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VS王国+勇者
ベルセ襲撃⑨
しおりを挟むルセリア帝国
ベルセの街 西門
『乱舞星流爆連斬っ!!』
冒険者ギルド・ベルセ支部長ステルクの二刀による十六連撃が『オークカイザー』を切り刻む。
『超闘気斬っ!!』
一方で聖戦士:ショウ・ザ・マインのハイパーオー………超闘気斬が『オークエンペラー』を切り伏せた。
残りの『オークジェネラル』や上位種も元副隊長や元王国兵達の参戦もあり、次々と倒していき、西門の戦闘は終息した。
「あの…」
「………あん?おっ、さっきの冒険者か…」
「ありがとうございました」
「「「ありがとうございました」」」
「はは…気にすんな」
戦闘が終わり一息ついているとショウはカーク達四人にお礼を言われ、少し気を緩ませる。
そのショウにもう一人近付く人物が…。
「いやぁ、ホントに助かった、感謝する」
ステルク支部長が礼を述べ頭を下げる。
そして、ショウが口を開く前に…
「………で、帝国に何か用でもあるのか?聖戦士:ショウ・ザ・マイン…」
「………………」
ステルクは頭を上げ、訝しむ眼差しをショウに向けるが…。
「ふ…はは…そりゃ俺の事知っていれば疑うわな。まあ安心してくれ。何かする気なんか全然無い………と言うか、俺達全員王国軍辞めたから」
「………は?」
「だから軍辞めたんだって!今は宿舎の私物を取りに行くのに偶々通りがかっただけだから」
「………は?」
ショウの説明に脳の処理が追いつかないステルクには元副隊長が丁寧に説明する。
ショウや他の元隊員達はその間に魔物の処理や負傷者の治療等を手伝い友好を深めていた。
いや、ショウだけはニーナに絡まれて遊んでいたが…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 東門
「で、お前はどうする?『リッチ』さん?」
聞いてはみたものの、あの『リッチ』………な~んか違和感があるんだよなぁ。
敵意剥き出しなのに、何か涙目に見えるし…。
………で、俺は『アイテムボックス』からとあるアイテムを取り出す。
あの『黒炎』いやその前の『黒い靄』………アレって『闇の衣』に似てない?
そう思った俺が取り出したアイテム…。
そう………『試練の洞窟』で何故か余ったアイテム『光玉』である。
まあちょっと試してみようぐらいの気持ちだし、上手くいったら『リッチ』弱体化しそうだし…俺に別に損は無い。
効果無かったら面倒だなあ………とか思っていない。
…で、使おうと思ったのだが…
「………………」
使い方が分からないな…。
いや、だって大魔王戦で使ったの聖戦士…ぶふっ…の人だったし…?
ショウ・ザ・マ……ふはっ…インて…本当に別人だよね?
しかし使い方か…。
投げる…割れそうだし、投げてはいなかったな…。
掲げる…恥ずいし、掲げてもいなかった。
なら魔力を込める………これだろ。
そして俺は『光玉』に魔力を込める。
『光玉』が起動し眩いばかりの光を発すると…
『グォオオオォオォッ…』
『リッチ』の『黒炎』が『光玉』に吸収されていく。
徐々に『黒炎』が小さくなり…
『止め………ヤメロオォォ………』
『黒い靄』すら全て『光玉』が吸収しきると、『リッチ』はその動きを止め、そして崩れ落ちる様に………
………土下座した。
「………………は?」
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 南門
『ギィンッギィンッ………ギィンッ!!』
「………ぐぅっ!!」
『グラディマーグ』を振りゼーガンは大刀で受けるが…
「ぉらぁあぁっ!!」
俺は構わず『グラディマーグ』を振りきる。ゼーガンは足を擦りながら吹き飛ぶが耐える。
だが俺は高く跳び、ゼーガンに大上段からの一撃を加える。
『龍槌撃っ!!』
『ガギィイィンッ!!』
『ズドンッッッ………ビシビシビシ…』
一際大きい剣撃の音が響く。
ゼーガンはかろうじて大刀で受けたが、その衝撃はゼーガンを撃ち抜き、その足元からは蜘蛛の巣状に罅が広がっていく。
「………うぐぅっ」
俺は数歩下がり距離を取る。
ゼーガンは大刀を杖代わりにしてかろうじて立っているような状態だが…。
「………こ…これ程とは」
「………ん?どうした、見誤ったか?」
「………ふ…そう…だな。だが…」
「………………」
「このゼーガン・D・ミカヅチ!タダでは負けんっ!次の一撃に全てをかけるっ!!」
ふん、そういうアツいの………嫌いじゃない。
………嫌いじゃあないが…
「………来い。ソレごと潰してやる…」
俺は『グラディマーグ』を親父に教えてもらった『◯張一刀流』の構えで『気』を解放する。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
乱舞星流爆連斬=良さげな訳が出来なかった二刀流十六連撃
光玉=試練の洞窟で何故か余った(笑)アイテム
龍槌撃=閃→撃
◯張一刀流=強いと思ってる
西門と東門の戦闘終了。
魔王城=ネタが…
ミドルネームのDは試練の洞窟のボスのDとは関係ありません。もちろんゴムの人も…。
次回もよろしくお願いします。
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