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前編2
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ベルグ・カルは目を覚ます。時刻は12時を越した頃。この日は婚約者のローナとデートをする予定だった。
約束の時間は10時、大遅刻である。ベルグは起きた瞬間から頭を抱え込む。
ああっ!またやってしまった。せっかくの休日だからと夜更かししたのが悪かった。この前のデートも遅刻して気まずい思いをしたばかりなのに。
ベルグはすぐに身なりを整え、服を着替える。馬車に乗り込んで待ち合わせ場所に向かう道中、ベルグはローナにする言い訳を考えていた。
ここで素直に夜更かししたからなんて言えない。何か理由をでっちあげないと…おじいちゃんが死んだ?いやとっくに死んでる。…待てよ、そもそも何で僕が謝らないといけないんだ?僕は朝が弱いんだから10時に約束するローナが悪いじゃないか。そうだ、悪いのはローナだ。
馬車が待ち合わせ場所につくとそこには綺麗な服に身を包んだローナが立っていた。
「おいローナ!!何で待ち合わせを10時にしたの?僕が起きれないの知ってるよね!?」
謝ることもせず開口一番に文句を言うベルグに対し2時間以上待っていたローナは謝罪をする。
「ごめんなさい。今度からは今日気を付けます」
そういってローナ達はデートを始めるがベルグの怒りは収まっていない。
なんだよこの女。僕が怒ってるのにすぐ笑顔になりやがって…。こいつはいつもそうだ。どんなことがあっても僕の前では作り笑顔をする。そもそも何が婚約者だ。親同士が勝手に決めた婚約だろ。うちが落ち目でローナの家は商売がうまくいっている、つまりは金だけの関係。それで恋愛なんて出来るか。僕のことを内心馬鹿にしているのが丸わかりなんだよ。
ベルグは知らなかった。
ローナには多くのお見合い話が来ていたことを。
そのどれもがベルグより好条件であったのにもかかわらず、その全てをローナ自身が断っていたことを。
それほどまでにローナがベルグを愛していたことを。
近くのレストランに入った2人は静かに昼食をとる。するとローナが食事の手を止め、口を開く。
「ねぇベルグ、この前…」
「なに?言いたいことがあるならはっきり言ってよ」
「…何でもないです」
「そう。あ、そう言えば今日この後予定があるからこれを食べたら失礼するよ」
「誰かと会うんですか?」
「なんでお前に教えないといけないの?」
「……」
「はぁ。じゃあこれで」
「待ってください!一つだけ教えてください。ベルグは…私のこと愛していますか?」
背を向けたベルグを引き留める様に質問を投げかけたローナ。しかしベルグは答えることもなく振り向くこともなかった。
ベルグは気が付いていなかった。
実はこの日はローナの誕生日であったことを。
そして彼女がいつもより明らかに元気がないことを。
それに気づくことなくベルグが向かったのはデートスポットとして知られる名所。
そこでベルグはある人を待っていた。
「こんにちはベルグ」
「や、やあ!来てくれたんだね…シレラ」
約束の時間は10時、大遅刻である。ベルグは起きた瞬間から頭を抱え込む。
ああっ!またやってしまった。せっかくの休日だからと夜更かししたのが悪かった。この前のデートも遅刻して気まずい思いをしたばかりなのに。
ベルグはすぐに身なりを整え、服を着替える。馬車に乗り込んで待ち合わせ場所に向かう道中、ベルグはローナにする言い訳を考えていた。
ここで素直に夜更かししたからなんて言えない。何か理由をでっちあげないと…おじいちゃんが死んだ?いやとっくに死んでる。…待てよ、そもそも何で僕が謝らないといけないんだ?僕は朝が弱いんだから10時に約束するローナが悪いじゃないか。そうだ、悪いのはローナだ。
馬車が待ち合わせ場所につくとそこには綺麗な服に身を包んだローナが立っていた。
「おいローナ!!何で待ち合わせを10時にしたの?僕が起きれないの知ってるよね!?」
謝ることもせず開口一番に文句を言うベルグに対し2時間以上待っていたローナは謝罪をする。
「ごめんなさい。今度からは今日気を付けます」
そういってローナ達はデートを始めるがベルグの怒りは収まっていない。
なんだよこの女。僕が怒ってるのにすぐ笑顔になりやがって…。こいつはいつもそうだ。どんなことがあっても僕の前では作り笑顔をする。そもそも何が婚約者だ。親同士が勝手に決めた婚約だろ。うちが落ち目でローナの家は商売がうまくいっている、つまりは金だけの関係。それで恋愛なんて出来るか。僕のことを内心馬鹿にしているのが丸わかりなんだよ。
ベルグは知らなかった。
ローナには多くのお見合い話が来ていたことを。
そのどれもがベルグより好条件であったのにもかかわらず、その全てをローナ自身が断っていたことを。
それほどまでにローナがベルグを愛していたことを。
近くのレストランに入った2人は静かに昼食をとる。するとローナが食事の手を止め、口を開く。
「ねぇベルグ、この前…」
「なに?言いたいことがあるならはっきり言ってよ」
「…何でもないです」
「そう。あ、そう言えば今日この後予定があるからこれを食べたら失礼するよ」
「誰かと会うんですか?」
「なんでお前に教えないといけないの?」
「……」
「はぁ。じゃあこれで」
「待ってください!一つだけ教えてください。ベルグは…私のこと愛していますか?」
背を向けたベルグを引き留める様に質問を投げかけたローナ。しかしベルグは答えることもなく振り向くこともなかった。
ベルグは気が付いていなかった。
実はこの日はローナの誕生日であったことを。
そして彼女がいつもより明らかに元気がないことを。
それに気づくことなくベルグが向かったのはデートスポットとして知られる名所。
そこでベルグはある人を待っていた。
「こんにちはベルグ」
「や、やあ!来てくれたんだね…シレラ」
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