中身を覗き込む。
「あんちゅータイムリーな女神さんなんだっぺ?」
そう呟いた先に見えたのは──氷を敷いた藁の上で、まだウネウネと身をよじらせている極太のウナギが箱詰めされていた。
おっさんは早速とばかりに準備を始める。
常識的に考えれば、リビングに七輪を持ち出してウナギを焼くなど正気の沙汰ではない。
──だが、ここはホビット族の街に建てられた自宅。
屋根裏には空気を浄化してくれる岩が隠されているのだから、怖いものなど何もない。
関東の武士は切腹のイメージを嫌い背中側から開かせるらしいが……
背中を斬られて死ぬ方がカッコ悪いのでは?という疑問も平行線上残るのだった。
おっさんは、まず流水でウナギの体をざっと洗い流した。
表面を覆っていたヌルヌルは、思ったよりもあっさりと落ちてくれた。
「おー、こりゃあ扱いやすい方だっぺね」
そう呟くと、まな板に腰袋から取り出したアイスピックを打ち込み、ウナギの目を固定。
そのまま腹に包丁を滑らせた。
久しぶりに手にした『頂』の親父から譲り受けた刺身包丁は、相変わらずの切れ味で──
ひと引きで、見事にその身を開いてしまう。
ぐい、と刃を引きながら内臓をかき出し、骨を外してゆく。
慣れた手つきではあるが、久方ぶりの作業に、ほんの少し緊張の色が浮かぶ。
小骨を指先で探りながら処理を終えると、身をお重に収まる長さに切り揃えた。
「ほれ、このくらいでちょうど良いべな」
切り分けた身に竹串を打ち、反り返らぬよう数本でしっかり固定する。
銀色の皮目に竹串が並んだその姿は、すでに「完成形」を予感させる。
おっさんは嬉しそうに鼻を鳴らしながら、七輪をリビングのテーブルに据え──
いよいよ次の工程、白焼きへと取り掛かろうとしていた。
女性陣を風呂に送り込んでいる間に、蒲焼の一歩手前まで仕上げてしまう計画だ。
屋根裏の岩に向かって、
「ちっとばっか煙くなるから頼むべよ」
と声をかけると、おっさんは豪快に焼き始める。
こんな時に最適な炭が──深海ゴブリンの肋骨である。
陽の光も届かぬ海底で、強烈な水圧に耐えて生きるアイツらの骨は、叩けばキィィンと澄んだ音を響かせるほど高密度。まるで白炭のような性質を持つ素材なのだ。
じわじわと熱せられた身からは、脂がブクブクと滴り落ちる。
だが炎が上がることはなく、あくまでも「焼き蒸す」ように、旨味を閉じ込めていった。
両面に程よい焼き目がついたところで──おっさんの我慢はついに限界を迎えた。
身の端を箸でちょいと摘み、醤油を一滴垂らして口へ運ぶ。
「間違ぇねえな、コリャ……ふっかふかだっぺよ」
もにゅもにゅと咀嚼し、酒で流し込む。
上階から気配がしたのに合わせ、カゴの中にあった小さな壺を取り出し、蓋を開けた。
どろりとしたタレからは、甘く芳ばしい香りが立ちのぼる。
付属のハケで身に塗り込むと──
たちまち立ち上る、凶暴なまでに旨そうな、
『美味しい煙』
それは展望露天風呂で身支度を整えていた娘たちのもとへも届いたに違いない。
「キャー!」とか「わー!」とか、喧しい声と共に、四人が螺旋階段を駆け下りてくる。
おっさんはしつこいくらいにタレを何度も重ね塗りし、焦がさぬように手早く両面を焼き上げた。
そして、カゴから人数分+1の黒い箱を取り出してみれば──
そこには、炊き立ての白米が湯気を上げて待ち構えていた。
まずは一人前。
お重からはみ出すほどの鰻をどっさりと乗せ、カゴに入っていた山椒をパラリと振りかける。
「女神さん、こんな美味ぇもん恵んでくれてありがとう。──まずはアンタから食べてくんちぇ!」
そう言って柏手を打つと──
超特上の鰻重は、スゥッと姿を消していった。
おっさんは手を止めることなく、次々と皆の分を仕上げていく。
山椒は「味変用だ」とテーブルに置き、風呂上がりで頬を上気させた美女たちに声をかけた。
「──最高の鰻重だっぺよ。さぁ、食ってみっせ!」
中華料理、焼き鳥、ホルモン焼き、と──
店の前を通るだけで腹の空く匂いは数あれど、やはりウナギに勝つものは居ないのではなかろうか?
普段無駄口の多いテティスでさえも、ゴクリと唾を飲み込んで、目の前の料理に魅了されている。
「い、頂きますわ……」
先程までの黒いヘビの様な姿を見ていたパステルが、そっと箸を入れて美しい所作で口へと運ぶ。
「ん~~~~~おいっっっちいぃぃぃぃ!!」
スプーンでパクりといったトゥエラが第一声を放ち、そこからはもう、最高の晩餐となった。
テティスはしっかりと食べる前に写メを撮り、
「パーパ神確!あーしもうウナギになりたい!?
これヘビリピとーろくおねしゃっす!!」
などと騒ぎ立てる。
女神さんのくれたウナギは人数分しかないが……
アレをどうにか出来るならば、コイツらの喜ぶ顔がもっと見られるなぁ。
と、おっさんは渓谷で見た巨大な魔物に想いを馳せるのであった。
冷えたワインで乾杯しながら、今後の展望を語り合っていた。
「ありゃよぉ……ウナギっていう魚の一種だと思うんだっけ」
大きさも首の数も化け物じみてはいたが──あのヌメリ感、そして黒光りしながらウネウネと泳ぐ胴体。
それを目にしたおっさんは、確信を強めていた。
「うなぎ……ですか?あまり耳にしたことのない魔物ですね。
それは……食べられるのですか?」
『岩をも穿つ河川の暴龍』──依頼票にそう記されてはいたが、可食かどうかまでは、アカシックな記録を持つリリですら判じかねていた。
「あぁ、ちっとばっか捌くのは面倒なんだけんどもよ……ありゃぁ美味えど~」
異世界に来てから久しく味わえていなかった──
鰻重の、あの暴力的な香りを思い出しながら、おっさんはしみじみと語る。
わざとらしくはみ出した身、たっぷりの甘ダレに山椒の粉。
思い出すだけで唾液がせり上がってくるが、あの料理だけは他の魚や肉で代用が利かない。
「しゃーねぇ、今あるもんで晩メシでも……」
と支度を始めようとしたところへ──娘たちとパステルが帰ってきた。
「パーパ見てコレ~!服あげたらさ~?
女神がなんかくれたんですケド~?」
テティスとパステルは目がくらむようなド派手な新装備で現れ、その手にはなぜか──スーパーの買い物カゴが。
側面には堂々と『スーパーヴィーナス』の文字。
見覚えがあった。
──あれは、かつて誘拐された貴族を救出したとき。
担々麺を食いたいと駄々をこねた自分に、女神が突然与えた“あのカゴ”と同じものだ。
「私が祈りを捧げておりましたら、
いつの間にか……この手に握らされていたのですわ。
……ですが、この黒く長い……
蛇のようなものは、一体……?」
ふと見上げれば──部屋の中を泳ぐ魚……ではなく、トゥエラだった。
「おとーさん! それおいしいのー?」
フヨフヨと宙を泳ぎながら嬉しそうに声をかけてくる人魚風幼女に誘われるように、カゴを覗き込んでみると──
「おぉ、またくれたのけ。女神さん、ごっそさんね」
今まさに求めていた食材だということはすぐに理解したが、真っ先に目を引いたのはカゴの隅に収まっていた350ml缶。
銀と黒のラベルに大きく書かれた文字。
『漢梅サワー』
プシュッと開けて喉へ流し込めば──
「んあ~! うめぇんでねぇの!?」
朧げな記憶の中にあった市販品よりも格段に洗練されていて、しかも『つぶつぶみかんジュース』よろしく、梅干しの実がゴロゴロと入っている。
さらに酒精はストゼロ並みに高く、どこかにフワッとカボスのような柑橘の香りも漂う。
──おっさんの大好物になるのは、疑いようもなかった。
グビグビと一気に煽ったおっさん。
だが、トンとテーブルに置けば──あら不思議。
缶の中身は満タンに戻り、ラベルには霜が降りるほどに再び冷やされていた。
エターナルドリンクのコレクションがまた一本増えたことに、ニヤリと頬を緩めるおっさん。
それでも気を取り直して、改めてカゴの中身を覗き込む。
「あんちゅータイムリーな女神さんなんだっぺ?」
そう呟いた先に見えたのは──氷を敷いた藁の上で、まだウネウネと身をよじらせている極太のウナギが箱詰めされていた。
おっさんは早速とばかりに準備を始める。
常識的に考えれば、リビングに七輪を持ち出してウナギを焼くなど正気の沙汰ではない。
──だが、ここはホビット族の街に建てられた自宅。
屋根裏には空気を浄化してくれる岩が隠されているのだから、怖いものなど何もない。
関東の武士は切腹のイメージを嫌い背中側から開かせるらしいが……
背中を斬られて死ぬ方がカッコ悪いのでは?という疑問も平行線上残るのだった。
おっさんは、まず流水でウナギの体をざっと洗い流した。
表面を覆っていたヌルヌルは、思ったよりもあっさりと落ちてくれた。
「おー、こりゃあ扱いやすい方だっぺね」
そう呟くと、まな板に腰袋から取り出したアイスピックを打ち込み、ウナギの目を固定。
そのまま腹に包丁を滑らせた。
久しぶりに手にした『頂』の親父から譲り受けた刺身包丁は、相変わらずの切れ味で──
ひと引きで、見事にその身を開いてしまう。
ぐい、と刃を引きながら内臓をかき出し、骨を外してゆく。
慣れた手つきではあるが、久方ぶりの作業に、ほんの少し緊張の色が浮かぶ。
小骨を指先で探りながら処理を終えると、身をお重に収まる長さに切り揃えた。
「ほれ、このくらいでちょうど良いべな」
切り分けた身に竹串を打ち、反り返らぬよう数本でしっかり固定する。
銀色の皮目に竹串が並んだその姿は、すでに「完成形」を予感させる。
おっさんは嬉しそうに鼻を鳴らしながら、七輪をリビングのテーブルに据え──
いよいよ次の工程、白焼きへと取り掛かろうとしていた。
女性陣を風呂に送り込んでいる間に、蒲焼の一歩手前まで仕上げてしまう計画だ。
屋根裏の岩に向かって、
「ちっとばっか煙くなるから頼むべよ」
と声をかけると、おっさんは豪快に焼き始める。
こんな時に最適な炭が──深海ゴブリンの肋骨である。
陽の光も届かぬ海底で、強烈な水圧に耐えて生きるアイツらの骨は、叩けばキィィンと澄んだ音を響かせるほど高密度。まるで白炭のような性質を持つ素材なのだ。
じわじわと熱せられた身からは、脂がブクブクと滴り落ちる。
だが炎が上がることはなく、あくまでも「焼き蒸す」ように、旨味を閉じ込めていった。
両面に程よい焼き目がついたところで──おっさんの我慢はついに限界を迎えた。
身の端を箸でちょいと摘み、醤油を一滴垂らして口へ運ぶ。
「間違ぇねえな、コリャ……ふっかふかだっぺよ」
もにゅもにゅと咀嚼し、酒で流し込む。
上階から気配がしたのに合わせ、カゴの中にあった小さな壺を取り出し、蓋を開けた。
どろりとしたタレからは、甘く芳ばしい香りが立ちのぼる。
付属のハケで身に塗り込むと──
たちまち立ち上る、凶暴なまでに旨そうな、
『美味しい煙』
それは展望露天風呂で身支度を整えていた娘たちのもとへも届いたに違いない。
「キャー!」とか「わー!」とか、喧しい声と共に、四人が螺旋階段を駆け下りてくる。
おっさんはしつこいくらいにタレを何度も重ね塗りし、焦がさぬように手早く両面を焼き上げた。
そして、カゴから人数分+1の黒い箱を取り出してみれば──
そこには、炊き立ての白米が湯気を上げて待ち構えていた。
まずは一人前。
お重からはみ出すほどの鰻をどっさりと乗せ、カゴに入っていた山椒をパラリと振りかける。
「女神さん、こんな美味ぇもん恵んでくれてありがとう。──まずはアンタから食べてくんちぇ!」
そう言って柏手を打つと──
超特上の鰻重は、スゥッと姿を消していった。
おっさんは手を止めることなく、次々と皆の分を仕上げていく。
山椒は「味変用だ」とテーブルに置き、風呂上がりで頬を上気させた美女たちに声をかけた。
「──最高の鰻重だっぺよ。さぁ、食ってみっせ!」
中華料理、焼き鳥、ホルモン焼き、と──
店の前を通るだけで腹の空く匂いは数あれど、やはりウナギに勝つものは居ないのではなかろうか?
普段無駄口の多いテティスでさえも、ゴクリと唾を飲み込んで、目の前の料理に魅了されている。
「い、頂きますわ……」
先程までの黒いヘビの様な姿を見ていたパステルが、そっと箸を入れて美しい所作で口へと運ぶ。
「ん~~~~~おいっっっちいぃぃぃぃ!!」
スプーンでパクりといったトゥエラが第一声を放ち、そこからはもう、最高の晩餐となった。
テティスはしっかりと食べる前に写メを撮り、
「パーパ神確!あーしもうウナギになりたい!?
これヘビリピとーろくおねしゃっす!!」
などと騒ぎ立てる。
女神さんのくれたウナギは人数分しかないが……
アレをどうにか出来るならば、コイツらの喜ぶ顔がもっと見られるなぁ。
と、おっさんは渓谷で見た巨大な魔物に想いを馳せるのであった。
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