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第二話
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エドワード・ランカスター。
彼もリエル同様貴族の出身で、社交界やパーティーの間では美青年として有名である。
しかし、それに反して、態度はかなり横暴だと認知されている。
「なんだったんださっきのデブは?」
「エドワード」
「聞いてくださいエドワード様!先程の醜い豚に私酷いことを言われましたの。なのにクラリスったら言い返すこともしなかったんですわよ!親友の私が傷つけられているのに」
「おいおいクラリス!それは親友としてあんまりだろ?」
なぜ私が怒られているのでしょうか?
商談を潰してこれから入る利益を台無しにした元凶はリエルだと言うのに
納得がいかない表情のクラリスに、エドワードはやれやれと言わんばりのため息をつく。
「クラリス!リエルに謝れ!!酷いことをしたなら謝れ!!!」
え?なぜ私が謝らないといけないんですか?
クラリスの動揺を尻目にリエルが同調する。
「そうよ!謝ってちょうだい!!」
普段なら謝らないだろう。
しかし今は多くの面前がいる。
ここで貴族の面子を潰しては、商会のためにならないことは明白だった。
クラリスは渋々頭を下げ、心のこもぬ声で謝罪を述べる。
「この度は、親友リエルの面子を守ることができず大変申し訳ございませんでした」
「わかればいいんだよ。わかれば!」
そう言って自分だけの正義を押し通したエドワードはリエルの肩に手を回す。
彼の表情は下心に溢れていた。
「すまない、少し将来の妻となるお前の性格の悪さに立ちくらみがしてしまった。リエル、私は屋敷の客室まで案内してくれないか?」
「もうエドワード様!クラリス、またエドワード様が体調を崩されたそうなので私が看病しますね」
これは2人が使う浮気の口実だ。
私は2人が男女の関係であることを知っている。
知っているが咎めることができない。
彼女達は腐っても貴族なのだ。
商人の娘である私に咎める事はできず、ただひたすら2人の猿芝居を見てることしか出来ないのだ。
私は1人、パーティー会場を後にして薔薇の咲く庭園に足を運んだ。
「これからも私、あんな2人と付き合わなくちゃいけないんだろうか?」
「それはお辛いですね」
「え?どなたですか?」
そこにいたのはメガネをかけた短髪の青年だった。
歳は同じくらいだが、その姿には圧倒的な知性が見て取れる。
「初めましてクラリス殿。私この度この国の法務官として任命されましたザダと申します」
「初めまして、ザダ様」
彼の役職を聞いて自然と背筋が伸びる。
法務官といえば、国で一番の有識者と言われるほど商人にとって喉から手が出るほど欲しい人脈だ。
そんな彼が、今目の前で私と薔薇を見ている。
どう言う事でしょうか?
ザダは私の表情を見るや少しほくそ笑む。
「なぜ私が声をかけてきたか不思議ですか?」
「正直に申し上げると」
「実はですね。貴族であるエドワード・ランカスターに脱税の容疑がかかってます」
それは下手をすれば死刑になるほどの重罪だ。
「それを白日の元に晒す協力しろと言う事ですか?」
「そうです。だってあなた彼の事が嫌いでしょ?」
この人はどんでもなく怖い人だと直感が語るのがわかる。
だが、同時にあの2人の茶番から抜け出す事ができるならと希望が湧いてきた。
「私にできることがあるのなら」
「ありがとうございます。では手始めに、、、、」
ザダは満面の笑みでこう言った。
「財産の半分を彼に渡してください」
彼もリエル同様貴族の出身で、社交界やパーティーの間では美青年として有名である。
しかし、それに反して、態度はかなり横暴だと認知されている。
「なんだったんださっきのデブは?」
「エドワード」
「聞いてくださいエドワード様!先程の醜い豚に私酷いことを言われましたの。なのにクラリスったら言い返すこともしなかったんですわよ!親友の私が傷つけられているのに」
「おいおいクラリス!それは親友としてあんまりだろ?」
なぜ私が怒られているのでしょうか?
商談を潰してこれから入る利益を台無しにした元凶はリエルだと言うのに
納得がいかない表情のクラリスに、エドワードはやれやれと言わんばりのため息をつく。
「クラリス!リエルに謝れ!!酷いことをしたなら謝れ!!!」
え?なぜ私が謝らないといけないんですか?
クラリスの動揺を尻目にリエルが同調する。
「そうよ!謝ってちょうだい!!」
普段なら謝らないだろう。
しかし今は多くの面前がいる。
ここで貴族の面子を潰しては、商会のためにならないことは明白だった。
クラリスは渋々頭を下げ、心のこもぬ声で謝罪を述べる。
「この度は、親友リエルの面子を守ることができず大変申し訳ございませんでした」
「わかればいいんだよ。わかれば!」
そう言って自分だけの正義を押し通したエドワードはリエルの肩に手を回す。
彼の表情は下心に溢れていた。
「すまない、少し将来の妻となるお前の性格の悪さに立ちくらみがしてしまった。リエル、私は屋敷の客室まで案内してくれないか?」
「もうエドワード様!クラリス、またエドワード様が体調を崩されたそうなので私が看病しますね」
これは2人が使う浮気の口実だ。
私は2人が男女の関係であることを知っている。
知っているが咎めることができない。
彼女達は腐っても貴族なのだ。
商人の娘である私に咎める事はできず、ただひたすら2人の猿芝居を見てることしか出来ないのだ。
私は1人、パーティー会場を後にして薔薇の咲く庭園に足を運んだ。
「これからも私、あんな2人と付き合わなくちゃいけないんだろうか?」
「それはお辛いですね」
「え?どなたですか?」
そこにいたのはメガネをかけた短髪の青年だった。
歳は同じくらいだが、その姿には圧倒的な知性が見て取れる。
「初めましてクラリス殿。私この度この国の法務官として任命されましたザダと申します」
「初めまして、ザダ様」
彼の役職を聞いて自然と背筋が伸びる。
法務官といえば、国で一番の有識者と言われるほど商人にとって喉から手が出るほど欲しい人脈だ。
そんな彼が、今目の前で私と薔薇を見ている。
どう言う事でしょうか?
ザダは私の表情を見るや少しほくそ笑む。
「なぜ私が声をかけてきたか不思議ですか?」
「正直に申し上げると」
「実はですね。貴族であるエドワード・ランカスターに脱税の容疑がかかってます」
それは下手をすれば死刑になるほどの重罪だ。
「それを白日の元に晒す協力しろと言う事ですか?」
「そうです。だってあなた彼の事が嫌いでしょ?」
この人はどんでもなく怖い人だと直感が語るのがわかる。
だが、同時にあの2人の茶番から抜け出す事ができるならと希望が湧いてきた。
「私にできることがあるのなら」
「ありがとうございます。では手始めに、、、、」
ザダは満面の笑みでこう言った。
「財産の半分を彼に渡してください」
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