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潜入!ポークレア王国!!
ep.2 潜入side:トーイチ⑤
しおりを挟むポークレア王国
『セイト』
高級宿屋を出てメインストリートへ。俺は『マップEX』を開きながらテクテクと歩く。
マーキングしている中に奴隷商人がいない…?
…ということは『タイシュ』のところにいる、ということだろうか?
次に高級宿屋の周りに無かった大型の馬車を探すが…
「………無えな…」
ふむ………推測するに、奴隷商人が大型の馬車と共に『タイシュ』のところに向かった…ってことかな?
………急がないとダメか…?
いや、勘………でしかないけれど…多分………大丈夫な気がする…。
根拠は無い…。
でも…
女神様や創造神様に貰ったこのチート能力にステータス………その『勘』なら…
俺は何の根拠も無いソレを信じることにし、気持ちを落ち着ける。
「………………ふぅ………よしっ」
とりあえず冷静になった頭で考える…。
多分大丈夫………ソレを信じるならば、奴隷商人は置いておいて、さっきの奴らを追おう。
ついでに飯だな。
~~~~~~~~~~~~~~~~
さっきの奴らを追い、同じ店に入店。
カウンター席に近いテーブルを囲んでいたので、不自然にならないくらいの距離のカウンター席を陣取る。
カウンター向こうの店員さんに水を貰い、本日のオススメを注文。
喉を潤しながら耳を傾けるが、情報になりそうな話は出てこない。
そのうちお客さんも増えてきて雑音が増える。
この雑音の中で聞き分けるのは俺には無理だなぁ………リュウジとリディア、凄えな…と改めて感心。
「おまちどうさん」………とカウンター越しに料理が置かれる。
本日のオススメの『肉厚ポークソテーときのこのスープ』
「………食うか…いただきます」
途中、ライスとスープのお代わりを頂き完食。
「ごちそうさま…」
ランチドリンクでコーヒーを頂き、一息つく。
うむ………美味かった。
コーヒーを口に入れ、はふぅ…とまったり………おっと、任務を忘れるところだった。
帰っちゃったりしてないよな…?…とそうっと男たちのいたテーブルに視線を移す。
………良かった、まだいた………いや、一人増えている。
一回り…いや、二回りは大きいその男は、まだ昼だというのにジョッキで酒を呷りながら男たちと仲良さげに会話を交わしている。
俺は『鑑定EX』でその大男を視るが…
『error』
………ちょっと鑑定先生?何で英語で出したし…。
いやいやいや………鑑定出来ない人物って、どういうこと?
でも…
俺はその大男を知っている…
縦にも横にもデカイが、その全身は筋肉に覆われていて、とんでもない膂力を内包していることを…。
無造作にテーブルに立て掛けられた矛は、数多の敵を葬りさってきたことを…。
無精髭を携え、その豪快な性格は味方に鼓舞を、敵には畏怖を…。
張飛 益徳
三國志、蜀に属する最強武将の一人。
その男が奴隷商人に雇われている運び屋たちと仲良さげにしているということは…
………敵か?
だとすると俺の勘は大外れ。最悪の展開も考えなくてはならない。
しかも『鑑定EX』で視れないとか…。
………おっ?『マップEX』のマーキングは出来た。
………さて、これからどうするか…。
俺は都合の良い展開を切り捨て、今後の動きを考え始めた…。
しかし…
あんなに無双ゲーにそっくりな奴を見て、コーヒーを吹き出さなかった俺は偉いと思う…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
『ヨク=トク』さんと遭遇。
鑑定先生、英語を使う。
トーイチ『この間、先輩とプレイしたな』と思う。
次回もよろしくお願いします。
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