異世界召喚されました……断る!

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VS王国+勇者

称号を持つ者

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 魔王国アディス
 魔王城 謁見の間


「避難は完了した様だな…」

 私は『気配感知』で城内を確認し、安堵する。
 残っているのは…

 従姉さんに義兄さん。勇者一行と………これは…

「マサシ・コバヤシ………ふ、わざわざ来てくれたのか、アイツは…」

 久しく顔を見ていなかった友が、私の危機に来てくれるとは…。
 嬉しいものだな…。

 危機…。
 本来の能力だけなら負けるつもりはないし、恐らく負けることはないだろう…。
 しかし『称号:勇者』の者が持つ、特殊効果『魔王特攻』。
『魔族』ではなく『称号:魔王』に働く、私にとってはとてつもなく厄介な能力だ。

 Lv差があれば覆せないこともないが…

「転移が使える程の者だ…恐らくは無理………だろうな…」

 そんな時に来てくれたのだ。
 嬉しくないワケがない…。

「………………」








 ………その前にソウシさんが終わらせしまいそうな気もするが…。
 まあ、そうなったとしても久しぶりに酒でも酌み交わそうか…。


~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王国アディス
 魔王城 正門前


 ソウシは思った。
「アイツの銃があれば俺も遠距離攻撃出来るんじゃね?」と…。
 そして、「しかし八つ当たりはさせてもらうがなっ!」と…。

 どちらにしても理不尽極まりない動機である。

 一方、勇者一行はソウシの開放した『気』に反応。
 一部を除き、素早く臨戦態勢をとる。
 まだソウシとは少し離れてはいるものの、油断はできない。
 そう思い各々が気を高め、魔力を高めていく。

 だが…

『縮地』
『ズドンッ!』

『ドゴオォッ!!』
「………ぐはっ!!」

「「「っ!?」」」

 …瞬間、ソウシとの距離が他の者より少し近かった男が吹き飛び、城壁に激突した。
 
 男のいた場所には、ソウシが右手を振り抜いた姿がソコにあった。

 男は臨戦態勢を取っていた。
 油断していたワケでも、気を抜いていたワケでもない。
 
 シュウヤは腐っても勇者であり、幾人もの魔王を倒し、数柱もの邪神を屠ってきた強者である。
 そんなシュウヤの従者である男が弱い筈はなかった。
 だからだろう…

「おいおい、油断してんなよなっ」
「早く戻ってこい。ヤられた振りして寝てんなよなっ」

 城壁に深くめり込み、ピクリともしない男にそんな声をかける。
 だが男は動かない…。

「………アイツ………マジで…。チッ」
「………………チッ、一撃だとっ?一体何を…」

 そして一斉に本気の戦闘態勢に入る。

「………………」
「………速いね」
「………フフッ。これは…良い素体になりそうですね」

 しかし未だヒイロは沈黙を、シュウヤは不適な笑みを、シュウは愉しそうに後方から見守っていた…。

 そして…





「………ソウシ、城壁まで…お仕置きが必要かしら?」

「聞こえてんだよっ、ヴィーネッ!!しょうがないだろっ!?」

「………なに?」

「サーセンっしたっ!!」

 謝っていた…。



~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王国アディス
 魔王城 正門までの道


 俺は正門まで足早に進んで…と思っていたのだが、それまでに倒れている魔王軍兵士達に回復薬を使いながら進んいた…。

 さっきの門番にも手伝ってもらっているのだが…

「………まさかこんなにいるとは…」

 魔王軍兵士達も頑張ったのだろうが全員蹴散らされていた。
 しかし…

「近衛師団長とか四天王みたいな人達っていなかったっけ?」

  …とふと思い出す。
 確かいたよなぁ…正式名称は覚えてないけれど。
 取り敢えず、怪我人の応急処置だけして正門に急がないと…。

「………………」

 後でルシファスに聞いてみよう。
 そう思った時…





 
『ドゴオォッ!!』

 っ!?何だ? 
 音のした方に視線を向けると、明らかに魔王軍とは違う格好の男が城壁に深くめり込んでいた。

「………………ソウシさんか…」

 俺は未だ拭えない嫌な予感を感じつつ、応急処置を続けた…。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


称号:勇者→称号:魔王に特攻
先輩=遠距離攻撃諦めていない
ヴィーネさん=実家が壊されてオコ
ギルマス=怪我人救助中

『特攻』はよくある設定かな?と思いつつも登場。
嫌な予感とは?
そして主人公の出番は?

次回もよろしくお願いします。
 
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