異世界召喚されました……断る!

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魔王国アディス~アライズ連合国

調査隊『ティターニア』商人

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 死の山岳地帯
 中立都市ヘリオ


 中立都市でも最大級の大きさを誇る商業ギルドの本部。

『カリカリカリカリ』

 その一室で、銀髪灰眼の眼鏡を掛けた男が、鋭い目付きをさらに細めて書類を捌いていた。

 男の名は『シーハン・ネィト・タクゥト』。
 こと商売に関しては、この大陸で右に出る者はいない、商業ギルドのトップ。
 ギルドマスター………そしてグランドマスターの一人である。

 別段強面ということもなく、ややもすればイケメンの部類に入るのだが、眼鏡を通しても滲み出てしまう目付きの悪さが彼の雰囲気をやや怖いものへと変換していた。

 もちろん実際はそんなことはないのだが…。

『コンコンコン』
「ギルド長、お客様です」

「………通してくれ」

『ガチャリ』
「失礼します」

 ギルドマスター付きの秘書が扉を開け執務室へと入ってくる。
 その秘書の後ろに黒髪の男がついて一緒に入ってきた。

『パタン』

 秘書が扉を閉めたところでシーハンは書類から顔をあげ、秘書と同行してきた人物を見た。

「久しぶりだなリュウジ」

「だなシーハン」

 旧知の仲なのであろうリュウジ・ベルウッドとの再会にシーハンの険しい雰囲気は途端に霧散し柔らかい空気へと変わる。

 そのような姿、雰囲気を見たことがなかったのか…秘書は顔には出さないものの少々固まってしまう。
 もちろん、そんなことには構わず話を進めようとするのだが…

「………で、どうした突然?今、ベルウッド商会関連の問題は無かったはずだが?」

「あぁ、商会ウチの話じゃない。ちょっと厄介事でな…」

「………………厄介事?」

「あぁ、かなりキナ臭い…」

 リュウジの言葉にシーハンは目を細める。

「場所を変えよう。こっちに来てくれ」

 シーハンは立ち上がり、隣の私室の扉を開けリュウジを呼び込む。
 その際、秘書にこの後の予定を全てキャンセルするよう指示を出し、二人分のお茶を頼んだ。



~~~~~~~~~~~~~~~~


 商業ギルド本部
 ギルドマスター私室


 場所を移し、背の低いテーブルを挟み向かい合う二人の男。
 一人は魔王と異世界人の血を引く男、リュウジ・ベルウッド。
 もう一人はこの部屋の主である商業ギルド・ギルドマスター、シーハン・ネィト・タクゥト。

 二人はシーハンの秘書が用意した紅茶を飲み、喉を潤していた。
 そして…

『カチャリ』

 どちらともなく紅茶の入ったカップを置いた。

「………で?お前が厄介事と言うくらいだ。相当面倒な案件なんだろ?」

「………まあな」

「………………」

「………………」

 二人の間にしばしの沈黙が流れるも、シーハンが口を開く。

「………何の情報が欲しい?」

「ふっ………さすが話が早い…」

「いいから話せっ」

「アライズとアディスの誘拐事件…」

「っ!?………なるほど、そりゃあ厄介そうだな…」

「厄介そうだな…」その言葉とは裏腹に、シーハンの口元は怪しい笑みを浮かべていた。
 しかし…

 浮かべた笑みとは逆の感情がシーハンの胸中を支配しているのだろう…。
 抑えられてはいるものの、怒気が溢れそうになっていた…。

「お前の出発は?」

「明後日の午前中」

「………分かった。集めれるだけの情報は集めよう」

「………助かる」

 リュウジは一言そう言い、残りの紅茶を飲み干して立ち上がった…。
 扉に向かおうと一歩踏み出したところで…

「………で、対価は?」

「ですよねぇ…」

 シーハン・ネィト・タクゥト………商業ギルドのギルドマスター。つまり商人のトップである。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


シリアスさん襲来?
久しぶりに主人公出番無し。
そして新キャラは商業ギルド・ギルドマスター。
名前は某テレビ通販を変化させていった結果です。

次回もよろしくお願いします。
 
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