侯爵家の清純美少女?いいえ、腹黒ドS大魔王ですが何か?

阿華羽

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19殴り込み決定よね? ーバイオレットー

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 深々と頭を下げた彼女達に、私は座ったまま目線だけを向けた。

 身なりの上等さから言って…高位の貴族かしら?
 でも、何で彼女達が頭を下げる必要があるのかしらね…。

「…………。」

 とりあえず、私から何かを言うつもりも無いし、この人達がどう出るか…判断はそれからね。

「まず、自己紹介をしますね?私の名は「ミランダ=エルドラント」…この国の側妃です。そして、これは実娘の「エマリア」です」

 あら、驚いた。
 まさかの側妃様と王女様だなんて。
 話には聞いた事があるけど…この方が…。
 でも、何でわざわざ謝りに来たのかしら?

 私が口を開かないと悟ったミランダ妃は、深妙な面持ちで口を開いた。

「今回、まさか正妃様が貴女をら……いぇ、囲われるとは思いませんでした」

 今…拉致って言いかけたわね…。

 まぁ、いいわ。
 それより、だからと言って、側妃の地位では正妃に意見出来ないでしょうし?確か側妃である彼女は平民出のはずだ。貴族出の正妃様に何か出来るとは思わないし、この方、何がされたいのかしら。

 私が小首を傾げると、彼女は更に言いにくそうな表情になり…。

「謝罪に来ましたのは、その件ともう一つ。実は、貴女様と、当家の第二王子である「カイル」殿の婚約が、正妃様により受理されまして…。今、トーラス国に使者をたて、準備がすすんでいるのです」

 は?
 今、何て言ったかしら?
 誰とダレが婚約ですって?

 私はその瞬間、自分の中の何かが一気に冷めていく感覚を覚えた。
 怒りからか、微かに拳が震える。

「………そこの扉」
「え?」
「そこの扉、今からぶっ壊すから退いてくださる?」
「え!ちっ、ちょっと待ってください!」
「はぁ?ふざけんじゃ無いわなよ!」

 もう、「地」が出ようが知った事ではない。
 私には愛しの婚約者様がいるのに!何でよりによって、あんなバカ王子と!
 私は魔法を使うべく、ありったけの魔力を練った。

 だいたい、これは国家問題になるわよ!

「まっ、待ってください!それを含め、私達は此処にきたのです」

 ミランダ妃は、魔力を纏わせた私に躊躇なく抱きつき、声を張り上げた。

「此度の件は、実は正妃様とカイル殿の独断なのです!」
「はぁ?何それ!」

 切羽詰まったミランダ妃の言葉に、私は仕方なく魔力を飛散させ、言葉の続きを待った。
 正妃様の独断と言う事は、王すらも聞かされていないのだろう。

「……はっ、はぁっ!話を聞いてください!」

 息を切らしながら、私から離れるミランダ妃を横目に、私はドカリと椅子に腰掛けた。

 ここまで必死になるのだ。何かあるのだろう。
 まぁ、仕方ないから聞くだけ聞きましょうか?

「いいわ。聞かせてくださいな?」
「わっ、分かりました」

 それから、彼女はまず、事の成り立ちから説明してくれた。

 彼女が言うには、兼ねてから好意を持っていた私と結婚したかった殿下は、母親に泣きつき、実力行使に出た。
 流れ的には、先に必要書類を作成し、使者をトーラス国に使わせて、それから私を呼び出し拉致監禁。
 まぁ、ここまでは予想通りだったけど。

「本題はここからです」

 ミランダ妃は、真剣な表情になると、部屋に置かれた盗聴防止用の魔道具をチラリと見、私と視線を合わせた。

「実は、今回の出来事以前から、我が国の王とトーラス国王様との密かな話し合いがあったのです。その内容は…」

 彼女が話を続けようとした、その瞬間。

 バターン!

 ノックも無しに、勢いよく部屋の扉が開かれた。

「バイオレット嬢、会いたかった!」

 この国の第二王子事、カイル殿下だった。
 殿下は、ズカズカと部屋に入って来ると、私の前で片膝を付き、そのま私の手を取った。

 げっ!呆気にとられて、避けれなかったわ!

「あぁ、バイオレット嬢!やっと貴女と幸せになれる」
「………殿下、意味が分かりかねますわ」
「照れなくてもいい。今トーラス国に使者をたててるからね?許可が下りれば、私達は晴れて夫婦だ」

 話噛み合わない。
 てか、寒気までしてきたわ!

「カイル殿?正妃様の所ではなかったのですか?」

 その時、何やら見かねたミランダ妃が口を挟んでくれた。
 彼女とて、話の途中だったのだ。
 きっと、殿下を早く追い出したいのだろう。

 だが、王子から返って来た言葉は予想外なもので…。

「ミランダ様、いらしたのですか?あぁ、エマリアも一緒か。……まぁ、いい。それより、バイオレット嬢!今から父である国王陛下へと謁見に向かう。式の日取りなども話し合わなくてはいけないからな!」

 ………マジ?
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