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潜入!ポークレア王国!!
ep.4 決着side:リュウジ②&リディア②
しおりを挟むポークレア王国
『テンダーロ』領主館内
オークション会場
教国の大神官長、サケルドース・リエリアが『魔力誘導弾』を放ち、相対するリディアへ距離を詰めるべく駆ける。
リディアは愛杖『千の妖精』を構え冷静に迎え打つ。
「フンッ!」
『ブォンッ!!』
リディアが放った相殺するための『魔力誘導弾』とサケルドースの放ったモノが相殺され、二人の間に爆発が起こるもサケルドースは勢いを落とすことなく距離を詰め、武器を振るう。
魔法により身体強化されたサケルドースのメイス、激しく振るわれるソレを右に左に後ろにとかわすリディア。
時折、大振りになるサケルドースの攻撃を見逃すことなくカウンターでの攻撃を当てていく。
リディアのカウンターに小さく弾かれるサケルドース。ダメージは喰らった端から即座に回復を行い、次の攻撃へと移る。
先ほどから幾度となく行われるこのやり取りに、突如として変化が生じた。
一直線に攻撃を仕掛けてくるだけだったサケルドースがリディアを中心に回り始める。
その変化にリディアはサケルドースの次の一手に注視する。
「(今さら変化を付けて、どうするつもりかしら…?)」
サケルドースからの如何なる攻撃が来ようともカウンターで対処すべく、さらに集中力を高めるリディア。
対して、何時攻撃に移るか…機を窺うサケルドース。
果たして、その機は直ぐに訪れた。
「ふっ!!」
一息吐き出すとともに、リディアの周囲を旋回していたサケルドースが今まで以上の速さで仕掛ける。…と同時に動き出したのは…リディア。
…ではなくリディアとサケルドースの直線上にいた人物。
リディアからはサケルドースが壁になり、死角に位置した、教国の聖騎士の一人。
………に扮した本物のサケルドース・リエリア。
聖騎士に扮することが可能な体格を持つ本物のサケルドースは、腰に下げていた聖剣を抜き放ち、影武者の背後から重なる様に、静かに、速く、リディアへと接近する。
その顔に…
影武者のサケルドース以上に、邪悪な笑みを浮かべながら…
そして…
『バリィンッ!!』
ソレを許さない人物が…
「(…させるかよっ!!)」
上階の窓を豪快に蹴破り…
乱入する!
愛剣である黒の大剣『グラディマーグ』をその右手に携え、リュウジ・ベルウッドが本物のサケルドースの進路上に降り立つべく、上階から飛び降りていた。
一瞬で動き出した三人………しかし当事者たるもう一人が動かないワケがなかった…。
「やらせね『ガンガンッ…ガンッ!!』えょ………えぇ…」
リュウジ・ベルウッドが降り立った時、影武者と本物、二人のサケルドースは四角形の浮遊物に殴り飛ばされていた。
四角形の浮遊物…浮かんでいる三つのソレは二人を殴り飛ばしたあと、ソレを呼び出した人物の周りに戻り浮遊を続ける。
その人物は…
「トーイチから貰ったこれ…良いわね」
リディア・フォン・エルフリア、その人である。
本物のサケルドースが動き出した瞬間、『ゾクリ』と反応した第六感に、トーイチから貰ったと言い張る切り札『量産型スクエアビット』を三基、即座に顕現させ、攻撃に使用。
完全に死角だったにも関わらず、正確に本物のサケルドースを捕らえ攻撃するあたり、恐ろしい戦闘センスである。
「私じゃあ三基が限界なのだけれど、コレを十二基操るトーイチは凄いわね…」
そう呟きつつ、上階から降り立ったリュウジに視線を移すリディア。
「…で、リュウジは何やっているの?」
ジト…としたリディアの視線に「いやぁ…、ちょっとアレがアレで…?」と言い訳にならない言い訳をする。
「そんなことより…リディアさん」
「そうね…まだ、コチラが終わっていないわね…」
そう言い、視線をそれぞれ移す。
そこには回復を終え、ゆらりと起き上がる…本物と影武者のサケルドース・リエリア。
「そっちが本物のサケルドースなのかしら?」
「……いや、多分…」
リディアの問いに答えようとしつつも続きを言わないリュウジ。
その続きは、答えは本人たちの口から聞こえてきた。
「私たちに」
「偽物も本物も」
「ありません」
「何故なら」
「二人ともが」
「サケルドース・リエリア」
「なのだから」
「「………………」」
肥満体の神官と体格の良い聖騎士で、いやいやソレは無理があるんじゃないかな?…とリディアとリュウジ、二人ともが思ったのは仕方がないだろう…。
とはいっても二人のサケルドースがそう言うのだから、ソレはそうなのだろうと無理矢理に納得し、未だ続く戦闘へ構える。
そして…
「どちらがサケルドースでも本物でも偽物でも別に構わないわ…終わらせるわよリュウジ」
力強く、自分の意思を告げるリディア。
その言葉にリュウジは…
「(…あぁ、もう飽きたんだなリディアさん…)」
そう思ったのは内緒である。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
『量産型スクエアビット』
量産型とは言っても基本性能はあまり変わらない一品。リディアのお願い(脅迫)により急遽作り上げられた。もちろん作:ドゥバルでトーイチが無理矢理作らせたのは言うまでもない。
リディアの精密な魔力操作や空間認識能力、戦闘センスが合わさって初めて扱える。但し使用する魔力はトーイチの魔力の為、ある意味で欠陥品でもある。(使用時はトーイチから魔力供給がされている。ドゥバルがそのような設定にした可能性は大。但しトーイチとリディアにそのことは伝えていない。)
リディア「行きなさいっ!スクエアビットッ!!」
トーイチ「…あれ?なんか魔力吸われてない?」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
まだ決着しないリュウジ・リディアside。
ついにファン○ル使っちゃうリディアさんと出オチのリュウジ。
二人になった変態と変態(仮)の運命や如何に?
次回もよろしくお願いします。
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