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第二章
第十三話
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俺たちは依頼達成の報告と漁師に小舟を返却するために港町へと凱旋した。
テーマパークごとである。
沖を見つめ大騒ぎになっている港町の住人達。
そりゃ海の彼方から田んぼが一枚ぶん、
しかも巨大な海竜を乗せて流れて来るのだ
この世の終わりかと恐慌したであろう。
だが、俺が小舟で先行し、空軍大佐や町長達に説明したことによって…
港はお祭り騒ぎとなった。
しかもだ
このテーマパーク(正確には海竜の周り数キロくらい)で釣れた魚介類は、神の様な食材に変わっていた。
浜に仮設の桟橋を組み、巨大なテーマパーク筏を一時係留する。
ラッキー君は町の人々を怖がらせないよう、背中だけを水面に出したまま大人しくしている。
なんなら目元にヒトデを貼り付け、擬態していた。ちょっとかわいい。
さっそく街は海鮮バーベキューパーティーへと突入した。
あちこちで焼かれる魚介類。
大量に持っていた魔石汁や発酵魔石ペースト、粉砕魔石などを提供してやると、
歓喜の声が上がっていた。
しかしながら俺は、魚を生で食うという文化のないこの街に、落雷を落とした。
「な…なんですかこれは…ほ…宝石箱!!??」
震えながら丼をみつめる漁師達の長
「食ってみな?…吹っ飛ぶぜ。」
マグロ イカ ホタテ イクラ ウニ カニ エビ 赤貝 シメサバ ハマチ ブリ
彩りも鮮やかに盛った海鮮丼を
町民たちに配ってやる。
ラッキー君に聞いたら、寄生虫などは彼の魔力の中では死滅するそうだ。
わさび醤油にも慣れてないだろうと気を利かせ、
赤酢を使った濃い味のシャリに乗せてやった。
恐る恐るフォークを刺し、食べ始める人々
ひとときの静寂の後…
「うまあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」
港街は大爆発した。
日が暮れ、夜の帳が降りてもなお、街の狂乱は収まらなかった。
焚き火が灯され、焼かれるホタテのバターがじゅうじゅうと香りを立て、酔っぱらい達の笑い声とよくわからない楽器の軽快なリズムが港に響く。
「これが……異世界のお祭りなのか……?」
そんな言葉をぽつりと漏らすが、
踊ってるのは大抵地元の漁師たちであり、
明らかにリズムが狂っている。
だが誰もそれを咎めない。酔ってるからだ。
俺はデッキの隅っこに腰を下ろし、
冷やした清酒を片手にぐい呑み。
アコム嬢は相変わらず宙に浮かびながら、夜空を見上げていた。
「……いい夜だな」
つい、ぽつりとつぶやく。
だって本当にそうなんだもの。
海は穏やかにうねり、満天の星。
背中を水面に出したままのラッキー君が、ごろんと横向きになってうとうとしている。
なんなら、頬に貼り付けたヒトデが枕代わりになっている風にも見える。
焼却炉のお陰で背中が温かくて快適なんだそうだ。
言葉が通じるわけではないが、そういう空気は伝わる。
──なんだかんだで、俺もこの町と、あの竜と、少女たちのことが好きになってきている気がした。
トゥエラは、せっせと廃棄物のフレコンをダンプに積み込んでいた。
魔石ラベルのついた瓶や、使い切った魔力電池の束、謎のぬいぐるみの山など…
いったいこの神殿は何をどれだけ溜め込んでいたのだろう。
そんな中。
俺は冷えた酒をもう一杯だけ、と注ぎながら、ポツリとこぼす。
「そういや、あのゴミ屋敷……いったい誰がやらかしたんだろうなぁ」
静かな海風が吹き抜ける。
ふと、背後からアコムの声が聞こえた──
「mしcjrふぉ……」
……ん?
聞き返すと、トゥエラが小声で訳してくれる。
「……あれは、アコムのせいです。数百年前からたったひとりでこの神殿に住んでいたそうです……」
「……おまえだったんかーーーーーい!!」
港町は大爆発した。
テーマパークごとである。
沖を見つめ大騒ぎになっている港町の住人達。
そりゃ海の彼方から田んぼが一枚ぶん、
しかも巨大な海竜を乗せて流れて来るのだ
この世の終わりかと恐慌したであろう。
だが、俺が小舟で先行し、空軍大佐や町長達に説明したことによって…
港はお祭り騒ぎとなった。
しかもだ
このテーマパーク(正確には海竜の周り数キロくらい)で釣れた魚介類は、神の様な食材に変わっていた。
浜に仮設の桟橋を組み、巨大なテーマパーク筏を一時係留する。
ラッキー君は町の人々を怖がらせないよう、背中だけを水面に出したまま大人しくしている。
なんなら目元にヒトデを貼り付け、擬態していた。ちょっとかわいい。
さっそく街は海鮮バーベキューパーティーへと突入した。
あちこちで焼かれる魚介類。
大量に持っていた魔石汁や発酵魔石ペースト、粉砕魔石などを提供してやると、
歓喜の声が上がっていた。
しかしながら俺は、魚を生で食うという文化のないこの街に、落雷を落とした。
「な…なんですかこれは…ほ…宝石箱!!??」
震えながら丼をみつめる漁師達の長
「食ってみな?…吹っ飛ぶぜ。」
マグロ イカ ホタテ イクラ ウニ カニ エビ 赤貝 シメサバ ハマチ ブリ
彩りも鮮やかに盛った海鮮丼を
町民たちに配ってやる。
ラッキー君に聞いたら、寄生虫などは彼の魔力の中では死滅するそうだ。
わさび醤油にも慣れてないだろうと気を利かせ、
赤酢を使った濃い味のシャリに乗せてやった。
恐る恐るフォークを刺し、食べ始める人々
ひとときの静寂の後…
「うまあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」
港街は大爆発した。
日が暮れ、夜の帳が降りてもなお、街の狂乱は収まらなかった。
焚き火が灯され、焼かれるホタテのバターがじゅうじゅうと香りを立て、酔っぱらい達の笑い声とよくわからない楽器の軽快なリズムが港に響く。
「これが……異世界のお祭りなのか……?」
そんな言葉をぽつりと漏らすが、
踊ってるのは大抵地元の漁師たちであり、
明らかにリズムが狂っている。
だが誰もそれを咎めない。酔ってるからだ。
俺はデッキの隅っこに腰を下ろし、
冷やした清酒を片手にぐい呑み。
アコム嬢は相変わらず宙に浮かびながら、夜空を見上げていた。
「……いい夜だな」
つい、ぽつりとつぶやく。
だって本当にそうなんだもの。
海は穏やかにうねり、満天の星。
背中を水面に出したままのラッキー君が、ごろんと横向きになってうとうとしている。
なんなら、頬に貼り付けたヒトデが枕代わりになっている風にも見える。
焼却炉のお陰で背中が温かくて快適なんだそうだ。
言葉が通じるわけではないが、そういう空気は伝わる。
──なんだかんだで、俺もこの町と、あの竜と、少女たちのことが好きになってきている気がした。
トゥエラは、せっせと廃棄物のフレコンをダンプに積み込んでいた。
魔石ラベルのついた瓶や、使い切った魔力電池の束、謎のぬいぐるみの山など…
いったいこの神殿は何をどれだけ溜め込んでいたのだろう。
そんな中。
俺は冷えた酒をもう一杯だけ、と注ぎながら、ポツリとこぼす。
「そういや、あのゴミ屋敷……いったい誰がやらかしたんだろうなぁ」
静かな海風が吹き抜ける。
ふと、背後からアコムの声が聞こえた──
「mしcjrふぉ……」
……ん?
聞き返すと、トゥエラが小声で訳してくれる。
「……あれは、アコムのせいです。数百年前からたったひとりでこの神殿に住んでいたそうです……」
「……おまえだったんかーーーーーい!!」
港町は大爆発した。
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