DIYと異世界建築生活〜ギャル娘たちとパパの腰袋チート

みーくん

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第三章

第一話

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樹海に帰ってきて幾ばくかの日々が過ぎた。

魚貝も最高だったが、肉もやっぱ美味いな。

娘たちとテーブルを囲み、食事に花が咲く。

海にいた頃は夏だったのだろうか?
異世界に四季があるのかどうかもわからんが。

樹海を見下ろしのんびり過ごす日々も…

…少し飽きてきた。

「地上500メートルにログハウスを建てた話したっけか?」

誰に語りかけているのかわからないが、
森に帰還した頃を思い出していた。

➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖

港町からダンプを爆走させ森まで帰って来ると、
懐かしい狼や鳥やらの化け物達が出迎えてくれた。

どうゆう訳か、みーちゃんは見かけないが。

片っ端から肉と魔石調味料を補充した。

薄々解ってはいたのだが、
俺の腰袋から出る道具や資材、消耗品などは、
どうやら地球で使っていた頃とは何かが違うようだ。

普通に考えて、恐ろしいドラゴンの口をサポートで支えられるわけもないし、

あんな馬鹿でかい鳥を釘打ち機で撃ち落とせるわけがない。

「だいたい何百メートルも梯子が伸びる時点で…」

あの頃は生きるだけで必死だったので、
あまり違和感もなかった。

最初に建てた、樹木を水平に切った上の小屋に戻って来ると…

モンスターハウスになっていた。

縄張り争いでもあったのか、
血で血を洗ったようなスプラッターハウス。

勝者がのさばる小屋と、
屍が積み上がった地上。

「こりゃもう住めねーな」

チラリと内部を覗くと部屋目一杯の大きさのニワトリのような化け物がいた。

うっはぁ…美味そうな鳥だなぁ……
しかし
俺は考えた。

卵料理も食いたいよね。

なのでとっておきのドラゴンの肉をコカトリスに献上してやり、

「たまに卵よこせよ」と説得恐喝しておいた。
足元にあった軽自動車くらいの卵を譲ってもらい、
たくさんの密閉容器ジップロックに小分けし冷蔵庫へ仕舞い…

また樹海を彷徨い始める。

トゥエラとテティスも機嫌良く歩いている。

繋げて呼ぶと、舌を噛みそうになる娘達だ。

トゥエラのナイフは整備してやったが、一回り小さくなってしまった。

テティスは…いつも無表情でつまらなそうにも見えるが、そうではなく顔に出ないだけだった。
毎日が踊りたくなるほど楽しいらしい。

特技を尋ねると、弓が得意らしい。

見せて貰うと、ショットガンのような弾幕を一度の発射で放っていた。

神殿時代、空き缶を並べて遊んでいたらしい。

「寝る場所探さなきゃなぁー」

良さそうなエリアはないか考えると、以前この樹海を見渡した巨木が見えてきた。

「ここに登れば、良さげなとこ見つかるかもな」

相変わらずぽっかりと空いたウロに、三人手を繋ぎ入ってみると…



地上500メートル。
──森のてっぺんからの風景は、まさに壮観だった。

朝靄に包まれた緑の海がどこまでも広がり、雲の切れ間から差す斜光が、森の表面にゆらめく模様を描いている。

その先──遥か彼方の地平線付近に、かすかに白い点がいくつか見える。

「……あれ、港町か?」

確信は持てない。けれど、見える気がする。

風の音だけが響く静かな空間で、俺はしばらく立ち尽くしていた。

その視線の先には、自らが築いた“島”と、笑顔が戻った人々の記憶が──たしかに在った。

「うーん住みやすそうなエリア…」

腰袋から取り出した双眼鏡を覗き込み、周囲の樹海を見渡す。

だが、どこを見ても──
鬼。虫。牛。鳥。ワニ。その他分類不能な連中が、木々をなぎ倒しながら好き放題に暴れている。

「……あっちもこっちも化け物だらけだなぁ。」

安全、日当たり、見晴らし、──そんな条件をすべて満たす場所など、そう簡単には見つからない。

「……って、もうここでいいんじゃね?」

そう、今この立っている場所が、何より理想的だった。
高い。広い。静か。しかも、安全。

「決まりだな──作業開始だっぺ!」

娘たちを張り出した枝に避難させると、腰袋からチェーンソーを引き抜いた。

「ギュウィィィィィィィィィィィン!!!」

振動が手に伝わる。

ここで標高はおよそ500メートル──だが、巨木の頂上まではまだ先がある。

幹はさらに天を目指し、堂々とそびえ立っていた。

俺はさらに上へと登りながら、適度な長さ(約4メートル)で、枝や幹を切断していく。

これらは後の柱材や梁に活用する予定だ。

そして徐々に降下しながら、
「このへんだな」と目星をつけた“ちょうど良さそうな太さと高さ”にたどり着く。

「よーし、土地づくりからだな──!」

伐った部分を均し、フラットな足場を整地していく。

この日から始まるのは、樹上500メートル、ログハウス建築だった
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