聖女の私を追放?ちょうど私も出て行こうとしていたところです

京月

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第一話

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「リリスお前をこの国から追放する」


 俺トランプ王国の王子ガドラは目の前にいる聖女リリスに手に持っている書類を見せる。


「これにはお前が犯した罪が書いてある。よくもまぁこんなに罪を重ねたものだ。死刑にならなかっただけありがたく思え」


 もちろんこれは濡れ衣だ。俺が適当に作り上げた罪をリリスに擦り付けた。

 何故こんなことをするのかというとリリスが嫌いだからさ。聖女だからと言って平民のくせに御高く留まりやがる。理由は分からないが父上や大臣達もこいつには頭が上がらないようだ。そのため色んな噂が立ち国民からの評判はあまり良くない。貴族たちの間でもリリスは嫌われていた。


「お前が聖女として活躍している内容を見ると教会で祈りを捧げる、街のごみ拾い、各地への挨拶回り、どれも代用が聞くことばかり。無駄だな新しい人材を雇うとしよう。この言葉の意味が分かるか?お前は用済みなんだよ、さっさと荷物をまとめろ!」


 今まで黙って下を向いていたリリスは顔を上げる。


「その必要はございませんガルド王子。もう荷物はまとめてあります。私もちょうどこの国から出て行こうかと思っていたところなんですよ」


「……え?」


「本当にナイスタイミングでしたよ。ガルド王子が私を追放するというなら誰も私を止められません。説得の手間が省けました」


「いいのか?追放なんだぞ?この国にはもういれなくなるんだぞ?」


「ええ。別に行く当てがないわけでもないですし、私の力はもっと別の場所で役立てると思うんです」


「そ、そうだな。腐っても聖女だ。なにかしら役には立つだろう」


「はい。ですから私はこの辺で。もう会うことはないでしょうがお元気でガルド王子」


「あ、ああお前も達者でな」


 部屋を出て行くリリスの背中が見えなくなった後俺は思っていた展開と現実の差に拍子抜けしていた。


「こ、これで邪魔者はいなくなった!!これからは俺がこの国をより豊かな国にしてやる」


 

 それから数日して俺のいる部屋に誰かが勢いよく入って来る。入ってきた人物は伝令を伝える兵士だった。


「伝令!王様及び大臣たちが至急会議に参加せよとの事です」


「会議の内容は?」


「聖女様のことについてこととだけ伺っております」


「分かった今すぐ行く」


 俺は会議が行われている部屋に入るとすぐに父上や大臣たちがこちらを睨んできた。


「どうしたのですか父上、大臣達も?」


「どうしたではない!ガルド貴様聖女様を追放したとは本当か!?」


「え、ええ。あの女は聖女の立場をいいことに私欲の限りを尽くしていましてね。私はその罪を暴いて国外追放してたのですよ」


「馬鹿者が!!貴様が聖女様に濡れ衣を着せただけだろう。しかもこともあろうに聖女様を国外追放にするなど呆れて言葉も無い」


 父上と大臣達の鋭い視線が俺を見ていた。


「どうしてですか?どうしてあの女が必要なのですか?ただの女ですよ?」


「トランプ王国は聖女様のおかげで今の平和な暮らしが出来ているのだ」
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