【R-18】僕の回復魔法はちょっとおかしい

京月

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第七話

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「アラン、今日も負傷者がいるテントに向かって治療してきてくれ」


「分かりました」


 モンスターパレードは冒険者の活躍のおかげでかなり終息に向かっている。僕にできるのは一人でも多く負傷者を治療することだ。


「アランです、治療を行いに来ました」


 負傷者のいるテントに訪れる


「アラン先生、お久しぶりです!」


「久しぶり」


 そこにいたのはマリーさんとサリーさんだった。


「お久しぶりです。二人もモンスターパレードに参加していたんですね」


「そうなんです。やっぱり冒険者としては見過ごせないですね、ギルドからの報酬もいいですし」


「お金大事」


 意外と現金なんだ。


「二人ともこのテントにいるってことはどこか怪我したんですか?」


「ま、まぁ…」


「……」


 なんだか二人の反応がおかしい。これは何か隠している。


「二人とも僕に何か隠してますね、正直に言ってください」


「な、何にも隠してないよ!!ねぇサリー?」


「うん…か、隠してない」


「正直に言ってください」


「だから何も…」


「正直に言ってください」


「はぁ…分かりました。正直に白状します。ただ絶対に引かないでください。サリー」


「うん」


 二人は後ろを向くと着ていた服をはだけさせ背中をあらわにする


「これは…」


 二人の背中は酷く焼けただれていた。


「魔物を倒していたらサラマンダーがでてきて、逃げるときにお互い一撃食らっちゃっいました」


「一応治療はしてもらったからもう痛くはない」


「それでも感染症のリスクがまだ残ってる、なんで隠すんですか?」


「隠しますよ!こんな背中いくら治療でもアラン先生に見られたくなかった…」


「悪いとは思ってる。けどそれでも先生に嫌われたくはないと思った」


 二人の気持ちに気付かなかった自分が恥ずかしかった。そして同時にこの二人の傷を絶対に完治させると決意した。


「マリーさん、サリーさん。二人の気持ちに気付かなくてすみませんでした。でも安心して下さい。絶対に僕がこの傷を完治させます」


「ぐすん…ありがとうアラン先生」


「お願いする」


 二人の傷は治療済みなので回復魔法が効きにくくなってしまっている。回復魔法はそれぞれに個性があり違う人同士が同じ傷に回復魔法を使ってしまうと個性が反発しあい効果が薄くなってしまうのだ。
 傷を完治させるには僕の持つ全魔力を注ぎ込むしかない。そんなことをすれば魔力の欠乏で意識を失うが二人を助けるためだ。気にすることでもない。

 二人の背中に手をかざす。


「では、治療を始めます。『エクストラヒール』」


「「あっあああああああああああああああっ!!」」


 二人は同時に声を上げ、体をのけぞらす。


「先生…もう少し…加減を…あっ!…気持ちいい…」


「ダメ…本当に…我慢が…んっ!…はぁ…はぁ…」


 傷がみるみる治っていくが魔力の消費が思ったより激しすぎる。魔力が尽きる前に全力を出し切る。


「あっ!!!急に激しくっ!あっ…あっ…あっ…我慢できない」


「んっんんん!気持ちよすぎ…イキ…そう…」


 そして遂に二人は限界を迎える


「「あっああああああ!!イクううううううう!!」


 この喘ぎ声を聞いてアランは意識を失った。


 朝起きると何故か自分が服を着ていなかったのでとても驚いていたらしい。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「先生、アラン先生。だめ、完全に意識を失ってる」


「でもこれはチャンス」


「え?」


「寝ていたら何をしても気づかれない」


「そ、そうだね」


「お礼もかねてサービスしよう」


「うん」


 この日アランに起きたこと知っているのはこの二人だけだった。
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