【R-18】僕の回復魔法はちょっとおかしい

京月

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第三話

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「アラン、患者さんだ。見てやってくれ」


「分かりました。どうぞお入りください」


「「失礼します」」


 患者さんは二人同時だった。


「初めまして、名前を聞いてもよろしいですか?」


「はい、私マリーって言います。こっちは妹のサリー見ての通り双子なんです」


「ん」


 マリーさんとサリーさんはともにD級冒険者で双子の姉妹だ。確かに顔はどちらとも同じで美人だが髪の色が違う。
 マリーさんは黄色の髪色でサリーさんは青い髪色だ。二人はパーティーを組んで冒険者活動をしているらしい。


「それで今日はどうしたんですか?」


「はい、実はこれなんですが…」


 マリーは恥ずかしそうにスカートをめくりあげる。すると内ももが変色しているのが分かる


「これは石化ですか?」


「そうです。私たちストーンパイソンの討伐クエストを受けていて、そしたらかまれてしまって…」


「サリーさんもですか?」


「そう」


 サリーさんも無表情でスカートをめくりあげ内ももを見せてくれる。こちらも石化している。しかし二人とも同じ場所をかまれて石化するなんて偶然あるんだな。


「あのアラン先生」


「はい」


「状態異常系の回復魔法はかなり高度で使える人も少ないと聞いたのですが大丈夫なんでしょうか?」

 
 マリーさんは不安そうな顔で聞いてくる。


「心配しなくても大丈夫ですよ、僕は状態異常系の回復魔法も使えますし石化なら何度か治療したこともあります」


「そうですか、なら安心です」


「では早速治療を始めていきましょうか」


「なんか緊張するねサリー」


「ん」


「そんなに緊張しなくても後遺症なども残りませんから安心して下さい」


「いや…あの…そういう事じゃなくてですね…」


「先生、期待してる」


 マリーさんは顔を赤くしてうつむいてしまった。サリーさんは期待の目でこちらを見てくる。
 確かに体が石になってしまえば不安や緊張はする。それを隠そうとしているのだろう。


「ではまずマリーさんから始めます。そちらのベットの上で座って下さい」


「はい…お、お願いします」

 マリーさんには足を広げ治療しやすいようにしてもらう
 僕の手から赤い光が発現しマリーさんの内ももの石化を癒していく。


「あっ…あっ…あっあああっ!」


 マリーさんは天井を向き下唇をかんで声が出るのを抑えようとしている。


「んっ…んっ…んん…」


「これは体のだいぶ深いところまで石化が進んでますね。少し強くしますよ」


「え?っああああああ!!」


 マリーさんは反射的に広げた足を閉じようとするが後ろからサリーさんが両手でマリーさんの足を抑える。


「サ、サリー!」


「先生の治療の邪魔になる、我慢して」


「そんな、あっ…ダメ…ああっ…ああああああ!!」


「マリーさん終わりましたよ」


「はぁ…はぁ…ありがとう…ございます」


 マリーさんは呼吸が荒くなりながらもお礼を言う


「では次サリーさんの治療に入りたいと思います」


「よろしく」


 サリーさんもマリーさん同様ベットの上で座って足を開いてもらう。


「では始めます」


「うっ…あっ…はぁ…はぁ…あああっ!」


 サリーさんは無表情な方だが治療中は何か我慢しているような表情になる。


「先生…ヤバイ…」


「どうしたんですか?どこか痛みますか?」


「そうじゃないけど…」


「もしかしたら僕の回復魔法がサリーさんの体質にあってないのかもしれません。すぐに終わらせますね」


「ちょっと…待ってあああっ!そんな急に…あっあっあっああああああっ!」


「ふぅ、少し荒くなってしましたが終わりましたよ」


「「はぁ…はぁ…」」


二人とも息を荒くしてお互いを見つめ合う。すると頷き合いこちらを向く。


「アラン先生ありがとうございます。何かお礼をしたいので今日お時間ありますでしょうか?」


「はい、今日は何も予定はありませんが」


「なら今日家来て。料理ごちそうする」


 こうして僕は二人の家に行くことになった。最初はごちそうになったら帰ろうと思っていたがなんやかんやで泊まることになってしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「じゃあ行くよサリー」


「いいよ、マリー」



 二人の手には一匹ずつストーンパイソンが握られていた。


「「せーの」」


 お互いに持っていたストーンパイソンを内ももにかみつかせ石化の状態異常になる。


「これでアラン先生のところに行けるね」


「でも、マリー状態異常系の回復魔法はかなり高度、アラン先生つかえるの?」


「え?そ、そんなどうしよう」


「信じるしかない」


「そうだね、ここまでやったんだし信じるしかないよね」


 こうして二人は不安を抱きながらもアランのいる診療所に向かうのだった。
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