4 / 5
第四話
しおりを挟む
「マリー様」
「マリー様はやめて下さい、マリーで結構です」
「分かりました。マリー、これから私たちはルド学園に通います」
「ルド学園ってこの国一番の学力を誇る全寮制の学校のことですか?」
「そうです」
「ですが私は勉強が得意ではないというか今まで勉強をしたことが無いのですが…」
「大丈夫。私が教えます」
「…分かりました」
私はリラの奴隷ではなくなった。自由を手に入れたのだ。しかし聖女としての立場がある為完全な自由というわけではないが…
最初の頃はこのまま聖女として働く予定だったのだが私が字を読めないことを知ると学園に通うことになった。聖女として教養が無いのは致命的という理由らしい。
「ゼフさんは勉強は出来るのですか?」
「それなりにですよ」
一か月後私たちはルド学園にいた。ルド学園はリーグル国に面する穏やかな海の上にある島を全て敷地としている学園で島の中には校舎や寮だけでなくショッピング街や飲食街もある。学園が街と言っても過言ではない。
私はこれから住む女子寮の自分の部屋で鏡を見ながら制服姿の自分を確認している。ここの制服は下がスカートなので履きなれていなくて若干恥ずかしい。
寮の階段を駆け足で降り玄関で靴を履いて外に出ると外に人だかりが出来ていた。
「ゼフ様初めまして私…」
「ゼフ様もしよろしかったら今度お食事でも…」
「ゼフ様私一目見た時からあなたのことが好きで…」
聖女の守護者、つまり私のお付としてそばにいてくれるリーグル国第三王子ゼフ・リーグルは女子寮には入寮できない為朝寮の前で待っていてくれたのだがゼフに好意を寄せる女性たちに囲まれていた。
「すみません、通してください」
ゼフは好意を寄せてくれる女性たちに見向きもせず押しのけて私のところに来た。
「おはようございますマリー」
「おはようございますゼフ様」
「行きましょうか」
私たちは二人並んで校舎に向かう。後ろから嫉妬の視線を感じた。
「今日から学校ですねマリー」
「ええ。ちょっと緊張します」
「今日は入学式とクラス発表だけですからあまり緊張なさらなくても大丈夫ですよ」
「そうではなくて…お友達が出来るか心配なのです。私友達出来たことないから」
「大丈夫です。マリーなら必ずできます」
入学式は学園長先生の長い会話を終え新入生代表挨拶となった。新入生代表挨拶は入学試験をトップで合格した人が行うらしい。私は特別枠でテストなしで入ったから少し後ろめたさがある。
「では次に新入生代表挨拶に移ります。新入生代表ゼフ・リーグル君前にお願いします」
「はい」
新入生代表はゼフ様だった。前に勉強はそれなりに出来ると聞いたことはあるがここまでとは思わなかった。周りの生徒たちもざわざわする。
「見てゼフ様よ!カッコイイ」
「あんな殿方と出会いたいものですわ」
「聞きました?ゼフ様が聖女の守護者に選ばれたんですって、しかも聖女は元奴隷らしいわよ」
「奴隷!?それはお可哀想に…ゼフ様ほどの方がそんな卑しい者をお守りしなければいけないなんて」
「……」
クラス発表は自分のクラスが書いてある紙を貰いそのクラスに移動することになっている。私とゼフ様は1-Aになった。
「ぇ?なんでマリーがここにいるのよ!」
「リラ!」
後ろの方にある私たちの席に向かおうとするとまさかのクラスメイトにリラがいた。正直気まずい。
「リラ!?あんたいつの間にそんなに偉くなったの?」
「いや、これは、その…」
「お久しぶりですねリラさん」
「ひっ!お、お久しぶりですゼフ様」
「先程マリーのリラさんに対する呼び方で何か不満でもありましたか?」
「いえいえ!なにも不満はございません!」
「そうですか。ならそこをどいていただけますか?」
「もちろんです」
私は席に着くとどこからか視線を感じた。色んなところから向けられる視線それはゼフ様への尊敬や憧れそして私に対する不快感と軽蔑だった。奴隷の頃からそう言う視線に何度もさらされた事があったので間違いない。
「大丈夫ですか?」
「…はい。大丈夫です」
顔色が悪かったのだろう。ゼフ様が心配して声をかけてくれた。そんな状況を憎しみの目で見つめる者が一人、リラだった。
初日はクラス発表を行った後各自解散となる。
「マリー、調子が悪いのですか?寮まで送りますよ」
「大丈夫です。一人で帰れます」
ゼフ様の優しさを蹴った私は寮に一人で帰った。
「マリー様はやめて下さい、マリーで結構です」
「分かりました。マリー、これから私たちはルド学園に通います」
「ルド学園ってこの国一番の学力を誇る全寮制の学校のことですか?」
「そうです」
「ですが私は勉強が得意ではないというか今まで勉強をしたことが無いのですが…」
「大丈夫。私が教えます」
「…分かりました」
私はリラの奴隷ではなくなった。自由を手に入れたのだ。しかし聖女としての立場がある為完全な自由というわけではないが…
最初の頃はこのまま聖女として働く予定だったのだが私が字を読めないことを知ると学園に通うことになった。聖女として教養が無いのは致命的という理由らしい。
「ゼフさんは勉強は出来るのですか?」
「それなりにですよ」
一か月後私たちはルド学園にいた。ルド学園はリーグル国に面する穏やかな海の上にある島を全て敷地としている学園で島の中には校舎や寮だけでなくショッピング街や飲食街もある。学園が街と言っても過言ではない。
私はこれから住む女子寮の自分の部屋で鏡を見ながら制服姿の自分を確認している。ここの制服は下がスカートなので履きなれていなくて若干恥ずかしい。
寮の階段を駆け足で降り玄関で靴を履いて外に出ると外に人だかりが出来ていた。
「ゼフ様初めまして私…」
「ゼフ様もしよろしかったら今度お食事でも…」
「ゼフ様私一目見た時からあなたのことが好きで…」
聖女の守護者、つまり私のお付としてそばにいてくれるリーグル国第三王子ゼフ・リーグルは女子寮には入寮できない為朝寮の前で待っていてくれたのだがゼフに好意を寄せる女性たちに囲まれていた。
「すみません、通してください」
ゼフは好意を寄せてくれる女性たちに見向きもせず押しのけて私のところに来た。
「おはようございますマリー」
「おはようございますゼフ様」
「行きましょうか」
私たちは二人並んで校舎に向かう。後ろから嫉妬の視線を感じた。
「今日から学校ですねマリー」
「ええ。ちょっと緊張します」
「今日は入学式とクラス発表だけですからあまり緊張なさらなくても大丈夫ですよ」
「そうではなくて…お友達が出来るか心配なのです。私友達出来たことないから」
「大丈夫です。マリーなら必ずできます」
入学式は学園長先生の長い会話を終え新入生代表挨拶となった。新入生代表挨拶は入学試験をトップで合格した人が行うらしい。私は特別枠でテストなしで入ったから少し後ろめたさがある。
「では次に新入生代表挨拶に移ります。新入生代表ゼフ・リーグル君前にお願いします」
「はい」
新入生代表はゼフ様だった。前に勉強はそれなりに出来ると聞いたことはあるがここまでとは思わなかった。周りの生徒たちもざわざわする。
「見てゼフ様よ!カッコイイ」
「あんな殿方と出会いたいものですわ」
「聞きました?ゼフ様が聖女の守護者に選ばれたんですって、しかも聖女は元奴隷らしいわよ」
「奴隷!?それはお可哀想に…ゼフ様ほどの方がそんな卑しい者をお守りしなければいけないなんて」
「……」
クラス発表は自分のクラスが書いてある紙を貰いそのクラスに移動することになっている。私とゼフ様は1-Aになった。
「ぇ?なんでマリーがここにいるのよ!」
「リラ!」
後ろの方にある私たちの席に向かおうとするとまさかのクラスメイトにリラがいた。正直気まずい。
「リラ!?あんたいつの間にそんなに偉くなったの?」
「いや、これは、その…」
「お久しぶりですねリラさん」
「ひっ!お、お久しぶりですゼフ様」
「先程マリーのリラさんに対する呼び方で何か不満でもありましたか?」
「いえいえ!なにも不満はございません!」
「そうですか。ならそこをどいていただけますか?」
「もちろんです」
私は席に着くとどこからか視線を感じた。色んなところから向けられる視線それはゼフ様への尊敬や憧れそして私に対する不快感と軽蔑だった。奴隷の頃からそう言う視線に何度もさらされた事があったので間違いない。
「大丈夫ですか?」
「…はい。大丈夫です」
顔色が悪かったのだろう。ゼフ様が心配して声をかけてくれた。そんな状況を憎しみの目で見つめる者が一人、リラだった。
初日はクラス発表を行った後各自解散となる。
「マリー、調子が悪いのですか?寮まで送りますよ」
「大丈夫です。一人で帰れます」
ゼフ様の優しさを蹴った私は寮に一人で帰った。
0
あなたにおすすめの小説
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
【完結】捨てられた聖女は王子の愛鳥を無自覚な聖なる力で助けました〜ごはんを貰ったら聖なる力が覚醒。私を捨てた方は聖女の仕組みを知らないようで
よどら文鳥
恋愛
ルリナは物心からついたころから公爵邸の庭、主にゴミ捨て場で生活させられていた。
ルリナを産んだと同時に公爵夫人は息絶えてしまったため、公爵は別の女と再婚した。
再婚相手との間に産まれたシャインを公爵令嬢の長女にしたかったがため、公爵はルリナのことが邪魔で追放させたかったのだ。
そのために姑息な手段を使ってルリナをハメていた。
だが、ルリナには聖女としての力が眠っている可能性があった。
その可能性のためにかろうじて生かしていたが、十四歳になっても聖女の力を確認できず。
ついに公爵家から追放させる最終段階に入った。
それは交流会でルリナが大恥をかいて貴族界からもルリナは貴族として人としてダメ人間だと思わせること。
公爵の思惑通りに進んだかのように見えたが、ルリナは交流会の途中で庭にある森の中へ逃げてから自体が変わる。
気絶していた白文鳥を発見。
ルリナが白文鳥を心配していたところにニルワーム第三王子がやってきて……。
異世界召喚されたアラサー聖女、王弟の愛人になるそうです
籠の中のうさぎ
恋愛
日々の生活に疲れたOL如月茉莉は、帰宅ラッシュの時間から大幅にずれた電車の中でつぶやいた。
「はー、何もかも投げだしたぁい……」
直後電車の座席部分が光輝き、気づけば見知らぬ異世界に聖女として召喚されていた。
十六歳の王子と結婚?未成年淫行罪というものがありまして。
王様の側妃?三十年間一夫一妻の国で生きてきたので、それもちょっと……。
聖女の後ろ盾となる大義名分が欲しい王家と、王家の一員になるのは荷が勝ちすぎるので遠慮したい茉莉。
そんな中、王弟陛下が名案と言わんばかりに声をあげた。
「では、私の愛人はいかがでしょう」
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる