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第九章
第三話
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「テメェら!!このクソ店は今日で仕舞ぇだ!
全員出て行ってどっかで丁稚からやり直しやがれ!」
ワニ男の怒号が、広い店内のショーケースのガラスを粉々に砕いた。
「な…何しやがるんだ親方!俺の造った鎧の
何処が悪いんだ!
最高純度の鋼鉄をふんだんに……」
その店主の最高傑作と思える、レジ奥に飾られたゴツい全身鎧を、
ワニ男は床に叩き落とし──グチャリと踏みつけた。
「これが傑作だと……?そりゃぁ傑作だな。
ジョークグッズって意味だがな!!」
足の下にはぺったんこに伸された鎧風のプレート。
「俺の踏みつけは…そこいらの魔物より強ぇのかよい?
何年も…俺の仕事の何を見ていやがった。
そこのお嬢ちゃんに着せた
魔蝶蘭のチェーンメイルはなぁ、
俺が殺す気で踏んだって歪みもしねえぜ!」
嵐のような咆哮と威圧に、客も店員も下半身を濡らして散り散りに逃げ去った。
ポカーンと一部始終を見ていたトゥティパの3人に、
「デッヘッヘ、みっともねぇとこ見せちまった」
コロリと態度を変えて、ほうきとちりとりを持ち砕けたガラスの掃除を始めるワニ男。
「あぁ!名乗ってもなかったな。俺がこの店の店主、
アリガーターヤ防具店のダイルだ」
巨体に似合わぬ俊敏な動きで、飾ってあった防具とガラス屑を全て回収し終わったダイル。
改めてカウンター上の素材を穴が開くほど見つめ、
「頼む、アンタらの装備なんだろ!?
俺に造らせてくれ!!」
見る角度によって、黄金、漆黒、純白へと色変わりする鱗に、
一見すればネコの抜け毛のようにしか見えない、モフモフした塊。
ダイルの皮膚にもどこか似た、車のバンパーのような異物。
「へ…へへ…触っただけで、喰い千切られそうな
悪寒が走りやがる……」
「 間に合わせの防具を渡すからよ、
──絶対ぇ良いものを造って見せる!」
見ただけで人物のサイズが判るのか、異空間から二着の防具を取り出した。
「こっちが色黒のネーチャン、これがチビの分だ」
見るからにユニークな装備を前に、
「チビじゃないもん!ぷ~~ん!」
と頬を膨らませながらも上機嫌なトゥエラと、
「ガチアガるわ~こーゆーのっしょ?防具って~」
試着室に駆け込む二人。
残されたパステルは、店主に問いただしてみる。
「あの、先程の方々は……?」
ワニの、縦長に鋭い眼球がゆらりと形を崩す。
「アイツらはな…数年前に弟子にしてくれって、
ここへ来たんだが……
最初のうちはマジメで…手先も悪くねぇと、
黙って見ていたんだが──
俺の看板に胡座をかくようになり、
素材の品質ばかりに拘って、技術の成長が止まっちまった」
──それでも、いつかは目覚めてくれんだろうと、
店も任せて奥に引っ込んでいたダイルだったのだが、
ブランド力ばかりに頼って法外な値段で店を飾るアイツらに嫌気がさして……
──丁度今日。
店をぶち壊そうと思っていた所だったらしい。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
部屋の奥から、ふわりと現れたのは──
カラフルな紫陽花をあしらった、ふんわりワンピ姿のトゥエラ。
胸元には、ちょこんとみーくんが居座っており、ドヤ?っとした顔をしていた。
そしてその隣には、妖艶すぎる黒──
黒薔薇の装飾が散りばめられた、露出高めのキャミソールと妖艶なロングボトム。
スリット入りで、どこか中華風にも見えるが、その雰囲気はまるで吸血鬼の女王のよう。
目元は赤く煌き、深めのウィッチハットの影からじっと周囲を見つめている。
「ワニのおっさん、アンタただモンじゃねーっしょ!?」
テティスが身をくねらせながら、ド派手に指をさす。
「コレ着たら……魔力バランス──
ブチ上がったんデスケドォ!?☆彡」
強気すぎるセリフに、周囲の空気が一瞬ヒュッと引き締まったかと思えば──
「トゥエラもねー!すっごく動きやすいよー!みーちゃんもぴったりだよぉ~!」
ふわふわワンピのスカートをくるんと回しながら、トゥエラが無邪気に笑った。
ピンクの髪がふわりと舞い、まるで妖精のよう。
そんなテンション爆上がりのふたりを見て、
パステルがふっと顔を赤らめながらも、気品たっぷりに口を開く。
「お二人とも、こちらはダイルさんですわよ。
……わたくしも……はっ、恥ずかしいですけれど……
とても、漲りましたわ……♡」
全員の目がダイルに集まる。
彼は相変わらず飄々とした顔で、ワニみたいにガバっと笑った。
「アンタらの実力がとんでもねぇのは──
……なんとなく分かる。
だが…その装備の素材は、せいぜいB級程度が集めてこれるモンだ。
この預かった化け物で、アンタらの為に一から設計すりゃよ……
俺の終涯の逸品に間違いなくなる。ひと月くれ。
必ず仕上げてみせる。」
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
いつもよりも大きく見える紅い月。
海面にユラユラと反射し、不吉な血の池を思わせる。
甲板には、マストの上の見張りを一人残して、静けさが広がっていた。
時折、船体を揺らす波と潮騒は、大いなる母に包み込まれた赤子のようであった。
さっきまで布団で寝ていたおっさんは、
巨岩に体を押し潰される悪夢を見て目覚めた。
巨岩の正体は、ワリ太郎であった。
みーちゃんの何倍もエサを食うコイツは、
最近では恐らく、コメ一袋近い重量があると思える。
時計もないので判らないが、感覚的に、
夜中の2時や3時くらいであろうと思える。
目が覚めてしまったのなら仕方がない。
おっさんはタバコを咥え、船首の方に向かって散歩を始めた。
なぜか、おっさんに寄り添うように寝ていたリリは、
起こさずに済んだようだ。
シャンプーとも香水とも違う、女性特有の甘い香りがおっさんの鼻から脳を侵食し──
建てたくもない建築物を立てながら──夜風で正気を覚まそうと、星空を見上げるのだった。
この貿易船の船首は、一般的な船のように尖ってはいない。
やはり、船底の貨物倉庫の使い勝手を優先したのか、緩やかな弧を描いた先端は野球場のような丸みを帯びたイメージであった。
どうせ到着までのひと月ほど、釣りくらいしかやる事もないのだが、やはり寝不足や不摂生は体に毒かと思い──
ストゼロをグイグイ呑んで眠気を誘い込む。
支離滅裂ではあるが、これもおっさん流の価値観である。
そんな事をしていると……
海を照らしていた紅い光が、雲に隠され始めた。
足元は急に暗闇に包まれ、白波すらも見えなくなった。
「──なんだっぺ?」
見えなくなったのではなく……
海が死んだように止まったのだった。
風もやみ、タライの水に浮かべた小舟のように、貿易船は静止した。
次の瞬間、目に入ったのは──
広げられた大きな帆。
そこに描かれた、ガイコツ……よりもグロテスクな、ゾンビの顔だった。
万が一、互いの船が動いていれば、衝突は不可避。
石を投げれば届く距離まで、ゾンビ船は近づいていた。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
おっさんは咄嗟にマストの上の見張りを見れば……
イビキをかいて眠っているようだった。
すぐさま腰袋から、充電式拡声器を取り出す。
警報ボタンを押すと、パトカーのようなけたたましいサイレンが船中に響き渡る。
『ヴヴヴヴヴヴ~~~~~ヴヴヴヴヴヴヴ!!』
真っ先に駆けつけたのは、セーブルとシェリー。
二人の息は荒く、顔はほんのり紅潮している……が、それにツッコむ余裕はない。
次に現れたのは、美人船長だった。
「なんだい!? この音は……って、海賊!?!?」
遅れて、船員たちも続々と集まり始める。
「あれさは、どう見ても友達じゃねぇよな?」
おっさんが一応、海のプロである彼女に問いかけると──
「この海域で、海賊なんて……聞いたこともないのに……!」
船長は拳を強く握りしめ、海賊船を睨みつけたが……その目は明らかに怯えていた。
「親方、私とシェリーで潜入して──」
「いや。」
おっさんはセーブルの申し出を手で制し、
ゆっくりと目を細めた。
「矢の一本でも、撃ってきたならよ──
その瞬間、沈めっからよ……」
やがて、不気味に沈みかえる海賊船の船首に、
一人の男が現れた。
全員出て行ってどっかで丁稚からやり直しやがれ!」
ワニ男の怒号が、広い店内のショーケースのガラスを粉々に砕いた。
「な…何しやがるんだ親方!俺の造った鎧の
何処が悪いんだ!
最高純度の鋼鉄をふんだんに……」
その店主の最高傑作と思える、レジ奥に飾られたゴツい全身鎧を、
ワニ男は床に叩き落とし──グチャリと踏みつけた。
「これが傑作だと……?そりゃぁ傑作だな。
ジョークグッズって意味だがな!!」
足の下にはぺったんこに伸された鎧風のプレート。
「俺の踏みつけは…そこいらの魔物より強ぇのかよい?
何年も…俺の仕事の何を見ていやがった。
そこのお嬢ちゃんに着せた
魔蝶蘭のチェーンメイルはなぁ、
俺が殺す気で踏んだって歪みもしねえぜ!」
嵐のような咆哮と威圧に、客も店員も下半身を濡らして散り散りに逃げ去った。
ポカーンと一部始終を見ていたトゥティパの3人に、
「デッヘッヘ、みっともねぇとこ見せちまった」
コロリと態度を変えて、ほうきとちりとりを持ち砕けたガラスの掃除を始めるワニ男。
「あぁ!名乗ってもなかったな。俺がこの店の店主、
アリガーターヤ防具店のダイルだ」
巨体に似合わぬ俊敏な動きで、飾ってあった防具とガラス屑を全て回収し終わったダイル。
改めてカウンター上の素材を穴が開くほど見つめ、
「頼む、アンタらの装備なんだろ!?
俺に造らせてくれ!!」
見る角度によって、黄金、漆黒、純白へと色変わりする鱗に、
一見すればネコの抜け毛のようにしか見えない、モフモフした塊。
ダイルの皮膚にもどこか似た、車のバンパーのような異物。
「へ…へへ…触っただけで、喰い千切られそうな
悪寒が走りやがる……」
「 間に合わせの防具を渡すからよ、
──絶対ぇ良いものを造って見せる!」
見ただけで人物のサイズが判るのか、異空間から二着の防具を取り出した。
「こっちが色黒のネーチャン、これがチビの分だ」
見るからにユニークな装備を前に、
「チビじゃないもん!ぷ~~ん!」
と頬を膨らませながらも上機嫌なトゥエラと、
「ガチアガるわ~こーゆーのっしょ?防具って~」
試着室に駆け込む二人。
残されたパステルは、店主に問いただしてみる。
「あの、先程の方々は……?」
ワニの、縦長に鋭い眼球がゆらりと形を崩す。
「アイツらはな…数年前に弟子にしてくれって、
ここへ来たんだが……
最初のうちはマジメで…手先も悪くねぇと、
黙って見ていたんだが──
俺の看板に胡座をかくようになり、
素材の品質ばかりに拘って、技術の成長が止まっちまった」
──それでも、いつかは目覚めてくれんだろうと、
店も任せて奥に引っ込んでいたダイルだったのだが、
ブランド力ばかりに頼って法外な値段で店を飾るアイツらに嫌気がさして……
──丁度今日。
店をぶち壊そうと思っていた所だったらしい。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
部屋の奥から、ふわりと現れたのは──
カラフルな紫陽花をあしらった、ふんわりワンピ姿のトゥエラ。
胸元には、ちょこんとみーくんが居座っており、ドヤ?っとした顔をしていた。
そしてその隣には、妖艶すぎる黒──
黒薔薇の装飾が散りばめられた、露出高めのキャミソールと妖艶なロングボトム。
スリット入りで、どこか中華風にも見えるが、その雰囲気はまるで吸血鬼の女王のよう。
目元は赤く煌き、深めのウィッチハットの影からじっと周囲を見つめている。
「ワニのおっさん、アンタただモンじゃねーっしょ!?」
テティスが身をくねらせながら、ド派手に指をさす。
「コレ着たら……魔力バランス──
ブチ上がったんデスケドォ!?☆彡」
強気すぎるセリフに、周囲の空気が一瞬ヒュッと引き締まったかと思えば──
「トゥエラもねー!すっごく動きやすいよー!みーちゃんもぴったりだよぉ~!」
ふわふわワンピのスカートをくるんと回しながら、トゥエラが無邪気に笑った。
ピンクの髪がふわりと舞い、まるで妖精のよう。
そんなテンション爆上がりのふたりを見て、
パステルがふっと顔を赤らめながらも、気品たっぷりに口を開く。
「お二人とも、こちらはダイルさんですわよ。
……わたくしも……はっ、恥ずかしいですけれど……
とても、漲りましたわ……♡」
全員の目がダイルに集まる。
彼は相変わらず飄々とした顔で、ワニみたいにガバっと笑った。
「アンタらの実力がとんでもねぇのは──
……なんとなく分かる。
だが…その装備の素材は、せいぜいB級程度が集めてこれるモンだ。
この預かった化け物で、アンタらの為に一から設計すりゃよ……
俺の終涯の逸品に間違いなくなる。ひと月くれ。
必ず仕上げてみせる。」
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
いつもよりも大きく見える紅い月。
海面にユラユラと反射し、不吉な血の池を思わせる。
甲板には、マストの上の見張りを一人残して、静けさが広がっていた。
時折、船体を揺らす波と潮騒は、大いなる母に包み込まれた赤子のようであった。
さっきまで布団で寝ていたおっさんは、
巨岩に体を押し潰される悪夢を見て目覚めた。
巨岩の正体は、ワリ太郎であった。
みーちゃんの何倍もエサを食うコイツは、
最近では恐らく、コメ一袋近い重量があると思える。
時計もないので判らないが、感覚的に、
夜中の2時や3時くらいであろうと思える。
目が覚めてしまったのなら仕方がない。
おっさんはタバコを咥え、船首の方に向かって散歩を始めた。
なぜか、おっさんに寄り添うように寝ていたリリは、
起こさずに済んだようだ。
シャンプーとも香水とも違う、女性特有の甘い香りがおっさんの鼻から脳を侵食し──
建てたくもない建築物を立てながら──夜風で正気を覚まそうと、星空を見上げるのだった。
この貿易船の船首は、一般的な船のように尖ってはいない。
やはり、船底の貨物倉庫の使い勝手を優先したのか、緩やかな弧を描いた先端は野球場のような丸みを帯びたイメージであった。
どうせ到着までのひと月ほど、釣りくらいしかやる事もないのだが、やはり寝不足や不摂生は体に毒かと思い──
ストゼロをグイグイ呑んで眠気を誘い込む。
支離滅裂ではあるが、これもおっさん流の価値観である。
そんな事をしていると……
海を照らしていた紅い光が、雲に隠され始めた。
足元は急に暗闇に包まれ、白波すらも見えなくなった。
「──なんだっぺ?」
見えなくなったのではなく……
海が死んだように止まったのだった。
風もやみ、タライの水に浮かべた小舟のように、貿易船は静止した。
次の瞬間、目に入ったのは──
広げられた大きな帆。
そこに描かれた、ガイコツ……よりもグロテスクな、ゾンビの顔だった。
万が一、互いの船が動いていれば、衝突は不可避。
石を投げれば届く距離まで、ゾンビ船は近づいていた。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
おっさんは咄嗟にマストの上の見張りを見れば……
イビキをかいて眠っているようだった。
すぐさま腰袋から、充電式拡声器を取り出す。
警報ボタンを押すと、パトカーのようなけたたましいサイレンが船中に響き渡る。
『ヴヴヴヴヴヴ~~~~~ヴヴヴヴヴヴヴ!!』
真っ先に駆けつけたのは、セーブルとシェリー。
二人の息は荒く、顔はほんのり紅潮している……が、それにツッコむ余裕はない。
次に現れたのは、美人船長だった。
「なんだい!? この音は……って、海賊!?!?」
遅れて、船員たちも続々と集まり始める。
「あれさは、どう見ても友達じゃねぇよな?」
おっさんが一応、海のプロである彼女に問いかけると──
「この海域で、海賊なんて……聞いたこともないのに……!」
船長は拳を強く握りしめ、海賊船を睨みつけたが……その目は明らかに怯えていた。
「親方、私とシェリーで潜入して──」
「いや。」
おっさんはセーブルの申し出を手で制し、
ゆっくりと目を細めた。
「矢の一本でも、撃ってきたならよ──
その瞬間、沈めっからよ……」
やがて、不気味に沈みかえる海賊船の船首に、
一人の男が現れた。
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