白髪ダンディーさんは異世界で大人を見せます

京月

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一章

決着

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 レルフードは構えたマグナムを撃ち巨大ゴブリンを倒すとよろけながら立ち上がる。
 危なかった。投石で意識を失っていたら本当に死んでいた。

 女神のコートについている物理耐性で巨大ゴブリンの攻撃を無傷で受けきりながら壁に激突する。後は意識を失ったように演技をし奴の油断を誘うことに成功したのだ。


「さて、これからどうするか」


 巨大ゴブリンは倒すことが出来たが周りには百は超えるゴブリンが臨戦態勢になっている。
 だが一匹も仕掛けてはこない。
 巨大ゴブリンを倒したマグナムを気にしているのだろう。

 俺は消費し銃弾を弾丸創生で補充すると葉巻に火をつけ一服する。
 葉巻の効果で傷が癒えこんな状況にもかかわらず冷静でいられる。
 葉巻を一服する間に外に繋がる来た道はゴブリン達によって塞がれてしまった。
 時間にして数秒葉巻を吸いゆっくりと煙を吐き出す。


「退路は無し」


 葉巻の火を巨大ゴブリンの死体に擦り付けて消し胸ポケットにしまう。
 ゴブリン達は後ずさり、


「戦力差は絶望的」


 マグナムを上に向けて構える。
 武器を持つ手に力を入れる。


「だが私は勝つ」


 ドン!


「「ギャヤヤヤヤヤヤヤヤ!!」」


 発砲音とともに仕掛けてくるゴブリン達。


「ドーーーーン」


 それを阻んだのは天井から落ちてくる巨大な光る石だった。

 レルフードはマグナムを上に向け、天井の光る石を吊るしているロープを撃ち抜き下にいるゴブリン達に落とした。
 光る石は落ちた衝撃で砕け光が徐々に消えていき、空洞は暗くなる。ゴブリン達は何も見えなくなった、"ゴブリン達"はだ。

 
 ドンドンドンドンドンドン

「ギャ!」

「グ!」

「ガッ!」

 
 暗闇の中で響く発砲音とゴブリン達の断末魔。
 暗闇と仲間の死に恐怖したゴブリン達は持っていた武器を振り回し同士討ちする始末。

 ゴブリン達は自分は見えないのに相手は見えていることに疑問を抱いたが答えは簡単だった。
 首飾りだ。
 ゴブリン達が付けている首飾りには光る石が使われているため僅かだが光る。
 レルフードはその光を頼りにマグナムを撃ち徐々に数を減らしていく。

 あるゴブリンが恐怖で外に逃げ出そうとした。
 しかしそこで異変に気付く。
 唯一の出入り口である通路に合った光る石が壊されている。
 ドン!という音と頭部への衝撃を最後にそのゴブリンは倒れた。

 レルフードは恐怖で逃げようとするゴブリン達を正面から撃ち続け洞窟から一匹たりとも逃さなかった。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 数時間が過ぎ朝日が昇ったころ頃、生きているゴブリンは一匹もおらず、レルフードは洞窟の外で葉巻を吸っていた。
 
 "スキルが発現しました"

 初めてスキルを手にしてからまだ1日も経っていなのに新しいスキルが手に入った。
 レベルも上がったことだし確認してみよう。



 名前 レルフード Lv11

    攻撃力 16

    防御力 10

    素早さ 10

    器用さ 15

    魔力  0

    未使用ポイント 9


 スキル 紳士の鏡 精神汚染耐性(極)

     大人の包容力 女性からの好感度向上(極)

     弾丸創生 弾丸を無限に創生できる。

     威圧(new) 敵を威圧してひるませることが出来る。


 大したことないスキルだがあって損はないだろう。
 未使用ポイントも振っておくか。


 名前 レルフード Lv11

    攻撃力 18

    防御力 15

    素早さ 12

    器用さ 15

    魔力  0


 今回の戦いでわかった課題は防御力だ。コートでは守り切れない頭部を狙われても大丈夫なように防御力をかなり上げた。


「レルフード様!!」


 村に戻ろうとすると遠くから俺を呼ぶ声がする。


「「レルフードさんー」」

 
 1人だけではないようだ。数人が俺の名前を呼んでいる。
 1人の村人が俺を見つけると他の村人たちとミルコレアが駆けつけてくる。


「心配しましたよレルフード様!」


「すまないミルコレア、心配をかけた」

 
 ミルコレアは安心したように胸をなでおろすが後ろの洞窟に気が付くと強張った表情に戻る。


「あの後ろの洞窟はもしかして魔物の巣ですか?」


「ゴブリン達の根城だった」


「そんな!?なら急いで村を離れる準備をしないと!村人の皆さんも早く村を離れる支度を!」


 ミルコレアはあまりにも慌てているので理由を聞くとゴブリン達は元々数匹で行動するがボスとなるゴブリンが現れると巣を作り数十から数百の単位で行動するようになり討伐隊を編成しなければならないほど危険な存在になるらしい。
 下手をすれば周囲の村が全滅することもあるという。


 俺は慌てるミルコレアの肩に手を置く。


「安心しろ。もうゴブリンはいない、私が全て片付けた」


「え!?」


 ゴブリンは全て片付けたが死体はそのままだから下手をすると疫病の基になる。
 しかし俺は魔物処理の仕方なんて知らないので村人たちに任せることにした。


「中にゴブリンの死体が大量にあるから村人たちと協力して処理してくれ」



 村人たちがゴブリンの死体を処理に取り掛かる間俺は借りている空き家に戻り少し眠りにつく。
 仮眠から覚めた時ちょうど村長とミルコレアがゴブリンの処理を終え訪ねてきた。


「レルフード様、この度は本当にありがとうございます。なんとお礼を言っていいか」


「気にする必要もない。礼も不要だ」


「しかし」


「村長、私はあなたの忠告を無視して夜に出歩き、結果としてゴブリンと戦うことになった。これは完全な自業自得だ。村長から礼を受けることではない」


 正直本当に自業自得だと思っていた。
 それなのにお礼をもらうのはいささか忍びない。
 村長も長い説得の上やっとお礼は諦めたがせめてカーサスまでは送らしてくれとのことで村にいる行商人のキャラバンに乗せてもらえることになった。
 行商人は明日出発するらしいのでこの村でもう一泊する。


 夜、俺は借りている空き家の前で葉巻を吸っていた。
 中で吸ってもいいかと思ったが借りている家だから煙の臭いもつけるわけにはいかない。

 それにしてもまだこの世界に来て2日なんだよな。
 元の世界でもこんな濃厚な2日を過ごしたことはない。
 あの高校生たちは元気だろうか。
 人の心配ができるなんて俺も少しは大人になったのかもしれない…体は大人だけど。


「レルフード様、少しよろしいでしょうか」


 声をかけてきたのはミルコレアだった。
 

「どうした?」


「お話ししたいことがあります」


「何の話だ」


「私の過去についてです」
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