異世界召喚されました……断る!

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魔王国アディス~アライズ連合国

調査隊『ティターニア』台無

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 死の山岳地帯
 中立都市ヘリオ


 商業ギルドのギルドマスター、シーハン・ネィト・タクゥトへ誘拐事件に関する情報収集を依頼したリュウジ・ベルウッドは、宿に戻りその日の残りの時間を過ごす。

 翌日、宿の食堂で朝食を摂るが…

「トーイチさんもリディアさんも居ねえな…」

「まぁ、いいか………出発は明日だし…」と特に気にすることもなく、今日はどうするかなぁ…と考える。

 一度部屋に戻り、着替えを済ませ…

「………一応、冒険者ギルドにも寄ってみるか」と宿を出て、冒険者ギルドへと進路を取る。

 途中、露店を見ながら細かい物を購入して進み、ランクの低そうな冒険者に絡まれたら無言で殴り飛ばし、店先で絡まれてる従業員らしき女の子がいたら絡んでいる輩を蹴り飛ばし、報復をっ!と言わんばかりにリベンジしてくる相手は丁寧に地面に突き刺していき、冒険者ギルド・ヘリオ支部に到着。

「何か今日は絡んだりしてくる奴が多いな…」と思ったり思わなかったり…。
 しかし、さすがベルウッド家の直系。間違いなくソウシの血を色濃く受け継いでいることがよく分かる行動である。



 冒険者ギルド・ヘリオ支部


 ギルド内は早朝のピークは終わってはいるものの、まだ慌ただしい。
 依頼を探す冒険者にピーク時の書類などを今処理しているのであろうギルド職員が忙しなく動いている。

 リュウジはまず依頼の紙が貼られているクエストボードの所へと足を運び、目を通す。
 行方不明者の捜索依頼などは特に無いようだ、と次に受付へ。
 
 ………行く前に考える。

 捜索依頼や情報などはないか?馬鹿正直に聞くのは如何なものか…。
 ギルドの職員にも守秘義務はあるだろうし、自分はヘリオ支部で顔が売れているワケでもない。ベルセ支部ならば話は別だが…。
 
 ここの支部長とは知り合いでもないから情報を引き出すことは難しいだろうし、まず支部長と会うことも出来ないだろう。
 ギルドマスターであるマサシと連絡を取れば、ソレも可能になるだろうが、ある程度秘密裏に行わなければ調査隊の意味が無いだろう…。

 そう思い直したリュウジは踵を返し、ギルドに併設されている酒場へと向かう。

 朝から酒場………それはどうなの?と思わないでもないが、お目当ての依頼にありつけず、管を巻いている冒険者がそれなりの人数、酒を呷っていた。

「う~~~ん………あいつらから有用な情報なんて出るかね?」と思いながらも、リュウジはエールを注文した。


~~~~~~~~~~~~~~~~


 アライズ連合国
 港町プエルト→森林都市サルトゥス


 詰所から華麗に脱出した俺は詰所前でリディアを待つ。
 リディアが出てきたら『転移』でサルトゥスへ。

 サルトゥスでは「そういえばエジルに誘拐事件の事、聞いてなかったな…」と思い、「この時間なら役所じゃない?」とのリディアの言葉を受け役所へと足を運ぶ。

 リディアが同行しているので顔パスでエジルの部屋へと通され、エジルの仕事が一息つくまでソファーに座り、出された紅茶を嗜む。美味い。

 紅茶に合うように、と俺は某有名チョコチップクッキーをタブレットで購入しテーブルに置く。

「美味しいっ!」

 と次から次へとポリポリ口に入れるリディア。リスかっ!とツッコミを入れるのを我慢し、ズズズッと紅茶を啜る。

 しばらく経ち「お待たせしました」とエジルが入ってくる。

「それで、姉さんと義兄さ『ギロリ』トーイチさんは昨日の今日でどうしたんです?」

 何やら不穏な言葉を言いそうになったエジルを一睨みして言い直させる。

 そして「おいリディア、お前が話せ…」と思いリディアに視線を移すと、まだポリポリポリポリとチョコチップクッキーを食していた。
 もう頬がパンパンじゃねえか………リスかっ!(二回目)と心の中でツッコミを入れつつ、俺が自分で話すことにした。

「昨日話せば良かったんだがすっかり忘れていてな…」

 そう前置きをして…

「エルフと獣人の誘拐について…」

 俺の言葉に室内の空気が重くなる…

「ゴホッ………お茶お茶…」

 クッキーに口内の水分を持っていかれたのか、リディアが噎せたあとに紅茶をゴクゴクの飲み干していく。

「「………………はぁ」」

 エジルと俺は同時に嘆息を吐き、項垂れる。………台無しである。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


リュウジ=対モブ戦カット
朝からエール=羨ましい
某有名チョコチップクッキー=カントリーなやつと思われる
義兄さん=わざと
昨日話せば良かった=その通り
頬がパンパン=あざとい

リュウジの時系列がもう少しで追いつく………はず?
次回もよろしくお願いします。
 
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