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潜入!ポークレア王国!!
ep.3出会いと出会いsideリディア②
しおりを挟むポークレア王国
『テンダーロ』
オークション会場
「何が誰のモノなのか…もう一度言ってくれるかしら?………大神官長サケルドース・リエリアさん?」
「フン…知っていましたよ?魔術師ギルド・グランドマスター………リディア・フォン・エルフリア…」
私と大神官長サケルドース・リエリアの言葉を皮切りに、私たちの間で魔力がせめぎあう…。
『パシッパシッ』と空気が弾け、室内にも関わらず風が舞い起こる…。
お互い隣の席同士という、手を伸ばさなくてもいい距離で目を合わせ睨みあう…。
会場内では先ほどの会話が聞こえていたのか…
「サケルドース・リエリアッ!?あの大物がっ!?」
…やら
「リディア・フォン・エルフリアッ!?『殲滅の妖精女王』が一体何の用でっ!?」
…やら聞こえくる。
何かしら、その物騒な二つ名は?失礼ね…。
そして客たちは我先にと避難するために会場を出ようとする………が…
「つ!?何だっ、開かないぞっ!?」
「どういうことよっ!?」
「閉じ込められたっ!?」
一つしかない会場へ出入りすら扉…ソレが開かないため、客たちはまた騒ぎ始める。
もちろん…
私の仕業である。
会場内からは外開きになっていたので、扉の向こう側に『岩の堅牢』の要領で塞いでいるだけの簡単な仕掛け。
まあ、向こう側の岩を壊せば通れるし、会場内もステージの袖の方の出入り口はわからないので、そちら側には何もしていないのだけれど…。
………だから司会の人なんかはステージから袖に逃げようとしているのだけれど…
「何だ君たちはっ!?通したまえっ!」
「誰も通すな………そう言われていますので…」
………大神官長の周りにいた聖騎士がソコを塞いでいた…。
他の聖騎士たちも出入り口の方に向かい、扉の前に殺到する客たちを威圧するように囲む…。
正直、私としてはありがたいのだけれど…
「………どういうつもりかしら?」
「………何、折角のグランドマスターとの戦闘なんだ…。邪魔が入らない方が良いだろうと思ってね…」
睨み合いから視線をステージ上に残された牢内の『ルディア』に向け、『ニヤリ』と厭らしい笑みを浮かべながらそう宣う…。
私も視線を『ルディア』に移す…。
『ルディア』はこの騒ぎの中でも微動だにしていない…。
そんな『ルディア』を見つつ…
「私を過小評価しているのかしら?…それとも自分を過大評価しているのかしら…?」
「どうだかね…」
お互いの放出する魔力が更に増え、会場内の風が激しくなっていく…。
一瞬…
広い会場の天井にまで届くほどの魔力のオーラを出し、次の瞬間には何事も無かったかのような静けさが、私と大神官長を覆う…。
お互いに戦闘の準備は出来たようだ…。
同時に立ち上がり、背中合わせに距離を取り始める…。
私の手には扇子(ミスリル製)から愛用の杖が握られている…。
距離が開き振り返り、椅子が沢山並ぶ中、顔を見合わせる…。
大神官長は相変わらず厭らしい笑みを崩していない…。
その左手には魔法杖と思われる武器。そして右手には…
「(………オリハルコン製のメイス…)」
変わった戦闘スタイルのようだけれど…
「………ふむ、このメイスが気になりますか?」
「いえ、べ」「私は近接戦闘も得意なのですよ…簡単な理由でしょう?」「………………」
被せないでくれるかしら…。
それに…
「貴方の戦闘スタイルなんてどうでもいいわ………どちらにしろ貴方………………ここで終わりだもの…」
「………言ってくれますねぇ、リディア・フォン・エルフリア…」
そう………どうせこの男はここで終わり。いえ………私が終わらせる…。
「まあ、良いでしょう………この戦いの後、貴女も私のモノになるのだからっ!」
大神官長サケルドース・リエリアが厭らしい笑みを更に深くし、再び魔力を放出し始める。
私は…
「フフフ………寝言は寝てから言いなさい………………永遠にねっ!」
ドレスから戦闘用の衣装に一瞬で切り替え、魔力を放出。
緑光に輝く魔力を纏い、大神官長サケルドース・リエリアを見据えた…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
シリアスさん全開!
戦闘前の一幕。
あれ?進んでなくない?
次回もよろしくお願いします。
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