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第九章
第六十一話
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至福の時間はあっという間に過ぎ去り、悲しそうな顔で重箱の隅を箸でつつくトゥエラ。
おっさんが半分ほど余したものを差し出してやると、
彼女は天にでも昇るように舞い踊った。
「ほんでよ、テティス先生とパステル王女に
相談があるんだけんども」
おっさんは、娘たちの作った橋を見学しに行ったこと、その下に化け物ウナギがいたことを話した。
「あれを捌いて食えれば、
一生分のウナギになるんでねぇか?」と。
──その時、テティスの携帯が震え、彼女はなにやら話し出す。
「あ、ちょ待って──うん?あそーなの?ふーん……
パーパ?今マーマ達からコーミーきたんだけど?
そのウナギさ、猫達と同じ系のヤツらしいんよ?」
なんと驚いたことに、渓谷で見たあの化け物ウナギは──
【悪意】を浄化していた白猫のみーちゃん、
【負の想い】を抱え込んでいたワリ太郎と同じく、
この世の根源を司る精霊的な生き物だという。
つまり──ぶった斬って食うわけにはいかない。
思い出されるのは、ダークエルフの神殿の女神像たちが告げていた依頼の言葉。
『殺さずに、上手いこと調整するのじゃ』
要は、疲れさせてグッタリさせれば大人しくなるのではないか。
だとすれば──あの計画はてきめんに効くはずだ。
「前によ、
フレコン通して橋に使う丸太を送ったっぺよ?
アレと似たようなこと、魔法で出来ねぇもんだべか?」
おっさんは、橋を渡った先で山脈に突き当たったことを明かす。
そして──あんな岩を砕いて渓谷を穿つほどのウナギなら、トンネルだって掘れるのではないかと、テティスやパステル、それからリリも交えて相談を始めた。
一方その頃のトゥエラは……口の周りをタレでベトベトにしたまま、宙をふわふわ漂いながら気持ちよさそうに眠っていた。
いくら岩を砕けるとはいえ、闇雲に掘らせて良いものではない。
最短距離で、かつ高低差も考慮しながら向こう側に抜けなければ意味がないのだ。
「それでしたら……私が誘導できるかもしれませんわ」
パステルが手を挙げて説明を始める。
なんでも──各地に散らばる妖精たちを“経由点”にすることで、彼女たちはかなりの距離をワープできるようになったそうだ。
だが、妖精がいない場所──つまり魔力が薄い地域には飛べないのだという。
そこでリリが、テーブルの上に一枚の紙をスッと差し出した。
ただの紙のはずなのに、そこには立体的に盛り上がった山脈の全貌が浮かび上がっている。
「……ジオラマみてぇだな。
んで、こっち方向が港町方面け?」
指でなぞってみると、確かにただの紙であるらしく、スルリと山脈の中を手が抜けていった。
「そうですね。直線距離にすると──
南南東に向け53.85Kmとなります。
坑道内の浸水を考慮するなら……
この中心付近を頂点として、約100M程高く設定すべきかと」
そうなると──問題は魔力だ。
橋側から港町側まで、まっすぐ貫くような“道”を示せるだけの魔力が必要になる。
「そこはあーしの出番じゃね? アレっしょ?
妖精ちんが迷子になんないよーに、ビームぶっぱすりゃいいんでしょ?☆彡」
そう、最初からテティスに頼めば、山を撃ち抜く魔法で一発解決……できるかもしれないのだ。
だが、それでは衝撃が強すぎて山ごと崩落──
大惨事になりかねないのだ。
そこで彼女は考えた。
拳ほどの小さな穴を、山の端から端まで正確に撃ち抜くのだという。
その細い穴へ、パステルが妖精を導き入れることができれば──
異世界初の『ウナギシールドマシン』が、ついに導入できるというわけだった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
そして翌日──
リリの運転するミニクーパーに乗り込んだ五人は、ピクニック気分で出かけていた。
転移を使えば山脈の現場まで一瞬で行けるのだが、音楽をかけながらのドライブが楽しいらしく、この案は即却下された。
スーパーウーハーなど積んでいるはずもない車内に──
ズン!ドン!ズン!ドン!と重低音が鳴り響く。
「……これ、この世界の歌なんだっぺよ?」
そうパステルに尋ねてみたが、返ってきた答えは意外だった。
「はい、王国の礼拝堂などで流す讃美歌ですわ」
……どの辺に祈りの要素があるのか、サッパリ判らない。
「パーパ!? ぃノってるぅぅぅぅぅ!?」
テティスは車内で、髪を振り乱し、壊れたように騒いでいる。
……あまり頸椎には良くなさそうな気がするが、
なんでも、こないだ与えた原付、ベスパの座席下──
ヘルメットを仕舞うスペースを覗いたら、未使用のカセットテープが一本見つかったのだという。
それを女神像に差し出したところ、ありがたくも録音してくれたらしい。
タイトルは──
『BEST⭐︎OF⭐︎GLORIA』。
おっさんはキリシタンではないし、讃美歌と言われても、年末にテレビで流れる第九くらいしか聞いたことがない、大工のおっさんだ。
王都の教会を建て直した時でさえ、装飾をどうしたら良いのか分からずに、七福神っぽいものを柱に刻み込んだりしたくらいだ。
あとはサイゼリアに描かれている腹のでた赤子の天使くらいしか知らん。
そうこうしているうちに、新幹線よりも速いミニクーパーは目的地へと辿り着いた。
──もっとも、山脈の手前ではなく、舗装された丸太橋のかかる渓谷である。
車から降り、ぐぐっと背伸びをして身体をほぐす。
皆の腰に落下防止器具でも付けてやろうかと一瞬考えたが……
その横で、空をスイスイ泳いでいるトゥエラを見て、バカバカしくなり、やめることにした。
谷底が覗ける辺りまで橋を進み、しばらく観察を続けると──
渓谷の岩肌に岩感……ではなく違和感を感じた。
雨も降るだろうし、濁流の水飛沫もかかるというのに、草の一本、苔のひと房すら見当たらず、なんというか……ニスでも塗ったように、岩肌に艶があったのだ。
おっさんは試しに、お玉に掬ったスープカレーを、谷底に向かって振ってみた。
望遠鏡を覗いて行方を見守ると、ベチャッと岩にくっついた──
かと思いきや、まるでコーティングされた車のように、カレーはスルリと流れて……
──ドッパァァァァン!
と、谷底の闇から現れたウナギの八つ首が、一斉にカレーを舐め取った。
「うっわ…えっぐ……あーしやっぱウナギにはならねーわ……食べる側でOK牧場?」
──そして今日の目的地、山脈へと向かいたいのだが。
橋の上を歩いてみると、アスファルト舗装されて滑らかにはなったものの、やはりガードレールがない橋は、落下の恐れもあっておっかない。
おっさんは、その辺をユラユラと蝶を追いかけるように宙を泳いでいたトゥエラに声をかける。
「おーい、トゥエラ! ちょっといいけ?」
フヨフヨと降りてきた彼女に、充電式インパクトドライバーを見せて尋ねた。
「ここによ、こういうボルトを沢山つけたいんだけんど……これで宙に穴、開けれんだっぺか?」
まるで一休さんの「屏風の虎を連れてこい」みたいな話である。
だが彼女は首をかしげつつも──
「んー……こう?」
と、受け取った工具でいとも簡単に空中を穿ち、親指ほどの太さのボルトをねじ込んでみせた。
「ほらね!」
得意げに、そのボルトへぶら下がってプラプラ揺れるトゥエラ。
「……いや、できんのかよ」
おっさんは思わず素でツッコむのであった。
腰袋の中には、かつての道路工事の際に発注し、監督と問屋間のミスで長さや数量を間違えまくったガードレールが沢山入っている。
こうなったからには、全員作業である。
まずパステルが首飾りのチェーンを操り、長さ五メートルほどあるガードレールを風船のようにふわりと宙に浮かせる。
おっさんとテティスが両端に手を添え、丁度いい高さにあてがう。
その間に──空を泳ぐ人魚スタイルのトゥエラが、裏側の支柱穴へインパクトドライバーを突き立て、ドリルで穴を開けてはボルトを打ち込んでいく。
橋の袂では、リリがレーザー墨出し機を据え付け、トランシーバーを片手に冷静に指示を飛ばしていた。
『はい、そこから二ミリ上げてください──
もう少し手前に三センチ……そう、そこ…今です』
ギュルルルルル……ズボッ! クルクルクル……
やがて、滑らかな舗装道路の脇に、まるで当然のようにガードレールが整然と並んでいった。
それは、宙に浮く橋にふさわしい、不思議で頼もしい景観となっていた。
おっさんが半分ほど余したものを差し出してやると、
彼女は天にでも昇るように舞い踊った。
「ほんでよ、テティス先生とパステル王女に
相談があるんだけんども」
おっさんは、娘たちの作った橋を見学しに行ったこと、その下に化け物ウナギがいたことを話した。
「あれを捌いて食えれば、
一生分のウナギになるんでねぇか?」と。
──その時、テティスの携帯が震え、彼女はなにやら話し出す。
「あ、ちょ待って──うん?あそーなの?ふーん……
パーパ?今マーマ達からコーミーきたんだけど?
そのウナギさ、猫達と同じ系のヤツらしいんよ?」
なんと驚いたことに、渓谷で見たあの化け物ウナギは──
【悪意】を浄化していた白猫のみーちゃん、
【負の想い】を抱え込んでいたワリ太郎と同じく、
この世の根源を司る精霊的な生き物だという。
つまり──ぶった斬って食うわけにはいかない。
思い出されるのは、ダークエルフの神殿の女神像たちが告げていた依頼の言葉。
『殺さずに、上手いこと調整するのじゃ』
要は、疲れさせてグッタリさせれば大人しくなるのではないか。
だとすれば──あの計画はてきめんに効くはずだ。
「前によ、
フレコン通して橋に使う丸太を送ったっぺよ?
アレと似たようなこと、魔法で出来ねぇもんだべか?」
おっさんは、橋を渡った先で山脈に突き当たったことを明かす。
そして──あんな岩を砕いて渓谷を穿つほどのウナギなら、トンネルだって掘れるのではないかと、テティスやパステル、それからリリも交えて相談を始めた。
一方その頃のトゥエラは……口の周りをタレでベトベトにしたまま、宙をふわふわ漂いながら気持ちよさそうに眠っていた。
いくら岩を砕けるとはいえ、闇雲に掘らせて良いものではない。
最短距離で、かつ高低差も考慮しながら向こう側に抜けなければ意味がないのだ。
「それでしたら……私が誘導できるかもしれませんわ」
パステルが手を挙げて説明を始める。
なんでも──各地に散らばる妖精たちを“経由点”にすることで、彼女たちはかなりの距離をワープできるようになったそうだ。
だが、妖精がいない場所──つまり魔力が薄い地域には飛べないのだという。
そこでリリが、テーブルの上に一枚の紙をスッと差し出した。
ただの紙のはずなのに、そこには立体的に盛り上がった山脈の全貌が浮かび上がっている。
「……ジオラマみてぇだな。
んで、こっち方向が港町方面け?」
指でなぞってみると、確かにただの紙であるらしく、スルリと山脈の中を手が抜けていった。
「そうですね。直線距離にすると──
南南東に向け53.85Kmとなります。
坑道内の浸水を考慮するなら……
この中心付近を頂点として、約100M程高く設定すべきかと」
そうなると──問題は魔力だ。
橋側から港町側まで、まっすぐ貫くような“道”を示せるだけの魔力が必要になる。
「そこはあーしの出番じゃね? アレっしょ?
妖精ちんが迷子になんないよーに、ビームぶっぱすりゃいいんでしょ?☆彡」
そう、最初からテティスに頼めば、山を撃ち抜く魔法で一発解決……できるかもしれないのだ。
だが、それでは衝撃が強すぎて山ごと崩落──
大惨事になりかねないのだ。
そこで彼女は考えた。
拳ほどの小さな穴を、山の端から端まで正確に撃ち抜くのだという。
その細い穴へ、パステルが妖精を導き入れることができれば──
異世界初の『ウナギシールドマシン』が、ついに導入できるというわけだった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
そして翌日──
リリの運転するミニクーパーに乗り込んだ五人は、ピクニック気分で出かけていた。
転移を使えば山脈の現場まで一瞬で行けるのだが、音楽をかけながらのドライブが楽しいらしく、この案は即却下された。
スーパーウーハーなど積んでいるはずもない車内に──
ズン!ドン!ズン!ドン!と重低音が鳴り響く。
「……これ、この世界の歌なんだっぺよ?」
そうパステルに尋ねてみたが、返ってきた答えは意外だった。
「はい、王国の礼拝堂などで流す讃美歌ですわ」
……どの辺に祈りの要素があるのか、サッパリ判らない。
「パーパ!? ぃノってるぅぅぅぅぅ!?」
テティスは車内で、髪を振り乱し、壊れたように騒いでいる。
……あまり頸椎には良くなさそうな気がするが、
なんでも、こないだ与えた原付、ベスパの座席下──
ヘルメットを仕舞うスペースを覗いたら、未使用のカセットテープが一本見つかったのだという。
それを女神像に差し出したところ、ありがたくも録音してくれたらしい。
タイトルは──
『BEST⭐︎OF⭐︎GLORIA』。
おっさんはキリシタンではないし、讃美歌と言われても、年末にテレビで流れる第九くらいしか聞いたことがない、大工のおっさんだ。
王都の教会を建て直した時でさえ、装飾をどうしたら良いのか分からずに、七福神っぽいものを柱に刻み込んだりしたくらいだ。
あとはサイゼリアに描かれている腹のでた赤子の天使くらいしか知らん。
そうこうしているうちに、新幹線よりも速いミニクーパーは目的地へと辿り着いた。
──もっとも、山脈の手前ではなく、舗装された丸太橋のかかる渓谷である。
車から降り、ぐぐっと背伸びをして身体をほぐす。
皆の腰に落下防止器具でも付けてやろうかと一瞬考えたが……
その横で、空をスイスイ泳いでいるトゥエラを見て、バカバカしくなり、やめることにした。
谷底が覗ける辺りまで橋を進み、しばらく観察を続けると──
渓谷の岩肌に岩感……ではなく違和感を感じた。
雨も降るだろうし、濁流の水飛沫もかかるというのに、草の一本、苔のひと房すら見当たらず、なんというか……ニスでも塗ったように、岩肌に艶があったのだ。
おっさんは試しに、お玉に掬ったスープカレーを、谷底に向かって振ってみた。
望遠鏡を覗いて行方を見守ると、ベチャッと岩にくっついた──
かと思いきや、まるでコーティングされた車のように、カレーはスルリと流れて……
──ドッパァァァァン!
と、谷底の闇から現れたウナギの八つ首が、一斉にカレーを舐め取った。
「うっわ…えっぐ……あーしやっぱウナギにはならねーわ……食べる側でOK牧場?」
──そして今日の目的地、山脈へと向かいたいのだが。
橋の上を歩いてみると、アスファルト舗装されて滑らかにはなったものの、やはりガードレールがない橋は、落下の恐れもあっておっかない。
おっさんは、その辺をユラユラと蝶を追いかけるように宙を泳いでいたトゥエラに声をかける。
「おーい、トゥエラ! ちょっといいけ?」
フヨフヨと降りてきた彼女に、充電式インパクトドライバーを見せて尋ねた。
「ここによ、こういうボルトを沢山つけたいんだけんど……これで宙に穴、開けれんだっぺか?」
まるで一休さんの「屏風の虎を連れてこい」みたいな話である。
だが彼女は首をかしげつつも──
「んー……こう?」
と、受け取った工具でいとも簡単に空中を穿ち、親指ほどの太さのボルトをねじ込んでみせた。
「ほらね!」
得意げに、そのボルトへぶら下がってプラプラ揺れるトゥエラ。
「……いや、できんのかよ」
おっさんは思わず素でツッコむのであった。
腰袋の中には、かつての道路工事の際に発注し、監督と問屋間のミスで長さや数量を間違えまくったガードレールが沢山入っている。
こうなったからには、全員作業である。
まずパステルが首飾りのチェーンを操り、長さ五メートルほどあるガードレールを風船のようにふわりと宙に浮かせる。
おっさんとテティスが両端に手を添え、丁度いい高さにあてがう。
その間に──空を泳ぐ人魚スタイルのトゥエラが、裏側の支柱穴へインパクトドライバーを突き立て、ドリルで穴を開けてはボルトを打ち込んでいく。
橋の袂では、リリがレーザー墨出し機を据え付け、トランシーバーを片手に冷静に指示を飛ばしていた。
『はい、そこから二ミリ上げてください──
もう少し手前に三センチ……そう、そこ…今です』
ギュルルルルル……ズボッ! クルクルクル……
やがて、滑らかな舗装道路の脇に、まるで当然のようにガードレールが整然と並んでいった。
それは、宙に浮く橋にふさわしい、不思議で頼もしい景観となっていた。
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