異世界召喚されました……断る!

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教国残党狩り特殊精鋭部隊

JOU-SHOU

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 魔王国アディス
 魔王城 客間


 ロボット好きの転移者とマッドサイエンティストが『グランZxーTd RⅡ』………通称『グランゼクサード・リツヴァイ』を完成させ「………フッフッフッ」「………クックックッ」とほくそ笑んでいる頃…

 トーイチの間借りした客間で女神ヘルベティアとトーイチの従魔でリッチのリーベラがテーブルにスナック菓子を広げていた…。

「………しかし」ポリポリ
「………本当に」パリパリ

「………日本の」ポリポリポリポリ
「………美味しいですね」パリパリパリパリ

 本来なら女神とリッチとはいえ元聖女であるリーベラの二人である。
 神々しいお茶会のような感じになっても良いはずなのだが、スナック菓子を広げたこの状況は何故かギャルギャルしい…。

「………次は…」ポリポリ
「あっ、コレも美味しそうですよ?」パリパリ

「そうですね。ではコレと…」ポリポリポリポリ
「コレはどんな味でしょう?」パリパリパリパリ

 謎の女神パワーにより何故かトーイチのタブレットを使いこなし、身を寄せながらお菓子のリストを閲覧している女神とリッチ…。

 もちろんレートは十倍のままで追加するのだが、支払いは当然トーイチなワケで…。
 説教確定である。

 そんな事はまったく気付かずに二人………いや、一柱と一体………二人でいいか。二人はテーブルに追加したお菓子を広げていった…。

 そして…

 そんな二人が…

 閲覧していたリスト内のある物に目をやる。

「………プリン?」ポリポリ
「………アイス?」パリパリ

「「………………」」ポリポリパリパリ

 二人は視線を合わせ頷く。

「「買いましょう!!」」チャリーン

 そして一瞬の躊躇いも無く購入。
 プリンは底の爪を折るとプルンとカップから出るお安めの物だったが、アイスは普通のカップの三倍くらいお高いアイスだった。
 レート換算で一つ3,000円である。

 二人はスプーンを装備し、いざ………と一すくいし口の中へ…

「………んんっ?」
「………美味しい」

 一つを直ぐに完食し追加購入。

「ふわぁ、コレも冷たくて美味しいです」
「こちらも変わった食感で甘くて美味しい」

 プリンとアイス…

 両方を食べ、その美味しさにヤられた二人は…

 当然…

 バリエーションを求めた…

 そして…

 説教レベルが上がっているのに気付かず…

 追加購入を繰り返した…

~~~~~~~~~~~~~~~~

 ふとリーベラが言葉を漏らす…。

「美味しいですけど買いだめしても保存出来ませんねぇ」

 保存出来ればトーイチに大量買いしてもらう手もあるのだが…と。
 コレに女神ヘルベティアは…

「フフフ………日本には『冷蔵庫』という物が在るんですよ。………って、こちらの世界にも保存の魔導具、在りませんでしたっけ?」

 比較的、というか過去の勇者など日本からの転移者達のおかげで食が豊かな方なこの世界である。
 それなりに保存方法なども発達しているはずだが?と…。

「そうですね『冷蔵』はあるのでプリンは平気そうなんですけどね…」

「なるほど………アイスは『冷凍』じゃないと…」

「『冷凍』の魔導具は魔法技術も錬金技術も結構難しいんですよね…」

 真面目な口調で話すリーベラだが、中身はアイスが保存出来ないと困る、という内容である。
 そして…

 女神ヘルベティアは…

「………大丈夫ですよ」

 ぐっ、と力強い眼差しでリーベラに視線を合わせる。

「このリストにある日本の冷蔵庫は『冷凍』も完備です」

 ニコリ、と今度は柔らかい笑顔に変わる。
 それは、さすが女神様!と言わんばかりの笑顔なのだが………その冷蔵庫代は誰が負担するのか分かっているのか、いないのか…。

 そしてリストを閲覧する二人。
 日本の家電………それもピンきりの幅がかなりある物である。
 しかし、そんな事は気にしていない………というより知らない二人は…

「こっちの方が容量が大きいですね…」ポリポリ
「こっちは色んな機能が付いてますね」パリパリ

 高い方へ高い方へとリストが進んでいった…。

 そして気付くリーベラ…。

「そういえばコレ…」

「………どうしました?」

「………魔石とか動力はどうなっているんですか?」

 ………値段じゃなかった。

「それはもちろん『電気』で………あっ」

「………『電気』?」

「そうでした………『電気』が無いと動きませんね。どうしましょう…」ポリポリ

 悩みながらもスナック菓子に手を伸ばす女神ヘルベティア。

「『電気』………魔法や魔石じゃない動力…。………あっ」パリパリ

 考えながらもスナック菓子に手を伸ばすリーベラ。
 何かに気付いたのか、女神の持っているタブレットを指指す。

「………コレ…ですか?」ポリポリポリポリ

 片手でタブレットを軽く持ち上げつつ、もう片方の手はスナック菓子を口に運ぶ。

 コクンと頷き、スナック菓子を運ぶ手を止めるリーベラ。

「ソレは動いているんですか?」

「それはもちろん、トーイチさんの………魔力…で…」

 はっ!?と気付いた顔を見せる女神ヘルベティア。口元にはスナック菓子の粉やらが付いているが。

「………という事は、この『冷蔵庫』も可能でしょうか?」

 神妙な面持ちで女神に尋ねるリーベラ。
 話の要はアイスが保存出来るかどうかである。

 そして、この問いに女神は…

「(この『タブレットPC』というスキルを改変。家電を魔力充填式にして購入可能に………)」

 ニヤリ………と女神がしてはいけない様な笑みを見せ答える。

「フッフッフッ………可能です」

「やった!」



~~~~~~~~~~~~~~~~


 こうしてトーイチの知らないところでスキル『タブレットPC』は『タブレットPC:EX』とアップグレードされた。

 もちろんトーイチが客間に帰ってきた時に部屋にそこそこ良い冷蔵庫が鎮座していた事は言うまでもない。

 そして女神ヘルベティアとリーベラが簀巻きにされ、客間の窓から一昼夜吊るされていたのは誰もが見なかった事にした。

 さらに…

「購入レートが十倍のままなんですけどっ!?」

 レートをそのままに、そこそこ良い冷蔵庫を購入していた事がバレてO・SHI・O・KIが一日延長した事も言うまでもない。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


トーイチのスキル、アップグレード回?
ストーリー関係ない話がなぜかいつもより長め。
サブタイは説教レベルの事。
今回の関連話はまた次回で。

次回もよろしくお願いします。
 
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