82 / 225
VS王国+勇者
魔王城正門前の攻防
しおりを挟む魔王城 正門前
正門前まで進んだ勇者一行。
その前には大きく荘厳な扉が聳える。
「城門より立派だな…」と勇者シュウヤが思い、「壊すのは手間がかかりそうですねぇ」とシュウ・"博士"・ホワイトリバーが顎をさすりながら思う。
さてどうしようか…。
一行が次の思考に移る前に正門は重い音を響かせ、開いていき、開いた中心には一人の男が腕を組み立っていた…。
「ふははははっ!この俺と相対するとは、運を使い果たしたな雑種っ!」
『ドォーーーンッ!』
そのセリフの後に男の背後で起こる爆発のエフェクト…。
そして…
「………熱い熱い、ヴィーネさんちょっと熱いし、床の破片が当たってちょっと痛いんですけどっ?」
「………ソウシ………あなたがヤれって言ったのよ?我慢して」
こそこそと…いや、丸わかりなのだが話しちゃっている…。
そしてエフェクトではなく本物の爆発だったらしい…。
「「「………………」」」
勇者一行もさすがに呆気にとられているのだが…。
「………みんな射線から退け」
空気を読まない奴は勇者側にも存在していた…。
「「「………ヒイロ」」」
「………ターゲットロック…」
ヒイロ・ライト・グリーンリバーは『大型魔導銃:双極』の魔力集束を既に終えていた…。
「………攻撃開始」
『キューーー………ドンッッッ!!』
そして放たれる極大のビームは一直線にソウシ・ベルウッドへと向かう…。
「ふははははっ!甘いわぁっ、雑種っ!!」
『バシィッ!!』
ソウシ・ベルウッドは右拳を左から右に払うように、向かってくるビームを弾いた…。
ビームはその先の壁を破壊したが、魔王城が少し高台にあった為、壁より先は何もなく、空中に一本の閃光が走っただけだった…。
そして…
「「「殴って曲げたぁっ!?」」」
これには勇者一行も驚愕。
「………………」
「………………へぇ」
「………………面白い」
しかしヒイロは沈黙を貫き、シュウヤは感心…そしてシュウは面白いモノを見つけた様な笑みを溢す。
一方…
「ソウシ………ウチの壁を壊すなんて…」
「え"っ?」
「後でお説教かしらね…」
「いやいや、俺がやらなきゃ正門から城の中がやられちゃってたよっ!?」
「………真上に弾けばよかったじゃない」
「アレをアッパー気味に殴るのは難しいだろう…」
「やっぱりお説教かしら…」
「なん…だと…」
ソウシ・ベルウッドのお説教が確定されいた…。
そしてソウシ・ベルウッドは『ゆらり』と勇者一行を見やる…。
「………テメエらのせいで…」
『ゴゴゴ…』
「いや、俺らじゃねえよ?」と勇者一行は『チラリ』とヒイロを一瞥してから再びソウシ・ベルウッドに視線を向ける。
「………お説教が確定しちまっただろぉっ!!」
『………ズオォッ!!』
ソウシ・ベルウッドは一気に『気』と『魔力』を開放し吼える。
「………選べ。半殺しとフルボッコ………どっちがいい?」
「理不尽っ!?」
「ソレどっちも変わらねえっ!?」
そう思ったが誰も口にはしなかった…。
「………ぷっ。面白い奴だね…」
シュウヤは面白そうにソウシ・ベルウッドを見つめ…
「………フ。いい実験体になりそうですね」
シュウ・"博士"・ホワイトリバーは妖しく目を光らせた…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
魔王城 城門前
「………っ!?」
転移石を使って魔王城前に到着した俺は、門番が倒れているのを見つけ駆け寄った。
「………………」
………良かった、生きている。
俺が回復薬を門番に使用すると直ぐに目を覚ました。
「………う…」
「大丈夫か?」
「………確か………賊が………………はっ!?あ………あんたは…」
「俺は冒険者ギルドの者だ。助けに来たら君が倒れていたんでね」
「そ…そうか、ありがとう…。そうだ、それより賊を…」
「そっちは俺に任せてくれ…。君はこの回復薬を他の者に。中にも必要な者がいるはずだ」
俺はそう言い、手持ちの回復薬を渡す。
「すまない、恩にきる」
門番はそれを受け取り、もう一人の門番の下へ向かう…。
俺はそれを見たあと、視線を城に向け『魔力感知』を起動。
「………………」
まだ正門の辺りか………がソコにソウシさんがいるな。
しかも結構な力を開放している?
「………………」
嫌な予感がする…。
俺は正門に向かい、走りだした…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ベルウッド夫妻=空気読まない
ヒイロ・ライト・グリーンリバー=空気読まない
勇者=面白がってる
シュウ・"博士"・ホワイトリバー=面白がってる
その他一行=とばっちり確定?
先輩が出ると話しが軽くなっちゃうのは私のせいです。
次回もよろしくお願いします。
21
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。