異世界召喚されました……断る!

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魔王国アディス 首都サタニア

何て事だ…。

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 ポークレア王国王城
 大規模召喚儀式場


『シュウヤ・アーク・ルティマ』
職業:勇者 

 今度は間違いなく『勇者』を召喚出来た様だ。
 王国魔法師団長ハイゲンはホッと息をつく。
 前回の失敗を踏まえ、ハイゲンは召喚直後に『鑑定』を行っていたのだ。
 そして「だが、まだ油断は出来んな。この『隷属の首輪』が必要かどうか。その判断はまだなのだから」と直ぐに行動に移れる様、勇者の背後に静かに移動した。

 一方で宰相ハーロゲンと枢機卿は…

「………コレが勇者召喚ですか。どうやら成功した様で…。私の役目も終わりの様ですしそろそろ…(もう帰るから、さっさと報酬寄越せやハゲっ!)」
「まあまあ枢機卿、勇者様の今後の事もありますし、教国の在り方などお話されてはどうですかな?(ちょっとまて。まだ成功が分からんだろ、この守銭奴っ!)」

 …バチバチである。




「勇者様、よくぞ召喚に応じて下さいました。どうかお話を聞いて下さいませんでしょうか?」

 そしてテンプレ………コピペ………定番の台詞は大臣から発せられ…

「勇者よ。我はラード・フォン・ポークレア。このポークレア王国13代国王である。どうか話を聞いてはくれないだろうか?」

 豚王と定評の高い国王からも勇者に声が掛けられた…。



~~~~~~~~~~~~~~~~


「(………チッ、またか)」

 突然、足下に浮かんだ魔方陣が発した光に飲まれた勇者『シュウヤ』は声に出さず悪態を付く。
『職業:勇者』のせいで何度か転移させられているからだ。

「(…とりあえずステータス隠蔽だけしておくか)」

 光に飲まれたまま、冷静に自身のステータスを操作する。
 この隠蔽操作も何度としているのだろう、手馴れたモノである。

「(…ふむ、こんなモノでいいか)」といったところで自身を包んでいた光が収まり、見知らぬ神殿の様な場所の魔方陣の中心にいた。

 シュウヤは辺りをサッと一瞥し素早く『鑑定』を行う。

「(…まあ、いつもと似たような面子だな。しかし、後ろに回った奴の『隷属の首輪』はいただけないけど…)」

 魔法師団長、バレバレである。

「(…さて、どうせ魔王とか魔神の討伐だろうけれど、ソレはソレとして………………どうやって壊してやろうかなぁ)」

 ポークレア王国国王を含め、その重鎮達は気付いていない。
 喚んではいけないモノを喚んでしまった事に…。




~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王国アディス 
 名も無い村の宿

「(………大部屋だけ………だと?)」
 
 何て事だ…。
 俺の『転移』が封じられた…。※封じられてません。
 ここで「個室は?」とか「他の宿は?」とか聞こうものなら、勘の良い先輩の事だ、きっと鼻で笑うだろう…。
「………………あぁ。………フッ、コレが若さか…」とか言うに決まっている。
 くそぅっ、野営にしておけば、テントが別々だからバレないのにっ!






 勇者召喚が行われた日の夕方。
 トーイチはしょうもない事で敗北感を味わっていた。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


名前:シュウヤ・アーク・ルティマ(23)
種族:人間
職業:勇者(反転) ルティマ皇国第四皇子
称号:魔王討伐者
      魔神討伐者
      竜殺し
      同族殺し
      神殺し
      世界を救いし者
      世界を壊すモノ
      次元を越えるモノ
      SSS級冒険者
      ダンジョン踏破者

スキル
鑑定 アイテムボックス
言語理解 ステータス隠蔽・偽装

戦闘系スキル
剣術 

魔法系スキル
空間魔法 身体強化
光属性魔法 闇属性魔法

EXスキル
次元跳躍 従者召喚

固有スキル
勇者(反転)

 『勇者』という召喚されやすい職業の為、何度も異世界転移している皇子様。
 何度目かの転移時に、かなり酷い召喚主・国だった為、属性が反転。
 国ごと世界を滅ぼした。
 以降、召喚主・国の態度次第で結果が真逆になる。

 名前からおそらく日本人の血が混じっていると思われるが詳細は不明。
 容姿は茶髪真ん中分けストレートツーブロックに碧眼、やや細マッチョなイケメン。

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シュウヤ=勇者のアナグラム
アーク=悪
ルティマ=Ultima

というワケで『闇堕ち勇者』が召喚されました。珍しくちゃんと名前付きです。
次回もよろしくお願いします。
 
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