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VS王国+勇者
テンイサセラレシモノ
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「『異世界の邪神:アーシュマ』………の一欠片。しかし…」
「主神様………『アーシュマ』とは?」
神々の住まう世界…。
その一角で主神と呼ばれた老人に女神ヘルベティアが質問を投げ掛ける。
「………む?………ああ、詳しくは知らないのじゃが、確か異なる宇宙の神の一柱だったはずじゃ…」
「異なる宇宙…」
「………しかし、あの勇者に憑いているモノ………せいぜい悪魔………悪くても魔王クラスのモノと思っていたんじゃが…。まさか、邪神が憑いておったとは…」
魔王石による召喚で悪いモノが憑いているのはわかっていた事だった。
しかし邪神が憑いていたのは、主神にとっても予想外の事だった様だ。
「………その『アーシュマ』は邪神としてはどうなのですか?」
女神ヘルベティアの質問に少し苦い顔をし、応える主神。
「………先ほども言った通り詳しくは知らん。だが………確か『狂暴』を司る邪神だったはずじゃ…」
主神のその言葉に顔を青ざめる女神。
そして…
「大変………私っ………行ってきますっ!」
『キッ』と決意した顔で主神に言い放ち、足元に黄金に輝く魔方陣を出現させる。
「あっ、コラッ、ティア!待ちなさ…」『シュンッ!』「い………はぁ…まったく…。もう少し落ち着きを持てないものかのう…」
主神はその立派な髭を撫で、嘆息する。
そして再び下界の様子を見始め、『アーシュマ』を見て目を細める…。
「………一欠片とは言っても邪神には変わりない。………が、この世界の戦士達は一筋縄ではいかんぞ異世界の邪神『アーシュマ』よ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
魔王城 正門前
「………チッ」
本当に厄介だな。
パワーもスピードも随分上がっていやがる。
『縮地』を連続してのフェイントにも余裕でついてくるほど反応も良い。
手数が多い俺の攻撃を的確に防御し、カウンターも撃ってくる。
思考速度も速いのだろう。
「………チッ」
本当に厄介な野郎だ…。
だが、それよりも…
「ふふふ………アハハハッ!ほらっ、どうしたの?そんな攻撃じゃ届かないよっ?」
ニヤニヤしながらウルセエのが…
「おっと!………フフフ………ほらっ、ほら………アハハハッ!」
………ウザッてえっ!
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王城 正門
「………あっ!」
「………どうしました?」
「………不味いわね」
「………?それはまあ邪神が相手ですからね。不味いとは思いますが…」
「………違うわよ」
「………では何が?」
「………ソウシが本気でキレそうになってるわ…」
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
北の衛星都市への街道
テクテクと歩いている俺の前に、突然、黄金の魔方陣が出現する。
俺は何か嫌な予感を感じ、魔方陣の周りに『スクエアビット』を展開、包囲する。
魔方陣が一際激しく輝き、光の中から神々しい雰囲気を纏った見知った人物………いや、神物?が現れた…。
その人………いや、女神様を確認した俺は「やべっ」と『スクエアビット』を即座に収納し、キョロキョロと辺りを見回す女神様に視線を戻す。
そして…。
女神様は俺を見てズンズンと近付いてくる。
「女神様、ご無沙…」「見つけました」
『ガシッ』
と俺は手を繋がれ、次の瞬間…
「汰して………ま…す?」
「………あっ!?」
「………ん?」
「………あら?」
「………おや?」
「………ぁあっ!?」
俺は神々しく禍々しい力が渦巻いていて、且つマジギれ寸前の先輩の殺気が溢れる魔王城正門前に転移していた…。
女神に手を繋がれたまま…。
手を繋がれた時の「………あら?女神様ってば積極的」とか思った俺の気持ちを返せ…。
そう思った俺は悪くないと思うんだ…。
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邪神:アーシュマ=『狂暴』の神をちょっと変えた
女神ヘルベティア=下界に顕現
先輩=マジギれ寸前
トーイチ=ちょっとドキッとしたらマジでドキッとする羽目に
ついに主人公参戦?
次回もよろしくお願いします。
そして許可も出たので表紙公開です。
トーイチ、女神様、ティリアさんが表紙を飾っております。
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