6 / 17
6
しおりを挟む
レレイは視線を私達に戻すと何故だかとても悲しそうな顔をする。
私はそれの表情が本心からくるのもだと理解した。
「レレイ、どうしてそんな顔をするの?」
「……たぶんこれがラーナお姉さまやお母様、そしてマキと会えるのが最後だからですかね」
「私達を殺すの?」
「はい。私達は運悪く野盗に襲われ私は命からがら助かったがお姉さまたちは殺されてしまった…という設定でお父様にお話しします。話の信憑性を上げるためにも首を切り落としてそこら辺にでも転がしておけば捜索をしたお父様自ら発見できますし。ちょうどいい案だと思いませんか?お父様は二重で絶望を味わうのです」
…狂っている。
感情と思考が繋がっていない。
この子は本当にレレイなの?レレイという人間の皮を被った悪魔と言われた方がまだ納得がいくと私は思った。
そのことを黙って聞いていた母様が口を開く。
「レレイがどうしてそのような考えに至ったかは分かりませんがもう話し合いで解決は不可能なのですね?」
「ええ。もう引き返せません」
「分かりました。では私の首を差し出します。その代わり、2人を解放しなさい」
「母様!?そんなのダメ!!」
レレイは私が会話に介入したのが気に食わなかったのか、目配せで命令をし、私を再び地面に押さえつけさせる。
「グっ!!」
「お母様はもっと頭が回る人だと思っていましたが…。私がその条件を飲む利点がありません」
そう言って母様の提案を拒否するレレイ。
しかし母様は言葉をつづけた。
「そう思ってくれていたなんて嬉しいわ。レレイが思っていた通り私は頭が回るのよ。…もしラーナとマキを見逃してくれるならあなたのお母様について、私が知っていることをすべて話しましょう」
そこでレレイの表情が一変した。
先ほどの悲しそうな顔からまるで神の怒りを表現したかのような顔になる。
自分が取り乱していること気が付いたのだろう。レレイは一度目を閉じ、一呼吸をおき普段の表情へと戻す。
「分かりました。その条件を飲みます。ラーナ姉さまとマキを開放しなさい」
解放された私はすぐに母様の元に駆け寄ろうとしたがマキがそれを止めた。
「止めないでマキ!」
「ラーナ様、奥様のお気持ちを汲み取ってください。これがラーナ様守るための最善の策なのです!」
「でも!母様が!!」
「ラーナ」
「母様…」
「生きて」
母様の表情は何処までも優しさに満ち溢れていた。
やめてマキ…母様が、母様が!!
抵抗する私を引きずりながらマキは森の中へと進む。
私が母様を見たのはそれが最後だった。
◇◇◇◇
私達はひたすら足場の悪い森の中を走り続ける。
私達の後方で数人の足音が聞こえる。さっきの男たちだ。
あの人たちが追ってきているってことはたぶん母様はもう…。
だめ!泣いている暇なんてない!とにかく逃げて…生きなきゃ!!
必死に走っているが私はドレスでマキはスカートの丈が長いメイド服、森の中を移動するのには到底適しているとは言えない。
このままじゃ追い付かれる。
そう思った時、マキが足を止めた。
「ラーナ様。どうやらここでお別れの様です」
私はそれの表情が本心からくるのもだと理解した。
「レレイ、どうしてそんな顔をするの?」
「……たぶんこれがラーナお姉さまやお母様、そしてマキと会えるのが最後だからですかね」
「私達を殺すの?」
「はい。私達は運悪く野盗に襲われ私は命からがら助かったがお姉さまたちは殺されてしまった…という設定でお父様にお話しします。話の信憑性を上げるためにも首を切り落としてそこら辺にでも転がしておけば捜索をしたお父様自ら発見できますし。ちょうどいい案だと思いませんか?お父様は二重で絶望を味わうのです」
…狂っている。
感情と思考が繋がっていない。
この子は本当にレレイなの?レレイという人間の皮を被った悪魔と言われた方がまだ納得がいくと私は思った。
そのことを黙って聞いていた母様が口を開く。
「レレイがどうしてそのような考えに至ったかは分かりませんがもう話し合いで解決は不可能なのですね?」
「ええ。もう引き返せません」
「分かりました。では私の首を差し出します。その代わり、2人を解放しなさい」
「母様!?そんなのダメ!!」
レレイは私が会話に介入したのが気に食わなかったのか、目配せで命令をし、私を再び地面に押さえつけさせる。
「グっ!!」
「お母様はもっと頭が回る人だと思っていましたが…。私がその条件を飲む利点がありません」
そう言って母様の提案を拒否するレレイ。
しかし母様は言葉をつづけた。
「そう思ってくれていたなんて嬉しいわ。レレイが思っていた通り私は頭が回るのよ。…もしラーナとマキを見逃してくれるならあなたのお母様について、私が知っていることをすべて話しましょう」
そこでレレイの表情が一変した。
先ほどの悲しそうな顔からまるで神の怒りを表現したかのような顔になる。
自分が取り乱していること気が付いたのだろう。レレイは一度目を閉じ、一呼吸をおき普段の表情へと戻す。
「分かりました。その条件を飲みます。ラーナ姉さまとマキを開放しなさい」
解放された私はすぐに母様の元に駆け寄ろうとしたがマキがそれを止めた。
「止めないでマキ!」
「ラーナ様、奥様のお気持ちを汲み取ってください。これがラーナ様守るための最善の策なのです!」
「でも!母様が!!」
「ラーナ」
「母様…」
「生きて」
母様の表情は何処までも優しさに満ち溢れていた。
やめてマキ…母様が、母様が!!
抵抗する私を引きずりながらマキは森の中へと進む。
私が母様を見たのはそれが最後だった。
◇◇◇◇
私達はひたすら足場の悪い森の中を走り続ける。
私達の後方で数人の足音が聞こえる。さっきの男たちだ。
あの人たちが追ってきているってことはたぶん母様はもう…。
だめ!泣いている暇なんてない!とにかく逃げて…生きなきゃ!!
必死に走っているが私はドレスでマキはスカートの丈が長いメイド服、森の中を移動するのには到底適しているとは言えない。
このままじゃ追い付かれる。
そう思った時、マキが足を止めた。
「ラーナ様。どうやらここでお別れの様です」
10
あなたにおすすめの小説
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
(完結)あぁ、それは私の彼ではありません!
青空一夏
恋愛
腹違いの妹はなんでも欲しがる『くれくれダコス』。幼い頃はリボンにぬいぐるみ、少し成長してからは本やドレス。
そして今、ダコスが欲しがっているのは私の彼だ。
「お姉様の彼をください!」
これはなんでも欲しがる妹がどうなったかというコメディー。ありがちな設定のサラッと読める軽いざまぁ。全年齢向け。
姉の引き立て役の私は
ぴぴみ
恋愛
アリアには完璧な姉がいる。姉は美人で頭も良くてみんなに好かれてる。
「どうしたら、お姉様のようになれるの?」
「ならなくていいのよ。あなたは、そのままでいいの」
姉は優しい。でもあるとき気づいて─
悪役令嬢として断罪? 残念、全員が私を庇うので処刑されませんでした
ゆっこ
恋愛
豪奢な大広間の中心で、私はただひとり立たされていた。
玉座の上には婚約者である王太子・レオンハルト殿下。その隣には、涙を浮かべながら震えている聖女――いえ、平民出身の婚約者候補、ミリア嬢。
そして取り巻くように並ぶ廷臣や貴族たちの視線は、一斉に私へと向けられていた。
そう、これは断罪劇。
「アリシア・フォン・ヴァレンシュタイン! お前は聖女ミリアを虐げ、幾度も侮辱し、王宮の秩序を乱した。その罪により、婚約破棄を宣告し、さらには……」
殿下が声を張り上げた。
「――処刑とする!」
広間がざわめいた。
けれど私は、ただ静かに微笑んだ。
(あぁ……やっぱり、来たわね。この展開)
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる