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魔王国アディス 首都サタニア
ムチしやがって…
しおりを挟む魔王国アディス
首都への街道
名も無い村の宿の大部屋で雑魚寝をし、朝食の後、速やかに出発。
今日は『転移』してやるゼっ!と俺は謎の気合いに満ち溢れる。
…しかしヴィーネさん、元王族なのに雑魚寝とか平気なんですね。
街道を徒歩でテクテクと移動中、魔物の群れに襲われるも、ベルウッド夫妻が嬉々として対応する。
アレは『ヒャッハー』より質が悪い気がするんだが…。
まあいいか。
それよりソレ、後で回収するの俺ですよね?
あんまりグロくしないでもらえませんかね?
戦闘は二人に任せ、俺は『マップ』で街道の先を確認する。
ん~………次も村か。
宿は在るけど…。
「(また大部屋っぽいな…)」
ならばっ!
「先輩っ!」
「…んあ?何だ?」
「今日はバーベキューしたいので野営にしましょう」
「………何で?確かこの先に村があるだろ…」
「さっき思い出したんですけどね…。龍種の肉が有るんですよ」
「「っ!?」」
「マジかっ!?」
「本当っ!?」
「フッフッフッ、マジです。レイクラクスエンペラーって奴なんですけどね…」
「聞いた事あるな…マジで龍種かよ…」
「確か物凄く美味しいお肉だったはず…」
「さすがに宿でバーベキューってワケにはいかないでしょ?なら…と」
「「…よし、今日は野営だな(ね)っ!!」」
こうして巧く野営へと誘導する事に成功。
もちろん焼き奉行をさせられる事になるのは、いつもの事である。
そして俺は、テントの中から跳んだ…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ポークレア王国
王城 応接室
「フム…帝国に魔王ですか…」
話を一通り聞いてはみたが…
『チラッ』
どうみても逼迫している様には見えない。
とするとやはり…
「(…クズか)」
まあ、ボクを召喚した時に『隷属の首輪』なんか用意する連中だ。
わかってはいたが…。
まあいい。
ソレはソレとして…
「…ではボクは魔王討伐と帝国との戦争のお手伝いをすれば良い…と言う事ですね」
「どうか引き受けてはもらえないでしょうか…?」
「勇者よ…頼めぬだろうか…?」
「その前に…」
「「………?」」
「異世界とはいえボクはルティマ皇国という国の第四皇子です。手伝うのは構いませんが………」
「「………」」
「それなりの援助………してくれますよね?」
………利用出来るだけしてやろうか。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ポークレア王国
王城 王の執務室
執務室には国王を含む王国の重鎮が揃っている。
勇者シュウヤには一応用意しておいた客間を案内し、メイドを数名付けておいた。
「しかし皇族とは…」
「困りましたな…」
「勇者召喚とはいえ立派な誘拐。普通の国家なら…」
「交渉が上手くいったとしても多額の賠償。普通なら全面戦争ですな…」
「ふんっ、グダグダ言うでない。召喚はしてしまったし、直ぐに送還も出来ん。それに交渉も何も異世界の国の話だ。どうする事も出来んだろう?」
「…しかし」
「なに、多少の我儘に目を瞑り手厚く援助してやれば文句は言うまい…。そしてきっちりと働いてもらおうではないか」
国王の物言いには「潰れるまでな…」と言う様な意味が込められていた…。
重鎮達も全員『コクリ』と頷き、意見する事もない。
国王は…
「まずは………手始めに『ベルセ』でも攻めてもらおうかの」
~~~~~~~~~~~~~~~~
ポークレア王国
王城 客間
付けてもらったメイドさんには部屋を出てもらったし、喚ぶか…。
とボクは召喚の為の呪文を詠唱する。
詠唱を開始するとボクの正面に大きめの魔方陣が出現し、明滅する。
詠唱が終わりに近付くにつれ、魔方陣の光が強くなっていき…。
詠唱が終わる…。
「………来いっ『騎士(ナイト)』『魔術師(マジシャン)』」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
首都への街道
翌朝、賢者モードの体と脳にムチ打ち起床。
頑張って朝食を作り(タブレットでコーンフレークと牛乳を購入)、移動を開始した。
したのだが…
「トーイチくん、何であんな感じなの?」
「トーイチ………ムチャしやがって………プッ」
ヴィーネさんはよく分かってないのだろうから良いけれど、先輩にはバレているな…。
反応とコメントがムカつくが…。
そういえば先輩は俺が『転移』使えるの知っているか…。
何処に行ったかって?
アライズのサルトゥスに行きました。
結果?
三戦で勝ち点1だったとだけ言っておこう。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
騎士、魔術師=危うくセイバーとキャスターにするところだった
コーンフレークと牛乳=手抜き?コーヒーもセットです
三戦で勝ち点1=二敗一分
次回もよろしくお願いします。
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