9 / 13
第九話
過去③
しおりを挟む
「ニャーーーーーーーーー!!!!」
モモは苦しそうに呻き、体をバタバタさせる。
そして、しばらく経つと、動きが弱くなり、
ぐったりし始めた。
私は小さなモモを手さげ鞄の中に乱暴にいれ、ハサミをスクールバックの中に入れ、そのままバックを持ち、床についてしまった血を拭き、一旦家の外へ出た。適当に、近くのカフェに入り、何もなかったかのように、今日学校で出された課題を終え、家に帰ると母が青ざめた顔をして私の方に近寄ってきた。
「モモ...知らない...?」
声が震えている。こんなに同様した彼女をみるのは初めてだった。
「知らないけど...え?モモがどうしたの?」
平然とそう答えると母は泣きそうな顔をして
「私が出かけている間にどこかに行ってしまったの...」と答えた。
私は母を優しく抱きしめて、耳元で「私も一緒に探すからとりあえず泣かないで」と優しく背中をさする。
「ありがとう...」
そう弱々しい声で感謝を伝えられる。今まで生きてきて初めての経験だった。
とりあえず、部屋に荷物を置いてくると言い、私は手さげ袋に入れたモモを出す。
部屋のベットの下に置いてあった小さな段ボールに移し替える時、まだモモは少し温かった。ぐったりしていて、今ならまだ助けられるかもしれない。病院に運べば...でも、私の中ではモモの命を救う前にどうしても、もっと苦痛に歪むあの人の表情が見たかった。モモに罪は何もない。でも気に入らない。いきなりきて愛情を注がれているこの子のことも。私は段ボールの蓋を閉め、その中に血がべったりついたハサミも入れた。明日、モモをどこかに埋めに行こう。
気持ちを落ち着かせる為に、私は机の引き出しの中に入れてあるピンク色の日記を取り出し、今日の出来事を描き始めた。
その途中で部屋の向こうから今度は父の声が聞こえた。どうやら仕事から帰宅してきたらしい。また低い怒鳴り声が響く。窓を開けっぱなしにして外出した母をかなり怒っているようだ。我が家はお世辞にも広くはないが、庭付きの一軒家である。
両親は空いていた窓からモモが外に出てしまい、どこかに行ってしまったと考えているようだ。
部屋から出て、2人の顔を見ると、2人とも涙目だった。相当、モモが愛されていたということだ。実の娘より、子猫にそこまで愛着を持っているとは...悲しい気持ちも憎らしい気持ちもあった。
でも.....
それ以上に私は何か満たされる気持ちがあった。
初めて、私は母をそして、父を殺せた気がした....。
モモは苦しそうに呻き、体をバタバタさせる。
そして、しばらく経つと、動きが弱くなり、
ぐったりし始めた。
私は小さなモモを手さげ鞄の中に乱暴にいれ、ハサミをスクールバックの中に入れ、そのままバックを持ち、床についてしまった血を拭き、一旦家の外へ出た。適当に、近くのカフェに入り、何もなかったかのように、今日学校で出された課題を終え、家に帰ると母が青ざめた顔をして私の方に近寄ってきた。
「モモ...知らない...?」
声が震えている。こんなに同様した彼女をみるのは初めてだった。
「知らないけど...え?モモがどうしたの?」
平然とそう答えると母は泣きそうな顔をして
「私が出かけている間にどこかに行ってしまったの...」と答えた。
私は母を優しく抱きしめて、耳元で「私も一緒に探すからとりあえず泣かないで」と優しく背中をさする。
「ありがとう...」
そう弱々しい声で感謝を伝えられる。今まで生きてきて初めての経験だった。
とりあえず、部屋に荷物を置いてくると言い、私は手さげ袋に入れたモモを出す。
部屋のベットの下に置いてあった小さな段ボールに移し替える時、まだモモは少し温かった。ぐったりしていて、今ならまだ助けられるかもしれない。病院に運べば...でも、私の中ではモモの命を救う前にどうしても、もっと苦痛に歪むあの人の表情が見たかった。モモに罪は何もない。でも気に入らない。いきなりきて愛情を注がれているこの子のことも。私は段ボールの蓋を閉め、その中に血がべったりついたハサミも入れた。明日、モモをどこかに埋めに行こう。
気持ちを落ち着かせる為に、私は机の引き出しの中に入れてあるピンク色の日記を取り出し、今日の出来事を描き始めた。
その途中で部屋の向こうから今度は父の声が聞こえた。どうやら仕事から帰宅してきたらしい。また低い怒鳴り声が響く。窓を開けっぱなしにして外出した母をかなり怒っているようだ。我が家はお世辞にも広くはないが、庭付きの一軒家である。
両親は空いていた窓からモモが外に出てしまい、どこかに行ってしまったと考えているようだ。
部屋から出て、2人の顔を見ると、2人とも涙目だった。相当、モモが愛されていたということだ。実の娘より、子猫にそこまで愛着を持っているとは...悲しい気持ちも憎らしい気持ちもあった。
でも.....
それ以上に私は何か満たされる気持ちがあった。
初めて、私は母をそして、父を殺せた気がした....。
0
あなたにおすすめの小説
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
10秒で読めるちょっと怖い話。
絢郷水沙
ホラー
ほんのりと不条理な『ギャグ』が香るホラーテイスト・ショートショートです。意味怖的要素も含んでおりますので、意味怖好きならぜひ読んでみてください。(毎日昼頃1話更新中!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる