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女の子になって黒木先輩と一緒に暮らしはじめてから、先輩が僕につらくあたることは一度もなかった。だからセックスについて割り切ってしまえば、先輩との同棲生活はとても気楽で快適なものだった。
そもそも先輩は僕にセックスパートナーとしての役割以外、なにも求めなかった。食事をつくれとも、掃除をしろとも言わず、家事代行サービスを頼んだり、ときには自分でやりさえした。
僕は、先輩がヤリたいときにいつでもセックスできる生きたラブドールとして――純粋にただそれだけのためにマンションに住まわされていたのだ。
そして、そのセックスにおいて僕は先輩に何を求められても決してノーとは言わないのだから、先輩が僕にきつい顔をせずやさしくしてくれるのも当然といえば当然だった。
ただ、セックスでの要求に関しても、僕が我慢して受け容れなければならないようなものはほとんどなかった。
先輩はとにかく膣内射精が好きなようで、アナルセックスはもちろん、フェラチオを求められることも滅多になかった。だから先輩のデカチンをお尻や喉に突き入れられて苦しい思いをすることもなかったし、苦い精液を飲まされることも、顔にかけられることもなかった。
先輩はセックスで自分が気持ちよくなることだけでなく、相手の女の子を気持ちよくすることにも男としての支配欲を感じるタイプのようで、毎回僕をイカせようと前戯にも後戯にもたっぷりと時間をかけた。
毎日同じことを繰り返していても決して雑なセックスにはならず、丁寧に楽しみながら僕の身体を開発しようとする先輩の姿勢は、ロストバージンのあの夜から一貫して変わらなかった。
そんな黒木先輩とのセックスを、僕がいつまでも好きにならずにいるのは難しかった。
黒木先輩のことは絶対に好きにならない。でも、黒木先輩とのセックスは好き――そんな二律背反じみた言い訳の中に、僕は自分の身体が先輩との中出しセックスで感じてしょうがないことへの逃げ道を見出していたのだと思う。
やがて僕は、黒木先輩が中出しする瞬間には必ず絶頂を迎えるように躾けられていった。
黒木先輩は、膣内射精の瞬間、僕が両脚を先輩の腰に巻きつけて自分の方へ引き付け、全身で欲しがっているのを感じながら中出しするのが好きなようで、そうすることを僕に義務づけた。それが僕にとってもイクためのトリガーになってしまい、先輩が中出しする瞬間にはきまって僕も一緒にイクようになってしまったのだ。
ただ義務づけたと言っても、黒木先輩は決して無理強いしてきたわけではない。そうして欲しいと僕にやさしくお願いしてきただけで、今もって解けていない例の呪いのためにそれが僕の中で義務となってしまったというだけの話だ。
だが、僕の中でもうそのことに抵抗はなかった。このマンションに置いてもらう限り先輩とはセックスし続けるのだし、どうせ毎回膣内に出されるのだ。それならば僕も気持ちいい方がいいと、内心喜んでその呪いがもたらしたものを受け容れたくらいだ。
そんな日々を送ることで、僕は黒木先輩との中出しセックスが大好きになっていった。
* * *
「あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡」
――日曜日の昼下がり。魔法少女のコスプレで黒木先輩とセックスしている。最近、深夜帯ではじまったアニメのコスプレエッチを僕が先輩におねだりしたのだ。もっとも積極的にねだったわけではなく、はじめて会ったあの日の喫茶店での会話を先輩が覚えていて、「ケイちゃん、コスプレエッチしたいんじゃない?」と先輩が訊ねてくるのに、僕の口が勝手に「はい。したいです」と答えただけなのだが。
「あんっ♡ ああんっ♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいよぉっ♡」
女の子になってもう五年。今も僕は黒木先輩と一緒に暮らしている。
結局、僕はあれから一度も高校に行かず、当然、大学にも進まなかった。勉強もせず働きもせず、たまに黒木先輩に連れ出されるとき以外は外に出ることさえない。毎日毎晩この部屋で先輩とセックスすることだけが僕の日常のすべてで、そのことを思えば、僕は黒木先輩とエッチするために女の子になったようなものだ。
家には一度も帰っておらず、親にも連絡していない。男としての僕は失踪したことになっているということを、いつか黒木先輩が聞かせてくれた。カスみたいなやつだったし、どうでもいいけどな、と、背中から僕を抱いて首筋に舌を這わせ、おっぱいを揉みながら先輩は言ったのだ。
その話に僕は快楽にあえぎながら「ああそうか」と思っただけだった。もう何年かすれば僕は戸籍上死んだことになる。そうすれば僕は名実共に黒木先輩とセックスするためだけに存在する生きたラブドールになるのだろう。
「あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡」
処女を奪われた翌日、先輩に打ち明けたように、女としての僕は家出したお嬢様ということになっているが、黒木先輩がそのあたりを気にしている様子はない。
先輩にしてみても、僕が行方を探されているどこかのお嬢様であるより、好きなときにペニスを突っ込めるセックスパートナーである方が都合がいいのかも知れない。
黒木先輩はたまに他の女にも手を出しているようだったが、このマンションから僕を追い出そうとはしなかったし、僕とのセックスはセックスでほぼ毎日欠かさなかった。
いつか先輩が「ケイちゃんの身体は俺の理想そのまんま」と言っていたことがあったが、その言葉通り、よほどこの僕の身体が気に入っているのだろう。
「あんっ♡ あんっ♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいっ♡」
実際、かつて男だった僕の目にも、自分の身体は、男だったら誰でも狂わせてしまうようなたまらなくエロい身体に見える。
女の子になったあの日、鏡の中に見た僕の身体はその時点ですでに完成されたプロポーションだったが、それから黒木先輩と毎日エッチし続けることで、崩れた感じのする濃密な色気をただよわせるまでになった。
……正直、先輩がここまで僕に執着するのもわかる気がする。
まだ男を知らなかった頃のうぶな面影を残しながら、セックスの味をいやというほど教え込まれた、男に抱かれるために存在するような女。しかも、どんなセックスの要求にも応じ、絶対にノーということはないのだ。
「気持ちいいっ♡ 気持ちいいっ♡ 中に出してっ♡ ねえ中に出してっ♡」
黒木先輩とセックスしながら、たまに先輩にいじめられていたときのことを思い出すことがある。
先輩に乳首やおまんこをなめられているとき、あるいは先輩と一緒に身体を震わせながらオルガスムスを迎え中出しされているその瞬間に、高校に入学したばかりの頃、先輩に腹を殴られたりビンタを食らわされたりしたときのことがフラッシュバックのように脳裏に蘇ってくるのだ。
……結局、今の自分はその頃と変わらないのだと思った。
黒木先輩に好きなように弄ばれ、欲望の捌け口にされるだけの存在。ただこの身体が感じるのが痛みか、女としての快楽かが違うだけだ。
ならせめて僕の方でも黒木先輩とのセックスを楽しみ、先輩から与えられる女としての快楽をめいっぱい貪ってやろうと思った。
そうやって僕は、黒木先輩とのセックスにどんどんと溺れこんでいった。
そもそも先輩は僕にセックスパートナーとしての役割以外、なにも求めなかった。食事をつくれとも、掃除をしろとも言わず、家事代行サービスを頼んだり、ときには自分でやりさえした。
僕は、先輩がヤリたいときにいつでもセックスできる生きたラブドールとして――純粋にただそれだけのためにマンションに住まわされていたのだ。
そして、そのセックスにおいて僕は先輩に何を求められても決してノーとは言わないのだから、先輩が僕にきつい顔をせずやさしくしてくれるのも当然といえば当然だった。
ただ、セックスでの要求に関しても、僕が我慢して受け容れなければならないようなものはほとんどなかった。
先輩はとにかく膣内射精が好きなようで、アナルセックスはもちろん、フェラチオを求められることも滅多になかった。だから先輩のデカチンをお尻や喉に突き入れられて苦しい思いをすることもなかったし、苦い精液を飲まされることも、顔にかけられることもなかった。
先輩はセックスで自分が気持ちよくなることだけでなく、相手の女の子を気持ちよくすることにも男としての支配欲を感じるタイプのようで、毎回僕をイカせようと前戯にも後戯にもたっぷりと時間をかけた。
毎日同じことを繰り返していても決して雑なセックスにはならず、丁寧に楽しみながら僕の身体を開発しようとする先輩の姿勢は、ロストバージンのあの夜から一貫して変わらなかった。
そんな黒木先輩とのセックスを、僕がいつまでも好きにならずにいるのは難しかった。
黒木先輩のことは絶対に好きにならない。でも、黒木先輩とのセックスは好き――そんな二律背反じみた言い訳の中に、僕は自分の身体が先輩との中出しセックスで感じてしょうがないことへの逃げ道を見出していたのだと思う。
やがて僕は、黒木先輩が中出しする瞬間には必ず絶頂を迎えるように躾けられていった。
黒木先輩は、膣内射精の瞬間、僕が両脚を先輩の腰に巻きつけて自分の方へ引き付け、全身で欲しがっているのを感じながら中出しするのが好きなようで、そうすることを僕に義務づけた。それが僕にとってもイクためのトリガーになってしまい、先輩が中出しする瞬間にはきまって僕も一緒にイクようになってしまったのだ。
ただ義務づけたと言っても、黒木先輩は決して無理強いしてきたわけではない。そうして欲しいと僕にやさしくお願いしてきただけで、今もって解けていない例の呪いのためにそれが僕の中で義務となってしまったというだけの話だ。
だが、僕の中でもうそのことに抵抗はなかった。このマンションに置いてもらう限り先輩とはセックスし続けるのだし、どうせ毎回膣内に出されるのだ。それならば僕も気持ちいい方がいいと、内心喜んでその呪いがもたらしたものを受け容れたくらいだ。
そんな日々を送ることで、僕は黒木先輩との中出しセックスが大好きになっていった。
* * *
「あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡」
――日曜日の昼下がり。魔法少女のコスプレで黒木先輩とセックスしている。最近、深夜帯ではじまったアニメのコスプレエッチを僕が先輩におねだりしたのだ。もっとも積極的にねだったわけではなく、はじめて会ったあの日の喫茶店での会話を先輩が覚えていて、「ケイちゃん、コスプレエッチしたいんじゃない?」と先輩が訊ねてくるのに、僕の口が勝手に「はい。したいです」と答えただけなのだが。
「あんっ♡ ああんっ♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいよぉっ♡」
女の子になってもう五年。今も僕は黒木先輩と一緒に暮らしている。
結局、僕はあれから一度も高校に行かず、当然、大学にも進まなかった。勉強もせず働きもせず、たまに黒木先輩に連れ出されるとき以外は外に出ることさえない。毎日毎晩この部屋で先輩とセックスすることだけが僕の日常のすべてで、そのことを思えば、僕は黒木先輩とエッチするために女の子になったようなものだ。
家には一度も帰っておらず、親にも連絡していない。男としての僕は失踪したことになっているということを、いつか黒木先輩が聞かせてくれた。カスみたいなやつだったし、どうでもいいけどな、と、背中から僕を抱いて首筋に舌を這わせ、おっぱいを揉みながら先輩は言ったのだ。
その話に僕は快楽にあえぎながら「ああそうか」と思っただけだった。もう何年かすれば僕は戸籍上死んだことになる。そうすれば僕は名実共に黒木先輩とセックスするためだけに存在する生きたラブドールになるのだろう。
「あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡ あんっ♡」
処女を奪われた翌日、先輩に打ち明けたように、女としての僕は家出したお嬢様ということになっているが、黒木先輩がそのあたりを気にしている様子はない。
先輩にしてみても、僕が行方を探されているどこかのお嬢様であるより、好きなときにペニスを突っ込めるセックスパートナーである方が都合がいいのかも知れない。
黒木先輩はたまに他の女にも手を出しているようだったが、このマンションから僕を追い出そうとはしなかったし、僕とのセックスはセックスでほぼ毎日欠かさなかった。
いつか先輩が「ケイちゃんの身体は俺の理想そのまんま」と言っていたことがあったが、その言葉通り、よほどこの僕の身体が気に入っているのだろう。
「あんっ♡ あんっ♡ 気持ちいいっ♡ 気持ちいいっ♡」
実際、かつて男だった僕の目にも、自分の身体は、男だったら誰でも狂わせてしまうようなたまらなくエロい身体に見える。
女の子になったあの日、鏡の中に見た僕の身体はその時点ですでに完成されたプロポーションだったが、それから黒木先輩と毎日エッチし続けることで、崩れた感じのする濃密な色気をただよわせるまでになった。
……正直、先輩がここまで僕に執着するのもわかる気がする。
まだ男を知らなかった頃のうぶな面影を残しながら、セックスの味をいやというほど教え込まれた、男に抱かれるために存在するような女。しかも、どんなセックスの要求にも応じ、絶対にノーということはないのだ。
「気持ちいいっ♡ 気持ちいいっ♡ 中に出してっ♡ ねえ中に出してっ♡」
黒木先輩とセックスしながら、たまに先輩にいじめられていたときのことを思い出すことがある。
先輩に乳首やおまんこをなめられているとき、あるいは先輩と一緒に身体を震わせながらオルガスムスを迎え中出しされているその瞬間に、高校に入学したばかりの頃、先輩に腹を殴られたりビンタを食らわされたりしたときのことがフラッシュバックのように脳裏に蘇ってくるのだ。
……結局、今の自分はその頃と変わらないのだと思った。
黒木先輩に好きなように弄ばれ、欲望の捌け口にされるだけの存在。ただこの身体が感じるのが痛みか、女としての快楽かが違うだけだ。
ならせめて僕の方でも黒木先輩とのセックスを楽しみ、先輩から与えられる女としての快楽をめいっぱい貪ってやろうと思った。
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