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「あらごめんなさい。前を見てなかったわ」
「「フフフ」」
偶然を装う3人にタルトは見覚えがあった。
(学園時代にやたらと私に突っかかって来た没落貴族娘とお付きの2人、もう権力すら残ってない形だけの貴族のくせにプライドだけは高いのよね)
黙って無視するタルト。
それにむかついた没落貴族娘はわざとらしい煽りを入れ始めた。
「久しぶりねタルトさん、学園時代ぶりかしら?私のこと覚えてる?忘れる方が無理よね~。だって私達にイジメられていたんですもの」
「「クスクス」」
没落貴族娘が言う通りタルトは彼女達からイジメ受けていた。
しかしそれをイジメと認識していたのは彼女達だけ、タルトの認識は違った。
(あれってイジメだったの?かまって欲しくて筆箱を隠したり靴箱にゴミを入れてたわけじゃないのね…そうとわかったら何だか腹が立ってきたわ)
真実を知ったタルトは満面の笑みを3人に向ける。
「そうだったかしら?程度が低すぎて忘れたわ」
「ッ!強がるんじゃないわよ」
「強がっているわけじゃないわ、本当に忘れてたのよ。それよりこのドレスもちろん弁償してくれるのでしょうね?」
「べ、弁償?しないわよそんなの!そもそも私は偶然ぶつかっただけで…」
「偶然でもワザとでも関係ない。私が弁償しなさいと言ったら弁償するのよ。あなたに拒否権は無いわ。だって私は公爵令嬢であなたは没落貴族なのですから…クス」
家柄を笑われたことで没落貴族娘は火が出そうなほど顔を赤くして怒る。
しかし冷徹と見下すタルトの目を見て血の気が引いたように顔が真っ青になった。
自分のしでかしたことの大きさを理解したのだ。
「いくら…払えば…いいですか?」
「そうね、このドレス自体があなたの家が収めている一年税の3倍の値段だからそのくらいのお金で…」
「ちょっと待って!いや待ってください!!そんなお金持っていないし払えないです…ごめんなさい」
「そうよね、払えるわけないわよね。分かっているわ。だからほら」
「これは?」
タルトが手渡したのはぶどうジュースがたっぷり入った瓶だった。
「被りなさい。それで許してあげるわ」
「そんなあんまりよ!」「これはいくらなんでもひどすぎる!」
「黙りなさい。私が一言父に告げ口すれば首を飛ばすことだって出来るのよ?それをこの程度で許してあげているのだから責められる筋合いは無いわ。むしろ感謝して欲しいくらい」
「「…ッ!!」」
命の危険すらあると知ったお付き2人は黙り、没落貴族娘は覚悟を決めたのか瓶を頭より高く上げる。
タルトが見つめる中、没落貴族娘は目をつむり瓶をひっくり返すが…ぶどうジュースを被らなかった。
「そんなことしなくても大丈夫」
瓶を手で押さえたのは短く切りそろえた髪が特徴的な紳士服の男性だった。
(誰かしらこの男?黒髪は珍しいから会っていたら覚えているはずだけど…)
男は没落貴族娘からぶどうジュースの入った瓶を取り上げると頭から被った。
「なっ!何しているの!?」
「これで満足したか?満足したなら彼女のことはもう許せ」
「いや意味が分からないわ!何でこんなことするのよ!?」
(本当にわけが分からない、そもそもこいつは無関係なのに)
突然のことに困惑するタルト。
そんな彼女に黒髪の男は近づくと…
パン!
平手打ちをした。
「え?」
「むかついたから」
タルトが平手打ち受けたことで会場は騒然とした。
「「フフフ」」
偶然を装う3人にタルトは見覚えがあった。
(学園時代にやたらと私に突っかかって来た没落貴族娘とお付きの2人、もう権力すら残ってない形だけの貴族のくせにプライドだけは高いのよね)
黙って無視するタルト。
それにむかついた没落貴族娘はわざとらしい煽りを入れ始めた。
「久しぶりねタルトさん、学園時代ぶりかしら?私のこと覚えてる?忘れる方が無理よね~。だって私達にイジメられていたんですもの」
「「クスクス」」
没落貴族娘が言う通りタルトは彼女達からイジメ受けていた。
しかしそれをイジメと認識していたのは彼女達だけ、タルトの認識は違った。
(あれってイジメだったの?かまって欲しくて筆箱を隠したり靴箱にゴミを入れてたわけじゃないのね…そうとわかったら何だか腹が立ってきたわ)
真実を知ったタルトは満面の笑みを3人に向ける。
「そうだったかしら?程度が低すぎて忘れたわ」
「ッ!強がるんじゃないわよ」
「強がっているわけじゃないわ、本当に忘れてたのよ。それよりこのドレスもちろん弁償してくれるのでしょうね?」
「べ、弁償?しないわよそんなの!そもそも私は偶然ぶつかっただけで…」
「偶然でもワザとでも関係ない。私が弁償しなさいと言ったら弁償するのよ。あなたに拒否権は無いわ。だって私は公爵令嬢であなたは没落貴族なのですから…クス」
家柄を笑われたことで没落貴族娘は火が出そうなほど顔を赤くして怒る。
しかし冷徹と見下すタルトの目を見て血の気が引いたように顔が真っ青になった。
自分のしでかしたことの大きさを理解したのだ。
「いくら…払えば…いいですか?」
「そうね、このドレス自体があなたの家が収めている一年税の3倍の値段だからそのくらいのお金で…」
「ちょっと待って!いや待ってください!!そんなお金持っていないし払えないです…ごめんなさい」
「そうよね、払えるわけないわよね。分かっているわ。だからほら」
「これは?」
タルトが手渡したのはぶどうジュースがたっぷり入った瓶だった。
「被りなさい。それで許してあげるわ」
「そんなあんまりよ!」「これはいくらなんでもひどすぎる!」
「黙りなさい。私が一言父に告げ口すれば首を飛ばすことだって出来るのよ?それをこの程度で許してあげているのだから責められる筋合いは無いわ。むしろ感謝して欲しいくらい」
「「…ッ!!」」
命の危険すらあると知ったお付き2人は黙り、没落貴族娘は覚悟を決めたのか瓶を頭より高く上げる。
タルトが見つめる中、没落貴族娘は目をつむり瓶をひっくり返すが…ぶどうジュースを被らなかった。
「そんなことしなくても大丈夫」
瓶を手で押さえたのは短く切りそろえた髪が特徴的な紳士服の男性だった。
(誰かしらこの男?黒髪は珍しいから会っていたら覚えているはずだけど…)
男は没落貴族娘からぶどうジュースの入った瓶を取り上げると頭から被った。
「なっ!何しているの!?」
「これで満足したか?満足したなら彼女のことはもう許せ」
「いや意味が分からないわ!何でこんなことするのよ!?」
(本当にわけが分からない、そもそもこいつは無関係なのに)
突然のことに困惑するタルト。
そんな彼女に黒髪の男は近づくと…
パン!
平手打ちをした。
「え?」
「むかついたから」
タルトが平手打ち受けたことで会場は騒然とした。
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